
この製品はカルボシステインだけを含む去痰薬で、成分がシンプルな分使いやすいと思います。
風邪をひいた時に症状が「痰が絡んだ咳が出る」だけであれば、総合感冒薬ではなくてこの薬で良いかもしれませんね。
(「痰が絡んだ咳が出る」ときは、なるべく咳止めは使わない方が良いです)
他にも熱とか鼻水とかの症状がある場合は総合感冒薬を使うと思いますが、去痰薬が入ってない製品も多いです。
去痰薬の入ってない総合感冒薬を使う時に、この製品を追加して使用するのも良いでしょうね。
ただ、値段が高いです。ちょっと高い、くらいならまだ良いのですが。
去痰薬自体あまり効果を実感しにくい薬なので、値段に見合ったものかどうか、記事を読んで判断していただけたらと思います。
基本情報
・製造販売元:シオノギヘルスケア
(となっているのですが、実際の製造は医療用ムコダインを作っている杏林製薬のようです)
・主な成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
L-カルボシステイン | 1,500mg | 気道の粘液や粘膜を 正常な状態に近づける |
成分名 | 1日量 (15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
L-カルボシステイン | 1,500mg | 気道の粘液や粘膜を 正常な状態に近づける |
・包装
錠剤:10錠・20錠
(PTP包装)
成分の効果・注意点
「カルボシステイン」については下の記事に書いてます。

作用・使用上の注意・製品一覧 「カルボシステイン」についての簡単な解説です。 カルボシステインを含む市販薬の製品一覧 解説記事を書いたことのある製品を載せています。 ※ここでご紹介している製…
ここには効果と注意点などを簡単に書いておきます。
- L-カルボシステイン
- 去痰薬の気道粘液修復薬で、痰をサラサラにして粘膜を正常化し、痰を出しやすくします。
- 上気道炎や気管支炎、気管支喘息や副鼻腔炎などに使用されます。
- 副作用は非常に少ないですが、内服後数日経ってから固定薬疹が出ることが稀にあります。
使い方(用法・用量)
年齢 | 1回の服用量 | 1日の服用回数 |
---|---|---|
15歳以上 | 1錠 | 3回 |
「食後」の指定はなく、胃に負担はかかりにくいので空腹時でも問題ありません。
4時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用して大丈夫です。
これは咳止めと違い頓用って感じのものではないので、痰が気にならなくなるまでは継続して服用していた方が良いかと思います。
15歳未満には服用させないこと、とのことです。
1錠で500mgあるからですね。1錠250mgなら15歳未満も使えたのに。
ムコダインには粉薬もシロップもあって、生後1ヵ月くらいから使われてますね。
体重1kgあたり1日30mgなので、一応50kgで1日1,500mgとなります。
成人であれば体重に関係なく1,500mgが標準的な使用量ですね。
製品全体としての注意点
注意してほしいこと
カルボシステインだけなので製品自体に特別な注意点は少ないですが、一つだけ注意を。
- 服用回数:「5~6回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師等に相談を」となっています。
- 風邪の時など一時的な痰に使うのは良いのですが、長期間症状が続いてる場合は受診した方が良いでしょう。
痰が出る原因としては、肺炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、気管支拡張症、結核、肺がんなどいろいろあります。
- 風邪の時など一時的な痰に使うのは良いのですが、長期間症状が続いてる場合は受診した方が良いでしょう。
妊娠・授乳中の使用について
大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。
クリック・タップで開きます。
妊娠中の方
この製品の説明書では
「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」
という書き方になっています。
この製品については気にしなくて良いと思います。
ただ、一応原則として、妊娠している方は市販薬を使わず、受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)
授乳中の方
この製品の説明書では
「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」
という書き方になっています。
問題ないと考えます。
カルボシステインは生後1ヵ月くらいから使いますしね。安全性の高い薬です。
「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
4時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
心配な方は、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。
製品の特徴や利点、個人的な感想
カルボシステイン単独の製品となっています。とても使いやすいですね。
また、この製品は1回500mg・1日3回で1日1,500mgとなっています。
これは医療用の「ムコダイン錠」と同じ用法・用量です。
市販薬の場合、去痰薬でも風邪薬でも一応は1日750mgまでとなっているのですが、なぜか1日1,500mgです。
どうも医療用医薬品と同じ名前の製品は、そういう市販薬の基準は関係ないっぽいですね。メーカーが同じだし実績があるからという事なのかな?
ただ、単独で使ってもあまり効果を実感できるものではないと思います。
できれば違う作用の去痰薬(「アンブロキソール」や「ブロムヘキシン」)も一緒に使うと効果的かな、と思います。
風邪の時は上二つの成分のどちらかが入っている風邪薬にこの製品を追加しても良いでしょう。
風邪の時に痰が絡んで咳が出る場合は、なるべくなら咳止めは使わずに去痰薬だけの方が良いかと思います。
咳止めはたしかに咳を抑える効果はあるかもしれませんが、その有効性ははっきりしません。
逆に痰を硬くして出しにくくする可能性があるので、痰が絡んだ咳が出る場合は咳止めは使用しない方が良いでしょう。
といっても大体の風邪薬(総合感冒薬)には咳止めが入っています。
なるべく去痰薬入りのを選ぶか、去痰薬を別に買って一緒に使用した方が良いと思います。お金かかるけど。
あと、この製品は余計な成分も入ってないし長期で使用しても問題はないのですが、そもそも「去痰薬を長期で使用する必要がある」という状態は正常ではないので、受診して痰の原因をはっきりさせた方が良いでしょう。
使用した方の口コミ・レビュー、値段など
「ものログ」というサイトの口コミです。
良い評価としては、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。
効果があるという声がそれなりにありますね。「医療用と同じ」というバイアスがかかってるのかもしれませんけど。
値段が高いという意見は多いですね。長期で飲むのが前提なら病院で処方してもらった方が良いですね。
値段について
メーカーの希望小売価格(税込)を見ると、
10錠 | 1,529円 |
20錠 | 2,541円 |
ということでした。
Yahooショッピング(送料含まず)で見てみると、
包装 | 値段 | 1日分に換算 |
10錠 | 1,150~1,600円 | 345~480円 |
20錠 | 1,900~2,500円 | 285~375円 |
※1日分のは1日3錠で計算
※2025年4月時点です。
こんな感じでした。あんまり高いのは除外しています。
ん~、やけに高いですね。医療用の薬価は先発も後発も10.4円(2025年4月時点)なのですが…
1日3錠で約31円なので、10倍くらい?なんでこんなことになってるのかな。
医療用のはず~っと手に入りにくい状況が続いてるのですが、この製品はたくさん売ってました。
メーカーさんとしては1錠10円で売るより1錠100円で売った方が良いですもんね。
現場の人間としては思う所がありますが…。
この記事を読んでそれでも「買おうかな?」と興味を持たれた方へ
まとめ
この記事では『ムコダイン去たん錠Pro500』について、各成分の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。
カルボシステイン単独の製品で使いやすいですね。
痰が絡む咳が出る場合は、咳止めではなくて去痰薬を服用した方が効果がある場合があります。
というより、痰が絡むときには咳止めは服用せず、去痰薬だけにした方が良いかと思います。
風邪の時も痰が出る時はなるべく去痰薬の入った製品を選ぶようにしてください(咳止めの入ってない製品はほぼありません)。
去痰薬の入ってない風邪薬にこの製品を合わせて飲んでも良いかと思います。
ただ、値段が高いのがネックですね。
そして、たぶん値段に見合った効果は実感できないかと思います。
咳や痰の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や症状が改善しない場合は、医療機関を受診することをお勧めします。
上の方でも紹介しましたが、再度リンクを貼っておきます
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