『ベンザブロック®IPプレミアム』の成分と効果【薬剤師が解説】

「ベンザブロック・プレミアム」シリーズ最後は、
「熱からの風邪に、青のベンザ」の『ベンザブロックIPプレミアム』。

普通の『ベンザブロックIP』は値段が高いだけで何の特徴もない風邪薬でした。
プレミアムの方はちゃんとプレミアムな感じになっているのか見ていこうと思います。

他の風邪薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
風邪薬(総合感冒薬)一覧

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目次

ベンザブロックIPプレミアムの基本情報

製造会社:アリナミン製薬

・主な成分

成分名1日量(15歳以上の)はたらき
イブプロフェン360mg熱をさげ、痛みを和らげる
アセトアミノフェン180mg熱をさげ、痛みを和らげる
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩3.5mg鼻水、くしゃみを抑える
dl-メチルエフェドリン塩酸塩60mg気管支をひろげ、咳を鎮める
ジヒドロコデインリン酸塩24mg咳を抑える
グリチルリチン酸39mgのどや鼻の粘膜の炎症を鎮める
無水カフェイン75mg頭痛・頭重感を和らげる
アスコルビン酸カルシウム(ビタミンC)500mgビタミン補給
ヘスペリジン(ビタミンP)90mgビタミン補給?

・包装

  • 『ベンザブロックIPプレミアム錠』錠剤:30錠、45錠(瓶包装)
  • 『ベンザブロックIPプレミアム』カプレット:12錠、24錠(PTP包装)
    (※カプレットとは、カプセルみたいな形の錠剤です)

製品の公式ホームページはこちら:https://benza.jp/benzablock-ip/premium-c/

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それぞれの成分の解説

自然な素材と医薬品の成分をイメージした色とりどりの薬剤が木のスプーンや陶器の皿に並べられ、淡い色合いの背景に配置されている様子を描いたイラスト。情報提供目的で使用される図解表現。

この製品には主な成分が9種類入ってます。

それぞれ解説していきますが、少し長くなるので折り畳みにしておきます。
興味のある方は読んでみてください。

それぞれの成分の解説は、基本的には他の記事のと同じです。
 製品内含量のところに少し固有のコメントをつけてるだけです。

イブプロフェン

クリック・タップで開きます。

分類:いわゆる「解熱鎮痛剤」です。
50年ほど前から使われていて実績は十分ですね。

効果:体内で痛みや炎症の原因となる特定の物質の作用を抑えることによって、頭痛や筋肉痛などの痛みを和らげる効果があります。
また、熱を下げるのを助ける作用もあります。

一般的な解熱鎮痛剤は小児に使えない事が多いのですが、これは小児にも適応があり使いやすいですね。
よく小児の頭痛などに処方されます。
国際的にも小児の解熱にはこのイブプロフェンかアセトアミノフェンが推奨されています。
(日本では小児の解熱には適応がありません。痛み止めとしてだけです。)

臨床での使用例:いろいろな痛みや発熱に使えます。他の解熱鎮痛剤と同じですね。
ただ、あまり成人の方に処方されてるのは見ないかな?医師の好みもあると思いますが。
やっぱりどちらかと言うと小児に使う事の方が多いと思います。

副作用と注意点:一番は胃に負担がかかる、という事でしょうか。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍には禁忌となってます。
風邪のように短期間の使用であれば問題になることはないと思いますが、空腹時には飲まないようにした方が良いと思います。

あと、喘息をもってる方も注意してください。「アスピリン喘息」を誘発する可能性があります。

普段から痛み止めを飲んでいる方は、これを一緒に飲むと飲みすぎになる可能性があります。薬局で相談してみるといいでしょう。

長期間の服用は腎臓に負担がかかりますが、風邪のときに使うように短期間であれば問題ありません。

妊娠後期(28週以降)の方には禁忌となっています。胎児の動脈管(心臓と大動脈をつなぐ血管)が収縮した、という報告があります。
妊娠後期の方はアセトアミノフェンという解熱鎮痛剤が入ったものした方が良いかと思います。

薬物相互作用:作用機序は不明ですが、ジドブジンというHIV感染症に使う薬とは併用禁忌になっています。血友病患者さんで出血しやすくなったとか。

イブプロフェンは、他の薬と一緒に使うときに注意が必要な成分があります。
特に、血をサラサラにする薬一部の心臓病や高血圧の治療薬、そして特定の感染症や痛み・炎症を治療する薬との併用は、副作用のリスクを高めることがあります。
これらの薬をすでに使用している方は、イブプロフェンを含む製品を使う前に、医師や薬剤師に相談することをお勧めします。

イブプロフェンの併用注意の一覧です。少し多いので折り畳み。
(クリック・タップで開きます)
ワルファリンワルファリンの作用を増強するおそれがあります。
アスピリンアスピリンの血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告があります。
抗凝血剤
ワルファリン等
抗血小板剤
クロピドグレル等
選択的セロトニン
再取り込み阻害剤(SSRI)

フルボキサミン、
パロキセチン等


消化管出血が増強されるおそれがあります。
炭酸リチウムリチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒を呈したとの報告があります。
チアジド系利尿薬
ヒドロクロロチアジド
ループ利尿薬
フロセミド
これら利尿薬の作用を減弱するとの報告があります。
ACE阻害剤
エナラプリル等
β遮断剤
プロプラノロール等
降圧作用が減弱するおそれがあります。
タクロリムス水和物急性腎障害があらわれたとの報告があります。
ニューキノロン系抗菌剤
エノキサシン水和物等
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で併用により痙攣があらわれたとの報告があります。
メトトレキサートメトトレキサートの作用を増強するおそれがあります。
コレスチラミン本剤の血中濃度が低下するおそれがあります。
スルホニル尿素系血糖降下剤
クロルプロパミド、
グリベンクラミド等
血糖降下作用を増強(低血糖)することがあります。
CYP2C9阻害作用を有する薬剤
ボリコナゾール、フルコナゾール
イブプロフェンの血中濃度が上昇するおそれがあります。

製品内含量(成人):この製品の1回分には120mg入っています。1日360mg
医療用では成人だと1回200mg、1日600mg使うのが一般的ですね。

アセトアミノフェンが入っているとは言え、これはさすがに少ないと思います。

アセトアミノフェン

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分類:「解熱鎮痛剤」ですね。たぶん一番使われている解熱鎮痛剤だと思います。

効果:解熱鎮痛剤としてはかなり古い歴史があるのですが、いまだに作用機序は明らかになっていません
一般的な鎮痛剤(NSAIDsといいます)は末梢において効果を発揮しますが、このアセトアミノフェンは中枢で働く、と考えられています。
中枢(脳や脊髄)において痛みを感じにくくしたり熱を下げたりしますが、平熱より下がる事はありません
あと、一般的な解熱鎮痛剤(NSAIDsと言います)と違い抗炎症作用はほぼありません

臨床での使用例小児から高齢者まで、あらゆる痛み・解熱に使っています。
作用機序が分からないのにもかかわらず、使われてる歴史が長く、その安全性・危険性はほぼ分かってて使いやすいからでしょうね。
「痛みや熱があったらまずはこれ。ダメなら違う薬」という感じです。
誰しも一度は飲んだことがあるのではないでしょうか。

副作用と注意点:安全性は高いとされていますが、副作用が全くないというわけではありません

一番問題になるのは肝障害です。一番というか、ほぼこれです。
市販薬でも病院から出た場合でも、決められた用量を守っていれば安全性は高いです。
ただ、この成分はいろいろな市販薬に入っているので、自分でも気が付かないうちに過剰摂取してる、という事があります。
アルコールの摂取でも肝障害のリスクが高まります。

あと、アスピリン喘息に対してはNSAIDsよりは安全性が高いとされていますが高用量では喘息発作が誘発される可能性があります。喘息を持っている方は低用量から少しずつ増やす、という方法を取った方が良いかと思います。

NSAIDsと比べると胃への負担は軽めです。病院でも胃薬なしで処方されることが多いですね。

薬物相互作用併用注意のものがあるので載せておきます。

炭酸リチウム他の鎮痛剤(インドメタシン、イブプロフェン等)で、
リチウムとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し、
リチウム中毒を呈したとの報告があります。
チアジド系利尿剤他の鎮痛剤(インドメタシン等)で、
チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されています。
アルコールアルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ
肝不全を起こしたとの報告があります。
ワルファリンワルファリンの作用が増強されて出血しやすくなることがあります。
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
プリミドン
リファンピシン
イソニアジド


これらの薬剤の長期連用者は、肝薬物代謝酵素が誘導され、
肝障害を生じやすくなるとの報告があります。

特にアルコールに関しては、常飲者が多量のアセトアミノフェンを服用して急性肝不全で死亡した例があります。
通常の用量では問題にはならないと思いますが注意してください。

製品内含量(成人):この製品の1回分には約60mg入っています。1日180mg
医療用では、大体1日に900~1,500mg使う事が多いです。
(最高では1日4,000mg使うことがありますが、1日1,500mgを長期で使う場合は定期的に肝機能検査をする必要があります)

医師によっては、短期間だと1回600mg使う事があります。これはその10分の1ですね。
飲んでも飲まなくても変わらないでしょうね。

d-クロルフェニラミンマレイン酸塩

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分類:「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものです。
その中でも第一世代と呼ばれるものですね。
第一世代と第二世代は似たようなものですが、多少効果や副作用が変わってきます。

あと、クロルフェニラミンマレイン酸塩には「d(ディー)体」と「l(エル)体」というのがあります。
一般的な風邪薬ではd体とl体の両方が入ってるものが多いのですが、この製品にはd体だけを入れてるみたいですね。
l体の方は抗ヒスタミン作用があんまりなくて眠気の副作用があります。特にメリットはありません。

効果:アレルギー反応を引き起こすヒスタミンという物質の働きをブロックします。
これにより、鼻水やくしゃみ、痒みなどのアレルギー症状を緩和します(抗ヒスタミン作用)。

ただ、鼻水を抑える効果はありますが、鼻づまりの方にはあまり効きません

この成分には抗ヒスタミン作用の他に、抗嘔吐作用抗コリン作用というものがあります。

抗コリン作用」とは、薬が体内の特定の受容体に作用して、口の乾燥や目の焦点調節の問題、便秘などの副作用を引き起こすことです。

あと、第二世代と比べると効果の発現が早めですね。

臨床での使用例アレルギー性疾患全般に使っています。
アレルギー性鼻炎、上気道炎の鼻水・くしゃみ、蕁麻疹、湿疹など。
とにかく鼻水とくしゃみ、痒みがあればこの系統を使います。

病院ではあまりファーストチョイスにはならないかな?第二世代が効かない場合に使うといった感じです。

でもこのd体だけのは今でも結構使われてますね。眠気などは出やすいですが効果も強い印象です。

副作用と注意点:この成分は注意点が多いです。
抗コリン作用により眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあるので、
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大など下部尿路閉塞疾患がある方には禁忌となります。
(と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。主治医に訊いてみてください)

出やすい副作用としては眠気口渇があります。

特に眠気には注意してください。
この製品の添付文書にも「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」と記載があります。

ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。それでも最初に飲んだ後は注意してください。

口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。私はですが。

薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。

バルビツール酸系薬剤等
アルコール
相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。
モノアミン酸化酵素阻害剤相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。
抗コリン作動性薬剤ブチルスコポラミン臭化物
アトロピン硫酸塩水和物等
相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。
ドロキシドパ
ノルアドレナリン
血圧の異常上昇を来すおそれがあります。

併用禁忌というわけではないので、なんか眠いな~、ふらふらするな~と感じたら風邪薬の量を減らして様子をみてください。

製品内含量(成人):この製品の1回分には約1.17mg入っています。1日3.5mg
医療用では1回2mgので1日1~4回、または1回6mgので1日2回使います。1日8~12mgですね。
3.5mgはちょっと少ない気もしますが、他の市販薬でも全部3.5mgになってますね。

dl-メチルエフェドリン塩酸塩

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分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあって、そのうちの交感神経に働くものです。

効果:交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があって、メチルエフェドリンはその両方を刺激します。
さらに「β受容体」は「β1」「β2」などいくつかタイプがあります(今分かっているのは「β3」まで)。

メチルエフェドリンを風邪薬として使う場合は、主に「β2刺激薬」として使います。

気管支には交感神経のβ2受容体というのがあって、そこにメチルエフェドリンがくっつくと気管支が拡張して呼吸が楽になります。

ただ、交感神経の受容体は全身のあちこちにあるので、思わぬ副作用が出ることがあります。

あとメチルエフェドリンには中枢性の鎮咳作用もあるようですね。

臨床での使用例:気管支喘息や気管支炎、結核、風邪の咳など、咳や呼吸の症状に使います。
あと抗アレルギー作用も持っていて蕁麻疹や湿疹にも適応がありますが、これらに使ってるのは見た事がありません。

副作用と注意点:副作用としては、動悸が出やすいかと思います。
あとは手の震えが出ることもあります。どちらも薬を止めると症状も治まるはずです。
ただ、過度に使用すると不整脈からの心停止をする事もあり、注意が必要です。通常使う量ならまず問題にはならないですね。心疾患のある方は注意してください。

あと、甲状腺の機能を亢進させたり、血圧が上がったり、血糖値が上がったりすることもあります。
甲状腺機能亢進症高血圧糖尿病の方は注意してください。

薬物相互作用カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)とは併用禁忌になります。この辺は循環不全の急性期(いわゆるショック)に使うものなので、あまり通常は使われるものではありません。

併用注意もいくつかあるので載せておきます。

モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
セレギリン塩酸塩
ラサギリンメシル酸塩
サフィナミドメシル酸塩
作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。
甲状腺製剤
チロキシン
リオチロニン等
作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。
キサンチン誘導体
テオフィリン
ステロイド剤
プレドニゾロン
利尿剤
アミノフィリン

血清カリウム値が低下するおそれがあります。
併用する場合には定期的に血清カリウム値を観察して、用量について注意してください。

喘息を治療中の方は、これに似た系統の成分をすでに服用してる可能性があるので注意してください。飲み薬としてではなく、吸入薬の中に入っていることが多いです。

製品内含量(成人):この製品の1回分には20mg入っています。1日60mg
医療用では、1日に75~150mg使われます。
1日60mgは他の一般的な市販薬と同じ量ですね。60mgを超えるのは今のところ見た事がありません。

ジヒドロコデインリン酸塩

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分類:「鎮咳薬」。いわゆる「咳止め」ですが、その中でも「中枢性麻薬性鎮咳薬」に分類されます。

効果咳中枢を抑制することで咳が出るのを抑えます。
もともと咳というのは、肺や気管などの呼吸器を守るために、外から入ってきた異物(ほこりとかウイルスとか)を外に追い出す生体防御反応です。ほこりとかウイルスなどを気道の粘膜上にあるセンサーが感じ取ると脳にある咳中枢に信号が送られて咳が出るのですが、それを抑えるという事ですね。
あとは消化管の動きを抑制する効果もあります。

臨床での使用例:基本的には強い咳に対して使います。できれば痰の絡んでない乾いた咳の時がいいです。
あと消化管の動きを抑制するので下痢止めとしても使いますね。
ただ、どちらの使い方でもあまり長期間は使いません。頓服という感じで症状が強い時だけ使います。

副作用と注意点:この成分は効果的な鎮咳薬ですが、使用には慎重さが求められます。
特に、以下の副作用や注意点に留意する必要があります。

まず、痰が絡んだ咳に対しては使いにくいです。痰を硬くするので余計に痰が出しにくくなる可能性があります。
副作用としては、便秘麻痺性イレウス(腸閉塞)悪心・嘔吐排尿障害依存性眠気呼吸抑制気管支痙攣などがあります。この中でも便秘(下痢止めとしても使うので)、眠気、悪心・嘔吐は出やすいです。

小児には使えません。12歳未満には禁忌となっています。
海外において、死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告があるそうです。

あと、以前から問題になっている「オーバードーズ(過剰摂取)」の大半はこのコデインのようです。
市販で買えるとは言え麻薬の一種には変わりありません。
長期間の使用や高用量の使用は依存性を引き起こす恐れがあるため、指示された用量を厳守し、症状の改善が見られない場合は専門家に相談してください。

薬物相互作用:他の薬と一緒に飲むことで副作用が出やすくなる事があるので、普段飲んでる薬がある方は薬局で相談してみてください。
下に相互作用の表を載せておきます。

フェノチアジン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等
モノアミン酸化酵素阻害剤
三環系抗うつ剤
β-遮断剤
アルコール


呼吸抑制低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがあります。
ワルファリンワルファリンの作用が増強されて出血しやすくなることがあります。
抗コリン作動性薬剤麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがあります。

製品内含量(成人):この製品の1回分には8mg入っています。1日24mg
病院では1回10mg、1日3回まで使います。
市販の風邪薬は大体この量ですね。

グリチルリチン酸

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分類:いろいろと作用があるのですが…あえて分類すると「肝機能改善薬」でしょうか。
もちろん風邪薬に入っている以上、風邪に効く作用もありますけど。

甘草(カンゾウ)という生薬に含まれる成分です。

効果:抗アレルギー、抗炎症、免疫調節、肝細胞増殖作用などいろいろな効果がありますね。

臨床での使用例:医療用では「グリチルリチン酸」単独の薬はないと思います。
グリチルリチン酸配合の飲み薬や注射薬があるのですが、飲み薬では「グリチロン」という薬がよく使われます。と言っても今はあまり使われないですけど。

適応としては、慢性肝疾患における肝機能改善湿疹・皮膚炎円形脱毛症口内炎小児ストロフルスとなっています。

風邪の時に処方されたことは見た事がないです。主に肝機能の改善を目的に使用するものですね。
あと皮膚科でも使われるかな?

副作用と注意点カリウムを下げる作用があるので、低カリウム血症の方は注意した方が良いでしょう。

通常使う分にはほとんど副作用はありません。
ただ、多めの量を長期間飲んでると「偽アルドステロン症」といって血圧が上がったり浮腫みが出たりします。

偽アルドステロン症
低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、尿量減少、体重増加などの症状があります。
低カリウムになった結果、ミオパチー(筋肉の異常)、横紋筋融解症が起こる事があります。症状としてはだるさや痺れ、こむら返りなどの痙攣、麻痺など。
他には不整脈が出る場合があります。

薬物相互作用:カリウム関係で併用注意があります。

ループ・サイアザイド系の
利尿剤
利尿剤とグリチルリチン酸の両方にカリウムを下げる作用があるので、
低カリウム血症(脱力感、筋力低下等)があらわれるおそれがあります。
モキシフロキサシン
(アベロックス)
グリチルリチン酸によってカリウムが低下した場合、心室性頻拍、QT延長などの不整脈を起こすおそれがあります。

あと、先にも書きましたがグリチルリチン酸は甘草(カンゾウ)という生薬に含まれている成分です。
この甘草は、かなり多くの漢方薬に配合されています
漢方薬を常用している方は、ご自身の服用している漢方に甘草が入っていないか確認した方が良いでしょう。
(と言っても、この製品に入ってる量はかなり少ないです)

製品内含量(成人):この製品の1回分には約13mg入っています。1日39mg
医療用では1回50~75mg、1日3回なので1日150~225mg
小児でも1回25mg、1日3回は使いますが…
ん~、補助的な感じでしょうか?

無水カフェイン

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※「無水カフェイン」と「カフェイン水和物」というのがありますが似たようなものなので、ここでは同じものとして扱います。

分類:薬効分類でいえば「中枢興奮・鎮痛剤」になります。「中枢性呼吸刺激薬」にもなります。「キサンチン誘導体」というものの一種でもあります。

効果:カフェインは、頭をすっきりさせたり、エネルギッシュな気分にさせたりする効果があります。それによって、心臓が活発に動いて血の流れが良くなるので、結果としてトイレに行く回数が増えることがあります。
また、カフェインは頭の中の血管を少し狭めることで、頭痛を和らげる効果もあります。
あと気管支を拡張させる作用があるので、昔はコーヒーを喘息の特効薬として使ってたみたいですね。

臨床での使用例:そもそもあんまり使われないのですが、一番使われるのは頭痛でしょうか。脳血管を収縮させるので、血管拡張型の頭痛に使います。
一応眠気や倦怠感にも適応があるのですが、それ目的で処方されたことは一度も経験ありません。
でも医療用ではなく一般的には眠気やだるさに対してが一番使われるでしょうね。
「無水カフェイン」は「早産・低出生体重児における原発性無呼吸症」に適応があります。

市販薬に入ってることが多いですが、これは眠気防止かなと思います。あとは「元気になった気にさせる」といったところでしょうか。エナジードリンクが良い例ですね。

副作用と注意点:副作用として不眠や振戦(手の震え)、動悸などがあります。
あと胃酸の分泌が増えるので消化を助けますが、空腹時に飲むと胃が荒れます。コーヒーには牛乳を入れましょう。ブラックを飲むなら食後にどうぞ。

薬物相互作用:併用注意のものがいくつかあります。禁忌ではないです。

・他のキサンチン系薬剤
アミノフィリン水和物
ジプロフィリン
テオフィリン等
・中枢神経興奮薬
エフェドリン塩酸塩
マオウ等


過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。
・MAO阻害剤
セレギリン塩酸塩
ラサギリンメシル酸塩
サフィナミドメシル酸塩

頻脈、血圧上昇等が現れることがあります。
シメチジン過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。

カフェインもキサンチン系になるので、同じ系統を摂取すると過量投与になります。喘息ある人は服用してる可能性があるので注意してください。
マオウは漢方薬に入ってることが多いです。知らずに摂ってることがあるのでこれも注意を。
MAO阻害薬はパーキンソン病に使うので、パーキンソンの方は注意してください。
シメチジンは胃薬ですね。今はあんまり使われないですが、飲んでる方は注意を。
でもどれもあまり気にしなくて良いかと思います。症状が出るようならカフェインを減量してください。

カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれているので、農林水産省のサイトにあった表を載せておきます。

農林水産省のサイトより引用

カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれていますが、その含有量は製品やブランド、調理法によって大きく異なります。ここで紹介するのはあくまで一般的な平均値または範囲であり、正確なカフェイン含有量については、各製品のラベルやメーカーの情報を参照してください。

製品内含量(成人):この製品の1回分には25mg入っています。1日75mg
医療用では、頭痛に使う場合は1回100~300mgくらいでしょうか。
1日75mgは、他の一般的な市販の風邪薬と同じ量ですね。

厚生労働省のサイトによると、「悪影響のない一日当たりの最大摂取量」の目安というのは個人差が大きく、日本でも国際的においても明確に設定はされていないようです。
例えば、
・カナダでは健康な成人だと1日400mg妊娠中の方、授乳中の方は1日300mgまで。
・イギリスでは妊娠中、授乳中の方は1日200mgまでとなっています。

厚生労働省のサイトにもカフェインの過剰摂取についての記事があるので興味のある方は目を通してみてください。(厚生労働省のサイト→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)

アスコルビン酸カルシウム(ビタミンC)

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※「アスコルビン酸」と同じ解説になっています。

分類:「ビタミン剤」ですね。その中の「水溶性ビタミン」になります。

ビタミンには脂溶性と水溶性がありますが、水溶性は摂り過ぎた場合でもおしっこの中に出てしまうので副作用というものはほぼありません。

効果コラーゲンの合成に関わっています。

コラーゲンとは血管とか骨とかを構成するたんぱく質ですが、これを合成するのにビタミンCが必要になります。
「じゃあコラーゲンそのものを摂取すればいいじゃない」と思いますが、コラーゲンはそのままの形では吸収されません。一度アミノ酸に分解されてから吸収されます。
そのアミノ酸は体の中でエネルギーになったりタンパク質になったりするので、飲んだコラーゲンが全部コラーゲンとして利用されるわけじゃないんですね。
「コラーゲン食べた(飲んだ)からお肌プルプル!」というのはウソなので、そういった商品は買わない方が良いですね。気分的なものです。
最近は「低分子コラーゲンだから吸収される!」と謳ってるメーカーもありますが、低分子といっても分子量1,500~1,800です。小腸は600くらいまで、大腸は300くらいまでしか吸収できないので、どちらにしてもウソですね。

ビタミンCが不足するとコラーゲンの合成が低下して、骨、皮膚、血管、歯などが弱くなります
ビタミンC欠乏が数週間から数ヵ月続くと壊血病を引き起こします。
でもこれは極端に不足した場合です。1日10mg程度摂っていればいれば壊血病防止になるようですが、日本人は平均してその10倍は摂っています。

あと、メラニン色素の生成を抑制したり、抗酸化作用などもありますね。

一応「風邪の症状の持続時間を短縮される効果があった」という報告もあるようです。
ただ、予防効果については否定されていますね。

臨床での使用例:あんまり処方されてるのを見ないのですが、皮膚科では肝斑(シミ)とか炎症後の色素沈着とかで出ます。

あと、鉄分の吸収を良くするので、鉄欠乏性貧血の方に鉄剤と一緒に処方されたりしますね。

副作用と注意点:水溶性ビタミンなので基本的には過剰症というのは出にくいのですが、大量に摂取した後に急に中止すると「リバウンド壊血病」というのが出ることがあるようです。

あと、ビタミンCを過剰摂取すると血清シュウ酸値が上昇します。
このため、「ビタミンCをたくさん摂ると尿路結石(シュウ酸カルシウム)ができやすくなる」という話がありますが…これは今では否定されています。むしろ、ビタミンCがシュウ酸とカルシウムの結合を阻止していると。

ただ、長期大量投与ではシュウ酸症による腎障害などがあるようです。

どんなものでも摂り過ぎには注意しましょう。普通に摂る分には問題ありません。

ただ、薬に含まれている添加剤に対してアレルギー症状を起こすこともあるので、そこは注意です。

薬物相互作用:特にありません。

製品内含量(成人):この製品には「アスコルビン酸カルシウム」として1回に約167mg入っています。1日500mg
アスコルビン酸としては1回約150mg、1日約450mgになります

医療用では1日50~2,000mgとなっています。
あってもなくてもどっちでも良いですね。食事が摂れている方であればまず不足する事はありませんし。

ヘスペリジン(ビタミンP)

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分類:これに関しては主な成分に入れても良いのか迷いましたが…。

自分もよく分からないのですが、ビタミンPと呼ばれる「ビタミン様物質」となるそうです。
ポリフェノールの一種だとか。
ビタミンというのは人の体にとって必須なのですが、これはそうではありません。
「ビタミンP」というのにビタミンではないと。ややこしい。

効果:いろいろな生理作用が報告されているようです。
コレステロールや血圧を低下させる、抗炎症作用、抗不安作用、抗アレルギー作用、抗酸化作用、発がん抑制作用など。

抗炎症、抗アレルギーの作用があるので、そちらで使ってるのかもしれないですね。

臨床での使用例:医療用では存在しません。

薬物相互作用:そもそも医薬品ではないのですが、調べてみると「血圧の薬と一緒に飲む場合は注意してね」という事にはなっているようです。
ヘスペリジン自体が血圧を下げる作用があるので、血圧の薬と一緒に飲むと血圧が下がりすぎる恐れがあると。

こんなもので高血圧の人の血圧が下がるのであれば、医療用の降圧剤なんて必要なくなりますね。

製品内含量(成人):この製品の1回分には30mg入っています。1日90mg
ヘスペリジンの摂取量の目安ですが…「1日75~150mg」と書いてるものもあれば「1日250~500mg」と書いてるものもありますね。
1日90mgというのは少なめではあるみたいですが、もともと補助的なものとして入れてるのであまり気にしなくて良いかもです。なくても良いと思いますけど。

ベンザブロックIPプレミアムの主要成分の効果と注意点のまとめ

9つの成分について解説してきましたが、まとめると以下のようになります。

  1. イブプロフェン
    • 解熱鎮痛剤。痛みや炎症を抑え、風邪の不快感を軽減します。
    • 副作用として胃に負担がかかることがあり、アスピリン喘息の誘発などのリスクにも注意が必要です。
  2. アセトアミノフェン
    • 解熱鎮痛剤で、痛みや熱を中枢神経系で抑えますが、抗炎症作用はほぼありません。
    • 安全性は高いですが、肝障害のリスクがあり、特にアルコールとの併用には注意が必要です。
  3. d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
    • 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
    • 抗コリン作用により眼圧上昇や排尿困難などの副作用があり、特に眠気に注意が必要です。
  4. dl-メチルエフェドリン塩酸塩
    • 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
    • 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
  5. ジヒドロコデインリン酸塩
    • 中枢性麻薬性鎮咳薬で、咳中枢を抑制して咳を抑えます。
    • 乾いた咳や下痢に対して使用されますが、痰を硬くする可能性や依存性、眠気などの副作用に注意が必要です。
  6. グリチルリチン酸
    • 抗アレルギー・抗炎症作用があり、のどや鼻の粘膜の炎症をしずめます。
    • 低カリウム血症に注意。だるさや痺れ、こむら返りや麻痺などがあったら中止して受診してください。
    • 甘草が入っている漢方薬を飲んでいる方は注意を。
  7. 無水カフェイン
    • 中枢興奮・鎮痛剤として、覚醒作用を持ち、頭痛や眠気防止に効果的です。
    • 副作用には不眠や振戦、動悸があり、他のキサンチン系薬剤や中枢神経抑制剤との併用に注意が必要です。
  8. アスコルビン酸カルシウム(ビタミンC)
    • 水溶性ビタミンで、コラーゲンの生成に関与しています。風邪への効果は疑問。
    • 摂り過ぎても尿として排泄されるため、長期・大量摂取しなければ過剰症のリスクはありません。
  9. ヘスペリジン(ビタミンP)
    • ビタミンPというビタミン様物質。抗炎症作用や抗アレルギー作用はあるそう。
    • 一応、血圧を下げる薬を飲んでる方は血圧が下がりすぎることがあるそうなので注意を。

用法・用量と注意点

薬の服用時間や方法を象徴的に表現したイラスト。時計、カプセル、錠剤、薬の効果時間を示すグラフなどが淡い色調でデザインされており、服薬管理やタイミングの重要性を視覚的に伝える内容。

ベンザブロックIPプレミアムの用法・用量

ベンザブロックIPプレミアム錠(錠剤)
 15歳以上:1回3錠・1日3回

ベンザブロックIPプレミアム(カプレット)
 15歳以上:1回2錠・1日3回

15歳未満の方は服用しないでくださいということになっています。

イブプロフェンの入ってるものは15歳未満は禁忌になっていますが、これはライ症候群を警戒してだと思います。

ライ症候群
極めてまれですが、小児がインフルエンザや水痘・帯状疱疹にかかってる間にアスピリンなどのサリチル酸系の解熱鎮痛剤を飲むと発症する事があります。
症状は、脳浮腫や頭蓋内圧の上昇によって激しい吐き気・嘔吐、けいれん、意識障害、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖などが短期間に発現して、死に至ることもあります。
特別は治療法はなく、急性期を乗り越えても後遺症が生じることが少なくありません。

イブプロフェンはサリチル酸系ではなくて、プロピオン酸系と呼ばれるものになります。

国際的に小児の解熱にはアセトアミノフェンかイブプロフェンが推奨されているのに、市販薬だとイブプロフェンが使えないのは少しもったいないですね。

15歳未満の方は解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンだけが入ってるものにしましょう。

注意してほしいこと

いくつか注意点を書いておきます。

食後の服用: 「食後なるべく30分以内に」となっています。
イブプロフェンで胃痛が起こる方もいるので一応注意してください。
でもあまり心配は要らないです。

眠気に注意クロルフェニラミンやジヒドロコデインで眠気が出やすい方もいるので注意してください。
「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。
ただ、全然眠くならない方もいるので、そういう方は問題ないですね。

喘息治療中の方:気管支拡張薬のメチルエフェドリンが入っているので、喘息を治療中の方はすでに服用(吸入)してる可能性があります。過剰摂取にならないように注意してください。

漢方薬服用中の方:グリチルリチン酸は甘草(カンゾウ)という生薬に含まれる成分ですが、過剰摂取で偽アルドステロン症の副作用が出る場合があります。
漢方薬を飲んでる方は注意してください。カンゾウが入っていないものであれば問題ありません

ジドブジン(商品名:レトロビル、コンビビル)服用中の方は禁忌となっています。(イブプロフェン)

服用期間: 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。
3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診断を受けた方が良いかと思います。
ジヒドロコデインのオーバードーズの問題もあります。
この製品の添付文書にも「5日間を超えて服用しないこと」と書いてありますね。

妊娠中の方

妊娠後期(28週以降)の方は禁忌です。
(この製品の添付文書には「出産予定日12週以内の妊婦は飲まないで」という書き方になっています)

イブプロフェンによって胎児の動脈管(心臓と大動脈をつなぐ血管)が収縮した、という報告があります。
妊娠後期の方はアセトアミノフェンという解熱鎮痛剤が入ったものにした方が良いかと思います。
アセトアミノフェンは短期間であれば問題ないとされています)

あとジヒドロコデインは妊娠28週以降は推奨されません
豪州ADECというオーストラリアの危険度分類ではジヒドロコデインの分類はAとなり、「今までの使用経験上では大丈夫だった」とのことです。
ただ、違う基準(Briggs基準)によるとリスク4の「妊娠28週以降は胎児への危険性が示唆される」という分類になっています。

28週以前であれば問題はなさそうですが、メチルエフェドリンによって胎児が頻脈を起こすことがある、という事もありそうです。

妊娠してる(可能性のある)方はこの薬は避けた方が無難かと思います。
他に使える風邪薬はありますしね。

あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(と言うか、必ず受診してください)

授乳中の方

この薬の添付文書には「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」と書いてあるのですが…
こちらについては特に問題ないと考えます。

Mothers’ Milk基準では、この風邪薬に入ってる成分の中で一番リスクの高いもので「L3(概ね適合)」となっています。
(クロルフェニラミンとジヒドロコデインがL3)

ジヒドロコデインは基本的には「授乳を避けること」となっています。母乳に移行して乳児にモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告があります。
母親に便秘や眠気などの副作用が出ている場合は授乳をやめた方が良いでしょうね。
似たようなものでデキストロメトルファンというのがあり、こちらは安全に使用可能となっています。

メチルエフェドリンに関してはデータがありません。
基本的には「避けてください」と言われる事が多いですが…生後3ヵ月から使える製品も存在します。

「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると心配はいらないかと思います。

心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。

あと、この製品を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。

妊娠・授乳中の薬物治療に関して不安を持つ方も多いかと思います。
そういう方の相談に乗ってくれる機関があるのでそこのサイトのリンクを貼っておきます。
妊娠と薬情報センター:https://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html

ベンザブロックIPプレミアムの特徴と利点と個人的な感想

解熱鎮痛剤がイブプロフェンとアセトアミノフェンの2種類入っていますが…
・イブプロフェン:120mg/回
・アセトアミノフェン:60mg/回
と、それぞれの量がかなり少なめです。

効果が無いとは言い切れないですが…これならイブプロフェン200mg/回か、アセトアミノフェン300mg/回の方が効くんじゃないかな?と。

コロナ流行時にアセトアミノフェン(商品名:カロナール)を飲んだ人も多いと思いますが、おそらく病院で処方された量は1回に400~600mgだったはずです(これでも大して効かなかった人もいると思いますが)。

医療用では、例えば「アセトアミノフェンを1回500mg使って、それでも熱や痛みが治まらなければイブプロフェン200mgを追加して」という感じになります。

この製品に入っている量では解熱も鎮痛も、効果はあまり実感できないかと思います。

ただ、今まで書いた風邪薬ではこの2つが入ってるのはありませんでした。
そういう意味では特殊かもしれませんね。

他の成分では特筆するものはないかな?

普通の『ベンザブロックIP』と比較してみます。

スクロールできます
ベンザブロックIPプレミアム
(この記事)
ベンザブロックIP
解熱鎮痛剤イブプロフェン:360mg
アセトアミノフェン:180mg
イブプロフェン:450mg
咳止めジヒドロコデイン:24mg
メチルエフェドリン:60mg
ジヒドロコデイン:24mg
メチルエフェドリン:60mg
鼻水の薬d-クロルフェニラミン:3.5mgdl-クロルフェニラミン:7.5mg
カフェイン75mg75mg
ビタミン剤アスコルビン酸カルシウム:500mg
ヘスペリジン:90mg
ヘスペリジン:90mg
その他グリチルリチン酸:39mgなし
〇〇mgの数字は、成人の1日の量です。

『ベンザブロックIP』との違いは、
・イブプロフェンが減って、アセトアミノフェンが入ってる
・クロルフェニラミンがd
・アスコルビン酸(ビタミンC)が入ってる
・グリチルリチン酸が入ってる
の4点です。

解熱鎮痛剤のこの違いは何とも言えません。
イブプロフェンが450mg/日の方が効くという人もいるでしょうね。

ビタミンCは…無いよりは良いのかな?あまり必要性を感じないのですが。

グリチルリチン酸は喉の炎症に使うものですね。熱には関係ないかな?

「プレミアム」って感じではないですね。個人的な感想ですが。

使用した方の口コミ・レビュー・値段など

「ものログ」というサイトの口コミです。

まず良い評価の方は、

「即効性があり1度の服用でかなり良くなった」
「これ効きすぎるくらい効いてる」
「喉の痛みや寒気によく効いた」

といった具合。

否定的な意見としては、

「1日3回飲むのが面倒」
「値段が少し高い」
※否定的なレビューがこれくらいでした。

といった感じ。

評価は高めですね。びっくりするくらい。ステマではないと思いますが…。

ん~、これが効くなら頭痛薬の『イブ』とかでも良さそうなものですけど。
(『イブクイック頭痛薬DX』というのには、イブプロフェンが200mg/回入ってます)

否定的な意見も効果に関する事ではないんですよね。
「1日3回は面倒」というのは他の風邪薬も大体そうだし仕方ないですね。

値段に関しては、Yahooショッピング(送料込み)で見ると、
・IPプレミアム錠(錠剤)が45錠ので1,800~2,100円くらい1日360~420円くらい
・IPプレミアム(カプレット)が24錠ので1,800~2,400円くらい1日450~600円くらい

値段は普通の『ベンザブロックIP』と変わらないですね。
内容からするとどちらも高いですけど。

まとめ

明るく穏やかな風景を描いたイラスト。柔らかな日差しが広がる空には白い雲と飛び交う鳥たち、そして温かみのある色合いで描かれた川や木々、草花が春の訪れを感じさせる。画面の下部には手を広げて自然を満喫する人のシルエットが描かれており、心地よい外出を楽しむ様子が伝わる。

この記事では『ベンザブロックIPプレミアム』の主要成分、それぞれの効果、用法・用量、そして実際の使用者の声をご紹介しました。

普通の『ベンザブロックIP』は特徴のない風邪薬でしたが…
こちらの『ベンザブロックIPプレミアム』は何だかよく分からないことになってますね。
解熱鎮痛剤を2種入れるのは良いのですが、それぞれの量が少なすぎるし。
あと値段も高めです。

でも口コミを見ると評価は高いんですよね。不思議と。
人それぞれ、ということでしょうか。

自分が買うとしたら「アセトアミノフェンが900mg/日」か「イブプロフェンが600mg/日」入っているのにすると思います。

他の風邪薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
風邪薬(総合感冒薬)一覧

風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。

ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。

効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします

詳細な情報やご購入を検討される方は、公式ホームページを参照してください。

製品の公式ホームページはこちら:https://benza.jp/benzablock-ip/premium-c/

皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。

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この記事を書いた人

きつねと申します。40代の現役薬剤師として、臨床経験をもとに市販薬の効果と安全な使用法をわかりやすくお伝えすることを目指しています。健康な毎日のためのお手伝いができれば幸いです。

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