
『新ルルAゴールドs』は、
- いろいろな成分が入っている
- 中枢性鎮咳薬が2種類入っている
というのが特徴になるでしょうか。
咳・痰に関する成分は全部で4種類入ってますね。
他の症状に対する成分も少なくはありません。風邪の症状全般的に効果が期待できるかと思います。
値段も安い方だと思います。
ただ、「いろいろな成分が入っている」というのは、場合によってはデメリットになる事もあります。
大切なのは「自分に合っているかどうか」ですね。
この薬が本当にご自身に合っているのか、記事を読んで判断していただけたらと思います。
基本情報
・製造販売元:第一三共ヘルスケア
・主な成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
クレマスチンフマル酸塩 | 1.34mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
ベラドンナ総アルカロイド | 0.3mg | 鼻水を抑える |
ブロムヘキシン塩酸塩 | 12mg | 痰を出しやすくする |
アセトアミノフェン | 900mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
ジヒドロコデインリン酸塩 | 24mg | 咳を抑える |
ノスカピン | 48mg | 咳を抑える |
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 | 60mg | 気管支をひろげ、咳を鎮める |
無水カフェイン | 75mg | 頭痛・頭重感を和らげる |
ベンフォチアミン (ビタミンB₁誘導体) | 24mg | ビタミン補給 |
成分名 | 1日量 (15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
クレマスチンフマル酸塩 | 1.34mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
ベラドンナ 総アルカロイド | 0.3mg | 鼻水を抑える |
ブロムヘキシン塩酸塩 | 12mg | 痰を出しやすくする |
アセトアミノフェン | 900mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
ジヒドロコデイン リン酸塩 | 24mg | 咳を抑える |
ノスカピン | 48mg | 咳を抑える |
dl-メチルエフェドリン 塩酸塩 | 60mg | 気管支をひろげ、咳を鎮める |
無水カフェイン | 75mg | 頭痛・頭重感を和らげる |
ベンフォチアミン (ビタミンB1誘導体) | 24mg | ビタミン補給 |
・包装
- 錠剤:30錠、65錠、100錠
(瓶包装)
各成分の効果・注意点
『新ルルAゴールドs』の主要成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。
- クレマスチンフマル酸塩
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 他の第一世代抗ヒスタミン薬と比べると持続的。
- 特に眠気には注意してください。
- 抗コリン作用により、眼圧上昇や排尿困難などの副作用が出る可能性があります。
- ベラドンナ総アルカロイド
- 抗コリン作用により鼻水や涙を抑えます。
- 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などの疾患を持つ方は注意を。
- 口の渇きや便秘が起こりやすいです。
- ブロムヘキシン塩酸塩
- 気道の粘液をサラサラにし、痰を切れやすくする効果があります。
- 使用開始時には一時的に痰の量が増えることがあります。
- アセトアミノフェン
- 痛みや熱を中枢において抑えますが、抗炎症作用はほぼありません。
- いわゆる「NSAIDs」には含まれません。胃への負担も少なめです。
- 安全性は高いですが、肝障害のリスクがあります。特にアルコール多飲者は併用に注意を。
- ジヒドロコデインリン酸塩
- 中枢性麻薬性鎮咳薬で、咳中枢を抑制することで咳を抑えます。
- 痰を硬くする可能性があるので、主に痰のからまない咳に使います。
- 便秘、眠気などの副作用に注意を。
- 依存形成の可能性があり、「濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
- 12歳未満は禁忌です(呼吸抑制のリスクが高い)。
- ノスカピン
- 中枢性の非麻薬性鎮咳薬で、咳を抑える効果があります。
- 分泌を抑制せず、痰の排出も妨げられないそうです。
- 副作用や依存性はあまりなく使いやすいですね。
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩
- 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
- 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
- 「濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
- 無水カフェイン
- 血管拡張性の頭痛や片頭痛の症状をやわらげます。
- 覚醒作用があるので眠気防止にも。
- 副作用として、不眠や振戦(手の震え)、動悸、めまいなどがあります。
- ベンフォチアミン(ビタミンB1誘導体)
- 水溶性ビタミンで、糖からエネルギーを作り出すのに必要です。
- 摂り過ぎても尿として排泄されるため過剰症のリスクはほぼありません。
使い方(用法・用量)
年齢 | 1回の服用量 | 1日の服用回数 |
---|---|---|
15歳以上 | 3錠 | 3回 |
12~14歳 | 2錠 | 3回 |
「食後なるべく30分以内に」となっています。
ただ、それほど胃に負担のかかるものや食事の影響を受けるものもないのであまり気にしなくて良いと思います。
12歳未満の方は服用しないでくださいとのことです。
ジヒドロコデインが入ってるからですね。
と言っても、以前は小児でもコデインは使ってましたけどね。
製品全体としての注意点
注意してほしいこと
いくつか注意点を書いておきます。
- 眠気に注意:眠気が出る可能性があるので注意してください。
- 「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。ただ、全然眠くならない方もいるのでそういう方は問題ないですね。
- 喘息治療中の方
- 気管支拡張薬のメチルエフェドリンが入っているので、喘息を治療中の方はすでに服用(吸入)してる可能性があります。過剰摂取にならないように注意してください。
- ジヒドロコデインは気道分泌の抑制と気管支を収縮させる作用もあるので、基本的には喘息には使いません(喘息発作には禁忌)。
- 抗コリン作用:口の渇きや目のかすみ、眼圧上昇、排尿困難、便秘などの症状が出る可能性があります。
- 気になる方は抗コリン薬の入っていない製品を選ぶと良いでしょう。
(抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミドなど)
- 気になる方は抗コリン薬の入っていない製品を選ぶと良いでしょう。
- 服用期間:「長期連用しないでください・5日間を超えて服用しないでください」となっています。
- 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診察を受けた方が良いかと思います。
- ジヒドロコデインのオーバードーズ(過剰摂取)の問題もあります。
妊娠・授乳中の使用について
大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。
クリック・タップで開きます。
妊娠中の方
この製品の説明書では
「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」
という書き方になっています。
ジヒドロコデインは妊娠28週以降は推奨されません。
豪州ADECという危険度分類ではジヒドロコデインの分類はAとなり、「今までの使用経験上では大丈夫だった」とのことです。
ただ、違う基準(Briggs基準)によるとリスク4の「妊娠28週以降は胎児への危険性が示唆される」という分類になっています。
28週以前であれば問題はなさそうですが、ベラドンナ総アルカロイドやメチルエフェドリンによって、胎児が頻脈を起こす可能性はあります。
この2つは入っているとは言え量も少なめです。あまり心配は要らないかと思います。
服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
原則として、妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)
授乳中の方
この製品の説明書には
「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」
と書いてあります。
ジヒドロコデインが入っているため、この記載があります。
ただ、そこまで心配することもないかと思います。
Mothers’ Milk基準では、この製品に入ってる成分中一番リスクの高いもので、
- クレマスチン:「L4(悪影響を与える可能性あり)」
となっています。
でもクレマスチンって1歳未満でも使えるんですよね。小児用のシロップもあるし。
他には、
- ジヒドロコデイン
- ベラドンナ総アルカロイド
の2つが「L3(概ね適合)」となっています。
ジヒドロコデインは基本的には「授乳を避けること」となっています。母乳に移行して乳児にモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告があります。
母親に便秘や眠気などの副作用が出ている場合は授乳をやめた方が良いでしょうね。
似たようなものでデキストロメトルファンというのがあり、こちらは一応安全に使用可能となっています(効くかどうかは別)。
心配な方はジヒドロコデインが入っていない薬を選ぶようにしましょう。
メチルエフェドリンに関してはデータがありません。
基本的には「避けてください」と言われる事が多いですが、生後3ヵ月から使える製品も存在します。
「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
また、ベラドンナ総アルカロイドは乳汁の分泌を抑えてしまう可能性があります。
入ってる量が少ないので問題ないかとは思いますが。
心配な方は、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。
製品の特徴や利点、個人的な感想
特徴としては、
- とにかくいろいろ入ってる
- 中枢性鎮咳薬が2種類入ってる
といったところでしょうか。
いろんな成分が入ってますね。全部で9種類。ビタミンとカフェインはどうでもいいけど。
成分量も、ビタミン・カフェイン以外は市販の風邪薬に配合できる最大量です。
ただ、これは良し悪しあります。
いろいろな症状があるうちはこういう薬も良いのですが、ある程度改善してきたら自分の症状に合わせた薬に変えるのも一つの方法ですね。
必要のない薬は飲まない方が良いです。どんなに安全だったとしても。
特に風邪薬なんてただの対症療法ですしね。薬を飲んでたからといって治りが早くなるものではありません。
中枢性の鎮咳薬はジヒドロコデインとノスカピンの2つが入っています。
この組み合わせは「ルル」のシリーズに多いかもしれません。
ジヒドロコデインは痰を硬くしますが、ノスカピンはそういう事はないようですね。効果に関してはいまいち分かりませんけど。
さらに気管支拡張薬のメチルエフェドリン、去痰薬のブロムヘキシンも配合されているので、咳・痰に関するものが全部で4種類入ってることになりますね。多め。
鼻水についてはクレマスチンとベラドンナ総アルカロイドの2つ。
鼻づまりには効果は期待できません。
クレマスチンは成分自体が持続性になっています。速効性はないけど長く効くってことですね。
ベラドンナ総アルカロイドは抗コリン薬です。医療用では鼻水には使いませんが、分泌を抑える効果が高いので効果はあります。口が渇くと思うけど。
熱・痛みにはアセトアミノフェンが1日900mg。これは決して多くはないのですが、市販の風邪薬の上限なので仕方ないですね。
痛みがひどい方はイブプロフェンが1日600mg入っている薬の方が多少は良いかもしれません。それほど変わらないと思いますが。
また、立場上お勧めはできませんが、アセトアミノフェンだけが入っている解熱鎮痛剤をちょっと足す、という方法もあります。(1回の量が500~600mgになるように)
※アセトアミノフェンが入っている解熱鎮痛剤の記事も書いてます。

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あと、地味ですが糖衣錠なのは個人的に高評価。
自分は大きくて角がある錠剤は喉にひっかかって苦手なのですが、こういう丸っこいツルンとした錠剤は飲みやすくて好きです。
使用した方の口コミ・レビューなど
「ものログ」というサイトの口コミです。
良い評価としては、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。
効果に関しては人それぞれですね。
でもこの薬で効果がない人は他の薬も大体似たような感じだと思います。
咳について言及してる人がいなかったのが少し残念。
「飲みやすい」という声が多めでした。やっぱり糖衣錠は良いですね。
ツルンとしてるから喉が痛い時でもすんなり飲めます。
あとは、瓶なので持ち運びがしやすいと。
ここは意見が分かれるところだと思います。
1錠(カプセル)ごとに包装されてるPTP包装の方が良いという人もいますしね。
好みですね。
値段について
メーカーの希望小売価格(税込)を見ると、
30錠 | 968円 |
65錠 | 1,848円 |
100錠 | 2,508円 |
ということでした。
Yahooショッピング(送料含まず)で見てみると、
包装 | 値段 | 1日分に換算 |
30錠 | 630~1,000円 | 191~303円 |
65錠 | 1,000~2,000円 | 139~278円 |
100錠 | 1,500~2,500円 | 135~225円 |
※1日分のは、1日9錠で計算
※2025年2月時点です。
こんな感じでした。Amazonとか楽天だとまた違うと思いますけど。
30錠のは普通ですけど、100錠のは安いですね。
成分量で考えるとかなり割安かなと思います。
この記事を読んで「買おうかな?」と興味を持たれた方へ
まとめ
この記事では『新ルルAゴールドs』について、各成分の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。
特徴としては、
- とにかくいろいろ入ってる
- 中枢性鎮咳薬が2種類入ってる
といったところでしょうか。
いろいろな成分が入っているのは「総合感冒薬」としてはメリットになるのでしょうか。
それ一つでいろいろな症状に効く、というのが「総合感冒薬」の強みなわけですし。
ただ、場合によってはデメリットが上回ることもあります。
個人的な考えではありますが、薬を使う時の大原則として「必要な成分を必要な量だけ」という考えがあります。
なので「総合感冒薬」というものは全般的におすすめはしたいものではありません。
症状が「熱だけ」とか「咳だけ」とか限定されているなら他の製品を選んだ方が良いでしょうね。
値段が安めのは良いですね。これは誰にとってもメリットです。
風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
上の方でも紹介しましたが、再度リンクを貼っておきます
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