「カルボシステイン+ブロムヘキシン」だけの市販の去痰薬一覧と比較【薬剤師が解説】

「去痰薬の製品って何があるのかな?」と通販サイトで調べていると、

成分名15歳以上の1日量8~14歳の1日量
L-カルボシステイン750mg375mg
ブロムヘキシン塩酸塩12mg6mg
成分15歳以上
の1日量
8~14歳
の1日量
L-カルボシステイン750mg375mg
ブロムヘキシン塩酸塩12mg6mg

この内容の製品が7つあったので、まとめて一つの記事にしておきます。

この2つ以外の成分が入っているものは、それぞれ個別の記事を書く予定です。

※当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しており、提携リンクを通じて行われる購入から報酬を得ています。
記事の内容については公平かつ独立した立場で書かれています。

目次

各成分の効果・注意点

2つの成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。

各成分名をタップ・クリックするとそれぞれの成分の簡単な解説記事にいきます。

  1. L-カルボシステイン
    • 去痰薬の気道粘液修復薬で、痰をサラサラにして粘膜を正常化し、痰を出しやすくします。
    • 上気道炎や気管支炎、気管支喘息や副鼻腔炎などに使用されます。
    • 副作用は非常に少ないですが、内服後数日経ってから固定薬疹が出ることが稀にあります。
  2. ブロムヘキシン塩酸塩
    • 気道の粘液をサラサラにし、痰を切れやすくする効果があります。
    • 使用開始時には一時的に痰の量が増えることがあります。

固定薬疹
・同じ薬剤を摂取すると同じ部位に再発。
・発疹は丸いまたは楕円形の紅斑が多く、色素沈着が残ることが多い。
・痒みや痛みを伴うこともある。
・中止すれば治癒しやすいが、再投与すると再発。

他の成分の薬を探してる方はこちらから。
成分の一覧表

製品一覧

先に製品一覧を載せておきます。
AmazonとかYahooとか楽天で探しました。

※ここでご紹介している製品がすべてではないかもしれません。
あと、すでに製造中止になっている製品もあるかもしれません。
そのへんはご了承くださいますようお願い申し上げます。

※ここに書いてある値段は、2025年4月時点のものです。

製品名剤形包装値段1日あたりの値段
エフストリン去たん錠30錠880~1,200円176~240円
去痰CB錠30錠650~1,300円130~260円
クールワン去たんソフトカプセルカプセル24C
48C
1,200~1,500円
1,900~2,500円
300~375円
238~625円
ストナ去たんカプセルカプセル18C
36C
600~1,000円
1,000~1,800円
200~333円
167~300円
セキセチン去たんカプセルカプセル24C1,200~2,000円300~500円
ビタトレール去たん錠30錠450~1,000円90~200円
ベリエッサ・ワン去たん錠30錠1,100~1,600円220~320円
スクロールできます
製品名剤形包装値段1日あたりの値段
エフストリン
去たん錠
30錠880~1,200円176~240円
去痰CB錠30錠650~1,300円130~260円
クールワン去たん
ソフトカプセル
カプセル24C
48C
1,200~1,500円
1,900~2,500円
300~375円
238~625円
ストナ去たん
カプセル
カプセル18C
36C
600~1,000円
1,000~1,800円
200~333円
167~300円
セキセチン去たん
カプセル
カプセル24C1,200~2,000円300~500円
ビタトレール
去たん錠
30錠450~1,000円90~200円
ベリエッサ・ワン
去たん錠
30錠1,100~1,600円220~320円

※「1日あたりの値段」は1日6錠で計算しています。

添加物の違いとして、アレルギーのある方が注意したいものには以下のようなものがあります。

  • 赤色102号:『クールワン去たんソフトカプセル』
  • パラベン:『クールワン去たんソフトカプセル』、『ストナ去たんカプセル』

心配な方は購入前にパッケージを見て添加物を確認しておくと安心ですね。

添加物はそれぞれ違いますが、それ以外の違いとしては

  • 錠剤 or カプセル
  • 値段

だけでしょうか。
『ビタトレール去たん錠』と『ベリエッサ・ワン去たん錠』は添加物すら同じです。製造元は違うようですけど。

錠剤かカプセルかは好みですね。どちらが良いとかはありません。
ただ、値段を見るとカプセルのは総じて高めかな?

単純に値段だけで見ると『ビタトレール去たん錠』ですね。
一応広告を載せておきます。

使い方(用法・用量)

すべての製品で同じ用法・用量となっています。

年齢1回の服用量1日の服用回数
15歳以上2錠(カプセル)3回
8~14歳1錠(カプセル)3回

一応「食後に」ということになってますが、胃に負担はかかりにくいので空腹時でも問題ありません。
3~4時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用して大丈夫です。

これは咳止めと違い頓用って感じのものではないので、痰が気にならなくなるまでは継続して服用していた方が良いかと思います。

8歳未満には服用させないこと、とのことです。
単純に1錠(カプセル)の量の問題かと思います。

製品全体としての注意点

注意してほしいこと

これらの製品自体に特別な注意点は少ないですが、一つだけ注意を。

  • 服用回数:「3~4日間服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師等に相談を」となっています。
    • 風邪の時など一時的な痰に使うのは良いのですが、長期間症状が続いてる場合は受診した方が良いでしょう。
      痰が出る原因としては、肺炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、気管支拡張症、結核、肺がんなどいろいろあります。

妊娠・授乳中の使用について

大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。

クリック・タップで開きます。

妊娠中の方

この製品の説明書では
服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
という書き方になっています。

この製品については気にしなくて良いと思います。

ただ、一応原則として、妊娠している方は市販薬を使わず、受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)

授乳中の方

この製品の説明書には何も記載がありません。

特に問題ないと考えます。

カルボシステインは生後1ヵ月くらいから使いますしね。
ブロムヘキシンも適応外ではありますが1歳くらいから使えます。
2つとも安全性の高い薬ですね。

「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。

心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
4時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。

心配な方は、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。

妊娠・授乳中の薬物治療に関して不安を持つ方も多いかと思います。
そういう方の相談に乗ってくれる機関があるのでそこのサイトのリンクを貼っておきます。
妊娠と薬情報センター:https://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html

これらの製品の特徴や利点、個人的な感想

これらの製品は、作用の違う去痰薬を2種類配合しています。

カルボシステイン痰そのものをサラサラにすることで、
ブロムヘキシン気道の滑りをよくすることで、
それぞれ痰を出しやすくします。
(ブロムヘキシンも痰をサラサラにする効果がありますが)

去痰薬は副作用が少なく使いやすいのですが、単独ではちょっと効果がいまいちだな~と感じることも多いです。
作用の違うものを合わせて使うと効果的ですね。危険性が高まるわけでもないですし。

ブロムヘキシンは今は内服ではあまり使われないでしょうか。吸入とか注射はありますね。

小児科ではよくカルボシスイテンとアンブロキソールの混合の粉薬が処方されますね。
お子さんがいる方は見た事があるかと思います。

カルボシステイン単独の市販薬もありますが、どちらかというとこちらの製品の方が使いやすいかもしれません。

ただ、カルボシステインの量が少なめとなっていて、医療用の半分の750mg/日です。
(市販薬は基本的には750mg/日までという基準があります。1,500mg/日のも例外的にありますが)
ブロムヘキシンは医療用のと同じ量ですね。

成分の組み合わせとしては悪くないのですが、正直この量(特にカルボシステイン)だと、人によっては「思ったより効かない…」と思われるかもしれません。

ちなみに、これは完全に個人的な話ですが…
自分が使うとしたら倍量にするかもな」とは思います。
(つまり1回4錠・1日3回)
※もちろん、これは推奨するものではありませんし、薬剤師という立場でもおすすめできません。

ブロムヘキシンを通常の倍量使ったところで何か問題あるかといえば何もないでしょうけどね。
でも立場上はお勧めできません。でも自分なら倍量使います。
「自己責任でやるなら…」というだけの話ですね。

カルボシステイン単独で1日1,500mgの製品はあります(『ムコダイン去たん錠Pro500』)。
アンブロキソールかブロムヘキシンの単独の製品があれば、組み合わせて使えたんですけどね。今のところそういう製品は無いようですね。残念。

風邪の時など、痰が絡む咳が出る場合は咳止めではなく去痰薬を使用した方が良いかと思います。

咳止めはたしかに咳を抑える効果はあるかもしれませんが、その有効性ははっきりしません。
逆に痰を硬くして出しにくくする可能性があるので、痰が絡んだ咳が出る場合は咳止めは使用しない方が良いでしょう。

といっても大体の風邪薬(総合感冒薬)には咳止めが入っています。
なるべく去痰薬入りのを選ぶか、去痰薬を別に買って一緒に使用した方が良いと思います。お金かかるけど。

あと、これらの製品は余計な成分も入ってないし長期で使用しても問題はないのですが、そもそも「去痰薬を長期で使用する必要がある」という状態は正常ではないので、受診して痰の原因をはっきりさせた方が良いでしょう。

まとめ

この記事では、成人用量として
・カルボシステイン:1日750mg
・ブロムヘキシン:1日12mg
の市販の去痰薬7つをご紹介しました。

去痰薬が2種類のみで他の成分が入ってない、ということで使いやすいかと思います。

風邪をひいた時に、症状が痰が絡んだ咳だけであればこういう製品も良いでしょうね。
ジヒドロコデインのような咳止めはあくまで乾いた咳に頓用で使用するものです。

咳・痰以外にも症状がある場合は総合感冒薬を使うと思いますが、なるべく去痰薬入りのを選ぶようにしてください。
もし去痰薬が入ってない薬であれば、こういった製品を追加で使うのも良いでしょうね。

7つの製品のどれが良いかは、ご自身の好みや重視するポイント(価格、剤形など)に合わせて選んでみてください。
価格を重視するなら『ビタトレール去たん錠』(全部の中で一番安い)
カプセルが飲みやすい方は『ストナ去たんカプセル』(カプセルの中で一番安い)
といったところでしょうか。

『ビタトレール去たん錠』がこれで…

『ストナ去たんカプセル』がこっちです。

咳や痰の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。

ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。

効果を感じられない場合や症状が改善しない場合は、医療機関を受診することをお勧めします

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