『新コンタック®かぜ総合』の特徴・効果・注意点【薬剤師が解説】

「コンタック」のシリーズって名前がややこしいんですよね。

という感じ。

以前調べた時は3種類だったのに、いつの間にか4種類に増えてました。
『~エース』が増えてるっぽいです。たぶん。

全部「かぜ」とか「総合」とか入ってて、名前からは違いが判断しにくいですよね。

そんな事はどうでもよくて、今回の『新コンタックかぜ総合』の特徴は、

  • 1日2回の服用でいい
  • 7歳から使える

といったところでしょうか。

成分の構成自体は他の風邪薬とそんな変わりないのですが、上記の条件を満たすためなのか成分量がなかなか中途半端になってます。
…の割に値段は高め。というか、この製品自体があまり売ってませんでした。そろそろ販売中止になるのかも?

他の風邪薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
風邪薬(総合感冒薬)一覧

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基本情報

製造販売元:GSK(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)

・主な成分

成分名1日量(15歳以上の)はたらき
アセトアミノフェン900mg熱をさげ、痛みを和らげる
無水カフェイン75mg頭痛・頭重感を和らげる
デキストロメトルファン48mg咳を抑える
dl-メチルエフェドリン塩酸塩40mg気管支をひろげ、咳を鎮める
ブロムヘキシン塩酸塩8mg痰を出しやすくする
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩3.5mg鼻水、くしゃみを抑える
スクロールできます
成分名1日量
(15歳以上の)
はたらき
アセトアミノフェン900mg熱をさげ、痛みを和らげる
無水カフェイン75mg頭痛・頭重感を和らげる
デキストロメトルファン48mg咳を抑える
dl-メチルエフェドリン
塩酸塩
40mg気管支をひろげ、咳を鎮める
ブロムヘキシン塩酸塩8mg痰を出しやすくする
d-クロルフェニラミン
マレイン酸塩
3.5mg鼻水、くしゃみを抑える

・包装

  • カプセル剤:12カプセル、24カプセル
    (PTP包装)
    (36カプセルもあったような気がしたのですが、探しても見当たりませんでした)

各成分の効果・注意点

『新コンタックかぜ総合』の主要成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。

各成分名をタップ・クリックするとそれぞれの成分の簡単な解説記事にいきます。

  1. アセトアミノフェン
    • 痛みや熱を中枢において抑えますが、抗炎症作用はほぼありません。
    • いわゆる「NSAIDs」には含まれません。胃への負担も少なめです。
    • 安全性は高いですが、肝障害のリスクがあります。特にアルコール多飲者は併用に注意を。
  2. 無水カフェイン
    • 血管拡張性の頭痛や片頭痛の症状をやわらげます。
    • 覚醒作用があるので眠気防止にも。
    • 副作用として、不眠や振戦(手の震え)、動悸、めまいなどがあります。
  3. デキストロメトルファン
    • 中枢性の非麻薬性鎮咳薬で、咳を抑える効果があります。とされていますが、急性上気道炎に対する有効性は示されていません。
    • 吐き気や眠気、めまいなどの副作用が出る可能性があります。重大な副作用として呼吸抑制あり。
    • セロトニン症候群の危険性あり。パーキンソン病薬や抗うつ剤を服用中の方は注意してください。
    • 乱用による死亡例あり。通常用量であれば心配いりません。適正な使用を。
  4. dl-メチルエフェドリン塩酸塩
    • 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
    • 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
    • 濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
  5. ブロムヘキシン塩酸塩
    • 気道の粘液をサラサラにし、痰を切れやすくする効果があります。
    • 使用開始時には一時的に痰の量が増えることがあります。
  6. d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
    • 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
    • 特に眠気には注意してください。
    • 抗コリン作用により、眼圧上昇や排尿困難などの副作用が出る可能性があります。

他の成分の薬を探してる方はこちらから。
成分の一覧表

使い方(用法・用量)

年齢1回の服用量1日の服用回数
15歳以上2カプセル2回(朝・夕)
7~14歳1カプセル2回(朝・夕)

「食後なるべく30分以内に」となっています。
ただ、特に胃に負担がかかったり食事により吸収が変化する成分も入ってないので気にしなくて良いかと思います。

7歳未満の方は服用しないでくださいとのことです。
単純に量の問題だと思います。

製品全体としての注意点

注意してほしいこと

いくつか注意点を書いておきます。

  • 眠気に注意:眠気が出る可能性があるので注意してください。
    • 服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。ただ、全然眠くならない方もいるのでそういう方は問題ないですね。
  • 喘息治療中の方:気管支拡張薬のメチルエフェドリンが入っているので、喘息を治療中の方はすでに服用(吸入)してる可能性があります。過剰摂取にならないように注意してください。
  • 抗コリン作用:口の渇きや目のかすみ、眼圧上昇、排尿困難、便秘などの症状が出る可能性があります。
    • 気になる場合は減量または中止してください。
  • 服用期間:「長期連用しないでください」となっています。
    • 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診察を受けた方が良いかと思います。
    • デキストロメトルファンのオーバードーズ(過剰摂取)の問題もあります。

妊娠・授乳中の使用について

大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。

クリック・タップで開きます。

妊娠中の方

この製品の説明書では
服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
という書き方になっています。

特に問題になるものは入っていません。
短期間の使用であれば問題ないかと思います。

メチルエフェドリンによって胎児が頻脈を起こす、ということはあるかと思いますが、入っている量も少なめです。
あまり心配は要らないかと思います。

催奇形性についてはどの成分も報告はありませんが、データそのものが少ないので何とも言えません。

服用するにしても短期間の使用にとどめておいてください。
原則として、妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)

授乳中の方

この製品の説明書では
服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
という書き方になっています。

こちらに関しても特に問題ないと考えます。

Mothers’ Milk基準では、この製品に入ってる成分中一番リスクの高いもので、

  • デキストロメトルファン
  • クロルフェニラミン

の2つが「L3(概ね適合)」となっています。

メチルエフェドリンに関してはデータがありません。
基本的には「避けてください」と言われる事が多いですが、生後3ヵ月から使える製品も存在します。

「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。

心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。6~8時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。

また、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。

妊娠・授乳中の薬物治療に関して不安を持つ方も多いかと思います。
そういう方の相談に乗ってくれる機関があるのでそこのサイトのリンクを貼っておきます。
妊娠と薬情報センター:https://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html

製品の特徴や利点、個人的な感想

この製品の特徴は、1日2回の服用でいい、という事でしょうか。

カプセルの中に、速放性と徐放性の顆粒が入っているそうです。
速く・長く効くということですね。

成分の構成については特徴と言えるものはありません。なんていうか、すごく普通です。

解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンが1日900mg。これは市販の風邪薬に配合できる最大用量です。
ただ、医療用だと大人なら風邪でも1回600mg・1日3回とか使ったりするので強くはありません。
この製品だと弱いという方はイブプロフェンが1日600mg入っているものを試してみても良いでしょう。それほど変わらないと思うけど。
あと、立場上お勧めはしませんが、アセトアミノフェンの解熱鎮痛剤をちょっと足す、という手もあります。

咳止めはデキストロメトルファンとメチルエフェドリン。
デキストロメトルファンは1日48mgで最大用量。といっても効果はあまり期待できません。
メチルエフェドリンは他の風邪薬よりも少ない1日40mgだけ。他のは60mgが一般的ですね。

去痰薬が入っているのは良いのですが、ブロムヘキシンが1日8mgのみ。
他の製品では1日12mg入っているものが多いかな?

ブロムヘキシンは1回4mgが上限なので、1日2回にしたことで配合できる量が少なくなってしまったんですね。

鼻水にはdクロルフェニラミンですね。
ただの「クロルフェニラミン」よりも眠気の副作用は少なめとなっているはずです。
(ただの「クロルフェニラミン」には「l(エル)-クロルフェニラミン」というのも入っていて、こちらは鼻水にはあまり効かず眠気の副作用のみがあります)

持続性にしたことで、昼に飲まなくてもいいというメリットはあるのですが、その分1日量が少なくなってしまうというデメリットもあります。

とはいえ、そこまで効果は変わらないと思います。もともとそれほど効果のあるものでもないですし。

使用した方の口コミ・レビュー、値段など

「ものログ」というサイトの口コミです。

良い評価としては、

「仕事をしているので1日2回で済むのもありがたい」
「寝る前に飲むと朝にはスッキリしてる」
「鼻も止まって咳も楽になるので良い」

といった具合。

否定的な意見としては、

「オシッコの色が赤くなり、血尿みたいになり、排尿困難になった」
「悪化はしないけど、症状が軽くなるまでに何日もかかる」
「治りは早いが、凄く眠気がさします」

といった感じ。

評価はまあまあ高めですね。

良い評価では上の他に「効果が早い」とか「こどもでも飲めるのが良い」といった声もありました。
「持続性」と言いながらも効果が早いのは良いですね。

眠気はやっぱりあるみたいですね。クロルフェニラミンがいくら「d体」だけとは言っても、医療用のでも結構眠気の話は聞きます。

否定的な意見の最初の「オシッコの色が~」のところはちょっと分かりません。
排尿障害についてはクロルフェニラミンによる可能性もありますが…
(医療用で使われる咳止めの「アスベリン(チペピジン)」という薬ではおしっこが赤くなることはあります)

この方の場合は薬によるものというよりは、尿路感染や膀胱炎とかもあったのかも?

あと、否定的な意見の2番目の方に関しては、繰り返しになりますが風邪薬は風邪を治すものではありません
あくまで風邪が治るまでの間、症状を緩和するだけです。

ただの風邪なら3日~1週間もすれば自然と良くなってくると思うので、その間のつらい症状を少しでも抑えるために薬を使うって感じですね。
症状が我慢できる程度なら薬なんて使わない方が良いです。風邪に関しては。

値段について

Amazon(送料含まず)で見てみると、

包装値段1日分に換算
12カプセル1,980円660円
24カプセル2,450円408円

※1日分のは、1日4カプセルで計算
※2025年2月時点です。

Yahooショッピングだと12カプセルのは1,400~1,500円であったのですが、24カプセルのがなかったので、Amazonのを載せておきます。
※以前見た時は36カプセルもあったような気がしたのですが、Amazon、Yahoo、楽天で探しても見当たりませんでした。

この製品自体、探しても全然出てこないですね。人気ないのかな?販売中止になるのかな?

この内容でこの値段はさすがに高いですね。似たような内容でもっと安い薬はたくさんあるはずです。

この記事を読んでそれでも「買おうかな?」と興味を持たれた方へ

まとめ

この記事では『新コンタックかぜ総合』について、各成分の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。

特徴としては、

  • 1日2回の服用でいい
  • 7歳から使える
  • 値段が高い

といったところでしょうか。

成分に関しては特に変なものは入ってないので使いやすくはあります。
こどもでも使えるのは良いですね。

ただ、成分量は他の一般的な風邪薬と比べて少なめです。なのに値段は高い。
速放性と徐放性の顆粒にしてるって事で、製剤的にコストがかかってるのかな?

1日2回にすることで成分量が少なくなっている事を考えると、メリットとは言い難いですね。

なかなかに中途半端な製品です。

他の風邪薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
風邪薬(総合感冒薬)一覧

風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。

ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。

効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします

上の方でも紹介しましたが、再度リンクを貼っておきます

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