「セネガ」の解説 
作用・使用上の注意・製品一覧

「セネガ」についての簡単な解説です。

目次

セネガを含む市販薬の製品一覧

解説記事を書いたことのある製品を載せています。

※ここでご紹介している製品がすべてではありません。
あと、すでに製造中止になっている製品もあるかもしれません。
そのへんはご了承くださいますようお願い申し上げます。

鎮咳去痰薬

クリック・タップで開きます。

製品名をクリック・タップすると、その製品の解説記事にいきます。

製品名1日あたりの成分量
アネトンせき止め錠乾燥エキス:89.82mg
(原生薬:1,500mg)
アネトンせき止め液
(錠と同じ記事です)
流エキス:1,500mg
コンコン咳止め液流エキス:0.9mL
(原生薬:900mg)

市販の鎮咳去痰薬では1日最大で
エキス:原生薬換算で4g(4,000mg)
粉末:1.5g(1,500mg)
となっています。
(「鎮咳去痰薬の製造販売承認基準」より)

分類・作用

分類など

生薬」ではあるのですが、いわゆる「中医学」では使われていません。
なので漢方薬にも入ってないですね。
漢方薬で使われる生薬で似たものとしては、「オンジ(遠志)」や「キキョウ(桔梗)」があるでしょうか。

セネガは北米に自生する多年生草本だそうです。

セネガは「ヒメハギ科のヒロハセネガ」
オンジは「ヒメハギ科のイトヒメハギ」
キキョウは「キキョウ科」となっています。
すべてサポニンを含み、去痰作用がありますね。

「セネガシロップ シオエ」のインタビューフォームによると、
「セネガは1735年、フィラデルフィアのスコットランド人の医師John Tennetが気管支炎に紹介して以来、去痰薬として用いられ、また利尿薬として用いられるようになった」
とのことで、セネガが最初に薬として使われるようになったのはアメリカみたいですね。
(オンジやキキョウは『神農本草経』に載ってるということで、西暦200年頃にはすでに使われてたっぽいです)

ちなみにセネガシロップは『今日の治療薬』という本では「刺激性去痰薬」の分類になっていました。

作用

「セネガシロップ シオエ」のインタビューフォームにはこう記載されています。

「咽頭などの粘膜刺激により舌咽神経を介して反射的に気道液分泌を増加し、分泌された粘液の排出機能をも亢進して、去痰作用を現すものと推定されるが、これはサポニンによるものである」

このサポニンというのが作用の主体になるようです。
サポニンには界面活性作用があり、その働きは2つあります。

1.粘膜刺激

第一の作用は粘膜刺激です。

サポニンは天然の界面活性剤と言われますが、界面活性剤とは洗剤のような性質をもつものですね。

「粘膜を刺激する」というのは、細胞膜を変化させるような作用(端的に言えば細胞毒性)のことで、それがあるので殺菌・消毒に使われるわけですが、もちろんヒトにも刺激性があります。

その刺激によって反射的に気道の分泌を促すんですね。

2.痰の粘度低下

第二の作用は表面張力(界面張力)の低下です。

痰の表面張力を低下させることで粘度を下げて、サラサラにして出しやすくします。

この2つの働きで去痰作用を示すわけですね。

ここからは個人的な考えなので折り畳みにしておきます。

クリック・タップで開きます。

去痰薬・界面活性作用となると、肺サーファクタントを思い浮かべる人もいるかもしれません。

肺サーファクタントを増やす去痰薬としてはアンブロキソールがありますが、セネガとアンブロキソールは「痰を出しやすくする」という点に限って見れば似た方向性のものかもしれないですね。

ただ、セネガ(サポニン)に界面活性作用はあるのですが、その効果が発揮できるのはあくまで「セネガに接触した痰」かと思われます。
となると、セネガの界面活性作用が期待できるのは「喉のあたりにひっかかっている痰」ぐらいでしょうか。

アンブロキソールは、肺サーファクタントの分泌を促すことで「痰の滑り」を良くして排出を助ける働きがあります。
肺サーファクタントは界面活性剤の一種なのですが、こちらは痰の粘度をサラサラにするというよりも「気道内を滑らせるための潤滑剤を増やす」ようなイメージですね。
肺から気管支にも効果が期待できます。

メカニズムが全然違うんですね。

セネガに関しては「粘膜刺激」による気道分泌が主な作用と考えて良いでしょう。

効果など

効果

気道の分泌を増やすことで痰を出しやすくします。

市販の鎮咳去痰薬ではセネガが含まれている製品は結構ありますね。
きつねが調べたところ、11製品。

他の去痰薬、グアイフェネシングアヤコールスルホン酸と一緒に配合されている製品もあります。

ちなみに、「キキョウ」は咳止めの作用もあるようです。
セネガとキキョウが一緒に配合されている市販の咳止めも多いですね。

あと「オンジ」の方は物忘れや鎮静なんかにも使われますね。

医療用の使用例

医療用だと「セネガシロップ」がありますが、これは

下記疾患に伴う喀痰喀出困難

  • 急性気管支炎
  • 感冒・上気道炎

となっています。同じですね。

「セネガシロップ」の濃度は4%(40mg/ml)で、
1日10~35mlを3回に分割して服用
となっています。
つまり1日400~1,400mgですね。

ただ、自分はこのシロップは見た事がありません。今は他にも去痰薬はいろいろあるし、わざわざこれを使うメリットも少ないでしょうね。

市販の鎮咳去痰薬だと入っている量は製品ごとで全然違います。

表記の仕方も製品ごとで違って分かりにくいのですが、
セネガエキス:1=原生薬:16.7 くらいみたいです。
(『ミルコデ錠A』という製品では「セネガエキスが30mgで原生薬換算だと500mg」、『アネトンせき止め錠』だと「セネガエキスが89.82mgで原生薬換算だと1,500mg」となっています)

セネガ流エキスだと1mL中に原生薬換算で1,000mg入ってるようです。

使用上の注意点

副作用

通常使う量で問題になることは少ないのですが、大量に服用すると

  • 嘔気、嘔吐
  • 下痢
  • 食欲不振

などが出る場合があるようです。

相互作用

セネガ自体には特に飲み併せが問題になるものはありません。

医療用の「セネガシロップ」はアルコール中毒に使う薬と併用禁忌になっていますが、これはセネガシロップにエタノールが入っているからですね。セネガ自体が問題になるわけではありません。

他の成分についてはこちらから。
成分の一覧表

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