『新コンタック®せき止めダブル持続性』の特徴・効果・注意点【薬剤師が解説】

この製品は、

  • 成分構成がシンプル
  • 1日2回の服用でいい

というのが特徴ですね。

成分は中枢性鎮咳薬と気管支拡張薬のみです。抗ヒスタミン薬やカフェインは入ってません。
全体的な成分量は他の製品と比べると少ないので、効果もそれなりでしょう。

眠気は少なめだと思うので日中にも使いやすいですね。

去痰薬は入っていません。一応、他の咳止めと同じく痰が絡まない咳に使用した方が良いでしょう。

他の咳止めと比べると余計な成分が入ってないので使いやすいかと思います。

他の咳止めについては一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
鎮咳去痰薬の一覧表

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目次

基本情報

製造販売元:Haleonジャパン

・主な成分

成分名1日量(15歳以上の)はたらき
デキストロメトルファン
臭化水素酸塩水和物
60mg咳を抑える
ジプロフィリン200mg気管支をひろげ呼吸を楽にする
成分名1日量
(15歳以上の)
はたらき
デキストロメトルファン
臭化水素酸塩水和物
60mg咳を抑える
ジプロフィリン200mg気管支をひろげ
呼吸を楽にする

・包装

カプセル剤:12カプセル・24カプセル
(PTP包装)

各成分の効果・注意点

『新コンタックせき止めダブル持続性』の主要成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。

各成分名をタップ・クリックするとそれぞれの成分の簡単な解説記事にいきます。

  1. デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
    • 中枢性の非麻薬性鎮咳薬で、咳を抑える効果があります(とされていますが、急性上気道炎に対する有効性は示されていません)。
    • 吐き気や眠気、めまいなどの副作用が出る可能性があります。重大な副作用として呼吸抑制あり。
    • セロトニン症候群の危険性あり。パーキンソン病薬や抗うつ剤を服用中の方は注意してください。
    • 乱用による死亡例あり。通常用量であれば心配いりません。適正な使用を。
  2. ジプロフィリン
    • 気管支拡張作用があり呼吸を楽にします。
    • カフェインや、マオウ(麻黄)を含む漢方薬との併用には注意してください(マオウを含む漢方薬は、ジプロフィリンの記事の一番下にリストを載せてます)。

他の成分の薬を探してる方はこちらから。
成分の一覧表

使い方(用法・用量)

年齢1回の服用量1日の服用回数
15歳以上1カプセル2回(朝・夕)

「食後」の指定はありません。

1日2回タイプとなっています。服用間隔は6~8時間程度空ければ良いでしょうね。
持続性のため頓用での使用には向いてません。

15歳未満の方は服用しないでくださいとのことです。
成分自体は小児でも使用可能ですが、15歳以上が1回1カプセルのため量の調節ができないからですね。

製品全体としての注意点

注意してほしいこと

いくつか注意点を書いておきます。

  • 眠気に注意:眠気が出る可能性があるので注意してください。
    • 服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。
    • ただ、この製品には抗ヒスタミン薬も入ってませんし、他の製品よりもだいぶ眠気は少ないかと思います。
  • 喘息治療中の方
    • 気管支拡張薬のジプロフィリンが入っています。喘息を治療中の方はすでに似たような薬を服用してる可能性があります(テオフィリン、テオドール、ユニフィルなど)。過剰摂取にならないように注意してください。
  • MAO阻害薬・SSRIを服用中の方:製品の説明書には書いてないですが、セロトニン症候群があらわれることがあります。
    • MAO阻害薬はパーキンソン病の治療に使われる薬です(「セレギリン」「エフピー」「アジレクト」など)。
    • SSRIは抗うつ剤です(「パロキセチン」「エスシタロプラム」「セルトラリン」など)。
    • 併用禁忌ではありませんが、興奮・意識障害震え・けいれん発汗・発熱などがあれば中止して受診してください。
  • 服用回数:「5~6 回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師等に相談を」となっています。
    • こういう咳止めは咳を一時的に鎮めるだけのものであり、咳の原因を治すものではありません。症状が長引いている場合は医師の診察を受けてください。
    • オーバードーズ(過剰摂取)の問題もあります。

薬物乱用について

他のところにも書いてるので折り畳みにしておきます。

クリック・タップで開きます。

近年、ジヒドロコデインに変わって乱用が増加してきているのが、このデキストロメトルファンです。
(ジヒドロコデインも咳止めです)

デキストロメトルファンは通常使う量であれば安全な成分ですが、高用量を摂取オーバードーズ)することで多幸感幻覚作用解離性作用を引き起こすことがあります。

特に若年層の間で薬物乱用の報告があり、一部の国では販売規制が設けられています。

乱用は重篤な副作用を引き起こす可能性があり、特に呼吸抑制意識障害セロトニン症候群横紋筋融解症(筋肉の壊死により急性腎不全を起こす)などが発生するリスクがあります。
日本でも急性中毒による死亡例があります。

必ず用法・用量を守って使用してください

妊娠・授乳中の使用について

大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。

クリック・タップで開きます。

妊娠中の方

この製品の説明書では
服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
という書き方になっています。

デキストロメトルファンは
豪州ADEC基準A(多数の妊婦に使用経験あるけど、有害事象が増えたという証拠はない)
Briggs基準適合1(妊娠中の投与に適する)
となっています。

ジプロフィリンはデータがありません。医療用の添付文書では
「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。テオフィリンの動物実験で催奇形作用等の生殖毒性が報告されている」
とのことです。

ただ、そのテオフィリンも豪州ADECという基準では「A」、Briggs基準でも「適合1」となっていて「妊娠中の投与に適する」となってますね。

ジプロフィリン自体で催奇形作用が報告されてるわけではないですし、そこまで心配は要らないかと思います。

ただ、服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
原則として、妊娠している方は市販薬を使わず、受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)

授乳中の方

この製品の説明書には、授乳に関しては何も記載がありません。

Mothers’ Milk基準では、

  • デキストロメトルファン:L3(概ね適合)

となっています。

デキストロメトルファンは授乳中の方にもよく処方されていますね。
生後3ヵ月から使えますし。

ジプロフィリンについてはデータがないのですが、同じ系統のテオフィリンやアミノフィリンという薬はL3(概ね適合)となっています。

「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。

心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
6~8時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。

心配な方は、薬を服用中は一時的に粉ミルクを利用する方法もあります。

妊娠・授乳中の薬物治療に関して不安を持つ方も多いかと思います。
そういう方の相談に乗ってくれる機関があるのでそこのサイトのリンクを貼っておきます。
妊娠と薬情報センター:https://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html

製品の特徴や利点、個人的な感想

この製品の特徴は、

  • 成分構成がシンプル
  • 持続性である(1日2回の服用)

という事でしょうか。

配合されているのは中枢性鎮咳薬と気管支拡張薬の2つのみです。
抗ヒスタミン薬やカフェインは入っていません。

1日2回の服用で良いのですが、市販の鎮咳去痰薬の分類だと1日2回の製品は調べた限りでは5製品のみでした。
風邪薬では1日2回の製品はそれなりにありますが、咳止めでは珍しいようですね。

中枢性鎮咳薬はデキストロメトルファンが配合されています。市販薬としての最大量の60mg/日。
(『メジコンせき止め錠Pro』はなぜか1日90mgとなってます。医療用と同じですね)

ジヒドロコデインと比べると効果は劣りますが、安全性は高めです。妊娠中や授乳中の方に咳止めを使うときは、基本的にはデキストロメトルファンが処方されることが多いですね。

気管支拡張薬は、市販薬でよく使われているメチルエフェドリンではなくてジプロフィリンが入っています。
これも特徴ですね。咳に、というか主に喘息に使われる薬です。
市販の咳止めには300mg/日まで配合できますが、この製品は200mg/日とちょっと少なめ。
といっても、医療用の咳止めの「カフコデN配合錠」では120mg/日なのでそれよりは多め。

メチルエフェドリンには弱いですが中枢性の鎮咳作用もあります。ジプロフィリンは純粋な気管支拡張ですね。

他の製品だと中枢性鎮咳薬や気管支拡張薬が2種類ずつ入ってるものもあるので、この製品は全体的な成分量は多くはありません。効果としては少し弱いかも。
でも余計な成分が入ってなくて使いやすいとは思います。

他の咳止めだと抗ヒスタミン薬も入っていることが多いですが、アレルギー性の咳でなければ必要のない成分ですね。
逆に、アレルギー性の咳であれば中枢性鎮咳薬は使わないので、一緒に配合されている製品はちょっと使いにくいです。

この製品も一応他の咳止めと同じく、痰の絡まない咳に使用してください。
中枢性の鎮咳薬は痰を硬くして出しにくくする可能性がありますし、この製品には去痰薬は入っていません。
抗ヒスタミン薬は入ってないのでそれほど問題はないかと思いますが、できれば風邪が治った後も続く咳に使用するくらいにしておいた方が良いかと思います。

こういう中枢性の鎮咳薬が入っている薬は症状が酷い時だけ使用する方が良いのですが、持続性ということでそういう使い方にはあまり向いてないかもしれません。
夜間に咳が出て目が覚めてしんどい、というときには使えるでしょうか。
眠気は少なめだと思うので日中も使いやすくはあります。

一応「徐放性顆粒の外側を速放性の層でおおった多重顆粒を充填したカプセル剤」ということなので、飲んだらすぐに効くようにはなっているようですね。

また、中枢性鎮咳薬は痰の絡まない咳(乾性咳嗽)に使うものですが、痰の絡まない咳の原因もさまざまです。
咳喘息、アトピー咳嗽、胃食道逆流症、百日咳、気管結核、マイコプラズマ、薬によるものなどいろいろあります。

製品の説明書にも書いてある通り、5~6回使用しても良くならないようであれば受診して原因をはっきりさせた方が良いでしょう。

痰の絡む咳が出る方は、効果は弱いかもしれませんが去痰薬だけの製品を使った方が良いかと思います。

去痰薬は以下のような成分があります。
解説記事にその成分を含む製品一覧も載せてるので興味があれば見てみてください。
カルボシステイン
アンブロキソール
ブロムヘキシン
グアイフェネシン
グアヤコールスルホン酸

去痰薬だけの製品はこんなのがあります。

カルボシステインとブロムヘキシンは作用が違うため、合わせて使うとより効果的です。

あと、カルボシステインだけの製品もありますね。
これはちょっと値段が高いのであまりお勧めできませんけど。

使用した方の口コミ・レビュー、値段など

「ものログ」というサイトの口コミです。

良い評価としては、

「飲んでわりとすぐに咳と痰がおさまってきた」
「眠くなりにくいのでよい」
「咳止めに特化してるのも良い」

といった具合。

否定的な意見としては、

「残念ながら効果はあまり感じられませんでした」
「個人的に咳は止まりませんでした」
「咳も止まらないし痰も絡む」

といった感じ。

効果に対する評価はそこそこですね。
すぐ効いた、という人もいれば全然効かないという人も。

咳といってもいろいろ原因がありますし、薬を飲んでも止まらないようなら受診ですね。

否定的な意見の方は効果に対するものだけでした。副作用などについて書いてる人はいませんでしたね。
安全性は高いと思います。効果がないと意味がないけど。

値段について

希望小売価格は見当たりませんでした。オープン価格だそうです。

Yahooショッピング(送料含まず)で見てみると、

包装値段1日分に換算
12カプセル1,100~1,600円183~267円
24カプセル2,000~2,400円167~200円

※1日分のは1日2カプセルで計算
※2025年5月時点です。

こんな感じでした。Amazonや楽天だと違うかもしれません。

咳止めとしては高くはないのですが、成分量から考えると微妙なところ。

この記事を読んで「買おうかな?」と興味を持たれた方へ

まとめ

この記事では『新コンタックせき止めダブル持続性』について、各成分の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。

この製品は持続性であり、1日2回の服用で良いというのが特徴ですね。
1回1カプセルというのもちょっとしたポイント。錠剤のだと1回4錠とかのもありますし。

中枢性鎮咳薬はデキストロメトルファンですが、ジヒドロコデインよりは効果は劣ります。その分安全性は高く、よく妊婦さんや授乳中の方にも使われますね。

抗ヒスタミン薬が入ってないので眠気も少ないと思います。
デキストロメトルファンでも眠くなる人はいると思いますが、それほど強くはないですし。

去痰薬は入っていません。
他の咳止めと同じく「痰の絡まない咳」だけに使用した方が良いかと思います。

また、デキストロメトルファンのような中枢性の鎮咳薬は長期で使用するものではありません。
一時的な症状緩和が目的であり、根本治療ではありません。

過量服用・長期連用はしないでください。
用法・用量は必ず守って服用するよう、お願いいたします。

他の咳止めについては一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
鎮咳去痰薬の一覧表

咳の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。

ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。

効果を感じられない場合や症状が改善しない場合は、医療機関を受診することをお勧めします

上の方でも紹介しましたが、再度リンクを貼っておきます

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