解熱鎮痛剤の総合ガイド
成分ごとの特徴・使用方法・製品一覧

リクエストがあったので、今回は「解熱鎮痛剤」について紹介しようと思います。

解熱鎮痛剤は、風邪の時に熱を下げたり、頭痛や筋肉痛、関節痛、生理痛、歯痛など、薬の中でも日常的によく使われるものですね。

現在市販されている解熱鎮痛剤の製品数は200を超えますが(2024年7月現在)、
その主成分は基本的に次の6ついずれかです。

アセトアミノフェン
イブプロフェン
アスピリン(アセチルサリチル酸)
ロキソプロフェン
イソプロピルアンチピリン
エテンザミド

これらの成分が
単独で含まれている製品
2つ以上の解熱鎮痛剤が組み合わさっている製品
解熱鎮痛剤以外の成分も含まれている製品
が存在します。
(イソプロピルアンチピリンとエテンザミドは単独の製品はありません)

この記事では、各成分ごとに特徴や使用方法などを簡単に解説し、市販されている製品一覧を紹介します。
解熱鎮痛剤を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

※ここでご紹介している製品がすべてではありません。
あと、すでに製造中止になっている製品もあるかもしれません。
そのへんはご了承くださいますようお願い申し上げます。

市販の解熱鎮痛剤をまとめた表を作りました。
必要な方はまずいないと思いますが、下のリンクからダウンロードできるようにしておきます。
解熱鎮痛剤一覧(エクセル)

※なぜかchromeではダウンロードできませんでした。
edgeからはダウンロードできたので、ダメな場合は違うブラウザで試してみてください。

あと、CSVも上手くいかなかったのでExcelファイルのみです。すみません。

目次

解熱鎮痛剤の成分ごとの分類

下記の見出しは、例えば「アセトアミノフェンのみ」の場合は「入っている解熱鎮痛剤がアセトアミノフェンのみ」という意味です。
解熱鎮痛剤以外の成分が入っていても「アセトアミノフェンのみ」という表現にしています。
記載している成分量はすべて成人のものです。

「アセトアミノフェン」のみ

製品一覧

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製品名アセトアミノフェン
1回量
その他の成分
5COINS PHARMA
アセトアミノフェンE錠
300mg
アイユニーピュア300mg
アセトアミノフェンK錠300mg
アセトアミノフェン錠
「クニヒロ」
300mg
アセトアミノフェン錠HP300mg
イソピロ錠300mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:50mg
カロナールA300mg
クミアイ新頭痛錠300mg無水カフェイン:50mg
コルゲンコーワAA300mg
セシオン解熱鎮痛薬AP300mg
セメヂン顆粒300mgジリュウエキス:130mg
シャクヤクエキス:100mg
カンゾウ乾燥エキス:200mg
タイレノールA300mg
ディパシオACa300mg
デプロキdeux300mgチンピエキス:40mg
カンゾウ末:100mg
シャクヤク末:100mg
ショウキョウ末:33.3mg
新トアノージZ300mgブロモバレリル尿素:70mg
無水カフェイン:30mg
シャクヤク末:89mg
カンゾウ末:66.7mg
ケイヒ末:44.667mg
ナロンm300mgグリシン:300mg
チアミン硝化物(VB1):8mg
リボフラビン(VB2):4mg
ノーシン
アセトアミノフェン錠
300mg
新ノーソ300mgブロモバレリル尿素:66.7mg
カフェイン水和物:66.7mg
バファリンルナJ300mg
プレミナスACa300mg
ポパドンA300mg
薬師鎮痛薬300mg
ラックル300mg
リングルN300mg無水カフェイン:50mg
リングルN300300mg
レスラックA300mg

※「小児用」のは除外しています。

簡単な解説

アセトアミノフェンは小児から高齢者、妊婦さんにまで幅広く使われている解熱鎮痛剤ですね。
比較的副作用は少なめで安心です。

解熱目的で使う場合は、子どもでも大人でもこれを使うのが無難かと思います。

抗炎症作用はないため、炎症を伴う痛みに対しては効果が薄いかもしれません。

市販の製品は基本的に1回300mgとなっていますが、これはちょっと弱いかもしれないですね。
成人の場合、医療用では1回400~600mgを1日3回まで使います。
(最高では1日4,000mgですが、1日1,500mgを長期で使う場合は定期的に肝機能検査をする必要があります)

1回300mgで効果がある人は良いのですが、そうでない人は短期間に限り少し多めに服用しても良いかもしれません。
立場上、お勧めはしませんけど。

ただ、その場合は「その他の成分」まで多く摂ることになるので注意してください。
できればアセトアミノフェン単独の製品にしておいた方が良いですね。

あと子どもが使う場合ですが、医療用では「体重1kgあたりアセトアミノフェンは1回10~15mg」が目安となります。
例えば、体重が10kgなら100~150mg、20kgなら200~300mgですね。
ただし、小児の1回あたりの最大用量は500mg、1日あたりの最大用量は1,500mgです。

「イブプロフェン」のみ

製品一覧

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製品名イブプロフェン
1回量
その他の成分
IB鎮痛薬F150mgメタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
Vクイック鎮痛薬150mgメタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
アジェンテ鎮痛薬a150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
アダムA錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
アルテスミンファースト150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:66.7mg
アルテスミン
ファーストDX
200mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
酸化マグネシウム:90mg
イーナ錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
イブ150mg
イブ<糖衣錠>150mg
イブA錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
イブA錠EX200mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
イブクイック頭痛薬150mg酸化マグネシウム:100mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
イブクイック頭痛薬DX200mg酸化マグネシウム:100mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
イブプロフェン
ソフトカプセル
200「キョーワ」
200mg
インテタームIB200mg
ウイルクエストIPa150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
エルペインコーワ150mgブチルスコポラミン臭化物:10mg
新オムニンP錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
カイゲンパックIB顆粒150mg無水カフェイン:80mg
カンゾウ末:100mg
シャクヤクエキス:41.667mg
カイテキIB錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
カンピオーネα(s)150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
グットエイドEVs150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
クレーモアIPa150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
クレーモアファースト150mgメタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
ケロリンIBカプレット150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
コナリスIP150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
コナリスIPs150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
ウラック150mgシャクヤクエキス:166.7mg
カンゾウエキス:116.67mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:83.33mg
スカイブブロンEX150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
スカイブブロンファースト150mgメタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
スグナIB150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
スグナIP錠DX150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
酸化マグネシウム:100mg
スパロミンエース150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
スペジオンIP150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
セシオンHDファースト150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:66.7mg
セダックス錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
セデスキュア150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
セデナフェンピュア150mg
チンツーミンIPコート150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
ディパシオEXエース200mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:90mg
ディパシオIPa150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
JSネルベンエースA錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
ネルベンエースA錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
ノーエチ錠IP150mg
ノーシンエフ200200mg
ノーシンピュア150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
ノーシンピュア
(ピルケース入り)
150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
オトナノーシンピュア150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:66.7mg
のどぬーる鎮痛カプセルa
[鎮痛カプセルa]
150mgトラネキサム酸:140mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:69.5mg
ノンフィーブ150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
ヒストミン解熱鎮痛薬150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
ビタトレール
クイックEX錠
150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
フェリア150mg
フツナロンEV錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
プレミナスEX
[IBU鎮痛薬EX]
200mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
プレミナスEXs200mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:90mg
プレミナスIP150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
プレミナスS200mg
プレミナスIP
クイックa
150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:70mg
ポパドンIP錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
解熱鎮痛錠IP150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
メディペイン150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:66.7mg
メディペインDX200mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:90mg
酸化マグネシウム:90mg
メリドンEV錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
メリドンIB200mg
メルヂンゴールド150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
ユニペイン150mg
ユニペインDX200mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:90mg
酸化マグネシウム:90mg
リコリプラスエースa150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
リコリプラスクイック150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
グリシン:60mg
リングルアイビー150mg
リングルアイビー
α200
200mg
リングルアイビー錠
α200
200mg
ルキノン解熱鎮痛薬150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
レナートEV錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
レビューA錠150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg

簡単な解説

イブプロフェンは医療用としては大人にはあまり使われていませんが、アセトアミノフェンと並んで市販の解熱鎮痛剤としては非常にメジャーなものですね。
風邪薬にもよく配合されています。

アセトアミノフェンと違い、こちらは抗炎症作用もあるので炎症を伴う痛みに対しても効果が期待できます。

解熱・鎮痛の効果としては、
・アセトアミノフェン:300mg
・イブプロフェン:200mg
で同等か、イブプロフェンがやや強い程度ですね。

市販のイブプロフェンは、1回150mgまたは200mgとなっています。
成人の場合、医療用では1回200mgを1日3回まで使います。

効果には個人差があるとはいえ、1回150mgだとちょっと弱いかな~と思いますが…。
胃痛や喘息発作が出る方は注意ですが、そうでない方は200mgの製品を選ぶと良いでしょうね。

子どもの場合、市販のイブプロフェンは15歳未満には使用できない、ということになっています。
日本では15歳未満には解熱目的での適応がありません

鎮痛目的であれば5歳から使えるんですけどね。
海外では小児の解熱にはアセトアミノフェンかイブプロフェンが推奨されています。
ちょっともったいないですね。

また、妊娠後期(28週以降)の方には禁忌です。
妊娠中の方は、できるだけ産婦人科で薬を処方してもらってください。

「アスピリン」のみ

製品一覧

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製品名アスピリン
1回量
その他の成分
ケロリン600mg無水カフェイン:60mg
ケイヒ末:60mg
ケロリンA錠600mg無水カフェイン:50mg
ケイヒ末:50mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:100mg
ケロリン錠S600mg無水カフェイン:50mg
後藤散450mg無水カフェイン:50mg
ケイヒ末:100mg
カンゾウ末:100mg
後藤散いたみどめ顆粒450mg無水カフェイン:50mg
ケイヒ末:100mg
カンゾウ末:100mg
後藤散いたみどめ顆粒G450mg無水カフェイン:50mg
ケイヒ末:100mg
カンゾウ末:100mg
バイエルアスピリン500mg
バッサリンAs660mg合成ヒドロタルサイト:200mg
バファリンA660mg合成ヒドロタルサイト:200mg
バファリンライト440mg乾燥水酸化アルミニウムゲル:200mg
バリアペイン660mg合成ヒドロタルサイト:200mg
ベネスロン660mg合成ヒドロタルサイト:200mg

簡単な解説

アスピリンは痛み止めの代名詞のような薬で、多くの方がこの名前を知っているでしょう。
解熱鎮痛剤の中では一番歴史があり、日本での発売は1900年とされています。
製品によっては「アセチルサリチル酸」と表記されているものがあるかもしれません。

名前から勘違いされる方が多いのですが、これはピリン系ではありません
「アスピリン」は商標名で、成分名は「アセチルサリチル酸」となります。
でも日本薬局方ではアスピリンが正式名称となってます。ややこしい。

現在、医療用では痛み止めとして使われることはほとんどなく、主に心筋梗塞や脳梗塞に対する抗血栓薬として使用されています。

以前は『バファリン配合錠A330』という痛み止めが医療用にもありましたが、現在は販売中止となっています。
市販の製品で1回660mgのものがあるのは、その名残かもしれませんね。

市販のアスピリンは1回450~660mgとなっています。
成人の場合、医療用では1回500~1,500mg、1日1,000~4,500mg使用します。

アセトアミノフェンやイブプロフェンと比べると、胃への負担が大きいかもしれません。
そのため、「乾燥水酸化アルミニウムゲル」や「合成ヒドロタルサイト」が入っているものが多いですね。
これらは胃酸を中和し胃の粘膜を守るものです。入っていないよりは入っている方が良いでしょう。

また、イブプロフェンと同じく15歳未満は使用できません
妊娠後期(28週以降)の方には禁忌です。

「ロキソプロフェン」のみ

製品一覧

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製品名ロキソプロフェン
1回量
その他の成分
5COINS PHARMA
ロキソプロフェン錠「RX」
60mg
コルゲンコーワ鎮痛解熱
LXα
60mgトラネキサム酸:140mg
ナロンLoxy60mg
ナロンLoxy
ロキソプロフェンT液
60mg
バファリンEX60mg乾燥水酸化アルミニウムゲル:120mg
ハリー解熱鎮痛薬L60mg
ビタトレール
ロキソプロフェンS
60mg
ピタリノールLX60mg
ユニペインL60mg
ロキソニンS60mg
ロキソニンSクイック60mgメタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg
ロキソニンSプラス60mg酸化マグネシウム:33.3mg
ロキソニンS
プレミアム
60mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:50mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg
ロキソニンS
プレミアムファイン
60mgシャクヤクエキス:36mg
ヘスペリジン:30mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg
ロキソプロフェン錠「AX」60mg
ロキソプロフェン錠「GX」60mg
ロキソプロフェン錠「JG」60mg
ロキソプロフェン錠「LS」60mg
ロキソプロフェン錠
「クニヒロ」
60mg
ロキソプロフェン錠M60mg

簡単な解説

ロキソプロフェンは、市販の解熱鎮痛剤としては唯一第1類医薬品に分類されています。
医療用としてはカロナール(アセトアミノフェン)に次いで使われている痛み止めですね。
「カロナールを使って効かなければこれを使って」と処方された経験がある方も多いのではないでしょうか。

以前、医療用のロキソプロフェンは劇薬に指定されていましたが…現在はその指定が外れ、市販薬として販売されています。
この変更には大人の事情が関わっているのでしょうね。

ロキソプロフェンは、吸収された後に体内で活性化するプロドラッグと呼ばれる薬です。
この特性により胃への負担が少なくなっています。

市販のロキソプロフェンは基本的には1回60mgを1日2回までの使用が推奨されていますが、すべての製品に「再度症状が現れた場合には3回目を服用できます。」と記載されていますね。
つまり、医療用と同じく1回60mgを1日3回まで使用できます。

ただし、胃への負担が少ないとはいえ、アセトアミノフェンやイブプロフェンよりは負担がかかることがあります。
長期間にわたり1日3回服用して胃潰瘍になってしまった方もたまに見かけるので注意してください。
なるべく食直後に服用した方が良いでしょう。
乾燥水酸化アルミニウムゲル」や「酸化マグネシウム」、「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」などの胃粘膜を保護する成分が含まれている製品を選ぶのも良いでしょうね。

第1類医薬品ということで購入には多少手間がかかりますが、その効果には定評があります。
他の鎮痛剤が効かなかった場合、これを試してみると良いでしょうね。

また、イブプロフェンやアスピリンと同じく15歳未満は使用できません
妊娠後期(28週以降)の方には禁忌です。

「アスピリン」+「アセトアミノフェン」

製品一覧

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製品名アスピリン
1回量
アセトアミノフェン
1回量
その他の成分
エキセドリンA錠500mg300mg無水カフェイン:120mg
エキセドリンプラスS500mg300mg無水カフェイン:120mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:30mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:70mg
ケロール500mg300mg無水カフェイン:50mg
ブロモバレリル尿素:200mg
ケロリンT600mg100mg無水カフェイン:60mg
ケイヒ末:60mg
ヘデクカプセル300mg200mg無水カフェイン:66.7mg
ブロモバレリル尿素:66.7mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:66.7mg
ヘデクパウダー300mg200mg無水カフェイン:66.7mg
ブロモバレリル尿素:66.7mg

簡単な解説

上の3つはアセトアミノフェンが最大量の300mg含まれており、アスピリンも500mgと少なくない量が含まれています。
効果は期待できるのではないでしょうか。

「ケロリンT」はアスピリンがメインですね。アセトアミノフェンはおまけ程度。

下の2つ(ヘデクカプセルとヘデクパウダー)は…少し弱いかもしれません。

ただ、上の4つは1日2回まで下の2つは1日3回までとなっています。
1日の総量としては「ケロリンT」以外はそれほど大きな差はないですね。

症状が強い時には1回量が多い製品を、
1日を通して症状を和らげたい場合には1日3回まで使える製品を選ぶと良いでしょう。

アスピリンが含まれているため15歳未満は使用できません
また、妊娠後期(28週以降)の方には禁忌です。

「イブプロフェン」+「アセトアミノフェン」

製品一覧

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製品名イブプロフェン
1回量
アセトアミノフェン
1回量
その他の成分
エーアイプレミアム195mg195mg無水カフェイン:120mg
合成ヒドロタルサイト:270mg
カイテキIP錠
プレミアム
150mg65mg無水カフェイン:80mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg
スグナIP錠
プレミアム
150mg65mg無水カフェイン:80mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg
セシオンHD
プレミアム
195mg195mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
酸化マグネシウム:90mg
ディパシオL130mg130mg無水カフェイン:80mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:115mg
テラポニン頭痛薬
プレミアム
195mg195mgブロモバレリル尿素:100mg
無水カフェイン:80mg
酸化マグネシウム:90mg
ノーシンアイ頭痛薬150mg65mg
バファリンルナi130mg130mg無水カフェイン:80mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:70mg
バファリン
プレミアム
130mg130mg無水カフェイン:80mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:70mg
バファリン
プレミアムDX
160mg160mg無水カフェイン:50mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル:70mg
ユニペイン
プレミアム
195mg195mgブロモバレリル尿素:100mg
無水カフェイン:80mg
酸化マグネシウム:90mg
ルナールi150mg65mg無水カフェイン:60mg

簡単な解説

この中ではイブプロフェンとアセトアミノフェンがともに195mg含まれている製品が成分量が最も多いですが、
これらは全て1日2回までとなっています。

それ以外の製品は1日3回まで使用可能です。

アセトアミノフェンは200mgで6歳前後の子どもが使用する量になります。
195mg足したところで大きな効果の違いは感じられないかもしれませんが、イブプロフェン200mgの単独の製品よりは効きは良いでしょうか。たぶん。
アセトアミノフェンが65mgの製品もありますが…これは効果の違いは感じられないでしょうね。

個人的には、イブプロフェンとアセトアミノフェンが195mgくらいであれば1日3回まで使用しても良いかと思います。
胃の調子を見ながらですね。
もちろん、立場上お勧めはできませんが。

イブプロフェンが含まれているため15歳未満は使用できません
また、妊娠後期(28週以降)の方には禁忌です。

「アセトアミノフェン」+「エテンザミド」

製品一覧

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製品名アセトアミノフェン
1回量
エテンザミド
1回量
その他の成分
アルドミン錠A300mg266.7mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:60mg
カンゾウ末:50mg
シャクヤク末:66.7mg
アロピラリンS200mg317mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:50mg
ジリュウエキス:20mg
カンゾウ乾燥エキス:47mg
オピス錠300mg450mg無水カフェイン:35mg
ニューカイテキ錠F300mg500mg無水カフェイン:100mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
ベンフォチアミン(VB1):12.5mg
カンゾウ乾燥エキス:36mg
確力救痛300mg500mg無水カフェイン:50mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
カルリラ300mg350mg無水カフェイン:70mg
カンゾウエキス末:50mg
シャクヤクエキス:70mg
クイックロコ錠200mg500mg無水カフェイン:100mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:150mg
カンゾウエキス末:54mg
シャクヤクエキス:75.6mg
恵快ACE300mg500mgボタンピ末:100mg
シャクヤク末:100mg
ケイヒ末:100mg
ショウキョウ末:50mg
カンゾウエキス:17.5mg
ジリュウエキス散:75mg
無水カフェイン:120mg
合成ヒドロタルサイト:270mg
コンジスイとんぷく300mg500mgブロモバレリル尿素:180mg
無水カフェイン:80mg
サブロン顆粒266.7mg300mgブロモバレリル尿素:200mg
無水カフェイン:50mg
カノコソウ末:216.67mg
カンゾウ末:66.7mg
ケイヒ末:66.7mg
サリゲンS200mg380mgブロモバレリル尿素:200mg
無水カフェイン:80mg
シオノギ解熱鎮痛薬
ACE
160mg400mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
スグナ顆粒300mg120mg無水カフェイン:80mg
スグナ錠300mg500mg無水カフェイン:100mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
ベンフォチアミン(VB1):5mg
ズバリ(頭歯利)300mg500mg無水カフェイン:70mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
ズバリ錠X300mg500mg無水カフェイン:70mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
ズバリタイムII200mg350mg無水カフェイン:60mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
新セデス錠160mg400mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
セデスV160mg400mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
セトチアミン塩酸塩水和物(VB1誘導体):8mg
大正トンプク300mg350mgブロモバレリル尿素:200mg
無水カフェイン:50mg
チンツーミン錠300mg500mgカフェイン水和物:120mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
トルピタン160mg400mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:80mg
ナロン顆粒265mg300mgブロモバレリル尿素:200mg
無水カフェイン:50mg
ナロン錠265mg300mgブロモバレリル尿素:200mg
無水カフェイン:50mg
ノーエチS150mg250mg無水カフェイン:80mg
ノーエチW顆粒300mg100mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:50mg
シャクヤクエキス:66.7mg
カンゾウエキス:83.33mg
ノーシン300mg120mg無水カフェイン:70mg
ノーシン錠300mg160mg無水カフェイン:70mg
ノーシンホワイト錠300mg380mgカフェイン水和物:60mg
ノノン錠300mg266.7mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:60mg
ハイタミン錠300mg500mgカフェイン水和物:60mg
ハッキリエースa230mg230mgカフェイン水和物:75mg
シャクヤクエキス:50mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:150mg
新パトシック錠150mg250mgカンゾウエキス:60mg
シャクヤクエキス:43mg
チアミンジスルフィド(VB1):6mg
ビタトレール
クイックA錠
300mg200mgアリルイソプロピルアセチル尿素:40mg
無水カフェイン:50mg
ビタトレール
ハレルミンA
[ハレルミンA]
300mg500mgブロモバレリル尿素:100mg
無水カフェイン:120mg
ヒラミン300mg500mgブロモバレリル尿素:200mg
無水カフェイン:90mg
ペインサール顆粒300mg100mgシャクヤクエキス:66.7mg
カンゾウエキス:83.33mg
無水カフェイン:50mg
アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
ホームラン200mg380mgブロモバレリル尿素:150mg
無水カフェイン:70mg
メルレン顆粒300mg450mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:60mg
カンゾウエキス末:50mg
ケイヒ末:75mg
シャクヤクエキス:35mg
ショウキョウ末:50mg
新モートサン300mg150mg無水カフェイン:70mg
ユニー300mg500mgブロモバレリル尿素:200mg
カフェイン水和物:120mg
チアミンジスルフィド(VB1):10mg
ユニー錠300mg500mgブロモバレリル尿素:200mg
無水カフェイン:120mg
チアミンジスルフィド(VB1):10mg
龍風散300mg300mg無水カフェイン:60mg

簡単な解説

昔から「アセトアミノフェン」+「カフェイン」+「エテンザミド」で「ACE処方」という組み合わせがありますね。
このカテゴリーの製品ははほぼ全てその組み合わせになっています。
「新パトシック錠」と「ユニー」の2つだけカフェインが入ってませんけど。

この中ではアセトアミノフェン300mg、エテンザミド500mgの製品が一番成分量が多いでしょうか。
市販の製品ではそれぞれこの量が1回の最高用量になっています。

エテンザミド500mgはアスピリン500mgと効果は同等ですが、胃への負担は若干軽くなっています
アスピリンで胃が痛くなる方はこちらを試してみても良いかもしれません。

このカテゴリーでは生薬が含まれている製品が多いですね。
摂り過ぎなければほとんど害はないので、好みで選んで良いでしょう。

また、アスピリンと違って5歳から使える製品もあります。
ただ、個人的には子どもにはアセトアミノフェンのみをお勧めしたいですね。

製品によって、5歳から使えたり15歳未満は使えなかったりします。
子ども用に購入する場合はパッケージで確認してみてください。

「アセトアミノフェン」+「イソプロピルアンチピリン」

製品一覧

クリック・タップで開きます。
スクロールできます
製品名アセトアミノフェン
1回量
イソプロピル
アンチピリン
1回量
その他の成分
セデス・ハイ250mg150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:50mg
セデス・ハイ
プロテクト
250mg150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:50mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg
セデス・ハイG250mg150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:50mg
セミドン顆粒250mg150mgアリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
無水カフェイン:50mg
カンゾウエキス:150mg

簡単な解説

イソプロピルアンチピリンは「ピリン系(ピラゾロン系)」と呼ばれるものです。
過敏症や血液障害が出ることがあり、今はあまり使われていません。
200以上ある市販の解熱鎮痛剤で、これが使われているのは6製品だけでした。

医療用でもほぼ使われておらず、
・解熱鎮痛剤の「SG配合顆粒」
・頭痛治療薬の「クリアミン配合錠」
の2つにしか入っていません。

上の表の「セデス・ハイ(錠剤)」と「セデス・ハイG(顆粒)」は医療用の「SG配合顆粒」と同じ組成になります。
「セデス・ハイ プロテクト」は、それに胃薬を配合したものですね。

「セミドン顆粒」は「SG配合顆粒」にカンゾウを加えたものです。
カンゾウ自体にも鎮痛作用があるので、少し効き目が良いかもしれませんね。
また、成分表には載ってませんが、添加物として「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」が含まれているようです。
少し胃への負担も軽くなるかもしれません。

用法はすべて1日3回までとなっています。
できれば食後に飲んだ方が良いでしょう。

4製品とも15歳未満は使用できません

「イブプロフェン」+「エテンザミド」

製品は2つのみです。

スクロールできます
製品名イブプロフェン
1回量
エテンザミド
1回量
その他の成分
ナロンエースT144mg84mgブロモバレリル尿素:200mg
無水カフェイン:50mg
ナロンエースプレミアム150mg500mg乾燥水酸化アルミニウムゲル:66.7mg

簡単な解説

イブプロフェンの量は同等ですが、エテンザミドの量がかなり違いますね。

「ナロンエースT」は鎮静剤の「ブロモバレリル尿素」が含まれています。
「ナロンエースプレミアム」は胃粘膜保護の「乾燥水酸化アルミニウムゲル」が含まれています。

個人的には、「ブロモバレリル尿素」のような鎮静剤入りの薬はあまりお勧めしません

この2つであれば「ナロンエースプレミアム」一択ですね。これは個人の感想ですけど。

2つとも1日3回まで使用できます。
15歳未満は使用できません

その他(3製品)

「アルミノプロフェン」のみ

ロキソプロフェンと似たような成分で「アルミノプロフェン」というのがあります。

市販されているのは「ルミフェン」という製品だけですね。

1回200mg、1日3回までとなっています。
以前あった医療用(ミナルフェン:現在は販売中止)のと同じ量になりますね。

注意事項はロキソプロフェンと同じです。

「イソプロピルアンチピリン」+「イブプロフェン」
「イソプロピルアンチピリン」+「エテンザミド」

スクロールできます
製品名主成分1回量その他の成分
サリドンWiイソプロピルアンチピリン
イブプロフェン
150mg
50mg
無水カフェイン:50mg
サリドンAイソプロピルアンチピリン
エテンザミド
150mg
250mg
カフェイン水和物:50mg

この2つはイソプロピルアンチピリンがメインですね。

「サリドンWi」のイブプロフェンは通常の量の4分の1です。おまけ程度でしょう。
「サリドンA」のエテンザミドは通常の量の半分ですね。

ピリン系というだけで使いたがらない人も多いかもしれませんが…
ピリン系にアレルギーがなければ、それほど問題になることもありません。
大事なのは自分に合っているかどうかですね。
(いくつかの国では、イソプロピルアンチピリンは重篤な副作用のため製造販売が禁止されてるようですけど)

「サリドンWi」は1日2回まで15歳未満は使えません
「サリドンA」は1日3回まで8歳未満は使えません

「サリドンWi」はなんで1日2回までなのかな?この量であれば1日3回までは使用しても良いかもしれません。
もちろんお勧めはできませんけど。

「アリルイソプロピルアセチル尿素」と「ブロモバレリル尿素」について

今回調べてみて分かったのですが、この2つが配合されている解熱鎮痛剤がかなり多いですね。

個人的には、これらが含まれている製品はお勧めしません

その作用や副作用、注意点などを書いておこうと思います。

作用

もともとは鎮静剤、睡眠薬です。

医療用医薬品の添付文書では「体内でBr(臭素)を遊離し、神経細胞の興奮性を抑制することにより、鎮静、催眠作用を現す」と書かれています。
要は、脳を麻痺させるわけですね。

痛みを抑えるというより、痛みを感じにくくする、といったところでしょうか。

2つとも習慣性医薬品となります。
なぜか日本ではいまだに使われていますが、現在は海外ではほぼ使われません

副作用

眠気依存症呼吸抑制などが出る場合があります。

睡眠薬として使われる量よりはかなり少ないですが、服用後は自動車の運転等危険を伴う機械の操作はしないようにしてください。

依存症も問題になります。服用後、薬が切れてくるとと不安感が出てきて、薬を飲むと不安感が消えます。
これで薬が手放せなくなるんですね。薬漬けというやつです。

連用してる人が急に薬を止めると、まれに痙攣発作、せん妄、振戦、不安等の離脱症状があらわれることがあります
やめる場合は徐々に減量するなどしましょう。
というか、こうなってしまった方は受診してください

ほかに、呼吸抑制の危険性もあります。
通常は意識をしなくても呼吸は行われるものですが、この命令が脳から出されなくなるんですね。
これは他の睡眠剤でも起こり得ます。

過量摂取による急性中毒症状としては、中枢神経症状(四肢の不全麻痺、深部反射消失、呼吸抑制等)が主なものであり、覚醒後に幻視、全身痙攣発作、神経炎、神経痛等が起こる場合があります。

オーバードーズ(意識的な過剰摂取)による死亡例があり、自殺に使われたこともあります。

以上のような事があるので、海外では販売禁止の国もあります。

使用する際の注意点

長期連用は避けましょう
痛み止めの基本的な使い方はあくまで頓服、「症状があるときだけ」です。

もし「薬を飲まないと落ち着かない」という状態であればすでに依存が形成されている可能性があります。
受診した方が良いでしょう。

これらの成分が含まれる製品を使用する際には、用法用量を厳守し、長期間の連続使用は避けることが重要です。

できれば、これらの成分が含まれていない製品を選ぶことをお勧めします

解熱鎮痛剤の使用に関して注意するべきこと

ここでは解熱鎮痛剤の使用に関して全般的に注意していただきたい点を書いておきます。

1. 用法・用量の厳守、長期連用について

市販の解熱鎮痛剤は、用法・用量を守って使用することが大切です。
過剰な摂取は副作用を引き起こす可能性があります。

アセトアミノフェンを除く鎮痛剤は胃に負担がかかりやすくなっています。
長期間服用してると胃潰瘍になる方もいるので注意してください。
なるべく食直後に服用した方が良いでしょう。
胃粘膜を保護する成分を含んだ製品も良いかもしれません。

また、肝機能や腎機能に問題がある方は注意が必要です。

アセトアミノフェンは安全性の高い薬ですが、肝機能障害が問題になります。
海外では、アルコールを大量に飲む方がアセトアミノフェンを使って死亡した例もあります。
それ以外の解熱鎮痛剤は主に腎障害が問題になります。

解熱鎮痛剤は長期間の使用を避け、症状が続く場合は医師に相談してください。

2. アレルギーの有無

解熱鎮痛剤に対するアレルギーがある場合、その成分を含む薬剤の使用は避けましょう。

特に、アスピリンやピリン系(イソプロピルアンチピリンなど)にアレルギーがある方は注意が必要です。
もし過去に薬でアレルギー症状が出た経験がある人は必ず何かに記録しておきましょう。

アスピリン喘息にも注意してください。
解熱鎮痛剤で喘息発作が出る方がいます。気管支喘息をお持ちの方も注意してください。
アセトアミノフェンは比較的安全です。

3. 妊娠中および授乳中の使用

妊娠後期(28週以降)の方は禁忌の薬も多いです。
妊娠中の方は市販薬は使わず、必ず医師に処方してもらってください

授乳に関してはそれほど問題になることありません。
心配であれば授乳後に薬を服用するようにしてみてください。次の授乳までには薬はかなり分解されているはずです。

4. 子どもの使用

子どもに解熱鎮痛剤を使用する際は、年齢や体重に応じた適切な製品を選びましょう。
15歳未満の子どもには使用できない成分もありますので、パッケージや説明書をよく確認してください。

5. 他の薬との併用

他の薬を服用している場合、その薬との相互作用に注意が必要です。

例えば、カンゾウ(甘草)が含まれている漢方薬を服用している方は、カンゾウの入った製品は避けた方が良いでしょう。
過剰摂取で偽アルドステロン症の副作用が出る場合があります。

他の市販薬を飲んでいる方は、その薬に解熱鎮痛剤が入っていないか確認してください。
意外といろいろな薬に入っているので、知らない間に過剰摂取になっている可能性もあります。

6. 薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)について

市販の解熱鎮痛剤を頭痛に使う方も多いかと思います。
たまになら良いのですが、連用していると薬が効かなくなってきたり、頭痛が慢性化することがあります。

その場合、「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」の可能性があります。

市販薬では「アスピリン」、「アセトアミノフェンカフェインの併用」などが原因となることが多いですが、他の鎮痛剤が原因になる事もあります。

以下の症状に当てはまる場合は注意が必要です。

・頭痛が月に15回以上ある
・月に10回以上頭痛薬を飲んでる
・薬を飲んでも効かなくなってきた
・朝起きた時から頭痛がある

これらが当てはまる人は、頭痛外来や脳外科などを受診してみてください。

他の疾患の可能性もあるので、頭痛が続いてる場合は必ず医師に相談してください。

個人的におすすめしたい製品の種類と使い方

個人的な見解ですが、薬の使い方の大原則として、
必要な成分を必要な量だけ」という考え方があります。

解熱鎮痛剤の基本的な使い方は頓服(症状があるときだけ使う)です。
(がん性疼痛や慢性疼痛の場合はまた変わってきますけど)

痛みや発熱がひどい時だけの使用にとどめておきましょう。
我慢できる程度の症状であれば、薬は使わない方が良いです。
つらい時はもちろん我慢しないで薬を使ってくださいね。

推奨する具体的な使い方としては、
1.まずはアセトアミノフェン(1回300~600mg)
2.効かない場合はイブプロフェン200mgやロキソプロフェン60mg
です。
アセトアミノフェンが効かないと分かっているのであれば、最初から他の鎮痛剤を使った方が良いでしょうね。

アセトアミノフェンは市販薬の最大用量は1回300mgですが、短期間であれば1回600mg・1日3回程度は使っても問題ありません(肝機能に問題がない方に限ります)。
副作用のことを考えるとロキソプロフェン60mgを1日3回、長期間服用するよりは安全です。

できれば解熱鎮痛剤が1種類のみで、なるべく他の成分が入っていない製品が望ましいです。
胃粘膜保護の成分(「酸化マグネシウム」「乾燥水酸化アルミニウムゲル」「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」「合成ヒドロタルサイト」)は入っている方が良いかもしれません。

また繰り返しになりますが、「ブロモバレリル尿素」や「アリルイソプロピルアセチル尿素」が入ってる製品はお勧めしません

まとめ

解熱鎮痛剤にはさまざまな成分が含まれており、それぞれに特徴があります。
市販されている解熱鎮痛剤の主な成分としては6つあり、すごく簡単にまとめると以下のようになります。

  • アセトアミノフェン:比較的副作用が少なく、幅広い年齢層に使用される。肝機能障害に注意。
  • イブプロフェン:子どもの鎮痛剤としてよく使われる。安全性も高い。
  • アスピリン:歴史があり、抗血栓薬としても使用される。胃への負担は大きめ。
  • ロキソプロフェン:第1類医薬品であり、体内で活性化するプロドラッグ。この中では効果は高め。
  • イソプロピルアンチピリン:ピリン系であり、過敏症や血液障害が出ることがある。現在はあまり使用されない。
  • エテンザミド:アスピリンと同等の効果がありつつ、アスピリンより胃への負担が少ない。

解熱鎮痛剤を使用する際には、用法・用量を守り、長期連用を避けることが重要です。

また、アレルギーや他の薬との相互作用にも注意が必要です。

解熱鎮痛剤を正しく使用することで、風邪や痛みの症状を効果的に和らげることができます。

どの製品を使うにしても、自分の症状や体調に合ったものを選び、適切に使用することが大切です。

市販の解熱鎮痛剤をまとめた表を作りました。
必要な方はまずいないと思いますが、下のリンクからダウンロードできるようにしておきます。
解熱鎮痛剤一覧(エクセル)

※なぜかchromeではダウンロードできませんでした。
edgeからはダウンロードできたので、ダメな場合は違うブラウザで試してみてください。

あと、CSVも上手くいかなかったのでExcelファイルのみです。すみません。

痛みや発熱の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。

ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。

効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします

皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。

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