『ベンザブロック®IPプレミアム』(製造終了)の特徴・効果・注意点【薬剤師が解説】

この製品は2025年の9月か10月くらいに製造終了になったようですが、記事はそのまま残しておきます。
後継品は『ベンザブロックIPプレミアムDX』となっています。
そっちの記事に比較も書いてます。

この製品は、解熱鎮痛剤として

  • イブプロフェン(1日360mg)
  • アセトアミノフェン(1日180mg)

の2つが入っているのが特徴でしょうか。風邪薬でこの組み合わせは珍しいですね。

ただ、それぞれの量は少なめです。
これなら、

  • イブプロフェンが1日600mg

または、

  • アセトアミノフェンが1日900mg

入ったものを使った方が効果があるのではないでしょうか。人によりけりですけど。

『プレミアム』ではない普通の『ベンザブロックIP』は何の特徴もない風邪薬でしたが、その分使いやすくはありました。
この『ベンザブロックIPプレミアム』はなんだかよく分からない事になっています。

症状が発熱または痛みだけであれば、解熱鎮痛剤として販売されている製品を使った方が良いかな、と思います。

風邪薬の一覧や、似た成分の風邪薬を探せるツールもあります。
⇒風邪薬(総合感冒薬)一覧
⇒風邪薬成分比較チェッカー

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目次

基本情報

・製造販売元:アリナミン製薬

・主な成分

成分名1日量(15歳以上の)はたらき
イブプロフェン360mg熱をさげ、痛みを和らげる
アセトアミノフェン180mg熱をさげ、痛みを和らげる
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩3.5mg鼻水、くしゃみを抑える
dl-メチルエフェドリン塩酸塩60mg気管支をひろげ、咳を鎮める
ジヒドロコデインリン酸塩24mg咳を抑える
グリチルリチン酸39mgのどや鼻の粘膜の炎症を鎮める
無水カフェイン75mg頭痛・頭重感を和らげる
アスコルビン酸カルシウム(ビタミンC)500mgビタミン補給
ヘスペリジン90mgビタミン補給?
スクロールできます
成分名1日量
(15歳以上の)
はたらき
イブプロフェン360mg熱をさげ、痛みを和らげる
アセトアミノフェン180mg熱をさげ、痛みを和らげる
d-クロルフェニラミン
マレイン酸塩
3.5mg鼻水、くしゃみを抑える
dl-メチルエフェドリン
塩酸塩
60mg気管支をひろげ、咳を鎮める
ジヒドロコデイン
リン酸塩
24mg咳を抑える
グリチルリチン酸39mgのどや鼻の粘膜の炎症を鎮める
無水カフェイン75mg頭痛・頭重感を和らげる
アスコルビン酸
カルシウム
(ビタミンC)
500mgビタミン補給
ヘスペリジン90mgビタミン補給?

・包装

  • 『ベンザブロックIPプレミアム錠』(錠剤):30錠、45錠(瓶包装)
  • 『ベンザブロックIPプレミアム』(カプレット):12錠、24錠(PTP包装)
    (※カプレットとは、カプセルみたいな形の錠剤です)

各成分の効果・注意点

『ベンザブロックIPプレミアム』の主要成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。

各成分名をタップ・クリックするとそれぞれの成分の簡単な解説記事にいきます。

  1. イブプロフェン
    • NSAIDsの一種。痛みや熱、炎症を抑えます。
    • 胃に負担がかかることがあります。アスピリン喘息にも注意を。
  2. アセトアミノフェン
    • 痛みや熱を中枢において抑えますが、抗炎症作用はほぼありません。
    • いわゆる「NSAIDs」には含まれません。胃への負担も少なめです。
    • 安全性は高いですが、肝障害のリスクがあります。特にアルコール多飲者は併用に注意を。
  3. d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
    • 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
    • 眠気には注意してください。
    • 抗コリン作用により、眼圧上昇や排尿困難などの副作用が出る可能性があります。
  4. dl-メチルエフェドリン塩酸塩
    • 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
    • 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
  5. ジヒドロコデインリン酸塩
    • 中枢性麻薬性鎮咳薬で、咳中枢を抑制することで咳を抑えます。
    • 痰を硬くする可能性があるので、主に痰のからまない咳に使います。
    • 便秘、眠気などの副作用に注意を。
    • 12歳未満は禁忌です(呼吸抑制のリスクが高い)。
  6. グリチルリチン酸
    • 抗アレルギー・抗炎症作用があり、のどや鼻の粘膜の炎症をしずめる目的で配合されています。
    • 低カリウム血症に注意。だるさや痺れ、こむら返りや麻痺などがあったら中止して受診してください。
    • 甘草(カンゾウ)が入っている漢方薬を飲んでいる方は注意を。
  7. 無水カフェイン
    • 血管拡張性の頭痛や片頭痛の症状をやわらげます。
    • 覚醒作用があるので眠気防止にも。
    • 副作用として、不眠や振戦(手の震え)、動悸、めまいなどがあります。
  8. アスコルビン酸カルシウム(ビタミンC)
    • 水溶性ビタミンで、コラーゲンの生成に関与しています。
    • 風邪症状の期間短縮の報告はありますが、その効果は疑問あり。
    • 摂り過ぎても尿として排泄されるため、長期・大量摂取しなければ過剰症のリスクはありません。
  9. ヘスペリジン
    • ビタミンPというビタミン様物質(ビタミンではないです)。生薬の「陳皮」の主成分。
    • 抗炎症作用、抗アレルギー作用、抗酸化作用、免疫力アップなどの作用があるそう。
    • 血圧や狭心症の薬の中には、併用すると効き目が強くなったり弱くなったりする可能性がある薬があります。一応注意してください。

他の成分の薬を探してる方はこちらから。
成分の一覧表

使い方(用法・用量)

剤形年齢1回の服用量1日の服用回数
ベンザブロックIPプレミアム錠
(錠剤)
15歳以上3錠3回
ベンザブロックIPプレミアム
(カプレット)
15歳以上2錠3回
剤形年齢1回の
服用量
1日の
服用回数
ベンザブロックIP
プレミアム錠

(錠剤)
15歳以上3錠3回
ベンザブロックIP
プレミアム
(カプレット)
15歳以上2錠3回

「食後なるべく30分以内に」となっています。
イブプロフェンで胃痛が起こる方もいるので一応注意してください。
でもあまり心配は要らないです。

15歳未満の方は服用しないでくださいとのことです。

イブプロフェンが入っていると15歳未満には使えないことになっています。
(「かぜ薬の製造販売承認基準について」より)

国際的に小児の解熱にはアセトアミノフェンかイブプロフェンが推奨されているのに、市販薬だとイブプロフェンが使えないのは少しもったいないですね。

15歳未満の方はアセトアミノフェンが入ってるものにしましょう。
大人の方でも解熱だけが目的の場合はアセトアミノフェンが良いと思います。

製品全体としての注意点

注意してほしいこと

いくつか注意点を書いておきます。

  • 眠気に注意:眠気が出る可能性があるので注意してください。
    • 「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。ただ、全然眠くならない方もいるのでそういう方は問題ないですね。
  • 喘息:イブプロフェンによって喘息発作が誘発される事があります。
    • 他の風邪薬や解熱鎮痛剤で喘息の症状が出た事がある人は、解熱鎮痛剤としてはアセトアミノフェンだけが入ってる風邪薬を選ぶと良いかと思います。
  • ジドブジン(商品名:レトロビル、コンビビル)服用中の方は注意してください。
    • イブプロフェンと併用すると出血傾向が強まる可能性があります。
    • この製品の添付文書には記載がないですが、医療用のイブプロフェンはジドブジンとの併用は禁忌となっています。
  • 漢方薬服用中の方:グリチルリチン酸は甘草(カンゾウ)という生薬に含まれる成分ですが、過剰摂取で偽アルドステロン症の副作用が出る場合があります。漢方薬を服用中の方は注意してください。
    • カンゾウが入っていない漢方薬であれば問題ありません。
    • グリチルリチン酸やカンゾウの解説記事にカンゾウが含まれる漢方薬を載せている(109種類)ので、気になる方は見てみてください。
  • 喘息治療中の方
    • 気管支拡張薬のメチルエフェドリンが入っているので、喘息を治療中の方はすでに服用(吸入)してる可能性があります。過剰摂取にならないように注意してください。
    • ジヒドロコデインは気道分泌の抑制と気管支を収縮させる作用もあるので、基本的には喘息には使いません(喘息発作には禁忌)。
  • 抗コリン作用:口の渇きや目のかすみ、眼圧上昇、排尿困難、便秘などの症状が出る可能性があります。
    • 気になる場合は減量または中止してください。
  • 服用期間:「5日間を超えて服用しないでください」となっています。
    • 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診察を受けた方が良いかと思います。
    • ジヒドロコデインのオーバードーズ(過剰摂取)の問題もあります。

妊娠・授乳中の使用について

大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。

クリック・タップで開きます。

妊娠中の方

妊娠後期(28週以降)の方は禁忌です。
(この製品の説明書では「出産予定日12週以内の妊婦は飲まないで」という書き方になっています)

イブプロフェンにより胎児の動脈管(肺動脈と大動脈をつなぐ血管)が収縮した、という報告があります。
妊娠後期の方は、解熱鎮痛剤としてはアセトアミノフェンだけが入ったものにした方が良いかと思います。
(アセトアミノフェンは短期間であれば問題ないとされています)

また、ジヒドロコデインは妊娠28週以降は推奨されません。
豪州ADECという危険度分類ではジヒドロコデインの分類はAとなり、「今までの使用経験上では大丈夫だった」とのことです。
ただ、違う基準(Briggs基準)によるとリスク4の「妊娠28週以降は胎児への危険性が示唆される」という分類になっています。

あとグリチルリチン酸ですが、医療用のグリチロンの添付文書には「グリチルリチン酸一アンモニウムを大量投与したときの動物実験(ラット)において腎奇形等が認められている」との記載があります。
ただ、この製品に入っている量であればまず問題はないかと思います。

服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
原則として、妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)

授乳中の方

この製品の説明書には
「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」
と書いてあります。
ジヒドロコデインが入っているため、この記載があります。

とはいえ、そこまで心配する事もないかと思います。

Mothers’ Milk基準では、この製品に入ってる成分中一番リスクの高いもので、

  • ジヒドロコデイン
  • クロルフェニラミン

の2つが「L3(概ね適合)」となっています。

ジヒドロコデインは基本的には「授乳を避けること」となっています。母乳に移行して乳児にモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告があります。
母親に便秘や眠気などの副作用が出ている場合は授乳をやめた方が良いでしょうね。
似たようなものでデキストロメトルファンというのがあり、こちらは一応安全に使用可能となっています(効くかどうかは別)。

心配な方はジヒドロコデインが入っていない薬を選ぶようにしましょう。

メチルエフェドリンに関してはデータがありません。
基本的には「避けてください」と言われる事が多いですが、生後3ヵ月から使える製品も存在します。

グリチルリチン酸は小児にも適応がありますね。

「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。

心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。

心配な方は、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。

妊娠・授乳中の薬物治療に関して不安を持つ方も多いかと思います。
そういう方の相談に乗ってくれる機関があるのでそこのサイトのリンクを貼っておきます。
妊娠と薬情報センター:https://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html

製品の特徴や利点、個人的な感想

「熱からのかぜに、青のベンザ」ということで…なのかは分かりませんが、この製品には解熱鎮痛剤が2種類入っています。
イブプロフェンとアセトアミノフェンの組み合わせは珍しいですね。

それぞれの量は、

  • イブプロフェン:120mg/回・360mg/日
  • アセトアミノフェン:60mg/回・180mg/日

と、かなり少なめ。
(規定として、イブプロフェンが360mg/日入っている場合、アセトアミノフェンは180mg/日までしか入れられません)

一応、イブプロフェン200mgとアセトアミノフェン300mgが同等(か、イブプロフェンがちょっと強い)とされているので、アセトアミノフェン60mgはイブプロフェン40mgと同等となります。

となると、この製品はイブプロフェンに換算すると1回160mg・1日480mgくらい、という感じでしょうか。
アセトアミノフェンだと1回240mg・1日720mgですね。

これなら普通にイブプロフェンが1日600mgの製品、またはアセトアミノフェンが1日900mgの製品を使った方が良いかと思います。
そもそもアセトアミノフェンとイブプロフェンの同時または交互使用は推奨されていません。

鼻水についてはd-クロルフェニラミンのみ。市販薬では一般的な抗ヒスタミン薬です。

咳止めはジヒドロコデインとメチルエフェドリン。これも市販薬では一般的な組み合わせです。

グリチルリチン酸が入っていますが、これは喉の炎症を抑える目的のようです。
ただ、医療用では肝機能改善くらいにしか使われません。風邪で処方されることはないです。
そもそも量が少なめで効果もあまり期待できないでしょう。

解熱鎮痛剤が2種類入っているのが特徴ではありますが、それ以外はいたって普通です。
というか、いろいろ入っててゴチャゴチャしてますね。

『プレミアム』ではない普通の『ベンザブロックIP』と比較してみます。

『ベンザブロックIPプレミアム』『ベンザブロックIP』
解熱鎮痛剤イブプロフェン:360mg
アセトアミノフェン:180mg
イブプロフェン:450mg
咳止めジヒドロコデイン:24mg
メチルエフェドリン:60mg
ジヒドロコデイン:24mg
メチルエフェドリン:60mg
鼻水の薬d-クロルフェニラミン:3.5mgdl-クロルフェニラミン:7.5mg
カフェイン75mg75mg
ビタミン類アスコルビン酸(C):500mg
ヘスペリジン:90mg
ヘスペリジン:90mg
その他グリチルリチン酸:39mgなし
〇〇mgの数字は、成人の1日の量です。
『ベンザブロックIP
プレミアム』
『ベンザブロックIP』
解熱鎮痛剤イブプロフェン:360mg
アセトアミノフェン:180mg
イブプロフェン:450mg
咳止めジヒドロコデイン:24mg
メチルエフェドリン:60mg
ジヒドロコデイン:24mg
メチルエフェドリン:60mg
鼻水の薬d-クロルフェニラミン:3.5mgdl-クロルフェニラミン:7.5mg
カフェイン75mg75mg
ビタミン類アスコルビン酸:500mg
ヘスペリジン:90mg
ヘスペリジン:90mg
その他グリチルリチン酸:39mgなし
〇〇mgの数字は、成人の1日の量です。

『ベンザブロックIP』との違いは、

  • イブプロフェンが減って、アセトアミノフェンが入ってる
  • クロルフェニラミンがd体
  • アスコルビン酸(ビタミンC)が入ってる
  • グリチルリチン酸が入ってる

の4点です。

解熱鎮痛剤のこの違いは何とも言えません。
この製品の組み合わせが効くという人もいるでしょうし、イブプロフェン450mg/日の方が効くという人もいるでしょうね。

クロルフェニラミンは「d-体」。「dl-体」よりは眠気の副作用が少なくなっているはずです。あまり違いは感じないと思いますが。

ビタミンCは…無いよりは良いのかな?あまり必要性を感じないのですが。

グリチルリチン酸は熱には関係ないですね。

配合してる成分は増えていますが、発熱に関しては純粋な上位互換ではありません。
『プレミアム』という感じではないですね。個人的な感想ですが。

使用した方の口コミ・レビュー、値段など

「ものログ」というサイトの口コミです。

良い評価としては、

「即効性があり1度の服用でかなり良くなった」
「飲んで爆睡したら、熱も下がり夕方にはほぼ熱もダルさもなくなりました。」
「喉の痛みや寒気によく効いた」

といった具合。

否定的な意見としては、

「1日3回飲むのが面倒」
「値段が少し高い」
※否定的なレビューがこれくらいでした。

といった感じ。

評価は高めですね。びっくりするくらい。ステマではないと思いますが。

否定的な意見も効果に関する事ではないんですよね。
「1日3回は面倒」というのは、他の風邪薬も大体そうだし仕方ないですね。

値段について

メーカーの希望小売価格(税込)を見ると、

ベンザブロックIP
プレミアム錠

(錠剤)
30錠:1,757円
45錠:2,197円
ベンザブロックIP
プレミアム

(カプレット)
12錠:1,537円
24錠:2,197円

ということでした。

Yahooショッピング(送料含まず)で見てみると、

剤形包装値段1日分に換算
ベンザブロックIP
プレミアム錠

(錠剤)
30錠1,400~2,000円420~600円
45錠1,500~2,400円300~480円
ベンザブロックIP
プレミアム

(カプレット)
12錠1,200~1,900円600~950円
24錠1,650~2,200円412~550円

※1日分のは、錠剤は1日9錠、カプレットは1日6錠で計算
※2025年2月時点です。

こんな感じでした。Amazonとか楽天だとまた違うと思いますけど。

値段は普通の『ベンザブロックIP』よりはもちろん高め。
内容からするとどちらも高いと思いますけど。

風邪薬の一覧や、似た成分の風邪薬を探せるツールもあります。
⇒風邪薬(総合感冒薬)一覧
⇒風邪薬成分比較チェッカー

おまけ・きつねなら買うか買わないか判定

買わない。

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