
今回はちょっと変わり種の鼻炎薬、『アネトン アルメディ鼻炎錠』について書きます。
この製品は生薬が多めですね。4種類も入っています。
それも特徴の一つですが、この製品の鼻水・鼻づまりに使う成分の量は、他の一般的な市販薬よりも多めになっています。
長期間使うべきものではないですが、短期間、ピンポイントで使う場合は選択肢の一つになるかもしれません。
※アレルギー性鼻炎で長期間薬を服用するのであれば、第二世代抗ヒスタミン薬をお勧めします。
(第二世代抗ヒスタミン薬の製品については下の記事にまとめてます)

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製品の基本情報
・製造販売元:JNTLコンシューマーヘルス
・成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
プソイドエフェドリン塩酸塩 | 180mg | 鼻づまりを和らげる |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 12mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
サイシン(細辛)エキス | 30mg | 鎮咳、抗アレルギー、腸管収縮抑制など |
カンゾウ(甘草)末 | 300mg | のどや鼻の粘膜の炎症を鎮める |
シンイ(辛夷)エキス | 21mg | 消炎、鎮静、鎮痙作用など |
ショウキョウ(生姜)末 | 100mg | 発汗を促し、熱をさげる |
無水カフェイン | 90mg | 頭痛・頭重感を和らげる |
・包装
45錠、90錠
(3錠ずつ袋に入っています)
各成分の解説
この製品には主な成分が7種類入ってます。
それぞれ解説していきますが、少し長くなるので折り畳みにしておきます。
興味のある方は読んでみてください。
※それぞれの成分の解説は、基本的には他の記事のと同じです。
製品内含量のところに少し固有のコメントをつけてるだけです。
プソイドエフェドリン塩酸塩
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・分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあって、そのうちの交感神経の方に働くものですね。
交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があって、プソイドエフェドリンはその両方に作用するのですが、α受容体の方により強く作用を発揮する「α刺激薬」として使われます。
・効果:鼻の粘膜の血管にあるα受容体を刺激することで、血管が収縮して鼻粘膜の充血や腫脹を軽減します。
そうすることで鼻づまりを改善します。
ただ、交感神経の受容体は全身のあちこちにあるので、思わぬ副作用が出ることがあります。
・臨床での使用例:日本にはこの成分単独の医療用医薬品はないのですが、「抗ヒスタミン薬」と一緒になっている薬があります(「ディレグラ」「プソフェキ」)。
抗ヒスタミン薬は鼻水やくしゃみは抑えますが、鼻づまりを解消する効果はあまりありません。
このプソイドエフェドリンを一緒に配合することで、鼻水・鼻づまりの両方に効果を発揮するんですね。
鼻づまりがひどいアレルギー性鼻炎には効果的ですね。
あと、この成分ではないのですが、他の「α刺激薬」では点鼻薬という形で直接鼻に噴霧して使うものがあります。
全身性の副作用もあまりなく使いやすいのですが、結構クセになるので注意が必要ですね。
内服でも点鼻でも、短期間の使用にとどめておいた方が良いと思います。
・副作用と注意点:副作用はあまりないですが、血圧上昇や頻脈、血圧上昇による反射性の徐脈が起こる場合があります。心疾患を持ってる方は注意してください。
特に、重症の高血圧や冠動脈疾患の方は禁忌になります。
あと、甲状腺機能亢進症の方は交感神経刺激作用が強く表れることがあります。
腎機能が低下してる方も注意してください。この成分はあまり肝臓で分解されないので、腎機能が悪いと成分がそのままの形で体に残りやすくなります。結果として副作用が起きやすくなります。
・薬物相互作用:いくつか併用注意があります。
・交感神経系に対し抑制的に作用する降圧剤 メチルドパ レセルピン | 塩酸プソイドエフェドリンの交感神経刺激作用により、降圧作用が減弱することがあります。 |
・交感神経刺激薬 | 同じ系統なので、塩酸プソイドエフェドリンの心血管に対する作用が増強されることがあります。 |
・選択的MAO-B阻害剤 セレギリン | 血圧上昇等が起こるおそれがあります。 |
・製品内含量(成人):この製品の1回分には60mg入っています。1日180mg。
さきほど書いた「ディレグラ」では、通常1回120mg、1日240mg使います。
市販薬では1日120mgとか135mgが多いのですが、この製品はそれらと比べると成分量が多めですね。
クロルフェニラミンマレイン酸塩
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・分類:「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものです。
細かく言うと「ヒスタミン(H1)受容体拮抗薬(第一世代)」となります。
第一世代と第二世代は似たようなものですが、多少効果や副作用が変わってきます。
あと、クロルフェニラミンマレイン酸塩には「d(ディー)体」と「l(エル)体」というのがあります。
この製品に入っているのはd体とl体の両方が入ってるものですね。d体だけのものもあります。
l体の方は抗ヒスタミン作用があんまりなくて眠気の副作用があります。特にメリットはありません。
・効果:気管支や血管の細胞、知覚神経にあるH1受容体というところにヒスタミンという物質がくっつくことで鼻水やくしゃみ、痒みが出るのですが、その受容体をブロックすることで症状を抑えます。
ただ、鼻水を抑える効果はありますが、鼻づまりの方にはあまり効きません。
この成分には抗ヒスタミン作用の他に、抗嘔吐作用や抗コリン作用というものがあります。
第二世代と比べると効果の発現が早めですね。
・臨床での使用例:アレルギー性疾患全般に使っています。
アレルギー性鼻炎、上気道炎の鼻水・くしゃみ、蕁麻疹、湿疹など。
とにかく鼻水とくしゃみ、痒みがあればこの系統を使います。
病院ではあまりファーストチョイスにはならないかな?第二世代が効かない場合に使うといった感じです。
それに使うにしてもd体のみの薬がメインになって、あんまりdl体は使わないと思います。
・副作用と注意点:抗コリン作用により眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあるので、
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大など下部尿路閉塞疾患がある方には禁忌となります。
(と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。主治医に訊いてみてください)
出やすい副作用としては眠気や口渇があります。
ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。それでも最初に飲んだ後は注意してください。
口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
バルビツール酸系薬剤等 アルコール | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
モノアミン酸化酵素阻害剤 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
抗コリン作動性薬剤ブチルスコポラミン臭化物 アトロピン硫酸塩水和物等 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
ドロキシドパ ノルアドレナリン | 血圧の異常上昇を来すおそれがあります。 |
併用禁忌というわけではないので、なんか眠いな~、ふらふらするな~と感じたら薬の量を減らして様子をみてください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には4mg入っています。1日12mg。
医療用では1回2~6mg、1日2~4回使うので最高で1日24mg使います。
市販の風邪薬の場合だと1日7.5mgが多いので、この製品はかなり多い方かと思います。
サイシン(細辛)エキス
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・分類:漢方薬に使われている生薬です。
ウスバサイシンまたはケイリンサイシンの根・根茎を乾燥させたものだそうです。
(ちなみに、地上部はアリストロキア酸という腎毒性のある物質が含まれているそうです)
・効果:単独では咳止めや抗アレルギー作用、腸管の収縮を抑える作用があります。
・臨床での使用例:単独で使うのは見た事ありません。
漢方薬としては、
・気管支炎や鼻炎などに使われる「小青竜湯」「麻黄附子細辛湯」「苓甘姜味辛夏仁湯」
・歯痛に使う「立効散」
・頭痛や腰痛、下腹部痛に使う「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」
に含まれていますね。
・副作用と注意点:日本のものについては特に注意点はありませんが、海外で作られた漢方薬にサイシンが入っている場合は、根や根茎の地下部だけでなく腎毒性のある地上部が含まれていることがあるので、そこだけ注意してください。
・薬物相互作用:特にありません。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には10mg入っています。1日30mg。
カンゾウ(甘草)末
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・分類:漢方薬に使われる生薬です。
漢字だと「甘草」です。文字通り甘いので、薬以外にも味噌や醤油、お菓子などの甘味料としても使われています。
・効果:カンゾウの主成分は「グリチルレチン酸」とか「グリチルリチン酸」というものですが、これには抗炎症、鎮咳、抗アレルギー、免疫調節、肝機能改善、ウイルス増殖抑制などいろいろな作用があります。
・臨床での使用例:漢方薬だと「甘草湯」というのがあって、こちらは激しい咳や喉の痛みに使います。
「グリチルリチン酸」としての薬もあって、こちらは慢性の肝疾患や湿疹・皮膚炎、円形脱毛症、口内炎などに使われています。
・副作用と注意点:漢方だからまったく安全、というわけではありません。
稀ではありますが、カンゾウには浮腫(むくみ)、高血圧、低カリウム血症(偽アルドステロン症)、重症だと横紋筋融解症などの副作用が出ることがあるので注意が必要です。
カンゾウはいろいろな漢方薬に入っているので、何種類か飲んでいるとすぐに用量オーバーしてしまいます。
他にも漢方薬を飲んでる方は、その漢方薬にカンゾウ(甘草)が入っていないか確認した方が良いかと思います。
・薬物相互作用:併用注意のものがあります。
・カンゾウ含有製剤 芍薬甘草湯 補中益気湯 抑肝散 等 ・グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤 グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠 等 ・ループ系利尿剤 アゾセミド トラセミド フロセミド 等 ・チアジド系利尿剤 トリクロルメチアジド ヒドロクロロチアジド ベンチルヒドロクロロチアジド 等 | 偽アルドステロン症があらわれやすくなります。 また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなります。 |
上でも書いてますが、カンゾウはいろいろな漢方薬に配合されています。
2~3種類の漢方薬を飲んでるだけでもかなりの量を摂ってしまう事があるので注意してください。
利尿剤については高血圧や心不全で治療を受けられている方は飲んでることが多いです。
ご自身の飲んでる薬を確認してみてください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には100mg入っています。1日300mg。
カンゾウ末として300mgなので、それほど多くはないですね。
シンイ(辛夷)エキス
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・分類:漢方薬に使われている生薬です。
タムシバ、コブシ又はハクモクレンのつぼみを乾燥させたものだそうです。
・効果:単独では抗炎症、鎮静、鎮痙作用があります。
・臨床での使用例:単独で使うのは見た事ありません。
漢方薬としては、
・慢性の鼻炎、蓄膿症に使われる「葛根湯加川芎辛夷」「辛夷清肺湯」
に含まれています。鼻にしか使わない感じですね。
・副作用と注意点:特にありません。
・薬物相互作用:特にありません。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には7mg入っています。1日21mg。
ショウキョウ(生姜)末
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・分類:漢方薬に含まれる生薬です。
漢字だと「生姜」。つまり「ショウガ」です。
日本人にとってはなじみ深いものですね。
風邪の時には「生姜湯」を飲む方も多いのではないでしょうか?体が温まりますよね~。
・効果:体を温める作用があります。末梢の血液循環を良くすることで発汗を促し、解熱の効果もあります。
あと、その独特な香りと辛味によって胃腸の働きが良くなり、食欲増進や消化促進などの効果もあります。
・臨床での使用例:基本的にはショウキョウ単独では使わなくて、大体は他の生薬と一緒になっています。
いろいろな漢方薬に入っていますね。
胃腸薬やかぜ薬に用いられるのはもちろん、吐き気止めや鎮痛などに使う漢方にも使われています。
・副作用と注意点:特にありません。
・薬物相互作用:特にありません。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には約33.3mg入っています。1日100mg。
無水カフェイン
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※「無水カフェイン」と「カフェイン水和物」というのがありますが似たようなものなので、ここでは同じものとして扱います。
・分類:薬効分類でいえば「中枢興奮・鎮痛剤」になります。「中枢性呼吸刺激薬」にもなります。「キサンチン誘導体」というものの一種でもあります。
・効果:カフェインは、頭をすっきりさせたり、エネルギッシュな気分にさせたりする効果があります。それによって、心臓が活発に動いて血の流れが良くなるので、結果としてトイレに行く回数が増えることがあります。
また、カフェインは頭の中の血管を少し狭めることで、頭痛を和らげる効果もあります。
あと気管支を拡張させる作用があるので、昔はコーヒーを喘息の特効薬として使ってたみたいですね。
・臨床での使用例:そもそもあんまり使われないのですが、一番使われるのは頭痛でしょうか。脳血管を収縮させるので、血管拡張型の頭痛に使います。
一応眠気や倦怠感にも適応があるのですが、それ目的で処方されたことは一度も経験ありません。
でも医療用ではなく一般的には眠気やだるさに対してが一番使われるでしょうね。
「無水カフェイン」は「早産・低出生体重児における原発性無呼吸症」に適応があります。
市販薬に入ってることが多いですが、これは眠気防止かなと思います。あとは「元気になった気にさせる」といったところでしょうか。エナジードリンクが良い例ですね。
・副作用と注意点:副作用として不眠や振戦(手の震え)、動悸などがあります。
あと胃酸の分泌が増えるので消化を助けますが、空腹時に飲むと胃が荒れます。コーヒーには牛乳を入れましょう。ブラックを飲むなら食後にどうぞ。
・薬物相互作用:併用注意のものがいくつかあります。禁忌ではないです。
・他のキサンチン系薬剤 アミノフィリン水和物 ジプロフィリン テオフィリン等 ・中枢神経興奮薬 エフェドリン塩酸塩 マオウ等 | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
・MAO阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 頻脈、血圧上昇等が現れることがあります。 |
シメチジン | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
カフェインもキサンチン系になるので、同じ系統を摂取すると過量投与になります。喘息ある人は服用してる可能性があるので注意してください。
マオウは漢方薬に入ってることが多いです。知らずに摂ってることがあるのでこれも注意を。
MAO阻害薬はパーキンソン病に使うので、パーキンソンの方は注意してください。
シメチジンは胃薬ですね。今はあんまり使われないですが、飲んでる方は注意を。
でもどれもあまり気にしなくて良いかと思います。症状が出るようならカフェインを減量してください。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれているので、農林水産省のサイトにあった表を載せておきます。

カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれていますが、その含有量は製品やブランド、調理法によって大きく異なります。ここで紹介するのはあくまで一般的な平均値または範囲であり、正確なカフェイン含有量については、各製品のラベルやメーカーの情報を参照してください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には30mg入っています。1日90mg。
医療用では、1回100~300mg、1日2~3回となっています。
厚生労働省のサイトによると、「悪影響のない一日当たりの最大摂取量」の目安というのは個人差が大きく、日本でも国際的においても明確に設定はされていないようです。
例えば、
・カナダでは健康な成人だと1日400mg、妊娠中の方、授乳中の方は1日300mgまで。
・イギリスでは妊娠中、授乳中の方は1日200mgまでとなっています。
厚生労働省のサイトにもカフェインの過剰摂取についての記事があるので興味のある方は目を通してみてください。(厚生労働省のサイト→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)
主要成分の効果と注意点のまとめ
7種類の成分について解説してきましたが、まとめると以下のようになります。
- プソイドエフェドリン塩酸塩
- 鼻の粘膜の血管を収縮させて、鼻づまりを改善します。
- 血圧上昇や頻脈などが現れることがあります。心疾患のある方は注意が必要です。
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 抗コリン作用により眼圧上昇や排尿困難などの副作用があり、特に眠気に注意が必要です。
- サイシン(細辛)エキス
- 鎮咳、抗アレルギー、腸管収縮抑制などの作用があります。
- 海外製の漢方薬は注意。
- カンゾウ(甘草)末
- 咳を鎮めたり、喉の痛みを和らげます。
- 低カリウム血症に注意。だるさや痺れ、こむら返りや麻痺などがあったら中止して受診してください。
- いろいろな漢方薬に含まれているので併用には注意を。
- シンイ(辛夷)エキス
- 消炎、鎮静、鎮痙などの作用があります。
- 特に注意点はありません。
- ショウキョウ(生姜)末
- 体を温めたり、胃腸の働きを良くしたりする効果があります。
- 特に注意点はありません。
- 無水カフェイン
- 中枢興奮・鎮痛剤として、覚醒作用を持ち、頭痛や眠気防止に効果的です。
- 副作用には不眠や振戦、動悸があり、他のキサンチン系薬剤や中枢神経抑制剤との併用に注意が必要です。
用法・用量や製品としての注意点など
用法・用量
・15歳以上:1回3錠・1日3回
・11~14歳:1回2錠・1日3回
となっています。
1包に3錠入ってるタイプです。生薬入りのはこういうのが多いですね。
「1包を服用した残りを保管する場合は、袋の口を封をするように折り返し、5日以内に服用してください。」
とのことです。
注意してほしいこと
いくつか注意点を書いておきます。
・禁忌:前立腺肥大による排尿困難、高血圧、心臓病、甲状腺機能障害、糖尿病のある方は服用しないでください、となっています。
・眠気に注意:クロルフェニラミンで眠気が出やすい方もいるので注意してください。
「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。
ただ、全然眠くならない方もいるので、そういう方は問題ないですね。
・高血圧・心疾患のある方:プソイドエフェドリンによって血圧上昇や頻脈等が出る可能性があります。
一時的に使用する分には問題ないと思いますが、この製品の添付文書では禁忌になっているので注意してください。
・カンゾウ(甘草):過剰摂取で偽アルドステロン症の副作用が出る場合があります。
他にも漢方薬を飲んでる方は注意してください。カンゾウが入っていないものであれば問題ありません。
・服用期間: この製品の添付文書にも「長期連用しないでください」と書いてますが、5~6日飲んでみても効果が実感できなければやめた方が良いと思います。
抗ヒスタミンだけなら問題ないのですが、塩酸プソイドエフェドリンはあまり長期で服用するものではありません。鼻づまりがひどい時だけピンポイントで使う方が良いでしょう。
病院で処方してもらった方が安く済む場合も多いので、アレルギー性鼻炎で長期服用が前提なら受診した方が良いかと思います。
妊娠中の方
妊娠中の方については、この製品の添付文書では「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」という書き方になっています。
ということで禁忌ではないのですが、
個人的には妊娠してる方にはお勧めできません。
プソイドエフェドリンはBriggs基準によるとリスク5となっていて「原則として妊娠中の投与は避けることが望ましい」となっています。
ただ、この成分が入っている医療用医薬品の「ディレグラ」では、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」という記載になっています。
また、「妊娠初期に塩酸プソイドエフェドリンを服薬した母親の940例の出生児に奇形発生の危険率は増加していない」というデータもあります。(参考 : Prescribing medicines in pregnancy 4th edition)
でも「胎盤血管収縮および腹壁破裂のリスクの可能性」があると。
クロルフェニラミンについては特に問題はなさそうですね。
カフェインは特に問題ありませんが、この製品を使う場合は他にコーヒーなどは飲まない方が良いかもしれませんね。
生薬に関しては短期間であれば特に問題になる事はありません。
ということで、プソイドエフェドリンが入っているため妊娠してる方にはお勧めできません。
鼻水・鼻づまりがひどいなら点鼻薬、目のかゆみや涙が出るなら点眼薬、という選択肢もあります。
飲み薬に関しても、妊娠中の方が使っても安心な薬が他にあります。
あえてこれを使う必要はないと考えます。
服用するにしても短期間(数日)の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(と言うか、必ず受診してください)
授乳中の方
あと授乳中の方ですが、
この製品の添付文書では「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」となっています。
ただ、授乳に関しては特に問題ないと考えます。
Mothers’ Milk基準ではこの薬に入ってる成分で一番リスクの高いもので「L3(概ね適合)」となっています。
(プソイドエフェドリンとクロルフェニラミンがL3)
L3は「児に不都合な影響が出る可能性がある。またはごく軽微で危険性のない有害作用しか示されていない」となっています。
これを読むと少しおっかない感じですが…
「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると心配はいらないかと思います。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。3~4時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
あと、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。
製品の特徴や利点と個人的な感想
この薬は生薬が多めですね。4種類も入ってます。
今まで書いてきた中では一番多いかな?
特徴と言えばそれも特徴かもしれませね。
ただ、カンゾウとショウキョウはまともな量が入っていますが、サイシンとシンイについては「別になくても良いんじゃないかな?」と思う量です。ケタが一つ少ないです。
(計算の仕方がおかしいのかと思いましたが、医療用の漢方ではカンゾウもサイシンもそこまで使う量は変わりません)
正直、別に生薬は4種類とも入ってなくて良いと思います。
それよりも、プソイドエフェドリンやクロルフェニラミンの量が多めになっている事の方が大きな特徴かと思います。
今まで市販薬についていくつか書いてきましたが、
・プソイドエフェドリン:総合感冒薬では1日135mg、鼻炎薬では1日120mg
・クロルフェニラミン:総合感冒薬では1日7.5mg、鼻炎薬では1日8mg
のものが多かったです(鼻炎薬はまだ書いてる数が少ないですが)。
この製品には
・プソイドエフェドリン:1日180mg
・クロルフェニラミン:1日12mg
入っています(成人量)。
一般的な総合感冒薬と比べると、プソイドエフェドリンは33%、クロルフェニラミンは60%ほど多めです。
メーカーのサイトを見てもこれについては特に何も触れられていないのですが、結構ここは大きいかと思います。
動悸や眠気などの副作用が出る場合は、成人でも1回2錠にしたり調節してみてください。
他の薬で効果がいまいちに感じた方は、これは選択肢の一つになるかもしれませんね。
ただ、プソイドエフェドリンは長期間使用するものではありません。
アレルギー性鼻炎の方は、抗ヒスタミン薬単独のを基本に使いつつ、鼻づまりの症状がひどい時などにピンポイントで使う方が良いかと思います。
使用した方の口コミ・レビューと値段について
「ものログ」というサイトの口コミです。
まず良い評価の方は、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。
効き目に関しては肯定的な意見が圧倒的に多かったですね。レビューってそういうものかもしれないけど。
副作用に関しては人それぞれとしか言えません。
眠気も口渇も全然ない、という人もいれば眠くなるし口も渇くという人もいます。
ただ、「他の薬と比べて口が渇かない」といった意見がチラホラ。
こういう人たちは、多分今までベラドンナ総アルカロイドなどの抗コリン薬が入ったものを服用していたのかもしれませんね。あれは口がかなり渇くので。
眠気に関しては他の薬よりは強めかと思います。
この製品の抗ヒスタミン薬はクロルフェニラミンマレイン酸塩ですが、これは眠気の強い第一世代、しかもdl体です。入っている量も他の風邪薬などと比べると多め。
この製品で眠くならない方は他の薬でも眠くならないんじゃないかな?
カフェインが入っているとはいえ微量ですしね。
「生薬が入っているから安心」みたいな声もありましたが、この製品において生薬は補助的な位置づけです。
それよりもクロルフェニラミンやプソイドエフェドリンが他の一般的な市販薬より多い量が入っているので、副作用には注意してください。
値段に関しては、Yahooショッピング(送料含まず)で見ると、
90錠ので1,200~1,500円くらい。
1日120~150円くらい。
決して高くはないですね。
個人的には生薬4種類を抜いた製品をもっと安い値段で売って欲しいですけど。
まとめ
この記事では『アネトン アルメディ鼻炎錠』の主要成分、それぞれの効果や注意点、そして実際の使用者の声をご紹介しました。
特徴としては、
・生薬が4種類も入っている(なくても良いと思うけど)
・抗ヒスタミン薬、血管収縮剤の量が多め
といった点でしょうか。
生薬はどうでも良いですが、抗ヒスタミン薬と血管収縮剤が多めなので、他の薬で鼻水・鼻づまりが解消しなかった場合でもこれは効果があるかもしれません。
ただ、アレルギー性鼻炎に使う場合、長期間の使用はしない方が良いと思います。
プソイドエフェドリンは交感神経刺激薬になるので、長期で服用しているといろいろな問題が出てくる可能性があります(血圧、血糖、前立腺、心疾患など)。
あくまで短期間の使用にとどめておいてください。
個人的には、普段は第二世代抗ヒスタミン薬を単独で使用し、鼻づまりがひどい時だけ血管収縮剤の点鼻薬を頓用で使用する、という方をお勧めします。
(血管収縮剤の点鼻薬はクセになるので、これも注意が必要ですが)
第二世代抗ヒスタミン薬の製品については下の記事にまとめているので、興味のある方は読んでみてください。

鼻炎の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
詳細な情報やご購入を検討される方は、公式ホームページを参照してください。
皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。
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