「ストナ」の症状特化型の風邪薬は3つあります。
その最後の一つ、「つらい咳、痰」に重点を置いた「ストナプラスジェルEX」について解説します。
「ストナ」のシリーズは結構しっかり「症状特化型」になっているので、これも期待できるかな?
ストナプラスジェルEXの基本情報
・製造会社:佐藤製薬
・主な成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
カルボシステイン | 750mg | 気道の粘液や粘膜を正常な状態に近づける |
ブロムヘキシン塩酸塩 | 12mg | 痰を出しやすくする |
ジヒドロコデインリン酸塩 | 24mg | 咳を抑える |
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 | 60mg | 気管支をひろげ、咳を鎮める |
ノスカピン | 48mg | 咳を抑える |
アセトアミノフェン | 900mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
ジフェニルピラリン塩酸塩 | 4mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
無水カフェイン | 50mg | 頭痛・頭重感を和らげる |
リボフラビン(ビタミンB2) | 12mg | ビタミン補給 |
ヘスペリジン | 90mg | ビタミン補給? |
・包装
・カプセル剤:12カプセル、24カプセル(カプセルの中に液体が入っています)
(PTP包装)
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それぞれの成分の解説
この製品には主な成分が10種類入ってます。
それぞれ解説していきますが、少し長くなるので折り畳みにしておきます。
興味のある方は読んでみてください。
※それぞれの成分の解説は、基本的には他の記事のと同じです。
製品内含量のところに少し固有のコメントをつけてるだけです。
カルボシステイン
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・分類:「去痰薬」の中の「気道粘液修復薬」になります。
・効果:痰そのものをサラサラにしたり、粘膜を正常化して線毛の運動を改善することで痰を出しやすくします。
・臨床での使用例:痰が絡む咳とか、慢性の気管支炎、気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)によく使われます。
あと副鼻腔炎にもよく使われますね。小児だと滲出性中耳炎の排膿にも使われます。
排痰・排膿だと真っ先に使われる薬ですね。
・副作用と注意点:カルボシステインは一般的に非常に安全性が高いと考えられています。
ただし、ごく稀に薬疹が出る方もいますので、使用に際しては一応注意してください。
・薬物相互作用:特にありません。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には250mg入っています。1日750mg。
医療用では1回250~500mg使います。1日750~1,500mg。
ただ、大人には通常1日1,500mg使うのでちょっと少ないかもですね。
ブロムヘキシン塩酸塩
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・分類:「去痰薬」の中の「気道粘液溶解薬」になります。
・効果:気道の粘膜からサラサラな粘液の分泌を増やしたり、痰の中に含まれる成分を溶かして痰そのものをサラサラにする、他には気道の線毛というものの動きを良くして痰を出しやすくする作用があります。
一時的に痰の量が増えることがあります。
「去痰薬」全般に言えることですが、痰の量そのものを減らす薬というのはありません。
(一応「フドステイン」という成分が痰の産生抑制作用を持つのですが、これも気道分泌を増やします)
あくまで痰を切れを良くして出しやすくする薬ですね。
・臨床での使用例:痰が絡むときにはもちろん使えるのですが、飲み薬としてはこの成分はあまり使われなくなってますね。先発品はビソルボンという名前の薬なのですが、それの錠剤もなくなりましたし(後発品では錠剤が存在します)。
飲み薬では「カルボシステイン」や「アンブロキソール」という薬がよく使われますね。
ただこの薬には注射や吸入があるので、幅広い病態に使えますね。
気管支炎や結核、塵肺症、手術後の去痰など、薬を飲みこむのが難しい人にも使えます。
・副作用と注意点:悪心、胃部不快感、頭痛などが出ることがあります。稀だと思いますけど。
あと作用上仕方ないのですが、上にも書いた通り最初は痰の量が増えることがあります。
・薬物相互作用:特にありません。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には4mg入っています。1日12mg。
医療用でも同じ量を使いますね。効果はあるのではないでしょうか。
ジヒドロコデインリン酸塩
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・分類:「鎮咳薬」。いわゆる「咳止め」ですが、その中でも「中枢性麻薬性鎮咳薬」に分類されます。
・効果:咳中枢を抑制することで咳が出るのを抑えます。
もともと咳というのは、肺や気管などの呼吸器を守るために、外から入ってきた異物(ほこりとかウイルスとか)を外に追い出す生体防御反応です。ほこりとかウイルスなどを気道の粘膜上にあるセンサーが感じ取ると脳にある咳中枢に信号が送られて咳が出るのですが、それを抑えるという事ですね。
あとは消化管の動きを抑制する効果もあります。
・臨床での使用例:基本的には強い咳に対して使います。できれば痰の絡んでない乾いた咳の時がいいです。
あと消化管の動きを抑制するので下痢止めとしても使いますね。
ただ、どちらの使い方でもあまり長期間は使いません。頓服という感じで症状が強い時だけ使います。
・副作用と注意点:この成分は効果的な鎮咳薬ですが、使用には慎重さが求められます。
特に、以下の副作用や注意点に留意する必要があります。
まず、痰が絡んだ咳に対しては使いにくいです。痰を硬くするので余計に痰が出しにくくなる可能性があります。
副作用としては、便秘、麻痺性イレウス(腸閉塞)、悪心・嘔吐、排尿障害、依存性、眠気、呼吸抑制、気管支痙攣などがあります。この中でも便秘(下痢止めとしても使うので)、眠気、悪心・嘔吐は出やすいです。
あと、以前から問題になっている「オーバードーズ(過剰摂取)」の大半はこのコデインのようです。
市販で買えるとは言え麻薬の一種には変わりありません。
長期間の使用や高用量の使用は依存性を引き起こす恐れがあるため、指示された用量を厳守し、症状の改善が見られない場合は専門家に相談してください。
・薬物相互作用:他の薬と一緒に飲むことで副作用が出やすくなる事があるので、普段飲んでる薬がある方は薬局で相談してみてください。
下に相互作用の表を載せておきます。
モノアミン酸化酵素阻害剤 三環系抗うつ剤 β-遮断剤 アルコール | フェノチアジン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがあります。 |
ワルファリン | ワルファリンの作用が増強されて出血しやすくなることがあります。 |
抗コリン作動性薬剤 | 麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがあります。 |
・製品内含量(成人):この製品の1回分には8mg入っています。1日24mg。
病院では1回10mg、1日3回まで使います。
市販の風邪薬は大体1日24mgですね。
dl-メチルエフェドリン塩酸塩
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・分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあって、そのうちの交感神経に働くものです。
・効果:交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があって、メチルエフェドリンはその両方を刺激します。
さらに「β受容体」は「β1」「β2」などいくつかタイプがあります(今分かっているのは「β3」まで)。
メチルエフェドリンを風邪薬として使う場合は、主に「β2刺激薬」として使います。
気管支には交感神経のβ2受容体というのがあって、そこにメチルエフェドリンがくっつくと気管支が拡張して呼吸が楽になります。
ただ、交感神経の受容体は全身のあちこちにあるので、思わぬ副作用が出ることがあります。
あとメチルエフェドリンには中枢性の鎮咳作用もあるようですね。
・臨床での使用例:気管支喘息や気管支炎、結核、風邪の咳など、咳や呼吸の症状に使います。
あと抗アレルギー作用も持っていて蕁麻疹や湿疹にも適応がありますが、これらに使ってるのは見た事がありません。
・副作用と注意点:副作用としては、動悸が出やすいかと思います。
あとは手の震えが出ることもあります。どちらも薬を止めると症状も治まるはずです。
ただ、過度に使用すると不整脈からの心停止をする事もあり、注意が必要です。通常使う量ならまず問題にはならないですね。心疾患のある方は注意してください。
あと、甲状腺の機能を亢進させたり、血圧が上がったり、血糖値が上がったりすることもあります。
甲状腺機能亢進症、高血圧、糖尿病の方は注意してください。
・薬物相互作用:カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)とは併用禁忌になります。この辺は循環不全の急性期(いわゆるショック)に使うものなので、あまり通常は使われるものではありません。
併用注意もいくつかあるので載せておきます。
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・甲状腺製剤 チロキシン リオチロニン等 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・キサンチン誘導体 テオフィリン ・ステロイド剤 プレドニゾロン ・利尿剤 アミノフィリン | 血清カリウム値が低下するおそれがあります。 併用する場合には定期的に血清カリウム値を観察して、用量について注意してください。 |
喘息を治療中の方は、これに似た系統の成分をすでに服用してる可能性があるので注意してください。飲み薬としてではなく、吸入薬の中に入っていることが多いです。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には20mg入っています。1日60mg。
医療用では、1日に75~150mg使われます。
1日60mgは他の一般的な市販薬と同じ量ですね。60mgを超えるのは今のところ見た事がありません。
ノスカピン
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・分類:いわゆる「咳止め」ですが、その中でも「中枢性非麻薬性鎮咳薬」に分類されます。
同じ中枢性の咳止めの「ジヒドロコデイン」や「デキストロメトルファン」と似たようなものですが、こちらは習慣性はないとされています。構造式もかなり違いますね。
・効果:咳中枢を抑制することで咳が出るのを抑えます。
あとこの成分は気管支を拡張する作用も少しあるようですね。
・臨床での使用例:医療用の「ノスカピン」単体のものは存在するようですが、私は見た事がありません。
医療用の総合感冒薬の「アストーマ配合カプセル」という薬に配合されているようですが…これも見た事がないですね。あまりメジャーではないと思います(個人的感想です)。
・副作用と注意点:麻薬性と違い、耐性や依存性もなく使いやすそうですが、稀に眠気、便秘、吐き気などが出るようです。このへんの副作用は麻薬性のものと同じですね。
・薬物相互作用:添付文書によると他の薬との相互作用はないようです。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には16mg入っています。1日48mg。
医療用では1回10~30mg、1日3~4回使います。最高で1日120mgになりますね。
こうして見ると少なく感じますが、この製品には他にも咳止めが入っていますしね。
アセトアミノフェン
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・分類:「解熱鎮痛剤」ですね。たぶん一番使われている解熱鎮痛剤だと思います。
・効果:解熱鎮痛剤としてはかなり古い歴史があるのですが、いまだに作用機序は明らかになっていません。
一般的な鎮痛剤(NSAIDsといいます)は末梢において効果を発揮しますが、このアセトアミノフェンは中枢で働く、と考えられています。
中枢(脳や脊髄)において痛みを感じにくくしたり熱を下げたりしますが、平熱より下がる事はありません。
あと、一般的な解熱鎮痛剤(NSAIDsと言います)と違い抗炎症作用はほぼありません。
・臨床での使用例:小児から高齢者まで、あらゆる痛み・解熱に使っています。
作用機序が分からないのにもかかわらず、使われてる歴史が長く、その安全性・危険性はほぼ分かってて使いやすいからでしょうね。
「痛みや熱があったらまずはこれ。ダメなら違う薬」という感じです。
誰しも一度は飲んだことがあるのではないでしょうか。
・副作用と注意点:安全性は高いとされていますが、副作用が全くないというわけではありません。
一番問題になるのは肝障害です。一番というか、ほぼこれです。
市販薬でも病院から出た場合でも、決められた用量を守っていれば安全性は高いです。
ただ、この成分はいろいろな市販薬に入っているので、自分でも気が付かないうちに過剰摂取してる、という事があります。
アルコールの摂取でも肝障害のリスクが高まります。
あと、アスピリン喘息に対してはNSAIDsよりは安全性が高いとされていますが高用量では喘息発作が誘発される可能性があります。喘息を持っている方は低用量から少しずつ増やす、という方法を取った方が良いかと思います。
NSAIDsと比べると胃への負担は軽めです。病院でも胃薬なしで処方されることが多いですね。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
炭酸リチウム | 他の鎮痛剤(インドメタシン、イブプロフェン等)で、 リチウムとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し、 リチウム中毒を呈したとの報告があります。 |
チアジド系利尿剤 | 他の鎮痛剤(インドメタシン等)で、 チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されています。 |
アルコール | アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ 肝不全を起こしたとの報告があります。 |
ワルファリン | ワルファリンの作用が増強されて出血しやすくなることがあります。 |
カルバマゼピン フェノバルビタール フェニトイン プリミドン リファンピシン イソニアジド | これらの薬剤の長期連用者は、肝薬物代謝酵素が誘導され、 肝障害を生じやすくなるとの報告があります。 |
特にアルコールに関しては、常飲者が多量のアセトアミノフェンを服用して急性肝不全で死亡した例があります。
通常の用量では問題にはならないと思いますが注意してください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には300mg入っています。1日900mg。
医療用では、大体1日に900~1,500mg使う事が多いです。
(最高では1日4,000mg使うことがありますが、1日1,500mgを長期で使う場合は定期的に肝機能検査をする必要があります)
他の市販薬と同等ですね(たぶん市販薬は1回300mgが上限)。
ジフェニルピラリン塩酸塩
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・分類:「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものです。
その中でも第一世代と呼ばれるものですね。
第一世代と第二世代は似たようなものですが、多少効果や副作用が変わってきます。
・効果:アレルギー反応を引き起こすヒスタミンという物質の働きをブロックします。
これにより、鼻水やくしゃみ、痒みなどのアレルギー症状を緩和します(抗ヒスタミン作用)。
ただ、鼻水を抑える効果はありますが、鼻づまりの方にはあまり効きません。
この成分には抗ヒスタミン作用の他に、抗コリン作用というものがあります。
あと、第二世代と比べると効果の発現が早めですね。
・臨床での使用例:現在は医療用では存在しません。以前は「ハイスタミン注」というのがありましたね。
この系統はアレルギー性疾患全般に使います。
アレルギー性鼻炎、上気道炎の鼻水・くしゃみ、蕁麻疹、湿疹など。
とにかく鼻水とくしゃみ、痒みがあればこの系統を使います。
病院ではあまりファーストチョイスにはならないかな?第二世代が効かない場合に使うといった感じです。
・副作用と注意点:出やすい副作用としては眠気や口渇があります。
抗コリン作用により眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあるので、
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大など下部尿路閉塞疾患がある方には禁忌となります。
(と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。主治医に訊いてみてください)
ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。それでも最初に飲んだ後は注意してください。
口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。私はですが。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
アルコール 中枢神経抑制薬 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
モノアミン酸化酵素阻害剤 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
抗コリン作動性薬剤ブチルスコポラミン臭化物 アトロピン硫酸塩水和物等 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
併用禁忌というわけではないので、なんか眠いな~、ふらふらするな~と感じたら風邪薬の量を減らして様子をみてください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には約1.33mg入っています。1日4mg。
医療用では1回2~4mg、1日1~2回皮下注のがありました。
無水カフェイン
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※「無水カフェイン」と「カフェイン水和物」というのがありますが似たようなものなので、ここでは同じものとして扱います。
・分類:薬効分類でいえば「中枢興奮・鎮痛剤」になります。「中枢性呼吸刺激薬」にもなります。「キサンチン誘導体」というものの一種でもあります。
・効果:カフェインは、頭をすっきりさせたり、エネルギッシュな気分にさせたりする効果があります。それによって、心臓が活発に動いて血の流れが良くなるので、結果としてトイレに行く回数が増えることがあります。
また、カフェインは頭の中の血管を少し狭めることで、頭痛を和らげる効果もあります。
あと気管支を拡張させる作用があるので、昔はコーヒーを喘息の特効薬として使ってたみたいですね。
・臨床での使用例:そもそもあんまり使われないのですが、一番使われるのは頭痛でしょうか。脳血管を収縮させるので、血管拡張型の頭痛に使います。
一応眠気や倦怠感にも適応があるのですが、それ目的で処方されたことは一度も経験ありません。
でも医療用ではなく一般的には眠気やだるさに対してが一番使われるでしょうね。
「無水カフェイン」は「早産・低出生体重児における原発性無呼吸症」に適応があります。
市販薬に入ってることが多いですが、これは眠気防止かなと思います。あとは「元気になった気にさせる」といったところでしょうか。エナジードリンクが良い例ですね。
・副作用と注意点:副作用として不眠や振戦(手の震え)、動悸などがあります。
あと胃酸の分泌が増えるので消化を助けますが、空腹時に飲むと胃が荒れます。コーヒーには牛乳を入れましょう。ブラックを飲むなら食後にどうぞ。
・薬物相互作用:併用注意のものがいくつかあります。禁忌ではないです。
・他のキサンチン系薬剤 アミノフィリン水和物 ジプロフィリン テオフィリン等 ・中枢神経興奮薬 エフェドリン塩酸塩 マオウ等 | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
・MAO阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 頻脈、血圧上昇等が現れることがあります。 |
シメチジン | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
カフェインもキサンチン系になるので、同じ系統を摂取すると過量投与になります。喘息ある人は服用してる可能性があるので注意してください。
マオウは漢方薬に入ってることが多いです。知らずに摂ってることがあるのでこれも注意を。
MAO阻害薬はパーキンソン病に使うので、パーキンソンの方は注意してください。
シメチジンは胃薬ですね。今はあんまり使われないですが、飲んでる方は注意を。
でもどれもあまり気にしなくて良いかと思います。症状が出るようならカフェインを減量してください。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれているので、農林水産省のサイトにあった表を載せておきます。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれていますが、その含有量は製品やブランド、調理法によって大きく異なります。ここで紹介するのはあくまで一般的な平均値または範囲であり、正確なカフェイン含有量については、各製品のラベルやメーカーの情報を参照してください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には約16.7mg入っています。1日50mg。
医療用では、頭痛に使う場合は1回100~300mgくらいでしょうか。
他の市販薬は大体1日75mg入っています。ちょっと少なめ。
厚生労働省のサイトによると、「悪影響のない一日当たりの最大摂取量」の目安というのは個人差が大きく、日本でも国際的においても明確に設定はされていないようです。
例えば、
・カナダでは健康な成人だと1日400mg、妊娠中の方、授乳中の方は1日300mgまで。
・イギリスでは妊娠中、授乳中の方は1日200mgまでとなっています。
厚生労働省のサイトにもカフェインの過剰摂取についての記事があるので興味のある方は目を通してみてください。(厚生労働省のサイト→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)
リボフラビン(ビタミンB2)
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・分類:「ビタミン剤」ですね。その中でも「水溶性ビタミン」となります。
ビタミンには脂溶性と水溶性がありますが、水溶性は摂り過ぎた場合でもおしっこの中に出てしまうので副作用というものはほぼありません。
ちなみに、栄養剤などのビタミン剤を飲んでおしっこが黄色くなるのはこれのせいです。
・効果:糖やたんぱく質、脂質の代謝(体の中の化学反応により物質が変化する事)、エネルギー産生の補酵素として働きます。
皮膚や爪、髪の毛の細胞の産生にも関わっています。
不足すると口唇炎、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、角膜炎などを起こします。
・臨床での使用例:上に書いてますが、不足すると出てくる症状(口唇炎、口角炎、舌炎、皮膚炎、結膜炎、角膜炎)があればとりあえず使っておく、という感じです。飲みすぎても悪いものではないですし。
あと脂質の代謝にも関わっているということで、高コレステロール血症にも適応はありますが、こちらではほぼ使われません。
昔はよく「風邪をひいたらビタミン剤の点滴」をしていたようですが、今はダメみたいですね。
値段は高いものではないですが、風邪ひいた人がみんなそれをやっていたら医療費がバカにならないですしね。
・副作用と注意点:一応、副作用として「下痢、悪心・嘔吐、胃膨満、腹部膨満」があるのですが…
副作用というものの注意点として「臨床試験の間に出たものすべてを記録しないといけない」というのがあります。
その薬を飲んでる間に出た症状、と言う事になりますが、薬によるものではないものも含まれてしまいます。
ビタミンB2はいろんな食材にも含まれているものですし、ここに関しては心配しなくていいかと思います。
あと、先にも書きましたがビタミンB2は「水溶性ビタミン」になるので摂り過ぎても排泄されます。
過剰摂取による過剰症というものがありません。
ただ、薬に含まれている添加剤に対してアレルギー症状を起こすこともあるので、そこは注意です。
・薬物相互作用:ビタミンB2にはありません。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には4mg入っています。1日12mg。
医療用ので口角炎や皮膚炎に使う場合は1日5~20mgでしょうか。
別になくてもいいけど、とは思いますけど…。
ヘスペリジン(ビタミンP)
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・分類:これに関しては主な成分に入れても良いのか迷いましたが…。
自分もよく分からないのですが、ビタミンPと呼ばれる「ビタミン様物質」となるそうです。
ポリフェノールの一種だとか。
ビタミンというのは人の体にとって必須なのですが、これはそうではありません。
「ビタミンP」というのにビタミンではないと。ややこしい。
・効果:いろいろな生理作用が報告されているようです。
コレステロールや血圧を低下させる、抗炎症作用、抗不安作用、抗アレルギー作用、抗酸化作用、発がん抑制作用など。
抗炎症、抗アレルギーの作用があるので、そちらで使ってるのかもしれないですね。
・臨床での使用例:医療用では存在しません。
・薬物相互作用:そもそも医薬品ではないのですが、調べてみると「血圧の薬と一緒に飲む場合は注意してね」という事にはなっているようです。
ヘスペリジン自体が血圧を下げる作用があるので、血圧の薬と一緒に飲むと血圧が下がりすぎる恐れがあると。
こんなもので高血圧の人の血圧が下がるのであれば、医療用の降圧剤なんて必要なくなりますね。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には30mg入っています。1日90mg。
ヘスペリジンの摂取量の目安ですが…「1日75~150mg」と書いてるものもあれば「1日250~500mg」と書いてるものもありますね。
1日90mgというのは少なめではあるみたいですが、もともと補助的なものとして入れてるのであまり気にしなくて良いかもです。なくても良いと思いますけど。
ストナプラスジェルEXの主要成分の効果と注意点のまとめ
10種類の成分について解説してきましたが、まとめると以下のようになります。
- カルボシステイン
- 去痰薬の気道粘液修復薬で、痰をサラサラにして粘膜を正常化し、痰を出しやすくします。
- 痰が絡む咳や慢性気管支炎などに使用され、副作用は非常に少ないですが、稀に薬疹が出ることがあります。
- ブロムヘキシン塩酸塩
- 気道の粘液をサラサラにし、痰を切れやすくする効果があります。
- 使用開始時には一時的に痰の量が増えることがあります。
- ジヒドロコデインリン酸塩
- 中枢性麻薬性鎮咳薬で、咳中枢を抑制して咳を抑えます。
- 乾いた咳や下痢に対して使用されますが、痰を硬くする可能性や依存性、眠気などの副作用に注意が必要です。
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩
- 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
- 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
- ノスカピン
- 中枢性の非麻薬性鎮咳薬で、咳を抑える効果があります。
- 副作用や依存性はあまりなく使いやすいですね。
- アセトアミノフェン
- 解熱鎮痛剤で、痛みや熱を中枢神経系で抑えますが、抗炎症作用はほぼありません。
- 安全性は高いですが、肝障害のリスクがあり、特にアルコールとの併用には注意が必要です。
- ジフェニルピラリン塩酸塩
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 抗コリン作用により眼圧上昇や排尿困難などの副作用があり、特に眠気に注意が必要です。
- 無水カフェイン
- 中枢興奮・鎮痛剤として、覚醒作用を持ち、頭痛や眠気防止に効果的です。
- 副作用には不眠や振戦、動悸があり、他のキサンチン系薬剤や中枢神経抑制剤との併用に注意が必要です。
- リボフラビン
- 水溶性ビタミンで、体内の代謝やエネルギー産生に関与します。
- 不足すると口唇炎や角膜炎などを起こすことがありますが、摂り過ぎても尿として排泄されるため過剰症のリスクはほぼありません。
- ヘスペリジン
- ビタミンPというビタミン様物質。抗炎症作用や抗アレルギー作用はあるそう。
- 一応、血圧を下げる薬を飲んでる方は血圧が下がりすぎることがあるそうなので注意を。
用法・用量と注意点
ストナプラスジェルEXの用法・用量
・15歳以上:1回2カプセル・1日3回
・12~14歳:1回1カプセル・1日3回
12歳未満の方は服用しないでくださいとのことです。
ジヒドロコデインが12歳未満は禁忌だからですね。
注意してほしいこと
いくつか注意点を書いておきます。
・食後の服用: 「食後なるべく30分以内に」となっています。
でもあまり心配は要らないです。
食欲がなくてご飯が食べられなくても、薬が飲めるなら飲んでOKです。
・眠気に注意:ジフェニルピラリンやジヒドロコデインで眠気が出やすい方もいるので注意してください。
「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。
ただ、全然眠くならない方もいるので、そういう方は問題ないですね。
・喘息治療中の方:気管支拡張薬のメチルエフェドリンが入っているので、喘息を治療中の方はすでに服用(吸入)してる可能性があります。過剰摂取にならないように注意してください。
・服用期間: 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。
3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診断を受けた方が良いかと思います。
ジヒドロコデインのオーバードーズの問題もあります。
この製品の添付文書にも「長期連用しないでください」と書いてありますね。
妊娠中の方
この製品の添付文書には「医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください」との記載があります。
ジヒドロコデインは妊娠28週以降は推奨されません。
豪州ADECというオーストラリアの危険度分類ではジヒドロコデインの分類はAとなり、「今までの使用経験上では大丈夫だった」とのことです。
ただ、違う基準(Briggs基準)によるとリスク4の「妊娠28週以降は胎児への危険性が示唆される」という分類になっています。
28週以前であれば問題はなさそうですが、メチルエフェドリンによって胎児が頻脈を起こすことがある、という事もありそうです。
それほど問題は無さそうですが、妊娠してる(可能性のある)方はこの薬は避けた方が無難かと思います。
他に使える風邪薬はありますしね。
あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(と言うか、必ず受診してください)
授乳中の方
この薬の添付文書には「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」と書いてあるのですが…
こちらについては特に問題ないと考えます。
Mothers’ Milk基準では、この風邪薬に入ってる成分の中で一番リスクの高いもので「L3(概ね適合)」となっています。
(ジヒドロコデインがL3)
ジヒドロコデインは基本的には「授乳を避けること」となっています。母乳に移行して乳児にモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告があります。
母親に便秘や眠気などの副作用が出ている場合は授乳をやめた方が良いでしょうね。
似たようなものでデキストロメトルファンというのがあり、こちらは安全に使用可能となっています。
メチルエフェドリンに関してはデータがありません。
基本的には「避けてください」と言われる事が多いですが…生後3ヵ月から使える製品も存在します。
「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると心配はいらないかと思います。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
あと、この製品を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。
ストナプラスジェルEXの特徴と利点と個人的な感想
「つらい咳、痰に」ということで、
・咳止めが3つ
・去痰剤が2つ
と、咳に関する成分が5つ入っています。
今まで書いてきた風邪薬の中では一番多いですね。
(咳止め2つ・去痰剤2つとか、咳止め3つ・去痰剤1つとかはありました)
これは確かに「咳症状特化型」と言って良いかもしれませんね。
発熱や鼻水などの成分も他の風邪薬と同等のものが入っているので、咳以外には効かないということでもありません。
ただ、必要のない成分は少ない方が良いので、咳がそれほど強くない方は使わない方が良いかもしれないですね。
使用した方の口コミ・レビュー・値段など
「ものログ」というサイトの口コミです。
まず良い評価の方は、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。
評価は高めですね。
これが効かないのであれば他の咳止めも効かないでしょうね。
病院に行って吸入を処方してもらった方が良いと思います。
「値段が高め」と「飲みにくい」という意見は他のストナシリーズと同じですね。
のどが痛い時はちょっと大変かも。
値段に関しては、Yahooショッピング(送料含まず)で見ると、
12カプセルので1,600円くらい。1日800円くらい。
24カプセルので2,400円くらい。1日600円くらい。
(1店舗だけ24カプセルで1,529円のとこがありました)
『ストナアイビージェルEX』と同じですね。
いろいろと入ってはいるのですが…この成分でこの値段はちょっと高いかもしれません。
まとめ
この記事では『ストナプラスジェルEX』の主要成分、それぞれの効果、用法・用量、そして実際の使用者の声をご紹介しました。
他の「ストナ」シリーズと同じく、この製品もちゃんと「症状特化型」になっていると思います。
今まで書いてきた中では咳に関する成分は一番多かったですね。
他のメーカーの風邪薬では「〇〇によく効く!」と謳っていても全然そうなっていない製品もありましたし、このシリーズは好感が持てますね。
ただやっぱりちょっと値段が高いかな~?と。
病院に行く手間を考えると何とも言えないですけどね。
風邪の治りかけで咳だけが続いててわざわざ病院に行くほどでもない、という時などには良いかもしれないですね。
風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
詳細な情報やご購入を検討される方は、公式ホームページを参照してください。
皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。
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