「クロルフェニラミン」についての簡単な解説です。
クロルフェニラミンを含む市販薬の製品一覧
解説記事を書いたことのある製品を載せています。
風邪薬(総合感冒薬)
d–クロルフェニラミンを含む製品
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製品名をクリック・タップすると、その製品の解説記事にいきます。
製品名 | 1日あたりの成分量 |
---|---|
持続性パブロン錠 | 3.5mg |
新コンタックかぜ総合 | 3.5mg |
新コンタックかぜEX持続性 | 3.5mg |
ストナアイビージェルEX | 3.5mg |
パブロンセレクトN | 3.5mg |
ベンザブロックIPプレミアム | 3.5mg |
ベンザブロックLプレミアム | 3.5mg |
ベンザブロックS | 3.5mg |
ベンザブロックSプレミアム | 3.5mg |
ルルアタックCX | 3.5mg |
ルルアタックEXプレミアム | 3.5mg |
ルルアタックNXプレミアム | 3.5mg |
すべて1日3.5mgとなっています。
風邪薬に配合できる最大用量ですね。
(「かぜ薬の製造販売承認基準について」より)
dl–クロルフェニラミンを含む製品
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製品名 | 1日あたりの成分量 |
---|---|
エスタックイブ | 7.5mg |
エスタック総合感冒 | 7.5mg |
エスタックEXネオ | 7.5mg |
新コンタック総合かぜ薬 トリプルショット | 7.5mg |
ストナファミリー | 7.5mg |
パブロンエースPro | 7.5mg |
パブロンエースPro-X | 7.5mg |
パブロンゴールドA | 7.5mg |
パブロンセレクトT | 7.5mg |
パブロンSゴールドW | 7.5mg |
プレコール持続性カプセル | 7.5mg |
ベンザブロックIP | 7.5mg |
ベンザブロックL | 7.5mg |
ルルアタックCXプレミアム | 7.5mg |
すべて1日7.5mgになっています。
こちらも風邪薬に配合できる最大用量ですね。
(「かぜ薬の製造販売承認基準について」より)
鼻炎薬(飲み薬)
d–クロルフェニラミンを含む製品
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製品名 | 1日あたりの成分量 |
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コルゲンコーワ鼻炎 ジェルカプセルα | 6mg |
ストナリニ・サット | 6mg |
鼻炎用内服薬に配合できる最大用量は1日6mgとなっています。
(「鼻炎用内服薬の製造販売承認基準について」より)
dl–クロルフェニラミンを含む製品
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製品名 | 1日あたりの成分量 |
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アネトン アルメディ鼻炎錠 | 12mg |
新コンタック600プラス | 8mg |
ストナリニS | 12mg |
鼻炎用内服薬に配合できる最大用量は1日12mgとなっています。
(「鼻炎用内服薬の製造販売承認基準について」より)
鼻炎薬(点鼻薬)
dl–クロルフェニラミンを含む製品
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製品名 | 1日あたりの成分量 |
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パブロン点鼻 | 0.5g/100ml |
市販の点鼻薬は0.5%(0.5g/100ml)が最大濃度となっています。
(「鼻炎用点鼻薬製造(輸入)承認基準について」より)
分類・作用機序
上の構造式は「d-クロルフェニラミンマレイン酸塩」のものです。
「dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩」は、上のものと、その鏡像異性体(つまりl-体)を含みます。
この「l-体」は「d-体」と比べると抗ヒスタミン作用が弱く、眠気の副作用が強めです。
「l-体」のメリットは特にないので、「d-体」のみを入れている製品も多いですね。
分類
「第一世代抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)」となります。
抗ヒスタミン薬には第一世代と第二世代がありますが、1983年以降に発売されたものが第二世代となります。
ヒスタミンの受容体はH1~H4が知られていますが、この系統の薬はH1受容体の働きを抑えます。
(H2受容体遮断は胃薬、H3受容体遮断は眩暈に使ったりします)
単に「抗ヒスタミン薬」といった場合は、通常はこの「H1受容体拮抗薬」の事をいいます。
作用機序
花粉などのアレルゲンがマスト細胞などを刺激すると、そこからヒスタミンという物質が出てきます。
そのヒスタミンが気管支や血管の平滑筋、血管内皮細胞、知覚神経などにあるH1受容体にくっつくと、鼻水やくしゃみ、かゆみなどのアレルギー症状が出てきます。
抗ヒスタミン薬はこのH1受容体を競合的にブロックします。
図にするとこんな感じ。
H1受容体はヒスタミンがなくてもある程度活性化しているのですが、抗ヒスタミン薬は逆作動薬(インバース・アゴニスト)として、この働きも抑えます。
効果や使用方法
効果
鼻水やくしゃみ、かゆみなどのアレルギー症状を緩和します。
ただ、鼻づまりには効果はほぼありません。
第二世代の方は鼻づまりにも多少効果があるとされています(弱いと思いますけど)。
また、第一世代特有ですが、抗コリン作用、抗嘔吐作用、中枢神経作用、局所麻酔作用などがありますね。
でも抗コリン作用はこの薬においては副作用扱いなので、無い方がいいですね。
※抗コリン作用には「分泌を抑える」という作用もあるため、鼻水の分泌抑制の目的であえて抗コリン薬を入れている風邪薬や鼻炎薬もあります。
あと、第二世代と比べると効果の発現が早めですね。
医療用の使用例
この系統はアレルギー性疾患全般に使われています。
アレルギー性鼻炎、上気道炎の鼻水・くしゃみ、蕁麻疹、湿疹など。
とにかく鼻水やくしゃみ、痒みがあればこの系統を使いますね。
ただ、鼻水や痒みには第一選択にはならないかと思います。
第二世代が効かなかった場合に使う感じですね。
ただ、この「d-体」だけのは今でも結構使われています。(ポララミン)
速効性もあるので、蕁麻疹のときにもよく使います。
眠気は出るけど効果もある、といった感じ。
「dl-体」の方はほとんど使われていないと思いますけど。
用法・用量
市販薬だと基本的には
・風邪薬:「d-体」は1日3.5mgを、「dl-体」は1日7.5mgを、それぞれ1日2~3回に分けて服用
・鼻炎薬:「d-体」は1日6mgを、「dl-体」は1日8~12mgを、それぞれ1日2~3回に分けて服用
となっていますね。
鼻炎薬の方が多めになっています。
(点鼻薬はこの成分がメインではないため割愛します(血管収縮剤がメイン))
医療用では
・「d-体」:1回2mg・1日1~4回、
または徐放錠を1回6mg・1日2回
・「dl-体」:1回2~6mg・1日2~4回
となっています。
風邪でも鼻炎でも痒みでも同じです。
こうして見ると、市販薬は医療用の最大用量の半分までしか使えないんですね。
小児にもたまに使われています。
(低出生体重児、新生児は禁忌)
ただ、抗コリン作用が問題になる事もあるので、小児には基本的には第二世代を使うことが多いと思います。
使用上の注意点
禁忌
抗コリン作用により眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあるので、
・閉塞隅角緑内障
・前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患
のある方には禁忌となっています。
と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。
主治医に訊いてみてください。
副作用
出やすい副作用としては
・眠気
・口渇
があります。
ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。
それでも最初に飲んだ時は注意してください。
口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。
相互作用
併用禁忌のものはありませんが、いくつか併用注意のものがあります。
医療用の「ポララミン」の添付文書に書いてあるものをそのまま載せておきます。
(ポララミンは「d-体」ですが、「dl-体」も同じになります)
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|---|---|
・中枢神経抑制剤 バルビツール酸誘導体、 プリミドン ・アルコール ・MAO阻害剤 ・抗コリン作用を有する薬剤 チキジウム臭化物、アトロピン硫酸塩水和物、ブチルスコポラミン臭化物 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には、減量するなど慎重に投与すること。 | 中枢神経抑制剤、アルコール:本剤の中枢抑制作用により、作用が増強される。 MAO阻害剤:本剤の解毒機構に干渉し、作用を遷延化し増強することがある。 |
ドロキシドパ ノルアドレナリン | 併用により血圧の異常上昇を来すおそれがある。 | 本剤はヒスタミンによる毛細血管拡張を抑制する。 |
併用禁忌というわけではないので、なんか眠いな~、ふらふらするな~と感じたら風邪薬の量を減らして様子をみてください。
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