風邪薬を買いにお店に行くと、たくさん種類がありますよね。
「え…どれを買えば良いんだろう?」と迷う事って多いと思います。
「とにかく値段が高い方が効くのでは⁉」と考える方も多いのではないかと思いますが…
本当にそうでしょうか?
お店の人に相談しても良いのですが、あの人たちは基本的には「その人に合ってるもの」ではなく「店側が売りたいもの」をお勧めしてきます。どんなお店でもそうですけど。
自分は投資家でもある故、「価格と価値が合ってるか」についてはちょっと敏感です。
実際のところ価格と効果は必ずしも比例するわけではありません。
今回はやたらと値段が安くて気になった『エスタック総合感冒』について書いていこうと思います。
コストパフォーマンスが良いのか、それとも単に安かろう悪かろうなのか…。
この記事では、『エスタック総合感冒』が実際にどのような成分を含んでいて、どんな効果が期待できるのか、また使用者のレビューはどうなのか――これらを解説していきます。
最後まで読んでいただければ、この風邪薬があなたやご家族にとって最適な選択肢かどうかの判断材料になるでしょう。たぶん。
エスタック総合感冒の基本情報
・製造会社:エスエス製薬
・主な成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
アセトアミノフェン | 900mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 7.5mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
デキストロメトルファン | 48mg | 咳を抑える |
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 | 60mg | 気管支をひろげ、咳を鎮める |
ヘスペリジン | 45mg | ビタミンを補う? |
カンゾウエキス(カンゾウ750mgに相当) | 187.5mg | 咳を鎮め、のどや鼻の粘膜の炎症を鎮める |
ショウキョウ末 | 150mg | 発汗を促し、熱をさげる |
無水カフェイン | 75mg | 頭痛を和らげる |
・包装
100錠
(瓶包装)
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それぞれの成分の解説
この製品には主な成分が8種類入ってます。
それぞれ解説していきますが、少し長くなるので折り畳みにしておきます。
興味のある方は読んでみてください。
※それぞれの成分の解説は、基本的には他の記事のと同じです。
製品内含量のところに少し固有のコメントをつけてるだけです。
アセトアミノフェン
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・分類:「解熱鎮痛剤」ですね。たぶん一番使われている解熱鎮痛剤だと思います。
・効果:解熱鎮痛剤としてはかなり古い歴史があるのですが、いまだに作用機序は明らかになっていません。
一般的な鎮痛剤(NSAIDsといいます)は末梢において効果を発揮しますが、このアセトアミノフェンは中枢で働く、と考えられています。
中枢(脳や脊髄)において痛みを感じにくくしたり熱を下げたりしますが、平熱より下がる事はありません。
あと、一般的な解熱鎮痛剤(NSAIDsと言います)と違い抗炎症作用はほぼありません。
・臨床での使用例:小児から高齢者まで、あらゆる痛み・解熱に使っています。
作用機序が分からないのにもかかわらず、使われてる歴史が長く、その安全性・危険性はほぼ分かってて使いやすいからでしょうね。
「痛みや熱があったらまずはこれ。ダメなら違う薬」という感じです。
誰しも一度は飲んだことがあるのではないでしょうか。
・副作用と注意点:安全性は高いとされていますが、副作用が全くないというわけではありません。
一番問題になるのは肝障害です。一番というか、ほぼこれです。
市販薬でも病院から出た場合でも、決められた用量を守っていれば安全性は高いです。
ただ、この成分はいろいろな市販薬に入っているので、自分でも気が付かないうちに過剰摂取してる、という事があります。
アルコールの摂取でも肝障害のリスクが高まります。
あと、アスピリン喘息に対してはNSAIDsよりは安全性が高いとされていますが高用量では喘息発作が誘発される可能性があります。喘息を持っている方は低用量から少しずつ増やす、という方法を取った方が良いかと思います。
NSAIDsと比べると胃への負担は軽めです。病院でも胃薬なしで処方されることが多いですね。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
炭酸リチウム | 他の鎮痛剤(インドメタシン、イブプロフェン等)で、 リチウムとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し、 リチウム中毒を呈したとの報告があります。 |
チアジド系利尿剤 | 他の鎮痛剤(インドメタシン等)で、 チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されています。 |
アルコール | アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ 肝不全を起こしたとの報告があります。 |
ワルファリン | ワルファリンの作用が増強されて出血しやすくなることがあります。 |
カルバマゼピン フェノバルビタール フェニトイン プリミドン リファンピシン イソニアジド | これらの薬剤の長期連用者は、肝薬物代謝酵素が誘導され、 肝障害を生じやすくなるとの報告があります。 |
特にアルコールに関しては、常飲者が多量のアセトアミノフェンを服用して急性肝不全で死亡した例があります。
通常の用量では問題にはならないと思いますが注意してください。
・製品内含量(成人):エスタック総合感冒の1回分には300mg入っています。1日900mg。
医療用では、大体1日に900~1,500mg使う事が多いので、同じくらいですね。
高熱には少し足りないかもしれませんが、そういう人は市販の風邪薬ではなくてちゃんと受診してくださいね。
(最高では1日4,000mg使うことがありますが、1日1,500mgを長期で使う場合は定期的に肝機能検査をする必要があります)
クロルフェニラミンマレイン酸塩
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・分類:「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものです。
細かく言うと「ヒスタミン(H1)受容体拮抗薬(第一世代)」となります。
第一世代と第二世代は似たようなものですが、多少効果や副作用が変わってきます。
あと、クロルフェニラミンマレイン酸塩には「d(ディー)体」と「l(エル)体」というのがあります。
この製品に入っているのはd体とl体の両方が入ってるものですね。d体だけのものもあります。少しマニアックな話。
l体の方は抗ヒスタミン作用があんまりなくて眠気の副作用があります。特にメリットありません。
・効果:気管支や血管の細胞、知覚神経にあるH1受容体というところにヒスタミンという物質がくっつくことで鼻水やくしゃみ、痒みが出るのですが、その受容体をブロックすることで症状を抑えます。
ただ、鼻水を抑える効果はありますが、鼻づまりの方にはあまり効きません。
(製品の説明書には「くしゃみ、鼻みず、鼻づまりの症状をおさえます」と書いてますけど)
この成分には抗ヒスタミン作用の他に、抗嘔吐作用や抗コリン作用というものがあります。
第二世代と比べると効果の発現が早めですね。
「抗コリン作用」とは、薬が体内の特定の受容体に作用して、口の乾燥や目の焦点調節の問題、便秘などの副作用を引き起こすことです。これにより、リラックスしたり眠くなったりする効果もあるため、使用時にはこれらの点に注意が必要です。
・臨床での使用例:アレルギー性疾患全般に使っています。
アレルギー性鼻炎、上気道炎の鼻水・くしゃみ、蕁麻疹、湿疹など。
とにかく鼻水とくしゃみ、痒みがあればこの系統を使います。
病院ではあまりファーストチョイスにはならないかな?第二世代が効かない場合に使うといった感じです。
それに使うにしてもd体のみの薬がメインになって、あんまりdl体は使わないと思います。
・副作用と注意点:この成分は注意点が多いです。
抗コリン作用というものにより眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあるので、
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大など下部尿路閉塞疾患がある方には禁忌となります。
(と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。主治医に訊いてみてください)
出やすい副作用としては眠気や口渇があります。
ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。それでも最初に飲んだ後は注意してください。
口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。私はですが。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
バルビツール酸系薬剤等 アルコール | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
モノアミン酸化酵素阻害剤 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
抗コリン作動性薬剤ブチルスコポラミン臭化物 アトロピン硫酸塩水和物等 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
ドロキシドパ ノルアドレナリン | 血圧の異常上昇を来すおそれがあります。 |
併用禁忌というわけではないので、なんか眠いな~、ふらふらするな~と感じたら風邪薬の量を減らして様子をみてください。
・製品内含量(成人):エスタック総合感冒の1回分には2.5mg入っています。1日7.5mg。
病院では1回2~6mg、1日2~4回使うので最高で1日24mg使います。
それと比較すると少なめかもしれませんが、副作用の出やすさを考えると妥当かもしれませんね。
デキストロメトルファン
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・分類:「鎮咳薬」。いわゆる「咳止め」ですが、その中でも「中枢性非麻薬性鎮咳薬」に分類されます。
で、この「非麻薬性」というのが曲者でして…「麻薬じゃないですよ~」という事ではあるのですが、実際は「分類的には麻薬には入れてないけど麻薬と似てますよ」という事です。
麻薬性鎮咳薬のリン酸コデインの構造式と比べてみるとこんな感じ。
似てますよね?
医薬品にはよくこの「非○○」というのがあるのですが、これは「似ているもの」ということになります。
もちろん作用や副作用も似たものになります。
・効果:咳中枢を抑制することで咳が出るのを抑えます。
もともと咳というのは、肺や気管などの呼吸器を守るために、外から入ってきた異物(ほこりとかウイルスとか)を外に追い出す生体防御反応です。
ほこりとかウイルスなどを気道の粘膜上にあるセンサーが感じ取ると脳にある咳中枢に信号が送られて咳が出るのですが、それを抑えるという事ですね。
・臨床での使用例:風邪の咳にはよく使われますね。かなり一般的なものだと思います。
風邪、気管支炎、肺炎、気管支拡張症など、いろいろな咳に使います。
・副作用と注意点:眠気は出やすいかもしれません。あとは吐き気や便秘でしょうか。
この辺は麻薬性の咳止めと同じですね。
あと、近年のオーバードーズ(過剰摂取)はこのデキストロメトルファンを使うことが増えてきてるようです。
法的には麻薬に分類されてないですが、作用は麻薬と同じです。
過剰に摂取すると、嘔気、嘔吐、尿閉、運動失調、錯乱、興奮、神経過敏、幻覚、呼吸抑制などいろいろな症状が出ます。
長期間の使用や高用量の使用は依存性を引き起こす恐れがあるため、指示された用量を厳守し、症状の改善が見られない場合は専門家に相談してください。
普通に使う場合は全然怖くない薬なんですけどね。
・薬物相互作用:併用禁忌はありません。併用注意がいくつかあるので載せておきます。
・選択的MAO-B阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | セロトニン症候群があらわれることがあります。 |
・薬物代謝酵素(CYP2D6) を阻害する薬剤 キニジン アミオダロン テルビナフィン等 | デキストロメトルファンの血中濃度が上昇することがあります。 |
・セロトニン作用薬 選択的セロトニン再取り込み阻害剤 (SSRI)等 | セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがあります。 |
・製品内含量(成人):エスタック総合感冒の1回分には16mg入っています。1日48mg。
医療用では、1回15~30mg、1日1~4回使います。最高で1日120mg。
ただ、通常は1回15mg1日3回で処方される事が多いので、この製品に入ってる量は少なくはないですね。十分な量と言えるのではないでしょうか。
dl-メチルエフェドリン塩酸塩
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・分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあって、そのうちの交感神経に働くものです。
・効果:交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があって、メチルエフェドリンはその両方を刺激します。
さらに「β受容体」は「β1」「β2」などいくつかタイプがあります(今分かっているのは「β3」まで)。
メチルエフェドリンを風邪薬として使う場合は、主に「β2刺激薬」として使います。
気管支には交感神経のβ2受容体というのがあって、そこにメチルエフェドリンがくっつくと気管支が拡張して呼吸が楽になります。
ただ、交感神経の受容体は全身のあちこちにあるので、思わぬ副作用が出ることがあります。
あとメチルエフェドリンには中枢性の鎮咳作用もあるようですね。
・臨床での使用例:気管支喘息や気管支炎、結核、風邪の咳など、咳や呼吸の症状に使います。
あと抗アレルギー作用も持っていて蕁麻疹や湿疹にも適応がありますが、これらに使ってるのは見た事がありません。
・副作用と注意点:副作用としては、動悸が出やすいかと思います。
あとは手の震えが出ることもあります。どちらも薬を止めると症状も治まるはずです。
ただ、過度に使用すると不整脈からの心停止をする事もあり、注意が必要です。通常使う量ならまず問題にはならないですね。心疾患のある方は注意してください。
あと、甲状腺の機能を亢進させたり、血圧が上がったり、血糖値が上がったりすることもあります。
甲状腺機能亢進症、高血圧、糖尿病の方は注意してください。
・薬物相互作用:カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)とは併用禁忌になります。この辺は循環不全の急性期(いわゆるショック)に使うものなので、あまり通常は使われるものではありません。
併用注意もいくつかあるので載せておきます。
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・甲状腺製剤 チロキシン リオチロニン等 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・キサンチン誘導体 テオフィリン ・ステロイド剤 プレドニゾロン ・利尿剤 アミノフィリン | 血清カリウム値が低下するおそれがあります。 併用する場合には定期的に血清カリウム値を観察して、用量について注意してください。 |
喘息を治療中の方は、これに似た系統の成分をすでに服用してる可能性があるので注意してください。飲み薬としてではなく、吸入薬の中に入っていることが多いです。
・製品内含量(成人):エスタック総合感冒の1回分には20mg入っています。1日60mg。
医療用では、1日に75~150mg使われます。
医療用と比べると少なめではありますが、この風邪薬には他に咳止めも入ってますし、副作用の事も考えると十分かと思います。
ヘスペリジン
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・分類:これに関しては主な成分に入れても良いのか迷いましたが…。
自分もよく分からないのですが、ビタミンPと呼ばれる「ビタミン様物質」となるそうです。
ポリフェノールの一種だとか。
ビタミンというのは人の体にとって必須なのですが、これはそうではありません。
「ビタミンP」というのにビタミンではないと。ややこしい。
・効果:いろいろな生理作用が報告されているようです。
コレステロールや血圧を低下させる、抗炎症作用、抗不安作用、抗アレルギー作用、抗酸化作用、発がん抑制作用など。
この風邪薬の説明では「かぜをひいて消耗がちなビタミンを補います。」と書いてますが…
まず、ビタミンではないのでこの説明はどうなのかな?
抗炎症、抗アレルギーの作用があるので、そちらで使ってるのかもしれないですね。
・臨床での使用例:医療用では存在しません。
・薬物相互作用:そもそも医薬品ではないのですが、調べてみると「血圧の薬と一緒に飲む場合は注意してね」という事にはなっているようです。
ヘスペリジン自体が血圧を下げる作用があるので、血圧の薬と一緒に飲むと血圧が下がりすぎる恐れがあると。
こんなもので高血圧の人の血圧が下がるのであれば、医療用の降圧剤なんて必要なくなりますね。
・製品内含量(成人):エスタック総合感冒の1回分には15mg入っています。1日45mg。
ヘスペリジンの摂取量の目安ですが…「1日75~150mg」と書いてるものもあれば「1日250~500mg」と書いてるものもありますね。
1日45mgというのは少なめではあるみたいですが、もともと補助的なものとして入れてるのであまり気にしなくて良いかもです。なくても良いと思いますけど。
カンゾウエキス
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・分類:分類でいうと「漢方」とか「生薬」になるのかな?
漢字だと「甘草」です。文字通り甘いので、薬以外にも味噌や醤油、お菓子などの甘味料としても使われています。
・効果:カンゾウの主成分は「グリチルレチン酸」とか「グリチルリチン酸」というものですが、これには抗炎症、鎮咳、抗アレルギー、免疫調節、肝機能改善、ウイルス増殖抑制などいろいろな作用があります。
・臨床での使用例:漢方薬だと「甘草湯」というのがあって、こちらは激しい咳や喉の痛みに使います。
「グリチルリチン酸」としての薬もあって、こちらは慢性の肝疾患や湿疹・皮膚炎、円形脱毛症、口内炎などに使われています。
・副作用と注意点:漢方だからまったく安全、というわけではありません。
稀ではありますが、カンゾウには浮腫(むくみ)、高血圧、低カリウム血症(偽アルドステロン症)、重症だと横紋筋融解症などの副作用が出ることがあるので注意が必要です。
カンゾウはいろいろな漢方薬に入っているので、何種類か飲んでいるとすぐに用量オーバーしてしまいます。
他にも漢方薬を飲んでる方は、その漢方薬にカンゾウ(甘草)が入っていないか確認した方が良いかと思います。
・薬物相互作用:併用注意のものがあります。
・カンゾウ含有製剤 芍薬甘草湯 補中益気湯 抑肝散 等 ・グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤 グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠 等 ・ループ系利尿剤 アゾセミド トラセミド フロセミド 等 ・チアジド系利尿剤 トリクロルメチアジド ヒドロクロロチアジド ベンチルヒドロクロロチアジド 等 | 偽アルドステロン症があらわれやすくなります。 また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなります。 |
上でも書いてますが、カンゾウはいろいろな漢方薬に配合されています。
2~3種類の漢方薬を飲んでるだけでもかなりの量を摂ってしまう事があるので注意してください。
利尿剤については高血圧や心不全で治療を受けられている方は飲んでることが多いです。
ご自身の飲んでる薬を確認してみてください。
・製品内含量(成人):エスタック総合感冒の1回分には62.5mg入っています。1日187.5mg。
漢方の「甘草湯」では1日1,900mg使うのでかなり少なく感じますが、「甘草湯」は特に量が多いですしね。
他の市販薬を見てみると、1日50~300mgくらいなので市販薬としては極端に少ないわけではないですね。
他にも咳止めは入ってますし。
ショウキョウ末
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・分類:これも「漢方」とか「生薬」ですね。
漢字だと「生姜」。つまり「ショウガ」です。
これも甘草と同じく、日本人にとってはなじみ深いものですね。
風邪の時には「生姜湯」を飲む方も多いのではないでしょうか?体が温まりますよね~。
・効果:体を温める作用があります。末梢の血液循環を良くすることで発汗を促し、解熱の効果もあります。
あと、その独特な香りと辛味によって胃腸の働きが良くなり、食欲増進や消化促進などの効果もあります。
・臨床での使用例:基本的にはショウキョウ単独では使わなくて、大体は他の生薬と一緒になっています。
これもカンゾウと同じくいろいろな漢方薬に入っていますね。
胃腸薬やかぜ薬に用いられるのはもちろん、吐き気止めや鎮痛などに使う漢方にも使われています。
・薬物相互作用:カンゾウとは違って、こちらは特に注意するものはありません。
・製品内含量(成人):エスタック総合感冒の1回分には50mg入っています。1日150mg。
漢方薬の中では、例えば「葛根湯」には1日あたり417mgくらい入っています。
胃腸の方で使われる「六君子湯」という漢方薬には1日あたり93mgくらい入ってます。
漢方薬によっても全然入ってる量が変わってくるので一概には言えないのですが、市販の風邪薬としては十分ではないでしょうか。他に解熱鎮痛剤も入ってますしね。
無水カフェイン
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※「無水カフェイン」と「カフェイン水和物」というのがありますが似たようなものなので、ここでは同じものとして扱います。
・分類:薬効分類でいえば「中枢興奮・鎮痛剤」になります。「中枢性呼吸刺激薬」にもなります。「キサンチン誘導体」というものの一種でもあります。
・効果:カフェインは、頭をすっきりさせたり、エネルギッシュな気分にさせたりする効果があります。それによって、心臓が活発に動いて血の流れが良くなるので、結果としてトイレに行く回数が増えることがあります。
また、カフェインは頭の中の血管を少し狭めることで、頭痛を和らげる効果もあります。
あと気管支を拡張させる作用があるので、昔はコーヒーを喘息の特効薬として使ってたみたいですね。
・臨床での使用例:そもそもあんまり使われないのですが、一番使われるのは頭痛でしょうか。脳血管を収縮させるので、血管拡張型の頭痛に使います。
一応眠気や倦怠感にも適応があるのですが、それ目的で処方されたことは一度も経験ありません。
でも医療用ではなく一般的には眠気やだるさに対してが一番使われるでしょうね。
「無水カフェイン」は「早産・低出生体重児における原発性無呼吸症」に適応があります。
市販薬に入ってることが多いですが、これは眠気防止かなと思います。あとは「元気になった気にさせる」といったところでしょうか。エナジードリンクが良い例ですね。
・副作用と注意点:副作用として不眠や振戦(手の震え)、動悸などがあります。
あと胃酸の分泌が増えるので消化を助けますが、空腹時に飲むと胃が荒れます。コーヒーには牛乳を入れましょう。ブラックを飲むなら食後にどうぞ。
・薬物相互作用:併用注意のものがいくつかあります。禁忌ではないです。
・他のキサンチン系薬剤 アミノフィリン水和物 ジプロフィリン テオフィリン等 ・中枢神経興奮薬 エフェドリン塩酸塩 マオウ等 | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
・MAO阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 頻脈、血圧上昇等が現れることがあります。 |
シメチジン | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
カフェインもキサンチン系になるので、同じ系統を摂取すると過量投与になります。喘息ある人は服用してる可能性があるので注意してください。
マオウは漢方薬に入ってることが多いです。知らずに摂ってることがあるのでこれも注意を。
MAO阻害薬はパーキンソン病に使うので、パーキンソンの方は注意してください。
シメチジンは胃薬ですね。今はあんまり使われないですが、飲んでる方は注意を。
でもどれもあまり気にしなくて良いかと思います。症状が出るようならカフェインを減量してください。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれているので、農林水産省のサイトにあった表を載せておきます。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれていますが、その含有量は製品やブランド、調理法によって大きく異なります。ここで紹介するのはあくまで一般的な平均値または範囲であり、正確なカフェイン含有量については、各製品のラベルやメーカーの情報を参照してください。
・製品内含量(成人):エスタック総合感冒の1回分には25mg入っています。1日75mg。
医療用では、1回100~300mg、1日2~3回となっています。
他の一般的な市販の風邪薬と同じ量ですね。
厚生労働省のサイトによると、「悪影響のない一日当たりの最大摂取量」の目安というのは個人差が大きく、日本でも国際的においても明確に設定はされていないようです。
例えば、
・カナダでは健康な成人だと1日400mg、妊娠中の方、授乳中の方は1日300mgまで。
・イギリスでは妊娠中、授乳中の方は1日200mgまでとなっています。
厚生労働省のサイトにもカフェインの過剰摂取についての記事があるので興味のある方は目を通してみてください。(厚生労働省のサイト→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)
エスタック総合感冒の主要成分の効果と注意点のまとめ
8つの成分について解説してきましたが、まとめると以下のようになります。
- アセトアミノフェン
- 中枢で作用する解熱鎮痛剤で、抗炎症作用はほぼありませんが、痛みや熱を効果的に抑えます。
- 安全性は高いですが肝障害のリスクがあり、アルコールとの併用には特に注意が必要です。
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 抗コリン作用により眼圧上昇や排尿困難などの副作用があり、特に眠気に注意が必要です。
- デキストロメトルファン
- 中枢性の非麻薬性鎮咳薬で、咳を抑える効果があります。
- 眠気や過剰摂取による副作用に注意が必要です。
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩
- 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
- 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
- ヘスペリジン
- ビタミンじゃないけどビタミン補給?抗炎症作用や抗アレルギー作用はあるそう。
- 一応、血圧を下げる薬を飲んでる方は血圧が下がりすぎることがあるそうなので注意を。
- カンゾウエキス
- 咳を鎮めたり、喉の痛みを和らげます。
- 低カリウム血症に注意。だるさや痺れ、こむら返りや麻痺などがあったら中止して受診してください。
いろいろな漢方薬に含まれているので併用には注意を。
- ショウキョウ末
- 体を温めたり、胃腸の働きを良くしたりする効果があります。
- 特に注意点はありません。
- 無水カフェイン
- 中枢興奮・鎮痛剤として、覚醒作用を持ち、頭痛や眠気防止に効果的です。
- 副作用には不眠や振戦、動悸があり、他のキサンチン系薬剤や中枢神経抑制剤との併用に注意が必要です。
用法・用量と注意点
エスタック総合感冒の用法・用量
・15歳以上の方は、1回3錠
・11歳~14歳の方は、1回2錠
・5歳~10歳の方は、1回1錠
それぞれ1日3回の服用になります。
5歳未満の方は服用しないでくださいとなっています。
5歳未満のこどもに市販薬を飲ませることもないと思いますが。
注意してほしいこと
この風邪薬は成分が多い割には特別注意した方が良い事というものもないのですが、基本的な事を書いておきます。
- 食後の服用: 「食後なるべく30分以内に」となっています。
ただ、特別胃に負担がかかるものもなく、食事の影響のあるものもないので、あまり気にしないで良いかと思います。 - 服用期間: 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。
3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診断を受けることが大切です。
一つ気になるのはデキストロメトルファンのオーバードーズでしょうか。
長期の連用はしない方が良いかと思います。
妊娠中の方
妊娠している方については、短期間の使用であれば問題ないと考えます。
問題になるかもしれないのは、メチルエフェドリンによって、胎児が頻脈を起こすことがある、ということでしょうか。
ただ、入っているとは言え量も少なめです。あまり心配は要らないかと思います。
催奇形性についてはどの成分も報告はありませんが、データそのものが少ないので何とも言えません。
服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
授乳中の方
あと授乳中の方ですが、問題になるのはカフェインです。カフェインは簡単に母乳中に移行します。
この薬を飲んでる間は、他のカフェインを含むものを飲まないようにした方が良いですね。
といっても、この薬に入ってるカフェインの量は少なめです。あまり心配は要らないと思います。
他も特に問題になるものはないと思います。
「Mothers’ Milk」基準というのがあるのですが、この風邪薬に入ってる成分の中で一番リスクの高いものでも
「L3(概ね適合)」となっています。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
エスタック総合感冒の特徴と利点と個人的な感想
「総合感冒薬」なのですが、5歳から使えるというのが特徴でしょうか。
他の薬だと「15歳未満の方は服用しないでください」というのが多いですからね。
主にイブプロフェンのせいですが。
正直こどもだろうが大人だろうが、風邪のときの解熱にはアセトアミノフェンで良いと思っています。個人的ですけど。
イブプロフェンを使うメリットって別にないんですよね。
この薬は解熱にはアセトアミノフェン+ショウキョウという組み合わせで、こどもも使えるのがメリットですね。
悪くないと思います。
全体的に見てもバランスが悪いって感じはありません。
こどもも使えますが入ってる成分量が少ないというわけでもないし。
アセトアミノフェン含め、咳止めも鼻水を止める薬も他の風邪薬と同等の量が入っています。
去痰薬は入ってないけど。
ヘスペリジンが入ってるのはよく分かりませんが…。別になくても良いとは思いますが、あっても邪魔にはならないかな?
こどもから大人まで使えるので、とりあえず家にこれ一つ置いておけばみんな使えますね。
使用した方の口コミ・レビュー
『ものログ』と『@コスメ』というサイトの口コミです。
まず良い評価の方は、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。あまり否定的な意見はありませんでした。レビューってこんな感じなのかな?
「値段が安い」「5歳から使えるのが良い」といった声が多かったです。
値段に関しては、
Yahooショッピング(送料込み)で見ると、100錠で900~1,100円くらいでした。
1回3錠で1日3回だと1日9錠、約11日分。1日82~100円。
他と比べると結構安いです。
安いと言っても入ってる成分量は他と大差ないし…自分はこれで良いかな?と思いました。
たくさん入ってるし。
公式ホームページには症状ごとの改善率みたいな表はありませんでした。
あれがあると何に効くかが分かりやすいんですけどね。
まとめ
この記事では『エスタック総合感冒』の主要成分、それぞれの効果、用法・用量、そして実際の使用者の声をご紹介しました。
この製品は5歳から使える・安いというのが特徴でしょうか。
成分を見ても使いにくいものも入ってないし、入ってる成分量は他の市販の風邪薬と同等。
今までいくつか風邪薬について書いてきましたが…「自分はこれでいいや」と思いました。安いの大事。
いろいろと新しい風邪薬も出ていますが、中身ってあんまり変わらないんですよね。
違うのはパッケージと値段だけ…は言い過ぎかもしれませんが。
でも、ぼったくり商品があるのも確かです。
どんなものであれ、価格と価値がちゃんと合ってるか確かめるのって大事ですよね。
風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
詳細な情報やご購入を検討される方は、公式ホームページ【https://www.ssp.co.jp/product/all/stsokan/】を参照してください。
皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。
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