前回は『新ルルAゴールドs』について書きました。
今回は『新ルル-A錠s』について。
「新ルルA」のシリーズは『新ルルAゴールドDXα』を合わせて3つですね。
名前の感じからはこの『新ルル-A錠s』が一番格下に見えますが…
前にも書いた通り、大切なのは「自分に合っているかどうか」です。
とりあえずこの製品にはどんな成分が入っているのか、どんな特徴があるのか見ていきましょう。
ついでに「新ルルA」シリーズ3つの簡単な比較もしておこうと思います。
新ルル-A錠sの基本情報
・製造会社:第一三共ヘルスケア
・主な成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
アセトアミノフェン | 900mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
クレマスチンフマル酸塩 | 1.34mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
ジヒドロコデインリン酸塩 | 24mg | 咳を抑える |
ノスカピン | 48mg | 咳を抑える |
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 | 60mg | 気管支をひろげ、咳を鎮める |
グアヤコールスルホン酸カリウム | 240mg | 痰を出しやすくする |
無水カフェイン | 75mg | 頭痛・頭重感を和らげる |
ベンフォチアミン (ビタミンB1誘導体) | 24mg | ビタミン補給 |
・包装
公式ホームページにこんなお知らせが載ってました。
yahooショッピングを見ると、今のところは50錠、100錠、150錠しかないですね。(2024年4月28日現在)
成人の1日量が9錠になるので変更後の方がピッタリなくなって使いやすいとは思いますが、少し価格が上がるみたいです。
※このリンクはアフィリエイトリンクです。
それぞれの成分の解説
この製品には主な成分が8種類入ってます。
それぞれ解説していきますが、少し長くなるので折り畳みにしておきます。
興味のある方は読んでみてください。
※それぞれの成分の解説は、基本的には他の記事のと同じです。
製品内含量のところに少し固有のコメントをつけてるだけです。
アセトアミノフェン
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・分類:「解熱鎮痛剤」ですね。たぶん一番使われている解熱鎮痛剤だと思います。
・効果:解熱鎮痛剤としてはかなり古い歴史があるのですが、いまだに作用機序は明らかになっていません。
一般的な鎮痛剤(NSAIDsといいます)は末梢において効果を発揮しますが、このアセトアミノフェンは中枢で働く、と考えられています。
中枢(脳や脊髄)において痛みを感じにくくしたり熱を下げたりしますが、平熱より下がる事はありません。
あと、一般的な解熱鎮痛剤(NSAIDsと言います)と違い抗炎症作用はほぼありません。
・臨床での使用例:小児から高齢者まで、あらゆる痛み・解熱に使っています。
作用機序が分からないのにもかかわらず、使われてる歴史が長く、その安全性・危険性はほぼ分かってて使いやすいからでしょうね。
「痛みや熱があったらまずはこれ。ダメなら違う薬」という感じです。
誰しも一度は飲んだことがあるのではないでしょうか。
・副作用と注意点:安全性は高いとされていますが、副作用が全くないというわけではありません。
一番問題になるのは肝障害です。一番というか、ほぼこれです。
市販薬でも病院から出た場合でも、決められた用量を守っていれば安全性は高いです。
ただ、この成分はいろいろな市販薬に入っているので、自分でも気が付かないうちに過剰摂取してる、という事があります。
アルコールの摂取でも肝障害のリスクが高まります。
あと、アスピリン喘息に対してはNSAIDsよりは安全性が高いとされていますが高用量では喘息発作が誘発される可能性があります。喘息を持っている方は低用量から少しずつ増やす、という方法を取った方が良いかと思います。
NSAIDsと比べると胃への負担は軽めです。病院でも胃薬なしで処方されることが多いですね。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
炭酸リチウム | 他の鎮痛剤(インドメタシン、イブプロフェン等)で、 リチウムとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し、 リチウム中毒を呈したとの報告があります。 |
チアジド系利尿剤 | 他の鎮痛剤(インドメタシン等)で、 チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されています。 |
アルコール | アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ 肝不全を起こしたとの報告があります。 |
ワルファリン | ワルファリンの作用が増強されて出血しやすくなることがあります。 |
カルバマゼピン フェノバルビタール フェニトイン プリミドン リファンピシン イソニアジド | これらの薬剤の長期連用者は、肝薬物代謝酵素が誘導され、 肝障害を生じやすくなるとの報告があります。 |
特にアルコールに関しては、常飲者が多量のアセトアミノフェンを服用して急性肝不全で死亡した例があります。
通常の用量では問題にはならないと思いますが注意してください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には約300mg入っています。1日900mg。
医療用では、大体1日に900~1,500mg使う事が多いです。最低限は満たしてる感じですね。
(最高では1日4,000mg使うことがありますが、1日1,500mgを長期で使う場合は定期的に肝機能検査をする必要があります)
クレマスチンフマル酸塩
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・分類:「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものです。
その中でも「第一世代」と呼ばれるものですね。
(抗ヒスタミン薬には「第一世代」と「第二世代」があります。同じようなものですが、効果や副作用が若干違います)
・効果:アレルギー反応を引き起こすヒスタミンという物質の働きをブロックします。
これにより、鼻水やくしゃみ、痒みなどのアレルギー症状を緩和します(抗ヒスタミン作用)。
ただ、鼻水を抑える効果はありますが鼻づまりの方にはあまり効きません。
この成分には抗ヒスタミン作用の他に、抗嘔吐作用や抗コリン作用というものがあります。
第二世代と比べると効果の発現が早めですね。
・臨床での使用例:アレルギー性疾患全般に使っています。
アレルギー性鼻炎、上気道炎の鼻水・くしゃみ、蕁麻疹、湿疹など。
とにかく鼻水とくしゃみ、痒みがあればこの系統を使います。
ただ、この成分は今はあんまり使われないかもしれません。もちろん医師の好みもあるのですが…。
この「抗ヒスタミン薬」というのは効き方にとても個人差があるので、いろいろと選択肢があるのは良い事なんですけどね。
・副作用と注意点:この成分は注意点が多いです。
抗コリン作用により眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあるので、
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大など下部尿路閉塞疾患がある方には禁忌となります。
(と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。主治医に訊いてみてください)
もう一つ、他の抗ヒスタミンにはあまりないのですが、この成分に関しては狭窄性消化性潰瘍又は幽門十二指腸閉塞のある方には禁忌となっています。「抗コリン作用によって胃や十二指腸の動きが抑えられて症状が悪化する」というのが理由なのですが、この製品に入ってる量ではそこまで問題にはならないと思います。
この製品の添付文書では「胃・十二指腸潰瘍のある方は医師または薬剤師に相談して」という書き方になっていますので、心配であれば薬局の人に相談してみてください。
出やすい副作用としては眠気や口渇があります。
ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。それでも最初に飲んだ後は注意してください。
口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
・中枢神経抑制剤 鎮静剤 催眠剤等 ・アルコール | 中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、減量するなどしてください。 |
・抗コリン剤 アトロピン等 ・MAO阻害剤 | 抗コリン作用が増強されることがあるので、減量するなどしてください。 |
併用禁忌というわけではないので、なんか眠いな~、ふらふらするな~と感じたら風邪薬の量を減らして様子をみてください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には約0.447mg入っています。1日1.34mg。
医療用では1回1mg、1日2回となっています。1日2mg。
副作用のことを考えると、この製品に入ってる量は決して少ない量ではないと思います。
ジヒドロコデインリン酸塩
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・分類:「鎮咳薬」。いわゆる「咳止め」ですが、その中でも「中枢性麻薬性鎮咳薬」に分類されます。
・効果:咳中枢を抑制することで咳が出るのを抑えます。
もともと咳というのは、肺や気管などの呼吸器を守るために、外から入ってきた異物(ほこりとかウイルスとか)を外に追い出す生体防御反応です。
ほこりとかウイルスなどを気道の粘膜上にあるセンサーが感じ取ると脳にある咳中枢に信号が送られて咳が出るのですが、それを抑えるという事ですね。
あとは消化管の動きを抑制する効果もあります。
・臨床での使用例:基本的には強い咳に対して使います。できれば痰の絡んでない乾いた咳の時がいいです。
あと消化管の動きを抑制するので下痢止めとしても使いますね。
ただ、どちらの使い方でもあまり長期間は使いません。頓服という感じで症状が強い時だけ使います。
・副作用と注意点:この成分は効果的ではあると思うのですが、いくつか注意点があります。
まず、痰が絡んだ咳に対しては使いにくいです。
痰を硬くするので余計に痰が出しにくくなる可能性があります。
副作用としては、便秘、麻痺性イレウス(腸閉塞)、悪心・嘔吐、排尿障害、依存性、眠気、呼吸抑制、気管支痙攣などがあります。この中でも便秘(下痢止めとしても使うので)、眠気、悪心・嘔吐は出やすいです。
あと、以前から問題になっている「オーバードーズ(過剰摂取)」の大半はこのコデインのようです。
市販で買えるとは言え麻薬の一種には変わりありません。
長期間の使用や高用量の使用は依存性を引き起こす恐れがあるため、指示された用量を厳守し、症状の改善が見られない場合は専門家に相談してください。
・薬物相互作用:他の薬と一緒に飲むことで副作用が出やすくなる事があるので、普段飲んでる薬がある方は薬局で相談してみてください。
下に相互作用の表を載せておきます。
モノアミン酸化酵素阻害剤 三環系抗うつ剤 β-遮断剤 アルコール | フェノチアジン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがあります。 |
ワルファリン | ワルファリンの作用が増強されて出血しやすくなることがあります。 |
抗コリン作動性薬剤 | 麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがあります。 |
・製品内含量(成人):この製品の1回分には8mg入っています。1日24mg。
医療用では1回10mg、1日3回まで使います。
他の大体の市販薬と同じ量ですね。
ノスカピン
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・分類:いわゆる「咳止め」ですが、その中でも「中枢性非麻薬性鎮咳薬」に分類されます。
同じ中枢性の咳止めの「ジヒドロコデイン」や「デキストロメトルファン」と似たようなものですが、こちらは習慣性はないとされています。構造式もかなり違いますね。
・効果:咳中枢を抑制することで咳が出るのを抑えます。
あとこの成分は気管支を拡張する作用も少しあるようですね。
・臨床での使用例:医療用の「ノスカピン」単体のものは存在するようですが、私は見た事がありません。
医療用の総合感冒薬の「アストーマ配合カプセル」という薬に配合されているようですが…これも見た事がないですね。あまりメジャーではないと思います(個人的感想です)。
・副作用と注意点:麻薬性と違い、耐性や依存性もなく使いやすそうですが、稀に眠気、便秘、吐き気などが出るようです。このへんの副作用は麻薬性のものと同じですね。
・薬物相互作用:添付文書によると他の薬との相互作用はないようです。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には16mg入っています。1日48mg。
医療用では1回10~30mg、1日3~4回使います。最高で1日120mgになりますね。
こうして見ると少なく感じますが、この製品には他にも咳止めが入っていますしね。
dl-メチルエフェドリン塩酸塩
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・分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあって、そのうちの交感神経に働くものです。
・効果:交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があって、メチルエフェドリンはその両方を刺激します。
さらに「β受容体」は「β1」「β2」などいくつかタイプがあります(今分かっているのは「β3」まで)。
メチルエフェドリンを風邪薬として使う場合は、主に「β2刺激薬」として使います。
気管支には交感神経のβ2受容体というのがあって、そこにメチルエフェドリンがくっつくと気管支が拡張して呼吸が楽になります。
ただ、交感神経の受容体は全身のあちこちにあるので、思わぬ副作用が出ることがあります。
あとメチルエフェドリンには中枢性の鎮咳作用もあるようですね。
・臨床での使用例:気管支喘息や気管支炎、結核、風邪の咳など、咳や呼吸の症状に使います。
あと抗アレルギー作用も持っていて蕁麻疹や湿疹にも適応がありますが、これらに使ってるのは見た事がありません。
・副作用と注意点:副作用としては、動悸が出やすいかと思います。
あとは手の震えが出ることもあります。どちらも薬を止めると症状も治まるはずです。
ただ、過度に使用すると不整脈からの心停止をする事もあり、注意が必要です。通常使う量ならまず問題にはならないですね。心疾患のある方は注意してください。
あと、甲状腺の機能を亢進させたり、血圧が上がったり、血糖値が上がったりすることもあります。
甲状腺機能亢進症、高血圧、糖尿病の方は注意してください。
・薬物相互作用:カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)とは併用禁忌になります。この辺は循環不全の急性期(いわゆるショック)に使うものなので、あまり通常は使われるものではありません。
併用注意もいくつかあるので載せておきます。
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・甲状腺製剤 チロキシン リオチロニン等 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・キサンチン誘導体 テオフィリン ・ステロイド剤 プレドニゾロン ・利尿剤 アミノフィリン | 血清カリウム値が低下するおそれがあります。 併用する場合には定期的に血清カリウム値を観察して、用量について注意してください。 |
喘息を治療中の方は、これに似た系統の成分をすでに服用してる可能性があるので注意してください。飲み薬としてではなく、吸入薬の中に入っていることが多いです。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には約20mg入っています。1日60mg。
医療用では、1日に75~150mg使われます。
1日60mgは他の一般的な市販薬と同じ量ですね。60mgを超えるのは今のところ見た事がありません。
グアヤコールスルホン酸カリウム
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・分類:「去痰薬」です。
この成分に関しては医療用では存在しなく、調べても情報が少ないです。申し訳ありません。
分かったことがあれば追記していこうと思います。
・効果:気道の分泌物を増やすことでネバネバした痰を薄めて、痰を出しやすくします。
また、気管支の平滑筋を緩めることで咳を抑える作用もあるようです。
・臨床での使用例:医療用では存在しません。
でも一般的な市販の咳止めでは結構使われていますね。大人用の薬から小児用まで幅広く使われているみたいです。
・副作用と注意点:「気道の分泌を増やす」という作用を考えると、最初は痰の量が増える可能性がありますね。
症状が良くなってきて痰がサラサラになってきたら気にならなくなると思います。
・薬物相互作用:特にないようです。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には80mg入っています。1日240mg。
医療用では存在しないので比較はできないのですが、他の製品を見ると大体1回45~90mg入ってますね。
一般的な市販薬の量になりますね。
無水カフェイン
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※「無水カフェイン」と「カフェイン水和物」というのがありますが似たようなものなので、ここでは同じものとして扱います。
・分類:薬効分類でいえば「中枢興奮・鎮痛剤」になります。「中枢性呼吸刺激薬」にもなります。「キサンチン誘導体」というものの一種でもあります。
・効果:カフェインは、頭をすっきりさせたり、エネルギッシュな気分にさせたりする効果があります。それによって、心臓が活発に動いて血の流れが良くなるので、結果としてトイレに行く回数が増えることがあります。
また、カフェインは頭の中の血管を少し狭めることで、頭痛を和らげる効果もあります。
あと気管支を拡張させる作用があるので、昔はコーヒーを喘息の特効薬として使ってたみたいですね。
・臨床での使用例:そもそもあんまり使われないのですが、一番使われるのは頭痛でしょうか。脳血管を収縮させるので、血管拡張型の頭痛に使います。
一応眠気や倦怠感にも適応があるのですが、それ目的で処方されたことは一度も経験ありません。
でも医療用ではなく一般的には眠気やだるさに対してが一番使われるでしょうね。
「無水カフェイン」は「早産・低出生体重児における原発性無呼吸症」に適応があります。
市販薬に入ってることが多いですが、これは眠気防止かなと思います。あとは「元気になった気にさせる」といったところでしょうか。エナジードリンクが良い例ですね。
・副作用と注意点:副作用として不眠や振戦(手の震え)、動悸などがあります。
あと胃酸の分泌が増えるので消化を助けますが、空腹時に飲むと胃が荒れます。コーヒーには牛乳を入れましょう。ブラックを飲むなら食後にどうぞ。
・薬物相互作用:併用注意のものがいくつかあります。禁忌ではないです。
・他のキサンチン系薬剤 アミノフィリン水和物 ジプロフィリン テオフィリン等 ・中枢神経興奮薬 エフェドリン塩酸塩 マオウ等 | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
・MAO阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 頻脈、血圧上昇等が現れることがあります。 |
シメチジン | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
カフェインもキサンチン系になるので、同じ系統を摂取すると過量投与になります。喘息ある人は服用してる可能性があるので注意してください。
マオウは漢方薬に入ってることが多いです。知らずに摂ってることがあるのでこれも注意を。
MAO阻害薬はパーキンソン病に使うので、パーキンソンの方は注意してください。
シメチジンは胃薬ですね。今はあんまり使われないですが、飲んでる方は注意を。
でもどれもあまり気にしなくて良いかと思います。症状が出るようならカフェインを減量してください。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれているので、農林水産省のサイトにあった表を載せておきます。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれていますが、その含有量は製品やブランド、調理法によって大きく異なります。ここで紹介するのはあくまで一般的な平均値または範囲であり、正確なカフェイン含有量については、各製品のラベルやメーカーの情報を参照してください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には25mg入っています。1日75mg。
医療用では、1回100~300mg、1日2~3回となっています。
厚生労働省のサイトによると、「悪影響のない一日当たりの最大摂取量」の目安というのは個人差が大きく、日本でも国際的においても明確に設定はされていないようです。
例えば、
・カナダでは健康な成人だと1日400mg、妊娠中の方、授乳中の方は1日300mgまで。
・イギリスでは妊娠中、授乳中の方は1日200mgまでとなっています。
厚生労働省のサイトにもカフェインの過剰摂取についての記事があるので興味のある方は目を通してみてください。(厚生労働省のサイト→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)
ベンフォチアミン(ビタミンB1誘導体)
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・分類:「ビタミン剤」ですね。その中の「水溶性ビタミン」になります。
ビタミンには脂溶性と水溶性がありますが、水溶性は摂り過ぎた場合でもおしっこの中に出てしまうので副作用というものはほぼありません。
ビタミンB1にはいくつかありますが、「チアミン」と付いてるのは全部ビタミンB1だと思って良いかと思います。
「誘導体」というのは気にしなくてOKです。簡単に言えば「改良したもの」という感じです。
ビタミンB1そのものは吸収があまり良くないのですが、その吸収が良くなるように改良したものですね。
・効果:糖からエネルギーを作り出すのに必要なビタミンですね。
ビタミンB1が不足すると食欲不振、疲労、だるさなどの症状が出てきます。
さらに不足すると、脚気(足のむくみ、しびれ、動悸・息切れ)や、脳症などの症状が出ます。
重篤な場合は死亡する事もあるので、かなり重要なビタミンですね。
玄米ではなく精白米を食べるようになった時代に脚気が流行ったのは有名な話ですね。
・臨床での使用例:医療用でももちろんあるのですが、外来ではあんまり使われるものでもないんですよね。
大体の方は通常の食事で足りてるわけで、あえてこれを処方する意味があるのかな?と思います。
処方されてる人も「なんか疲れやすくて」と先生に話したら処方された、という感じです。
ただ、TPN(中心静脈栄養)と呼ばれる高カロリーの輸液を投与する場合は必須になります。
・副作用と注意点:医療用のビタミンB1である「アリナミンF」の添付文書を見ると、一応副作用として「発疹、そう痒感、悪心、胸やけ、胃痛、胃部不快感、下痢、口内炎」があるのですが…
副作用というものの注意点として「臨床試験の間に出たものすべてを記録しないといけない」というのがあります。
その薬を飲んでる間に出た症状、と言う事になりますが、薬によるものではないものも含まれてしまいます。
ビタミンB1はいろんな食材にも含まれているものですし、ここに関しては心配しなくていいかと思います。
あと、先にも書きましたがビタミンB1は「水溶性ビタミン」になるので摂り過ぎても排泄されます。
基本的に、過剰摂取による過剰症というものがありません。
ただ、薬に含まれている添加剤に対してアレルギー症状を起こすこともあるので、そこは注意です。
・薬物相互作用:ビタミンB1にはありません。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には8mg入っています。1日24mg。
医療用では1日5~100mgとなってます。
まあ、なくても良いと思いますけど…あっても邪魔にはならないですね。
新ルル-A錠sの主要成分の効果と注意点のまとめ
8つの成分について解説してきましたが、まとめると以下のようになります。
- アセトアミノフェン
- 解熱鎮痛剤で、痛みや熱を中枢神経系で抑えますが、抗炎症作用はほぼありません。
- 安全性は高いですが、肝障害のリスクがあり、特にアルコールとの併用には注意が必要です。
- クレマスチンフマル酸塩
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 抗コリン作用により眼圧上昇や排尿困難などの副作用があり、特に眠気に注意が必要です。
- ジヒドロコデインリン酸塩
- 中枢性麻薬性鎮咳薬で、咳中枢を抑制して咳を抑えます。
- 乾いた咳や下痢に対して使用されますが、痰を硬くする可能性や依存性、眠気などの副作用に注意が必要です。
- ノスカピン
- 中枢性の非麻薬性鎮咳薬で、咳を抑える効果があります。
- 副作用や依存性はあまりなく使いやすいですね。
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩
- 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
- 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
- グアヤコールスルホン酸カリウム
- 気道の分泌を増やすことで痰を薄めて出しやすくします。
- 情報が少ないのですが、一般的な風邪薬や咳止めにかなり使われていて安全性は高いと思われます。
- 無水カフェイン
- 中枢興奮・鎮痛剤として、覚醒作用を持ち、頭痛や眠気防止に効果的です。
- 副作用には不眠や振戦、動悸があり、他のキサンチン系薬剤や中枢神経抑制剤との併用に注意が必要です。
- ベンフォチアミン(ビタミンB1誘導体)
- 水溶性ビタミンで、糖からエネルギーを作り出すのに必要です。
- 摂り過ぎても尿として排泄されるため過剰症のリスクはほぼありません。
用法・用量と注意点
新ルル-A錠sの用法・用量
・成人(15歳以上):1回3錠・1日3回
・12歳以上15歳未満:1回2錠・1日3回
12歳未満の方は服用しないでくださいということになっています。
ジヒドロコデインが入ってるからですね。
と言っても、以前は小児でもコデインは使ってましたけどね。
注意してほしいこと
いくつか注意点を書いておきます。
・食後の服用: 「食後なるべく30分以内に」となっています。
ただ、それほど胃に負担のかかるものや食事の影響を受けるものもないのであまり気にしなくて良いと思います。
・眠気に注意:クレマスチンやジヒドロコデインで眠気が出やすい方もいるので注意してください。
「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。
ただ、全然眠くならない方もいるのでそういう方は問題ないですね。
カフェインも入ってますし。
・服用期間: 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。
3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診断を受けた方が良いかと思います。
ジヒドロコデインのオーバードーズ(過剰摂取)の問題もありますしね。
妊娠中の方
この薬の添付文書には「医師、薬剤師又は登録販売者に相談」と書いてあります。
まず、ジヒドロコデインは妊娠28週以降は推奨されません。
豪州ADECというオーストラリアの危険度分類があるのですが、それによればジヒドロコデインの分類はAとなり、
「多くの妊婦と妊娠可能年齢の女性によって服用されており、それによって先天奇形の発症率の上昇や、間接・直接の胎児に対する有害作用が確認されていない」
ということで、今までの使用経験上では大丈夫だったよ、ということになります。
ただ、違う基準(Briggs基準)によるとリスク4の「妊娠28週以降は胎児への危険性が示唆される」という分類になっています。
28週以前であれば問題はなさそうですが、メチルエフェドリンによって胎児が頻脈を起こすことがある、という事もありそうです。
服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
もう一つ、グアヤコールスルホン酸カリウムについての情報が不足しています。
この成分が入ってる他の市販薬を調べてみると、妊娠中も使えるものがありました。
かつ、他の去痰薬で妊娠中に使ってはダメなものはない、という事を考えると問題はなさそうですが…。
データが不足している以上、ハッキリした事は言えません。
結論としては、わざわざこの製品を使う必要はないと考えます。
あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
授乳中の方
この薬の添付文書には「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けて下さい」と書いてあります。
クレマスチンがMothers’ Milk基準では「L4(悪影響を与える可能性あり)」となっています。
でもクレマスチンって1歳未満でも使えるんですよね。シロップもあるし。
ジヒドロコデインは基本的には「授乳を避けること」となっています。母乳に移行して乳児にモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告があります。
母親に便秘や眠気などの副作用が出ている場合は授乳をやめた方が良いでしょうね。
似たようなものでデキストロメトルファンというのがあり、こちらは安全に使用可能となっています。
メチルエフェドリンに関してはデータがありません。
基本的には「避けてください」と言われる事が多いですが…生後3ヵ月から使える製品も存在します。
グアヤコールスルホン酸カリウムについてはやっぱり情報がないのですが…
この成分が入ってる薬で1歳以上から使えるものがあります。「1歳以上」というのは微妙なところですけど。
「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると心配はいらないかと思います。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度は時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
結論としては、問題ないとは思いますが…
別にこの製品である必要はないとも思います。授乳中でも使える薬は他にもありますしね。
新ルル-A錠sの特徴と利点と個人的な感想
まず『新ルル-A錠s』単体での評価というか感想を。
解熱・鎮痛、鼻水、くしゃみ、咳、痰などいろいろ効果はありそうです。
鼻づまりには効かないと思いますけど。
特徴としては、咳・痰に関する成分が全部で4つ入ってるということでしょうか。
なぜか公式の方ではそこに関しては何もアピールしてないですけど。
ジヒドロコデインが24mg/日、メチルエフェドリンが60mg/日入ってるものは他にもありますが、この製品にはさらにノスカピンが入っています。
そしてさらに痰を切るグアヤコールスルホン酸カリウムも入ってます。
咳がつらい人には良いのではないでしょうか?
『新ルルAゴールドDXα』もそうでしたが、この製品も「とにかくどんな症状にでも効く」というのがコンセプトかな?
ここは良し悪しですけどね。
いろいろな症状があるうちはこういう薬も良いのですが、ある程度改善してきたら自分の症状に合わせた薬に変えるのも一つの方法ですね。
必要のない薬は飲まない方が良いです。どんなに安全だと言われても。
あと、地味ですが糖衣錠なのも良いですね。
自分は大きくて角がある錠剤は喉にひっかかって苦手なのですが、こういう丸っこいツルンとした錠剤は飲みやすくて好きです。
以上の感想は『新ルルAゴールドs』とほぼ同じ内容になっています。
理由は次に。
『新ルル-A錠s』『新ルルAゴールドs』『新ルルAゴールドDXα』の3つを比較
「新ルルA」の風邪薬シリーズはこの3つがありますが、何が違うのか比較をしてみようと思います。
用法については全部1日3回なので同じですね。
入ってる成分を見てみると…
『新ルル-A錠s』(この記事) | 新ルルAゴールドs』 | 『新ルルAゴールドDXα』 | 『|
解熱鎮痛剤 | アセトアミノフェン | アセトアミノフェン | アセトアミノフェン |
鼻水の薬 | クレマスチン | クレマスチン ベラドンナ総アルカロイド | クレマスチン ベラドンナ総アルカロイド |
咳止め | ジヒドロコデイン メチルエフェドリン ノスカピン | ジヒドロコデイン メチルエフェドリン ノスカピン | デキストロメトルファン メチルエフェドリン |
痰の薬 | グアヤコールスルホン酸カリウム | ブロムヘキシン | ブロムヘキシン |
喉の薬 | なし | なし | トラネキサム酸 |
ビタミン剤 | ビタミンB1 | ビタミンB1 | なし |
カフェイン | 75mg | 75mg | 60mg |
こんな感じです。
同じ成分のは全部同じ量が入っています。
『-A錠s』と『Aゴールドs』の違いは、
・抗コリン薬の「ベラドンナ総アルカロイド」が入っているかどうか
・痰の薬の成分が違う
だけです。他は全部同じ。
『AゴールドDXα』はちょっと毛色が違って、
・咳止めは「ジヒドロコデイン」と「ノスカピン」がなくて「デキストロメトルファン」が入ってる
・のどの炎症を抑える「トラネキサム酸」が入ってる
・ビタミン剤が入ってない
・カフェインがちょっと少ない
という感じ。
個人的には、『-A錠s』と『Aゴールドs』の違いはほぼないと思います。安い方で良いかなと。
抗コリン薬が入っていない分、『-A錠s』の方が使いやすいかもしれないですね。
咳については難しいところですが、『AゴールドDXα』は他2つと比べると少し弱いかもしれません。
ただ、この製品の量は他の一般的な風邪薬と同じ量になるので少なくはないんですよね。
ビタミン剤の有無は正直どうでもいいです。
あと、妊娠や授乳してる方がどうしてもこの3つの中から選ばないといけないとしたら、『AゴールドDXα』が安心かと思います。
もう一つ、『AゴールドDXα』は7歳から使えますね。
『-A錠s』と『Aゴールドs』は12歳以上です。「ジヒドロコデイン」が入っているからですね。
こんなところでしょうか。
ハッキリ言ってしまえば、大人が使うのであれば全部それほど変わりません。
使用した方の口コミ・レビューなど
『ものログ』というサイトの口コミです。
まず良い評価の方は、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。
効果に関しては人それぞれですね。
全然効かないという人もいれば効きすぎるという人もいます。
『新ルルAゴールドs』と同じく、こちらでも咳について言及してる人がいなかったのが残念。
「ルルが効く」「ルルが合ってる」という声が多いですね。
正直どの風邪薬も似たり寄ったりですが、ルルは昔から人気がありますよね。
「小さい頃からルルなので」みたいな人もいましたね。
以前は7歳くらいから使えたと思います。何年か前にジヒドロコデインが12歳以上になってしまったんですよね。
あとやっぱり「飲みやすい」という声が多めでした。やっぱり糖衣錠は良いですね。
ツルンとしてるから喉が痛い時でもすんなり飲めます。
あとは、瓶なので持ち運びがしやすいと。
ここは意見が分かれるところだと思います。
1錠(カプセル)ごとに包装されてるPTP包装の方が良いという人もいますしね。
好みですね。
値段に関しては、
Yahooショッピングで見ると、一番多い150錠ので2,200円~3,000円といったところでしょうか。
成人は1日9錠だから150錠だと約16日分。1日140~190円くらい。
『新ルルAゴールドs』が1日180円くらいでした。
効果はほぼ同じだと思うので、値段で決めて良いかと思います。
まとめ
この記事では『新ルル-A錠s』の主要成分、それぞれの効果、用法・用量、そして実際の使用者の声をご紹介しました。
『新ルルAゴールドs』のまとめと同じになりますが…
特徴としては、咳・痰に関する成分が全部で4種類入ってることでしょうか。
これに関しては公式もアピールしてないですけどね。
あとはいろいろな成分が入ってるということですが…
これはメリットよりもデメリットの方が大きい場合もあります。
個人的な考えではありますが、薬を使う時の大原則として「必要な成分を必要な量だけ」という考えがあります。
症状が「熱だけ」とか「咳だけ」とか限定されているなら他の製品を選んだ方が良いでしょうね。
これをお勧めできるとしたら、「熱もあるし鼻水も出るし体も痛いし、特に咳がひどい」という全般的に症状がある人です。
値段に関してはかなり安い部類になると思います。
入っている成分が他の風邪薬と比べて少ないかと言われると全然そんなこともないですしね。
総合感冒薬が欲しくて「ルル」シリーズが嫌いじゃなければこれで良いかと思います。
風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
詳細な情報やご購入を検討される方は、公式ホームページを参照してください。
皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。
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