今回は『新コンタック総合かぜ薬トリプルショット』について書いていこうと思います。
この製品はACE処方というのが売りみたいですが、ACE処方とは、
・アセトアミノフェン(A)
・カフェイン(C)
・エテンザミド(E)
を組み合わせたものです。
トリプルショットという名前もここからきてるのかな?
風邪薬にはよくある組み合わせですが、実際どんなものなのか詳しく見ていこうと思います。
新コンタック総合かぜ薬トリプルショットの基本情報
・製造会社:GSK(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)
・主な成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
アセトアミノフェン | 500mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
エテンザミド | 400mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 7.5mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 | 40mg | 気管支をひろげ、咳を鎮める |
無水カフェイン | 120mg | 頭痛・頭重感を和らげる |
・包装
- カプセル剤:36カプセル、48カプセル
(PTP包装)
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それぞれの成分の解説
この製品には主な成分が5種類入ってます。
それぞれ解説していきますが、少し長くなるので折り畳みにしておきます。
興味のある方は読んでみてください。
※それぞれの成分の解説は、基本的には他の記事のと同じです。
製品内含量のところに少し固有のコメントをつけてるだけです。
アセトアミノフェン
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・分類:「解熱鎮痛剤」ですね。たぶん一番使われている解熱鎮痛剤だと思います。
・効果:解熱鎮痛剤としてはかなり古い歴史があるのですが、いまだに作用機序は明らかになっていません。
一般的な鎮痛剤(NSAIDsといいます)は末梢において効果を発揮しますが、このアセトアミノフェンは中枢で働く、と考えられています。
中枢(脳や脊髄)において痛みを感じにくくしたり熱を下げたりしますが、平熱より下がる事はありません。
あと、一般的な解熱鎮痛剤(NSAIDsと言います)と違い抗炎症作用はほぼありません。
・臨床での使用例:小児から高齢者まで、あらゆる痛み・解熱に使っています。
作用機序が分からないのにもかかわらず、使われてる歴史が長く、その安全性・危険性はほぼ分かってて使いやすいからでしょうね。
「痛みや熱があったらまずはこれ。ダメなら違う薬」という感じです。
誰しも一度は飲んだことがあるのではないでしょうか。
・副作用と注意点:安全性は高いとされていますが、副作用が全くないというわけではありません。
一番問題になるのは肝障害です。一番というか、ほぼこれです。
市販薬でも病院から出た場合でも、決められた用量を守っていれば安全性は高いです。
ただ、この成分はいろいろな市販薬に入っているので、自分でも気が付かないうちに過剰摂取してる、という事があります。
アルコールの摂取でも肝障害のリスクが高まります。
あと、アスピリン喘息に対してはNSAIDsよりは安全性が高いとされていますが高用量では喘息発作が誘発される可能性があります。喘息を持っている方は低用量から少しずつ増やす、という方法を取った方が良いかと思います。
NSAIDsと比べると胃への負担は軽めです。病院でも胃薬なしで処方されることが多いですね。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
炭酸リチウム | 他の鎮痛剤(インドメタシン、イブプロフェン等)で、 リチウムとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し、 リチウム中毒を呈したとの報告があります。 |
チアジド系利尿剤 | 他の鎮痛剤(インドメタシン等)で、 チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されています。 |
アルコール | アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ 肝不全を起こしたとの報告があります。 |
ワルファリン | ワルファリンの作用が増強されて出血しやすくなることがあります。 |
カルバマゼピン フェノバルビタール フェニトイン プリミドン リファンピシン イソニアジド | これらの薬剤の長期連用者は、肝薬物代謝酵素が誘導され、 肝障害を生じやすくなるとの報告があります。 |
特にアルコールに関しては、常飲者が多量のアセトアミノフェンを服用して急性肝不全で死亡した例があります。
通常の用量では問題にはならないと思いますが注意してください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には約167mg入っています。1日500mg。
医療用では、大体1日に900~1,500mg使う事が多いのでちょっと足りない気もしますが、他にも解熱鎮痛剤が入っているのでこの量なんでしょうね。
(最高では1日4,000mg使うことがありますが、1日1,500mgを長期で使う場合は定期的に肝機能検査をする必要があります)
エテンザミド
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・分類:「解熱鎮痛剤」の中でもNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれるものになります。
「アスピリン(アセチルサリチル酸)」という薬を聞いた事があるかもしれませんが、あれと似たような薬ですね。
エテンザミドは体内においてサリチルアミドとなります。
・効果:体内で痛みや炎症の原因となる特定の物質の作用を抑えることによって、頭痛や筋肉痛などの痛みを和らげる効果があります。
また、熱を下げるのを助ける作用もあります。
この成分によって、風邪の時に感じる体の不快感を軽減することができます。
・臨床での使用例:医療用ではまず使われません。
アスピリンと似たようなものですが、そのアスピリンも日本では痛み止めとしてはほとんど使わないですしね。
・副作用と注意点:一番は胃に負担がかかる、という事でしょうか。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍には禁忌となってます。
風邪のように短期間の使用であれば問題になることはないと思いますが、なるべく空腹時には飲まないようにした方が良いと思います。
あと、喘息をもってる方も注意してください。「アスピリン喘息」を誘発する可能性があります。
脳梗塞や心筋梗塞で、血をサラサラにする薬を飲んでる方も注意してください。
エテンザミドも血小板の働きを抑える作用があるので、出血しやすくなる可能性があります。
普段から痛み止めを飲んでいる方は、これを一緒に飲むと飲みすぎになる可能性があります。薬局で相談してみるといいでしょう。アセトアミノフェンとの併用はOKです(この製品もそうですね)。
あと、15歳未満の水痘、インフルエンザの患者さんには投与しない事が原則となっています。
ライ症候群を発症するおそれがあります。
15歳未満の発熱・解熱にはアセトアミノフェンが良いでしょうね。
・薬物相互作用:いくつか併用注意があります。
ワルファリン (ワーファリン) | ワルファリンの作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意してください。出血しやすくなります。 |
リチウム製剤 | 血中リチウム濃度を上昇させ、リチウム中毒を起こすおそれがあります。 |
チアジド系利尿剤 | 利尿剤の作用を減弱するおそれがあります。 |
・製品内含量(成人):この製品の1回分には約133mg入っています。1日400mg。
医療用では使われる事がなくて比較はできないのですが、
厚生労働省の定めるところでは、1回最大500mg・1日最大1500mgとなってます。
市販薬では1日あたり250~1200mgと、かなり幅がありますね。
この製品に入ってる量は単体で見ると少なめですが、他にも解熱鎮痛剤が入ってるのでこの量なのだと思います。
クロルフェニラミンマレイン酸塩
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・分類:「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものです。
細かく言うと「ヒスタミン(H1)受容体拮抗薬(第一世代)」となります。
第一世代と第二世代は似たようなものですが、多少効果や副作用が変わってきます。
あと、クロルフェニラミンマレイン酸塩には「d(ディー)体」と「l(エル)体」というのがあります。
この製品に入っているのはd体とl体の両方が入ってるものですね。d体だけのものもあります。
l体の方は抗ヒスタミン作用があんまりなくて眠気の副作用があります。特にメリットはありません。
・効果:気管支や血管の細胞、知覚神経にあるH1受容体というところにヒスタミンという物質がくっつくことで鼻水やくしゃみ、痒みが出るのですが、その受容体をブロックすることで症状を抑えます。
ただ、鼻水を抑える効果はありますが、鼻づまりの方にはあまり効きません。
(製品の説明書には「くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどの症状をおさえます」と書いてますけど)
この成分には抗ヒスタミン作用の他に、抗嘔吐作用や抗コリン作用というものがあります。
第二世代と比べると効果の発現が早めですね。
・臨床での使用例:アレルギー性疾患全般に使っています。
アレルギー性鼻炎、上気道炎の鼻水・くしゃみ、蕁麻疹、湿疹など。
とにかく鼻水とくしゃみ、痒みがあればこの系統を使います。
病院ではあまりファーストチョイスにはならないかな?第二世代が効かない場合に使うといった感じです。
それに使うにしてもd体のみの薬がメインになって、あんまりdl体は使わないと思います。
・副作用と注意点:この成分は注意点が多いです。
抗コリン作用により眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあるので、
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大など下部尿路閉塞疾患がある方には禁忌となります。
(と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。主治医に訊いてみてください)
出やすい副作用としては眠気や口渇があります。
ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。それでも最初に飲んだ後は注意してください。
口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。私はですが。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
バルビツール酸系薬剤等 アルコール | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
モノアミン酸化酵素阻害剤 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
抗コリン作動性薬剤ブチルスコポラミン臭化物 アトロピン硫酸塩水和物等 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
ドロキシドパ ノルアドレナリン | 血圧の異常上昇を来すおそれがあります。 |
併用禁忌というわけではないので、なんか眠いな~、ふらふらするな~と感じたら風邪薬の量を減らして様子をみてください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には2.5mg入っています。1日7.5mg。
医療用では1回2~6mg、1日2~4回使うので最高で1日24mg使います。
それと比較すると少なめかもしれませんが、副作用の出やすさを考えると妥当かもしれませんね。
他の市販薬も1日量は同じですね。
dl-メチルエフェドリン塩酸塩
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・分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあって、そのうちの交感神経に働くものです。
・効果:交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があって、メチルエフェドリンはその両方を刺激します。
さらに「β受容体」は「β1」「β2」などいくつかタイプがあります(今分かっているのは「β3」まで)。
メチルエフェドリンを風邪薬として使う場合は、主に「β2刺激薬」として使います。
気管支には交感神経のβ2受容体というのがあって、そこにメチルエフェドリンがくっつくと気管支が拡張して呼吸が楽になります。
ただ、交感神経の受容体は全身のあちこちにあるので、思わぬ副作用が出ることがあります。
あとメチルエフェドリンには中枢性の鎮咳作用もあるようですね。
・臨床での使用例:気管支喘息や気管支炎、結核、風邪の咳など、咳や呼吸の症状に使います。
あと抗アレルギー作用も持っていて蕁麻疹や湿疹にも適応がありますが、これらに使ってるのは見た事がありません。
・副作用と注意点:副作用としては、動悸が出やすいかと思います。
あとは手の震えが出ることもあります。どちらも薬を止めると症状も治まるはずです。
ただ、過度に使用すると不整脈からの心停止をする事もあり、注意が必要です。通常使う量ならまず問題にはならないですね。心疾患のある方は注意してください。
あと、甲状腺の機能を亢進させたり、血圧が上がったり、血糖値が上がったりすることもあります。
甲状腺機能亢進症、高血圧、糖尿病の方は注意してください。
・薬物相互作用:カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)とは併用禁忌になります。この辺は循環不全の急性期(いわゆるショック)に使うものなので、あまり通常は使われるものではありません。
併用注意もいくつかあるので載せておきます。
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・甲状腺製剤 チロキシン リオチロニン等 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・キサンチン誘導体 テオフィリン ・ステロイド剤 プレドニゾロン ・利尿剤 アミノフィリン | 血清カリウム値が低下するおそれがあります。 併用する場合には定期的に血清カリウム値を観察して、用量について注意してください。 |
喘息を治療中の方は、これに似た系統の成分をすでに服用してる可能性があるので注意してください。飲み薬としてではなく、吸入薬の中に入っていることが多いです。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には約13mg入っています。1日40mg。
医療用では、1日に75~150mg使われます。
咳に使うのはこれだけなので…ちょっと少なめかもしれないですね。
無水カフェイン
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※「無水カフェイン」と「カフェイン水和物」というのがありますが似たようなものなので、ここでは同じものとして扱います。
・分類:薬効分類でいえば「中枢興奮・鎮痛剤」になります。「中枢性呼吸刺激薬」にもなります。「キサンチン誘導体」というものの一種でもあります。
・効果:カフェインは、頭をすっきりさせたり、エネルギッシュな気分にさせたりする効果があります。それによって、心臓が活発に動いて血の流れが良くなるので、結果としてトイレに行く回数が増えることがあります。
また、カフェインは頭の中の血管を少し狭めることで、頭痛を和らげる効果もあります。
あと気管支を拡張させる作用があるので、昔はコーヒーを喘息の特効薬として使ってたみたいですね。
・臨床での使用例:そもそもあんまり使われないのですが、一番使われるのは頭痛でしょうか。脳血管を収縮させるので、血管拡張型の頭痛に使います。
一応眠気や倦怠感にも適応があるのですが、それ目的で処方されたことは一度も経験ありません。
でも医療用ではなく一般的には眠気やだるさに対してが一番使われるでしょうね。
「無水カフェイン」は「早産・低出生体重児における原発性無呼吸症」に適応があります。
市販薬に入ってることが多いですが、これは眠気防止かなと思います。あとは「元気になった気にさせる」といったところでしょうか。エナジードリンクが良い例ですね。
・副作用と注意点:副作用として不眠や振戦(手の震え)、動悸などがあります。
あと胃酸の分泌が増えるので消化を助けますが、空腹時に飲むと胃が荒れます。コーヒーには牛乳を入れましょう。ブラックを飲むなら食後にどうぞ。
・薬物相互作用:併用注意のものがいくつかあります。禁忌ではないです。
・他のキサンチン系薬剤 アミノフィリン水和物 ジプロフィリン テオフィリン等 ・中枢神経興奮薬 エフェドリン塩酸塩 マオウ等 | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
・MAO阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 頻脈、血圧上昇等が現れることがあります。 |
シメチジン | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
カフェインもキサンチン系になるので、同じ系統を摂取すると過量投与になります。喘息ある人は服用してる可能性があるので注意してください。
マオウは漢方薬に入ってることが多いです。知らずに摂ってることがあるのでこれも注意を。
MAO阻害薬はパーキンソン病に使うので、パーキンソンの方は注意してください。
シメチジンは胃薬ですね。今はあんまり使われないですが、飲んでる方は注意を。
でもどれもあまり気にしなくて良いかと思います。症状が出るようならカフェインを減量してください。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれているので、農林水産省のサイトにあった表を載せておきます。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれていますが、その含有量は製品やブランド、調理法によって大きく異なります。ここで紹介するのはあくまで一般的な平均値または範囲であり、正確なカフェイン含有量については、各製品のラベルやメーカーの情報を参照してください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には40mg入っています。1日120mg。
医療用では、1回100~300mg、1日2~3回となっています。
厚生労働省のサイトによると、「悪影響のない一日当たりの最大摂取量」の目安というのは個人差が大きく、日本でも国際的においても明確に設定はされていないようです。
例えば、
・カナダでは健康な成人だと1日400mg、妊娠中の方、授乳中の方は1日300mgまで。
・イギリスでは妊娠中、授乳中の方は1日200mgまでとなっています。
厚生労働省のサイトにもカフェインの過剰摂取についての記事があるので興味のある方は目を通してみてください。(厚生労働省のサイト→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)
新コンタック総合かぜ薬トリプルショットの主要成分の効果と注意点のまとめ
5つの成分について解説してきましたが、まとめると以下のようになります。
- アセトアミノフェン
- 解熱鎮痛剤で、痛みや熱を中枢神経系で抑えますが、抗炎症作用はほぼありません。
- 安全性は高いですが、肝障害のリスクがあり、特にアルコールとの併用には注意が必要です。
- エテンザミド
- 解熱鎮痛剤。痛みや炎症を抑え、風邪の不快感を軽減します。
- 副作用として胃に負担がかかることがあり、アスピリン喘息の誘発や出血しやすくなるリスクも注意が必要です。
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 抗コリン作用により眼圧上昇や排尿困難などの副作用があり、特に眠気に注意が必要です。
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩
- 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
- 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
- 無水カフェイン
- 中枢興奮・鎮痛剤として、覚醒作用を持ち、頭痛や眠気防止に効果的です。
- 副作用には不眠や振戦、動悸があり、他のキサンチン系薬剤や中枢神経抑制剤との併用に注意が必要です。
用法・用量と注意点
新コンタック総合かぜ薬トリプルショットの用法・用量
15歳以上:1回2カプセル・1日3回
7歳~15歳未満:1回1カプセル・1日3回
7歳未満の方は服用しないでくださいということになっています。
市販薬ではイブプロフェンが入っていると15歳未満は使えないのに、エテンザミドが入っていても7歳~15歳は使えるんですね。
ただ、エテンザミドはサリチル酸系になるのでイブプロフェンよりもライ症候群には警戒した方が良いかと思います。
この製品の添付文書では
「水痘(水ぼうそう)若しくはインフルエンザにかかっている又はその疑いのある乳・幼・小児(15歳未満)は医師等に相談」
となっています。
とはいえ、入っている量が少ないのであまり気にしなくても良いかもしれません。
注意してほしいこと
いくつか注意点を書いておきます。
・食後の服用: 「食後なるべく30分以内に」となっています。
エテンザミドによって胃に負担がかかることがあるので、一応食後の方が良いかと思います。
・眠気に注意:クロルフェニラミンで眠気が出やすい方もいるので注意してください。
「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。
ただ、全然眠くならない方もいるので、そういう方は問題ないですね。
・喘息:エテンザミドによって喘息発作が誘発される事があります。
他の風邪薬や解熱鎮痛剤で喘息の症状が出た事がある人は、解熱鎮痛剤としてはアセトアミノフェンだけが入ってる風邪薬と選ぶと良いかと思います。
・服用期間: 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。
3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診断を受けた方が良いかと思います。
妊娠中の方
この製品の添付文書には「医師、薬剤師又は登録販売者に相談」という書き方になっています。
5つの成分の中で問題になるかもしれないのがエテンザミドですね。
この薬自体にはデータがないのですが、
・同じ系統の薬で胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告があり、
・サリチル酸系製剤(アスピリン等)には動物実験で催奇形作用が報告されているものがあります。
低用量では問題はなさそうですが、その「低用量」の基準も不明です。
ということで、妊娠中の方はあえてこの製品を使う必要はないと考えます。
他に使える薬はありますしね。
あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
授乳中の方
この薬の添付文書には妊娠中と同じく「医師、薬剤師又は登録販売者に相談」と書いてあります。
ただ、こちらに関しては特に問題ないと考えます。
Mothers’ Milk基準では、この風邪薬に入ってる成分の中で一番リスクの高いものでも「L3(概ね適合)」となっています。(クロルフェニラミンがL3)
エテンザミドにはデータがないのですが、同じサリチル酸系のアスピリンはL2(概ね適合)で「児への有害報告なし」となっています。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
新コンタック総合かぜ薬トリプルショットの特徴と利点と個人的な感想
解熱・鎮痛に鼻水、くしゃみ、咳などの症状に効く総合感冒薬ではあるのですが、痛みや熱に重点を置いた感じでしょうか。
2種類の解熱鎮痛剤にカフェイン。いわゆるACE処方というやつです。
アセトアミノフェンは安心ではあるのですが、それだけだと痛みが治まらない人もいるでしょう。
エテンザミドがそれを補ってるわけですね。
エテンザミドはアスピリンと似ていますが、アスピリンよりは胃への負担も少なくなっています。
製品のパッケージにも「胃にやさしい」と書いてますしね。
ただ、アセトアミノフェンのみの風邪薬よりは胃に負担はかかると思います。
カフェインの量も他の風邪薬と比べると多めですね。
他のは1日あたり75mgが多いのですが、この製品には120mg入っています。
鼻水に効く成分については他の風邪薬と同等の成分量ですね。
ちなみに、「鼻づまり」にはあまり効果はないと思います。
咳についてはメチルエフェドリンのみ。これはどちらかと言うと気管支拡張剤ですけど。
他の風邪薬と比べると成分量は少なめです。
ということで、頭痛や関節痛・筋肉痛などの症状を抑えたいときには使えると思います。
とはいえ、解熱鎮痛剤それぞれの成分量はそれほど多くはありません。
あと、咳がひどいのであれば他の製品の方が良いと思います。
使用した方の口コミ・レビューなど
『ものログ』というサイトの口コミです。
まず良い評価の方は、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。
なんていうか…他の風邪薬と比べるとレビューが薄いというか、あっさりしてます。
あんまり人気ないのかな?
「子供でも飲めるのが良い」という意見がチラホラ。
最近新しく出てる風邪薬は15歳以上しか使えないのも多いですからね。
7歳から使えるというのは意外と少ないです。
効果に関する評価は「まあまあ」といった感じでしょうか。
結局のところ、自分の症状に合ってるかどうかですね。
否定的な意見の2番目の人は、痰がひどい咳があるのにこの風邪薬を買ったみたいで…選択を間違えてます。
問題は、この製品の効能の一つに「たん(痰)」と書いてあることですね。でも去痰薬は入っていません。
「メチルエフェドリンが咳を抑え痰の排出を助けます」的な事が書かれていますが、メチルエフェドリンにそういった効果はあまり期待しない方が良いでしょうね。
自分がどういう症状なのかをハッキリさせて、それに合った成分が入っているか、成分量はどうなのかを自分でも分かるようにしておいた方が良いでしょう。
パッケージに書かれている事が本当に正しいかどうか、自分で判断できるように。
お店の人が勧めるのは患者さんの症状に合った薬ではなくて、お店側が売りたい商品です。
別にこの製品を否定してるわけではありません。
でもテキトーな事を書いてる製品が多いのも、このブログをやっていて知りました。
値段に関しては、
Yahooショッピングで見ると、36カプセルので1,700~2,000円といったところでしょうか。
36カプセルだと6日分。1日283~333円くらい。
安くはないですが、特別高いわけでもないですね。
まとめ
この記事では『新コンタック総合かぜ薬トリプルショット』の主要成分、それぞれの効果、用法・用量、そして実際の使用者の声をご紹介しました。
特徴としては、「子供も使える」のと「ACE処方」といったところでしょうか。
熱や頭痛、のどの痛み、関節痛など、解熱・鎮痛に重点を置いた風邪薬ですね。
ただ、「ACE処方」に関しては多くの風邪薬が使っているので特徴と言うほどのものでもない気もします。
3つの成分が入っていれば名乗れるわけですが…成分量は関係ないみたいですしね。
エテンザミドを少し入れるくらいならアセトアミノフェンの量を増やした方が効果がある人もいるでしょうし。
正直なところ、全体的に中途半端な印象です。批判するつもりはないのですが…。
最終的には「自分に合っているかどうか」ですね。
風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
詳細な情報やご購入を検討される方は、公式ホームページを参照してください。
皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。
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