『新ルル®AゴールドDXα』の特徴・効果・注意点【薬剤師が解説】

『新ルルAゴールドDXα』は、
・いろいろな成分が入っている
・7歳から使える
というのが特徴でしょうか。

風邪をひいた時にどんな症状でも使える、子どもから大人まで使える、というまさに常備薬という感じですね。
それが良いのか悪いのか、記事を読んで判断していただけたら、と思います。

個人的にはあまり「ゴールド」で「DX(デラックス?)」とは感じなかったですけど。

他の風邪薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
風邪薬(総合感冒薬)一覧

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基本情報

製造販売元:第一三共ヘルスケア

・主な成分

成分名1日量(15歳以上の)はたらき
クレマスチンフマル酸塩1.34mg鼻水、くしゃみを抑える
ベラドンナ総アルカロイド0.3mg鼻水を抑える
ブロムヘキシン塩酸塩12mg痰を出しやすくする
トラネキサム酸420mg喉の腫れや痛みを抑える
アセトアミノフェン900mg熱をさげ、痛みを和らげる
dl-メチルエフェドリン塩酸塩60mg気管支をひろげ、咳を鎮める
デキストロメトルファン48mg咳中枢に働き、咳を鎮める
無水カフェイン60mg頭痛を和らげる
スクロールできます
成分名1日量
(15歳以上の)
はたらき
クレマスチンフマル酸塩1.34mg鼻水、くしゃみを抑える
ベラドンナ
総アルカロイド
0.3mg鼻水を抑える
ブロムヘキシン塩酸塩12mg痰を出しやすくする
トラネキサム酸420mg喉の腫れや痛みを抑える
アセトアミノフェン900mg熱をさげ、痛みを和らげる
dl-メチルエフェドリン
塩酸塩
60mg気管支をひろげ、咳を鎮める
デキストロメトルファン48mg咳中枢に働き、咳を鎮める
無水カフェイン60mg頭痛を和らげる

・包装

30錠、60錠、90錠
(瓶包装)

各成分の効果・注意点

『新ルルAゴールドDXα』の8種の主要成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。

各成分名をタップ・クリックするとそれぞれの成分の簡単な解説記事にいきます。

  1. クレマスチンフマル酸塩
    • 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
    • 他の第一世代抗ヒスタミン薬と比べると持続的。
    • 特に眠気には注意してください。
    • 抗コリン作用により、眼圧上昇や排尿困難などの副作用が出る可能性があります。
  2. ベラドンナ総アルカロイド
    • 抗コリン作用により鼻水や涙を抑えます。
    • 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などの疾患を持つ方は注意を。
    • 口の渇きや便秘が起こりやすいです。
  3. ブロムヘキシン塩酸塩
    • 気道の粘液をサラサラにし、痰を切れやすくする効果があります。
    • 使用開始時には一時的に痰の量が増えることがあります。
  4. トラネキサム酸
    • 抗炎症作用があり、喉の腫れや痛みを軽減します。
    • 腎機能に問題がある方は用量の調整が必要です。透析を受けている方で痙攣の報告あり。
    • できた血栓が残りやすくなる可能性があります。血液凝固に関わる疾患がある方は注意を。
  5. アセトアミノフェン
    • 痛みや熱を中枢において抑えますが、抗炎症作用はほぼありません。
    • いわゆる「NSAIDs」には含まれません。胃への負担も少なめです。
    • 安全性は高いですが、肝障害のリスクがあります。特にアルコール多飲者は併用に注意を。
  6. dl-メチルエフェドリン塩酸塩
    • 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
    • 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
    • 濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
  7. デキストロメトルファン
    • 中枢性の非麻薬性鎮咳薬で、咳を抑える効果があります。とされていますが、急性上気道炎に対する有効性は示されていません。
    • 吐き気や眠気、めまいなどの副作用が出る可能性があります。重大な副作用として呼吸抑制あり。
    • セロトニン症候群の危険性あり。パーキンソン病薬や抗うつ剤を服用中の方は注意してください。
    • 乱用による死亡例あり。通常用量であれば心配いりません。適正な使用を。
  8. 無水カフェイン
    • 血管拡張性の頭痛や片頭痛の症状をやわらげます。
    • 覚醒作用があるので眠気防止にも。
    • 副作用として、不眠や振戦(手の震え)、動悸、めまいなどがあります。

他の成分の薬を探してる方はこちらから。
成分の一覧表

使い方(用法・用量)

年齢1回の服用量1日の服用回数
15歳以上3錠3回
11~14歳2錠3回
7~10歳1錠3回

7歳未満の方は服用しないでくださいとのことです。
単純に量の問題だと思います。

15歳以上の方でも眠気などが出る方は1回2錠にするなど量を減らしてみてください。
逆に14歳とかでも体重が50㎏くらいあれば1回3錠でも良いかと思います。

「食後なるべく30分以内に」とは書いてありますが、特別問題になるものは入ってないので食後でなくてもOKです。
ただ、間隔は4~5時間ほど空けた方が良いかと思います。

製品全体としての注意点

注意してほしいこと

いくつか注意点を書いておきます。

  • 眠気に注意:眠気が出る可能性があるので注意してください。
    • 服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。ただ、全然眠くならない方もいるのでそういう方は問題ないですね。
  • 喘息治療中の方:気管支拡張薬のメチルエフェドリンが入っているので、喘息を治療中の方はすでに服用(吸入)してる可能性があります。過剰摂取にならないように注意してください。
  • 抗コリン薬:口の渇きや目のかすみ、眼圧上昇、排尿困難、便秘などの症状が出る可能性があります。
    • 気になる場合は減量または中止してください。
  • 血栓:血栓が溶けにくくなるので、血栓症の方は注意を。
    • また、ピル(特にエストロゲンを含む低用量ピル)との併用は血栓のリスクを高める可能性があるので注意してください。
  • 服用期間:「長期連用しないでください」となっています。
    • 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診察を受けた方が良いかと思います。
    • デキストロメトルファンのオーバードーズ(過剰摂取)の問題もあります。

妊娠・授乳中の使用について

大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。

クリック・タップで開きます。

妊娠中の方

この製品の説明書では
服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
という書き方になっています。

短期間の使用であれば問題ないと考えます。

ベラドンナ総アルカロイドやメチルエフェドリンによって、胎児が頻脈を起こす可能性はあります。
この2つは入っているとは言え量も少なめです。あまり心配は要らないかと思います。

服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)

授乳中の方

この製品の説明書では
服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
という書き方になっています。

ただ、それほど問題はないと考えます。

Mothers’ Milk基準では、この製品に入ってる成分で一番リスクの高いもので、
・クレマスチン:L4(悪影響を与える可能性あり)
となっています。

で、このクレマスチンですが、医療用では「授乳は避けること」となっています。
クレマスチン服用中の母親から授乳した乳児に易刺激性、異常興奮、痙攣がみられたとの副作用報告があります。

ただ、クレマスチンは乳幼児でも使われます。1歳未満でも使えるんですよね。

上の副作用報告にある母親が1日何mgのクレマスチンを服用していたのかは不明ですが、「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えるとあまり心配はいらないかと思います。

とはいえ、心配な場合はクレマスチンを避けた方が良いでしょうね。あえてこの薬を使う必要もないと思います。
なぜか「ルル」のシリーズはクレマスチンが入ってる製品が多いですね。「ルル」は避けた方が良いでしょう。

クレマスチンは他の抗ヒスタミン薬よりも持続性です。
他の薬であれば、授乳後に薬を服用すれば次の授乳までに薬が代謝(分解)されているのですが、これは残りやすいですね。

また、ベラドンナ総アルカロイドは乳汁の分泌を抑えてしまう可能性があります。
入ってる量が少ないので問題ないかとは思いますが。

心配な方は、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。

妊娠・授乳中の薬物治療に関して不安を持つ方も多いかと思います。
そういう方の相談に乗ってくれる機関があるのでそこのサイトのリンクを貼っておきます。
妊娠と薬情報センター:https://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html

製品の特徴や利点、個人的な感想

いわゆる「総合感冒薬」ですね。なんでも入っています。
発熱、頭痛や喉の痛み、鼻水、咳、痰など、風邪の全般的な症状に使えますね。

ただし、これはメリット・デメリットがあります。
基本的に薬というのは「必要な成分を必要な分だけ使う」というのが鉄則だと思っています。

あと、成分の種類は多いのですが、量が中途半端。

解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンが900mg/日入っていますが、ちょっと少ない。
といっても、これが市販の風邪薬では最大用量なので仕方ないですね。
熱や痛みがひどい方は、イブプロフェンが1日600mg入っている風邪薬の方が多少は効果があるかもしれません。
(アセトアミノフェン300mgとイブプロフェン200mgだと、イブプロフェンの方がちょっとだけ強いかも)

咳止めは2種類入っています。メチルエフェドリンとデキストロメトルファン。
メチルエフェドリンは良いとして、デキストロメトルファンは急性上気道炎への効果は否定されています。
成人では鎮咳作用はなく、小児でもプラセボ(偽薬)と有意差がないと。

咳止めは使わずに去痰薬単独の方が咳の治りが早い、とも言われてますね。

その去痰薬は、ブロムヘキシンが医療用で使うのと同じ量が入っています。でも今はあまりブロムヘキシンは使わないかな?カルボシステインとかアンブロキソールの方がなんとなく良いかも。個人的にですけど。

トラネキサム酸が入っているのは良いのですが、1日420mgだけ。
15歳未満も使える製品には1日420mgまでしか配合できません(15歳以上限定なら750mgまでOKです)。
医療用は1日1,500mgまで使いますが、これでもそれほど効果があるわけではありません。

鼻水には良いかもしれません。
クレマスチンは持続性です。速効性はないですが長く効きます。ただ、成分量は医療用の半分です。
抗コリンのベラドンナ総アルカロイドは早めに効くと思います。
2つ合わせるとちょうど良いかもですね。

いろいろと症状があればこれを飲んでも良いと思いますが、症状が収まってきたら止めるか、その症状にピンポイントに使える薬に変えるのも手だと思います。

でも何にでも使えるというのは良いですね。一つ家に置いておいても良いかもしれません。

使用した方の口コミ・レビュー、値段など

『ものログ』と『@コスメ』というサイトの口コミです。

良い評価としては、

・「トラネキサム酸とアセトアミノフェンが入っているので買った。イブプロフェンだと胃痛が出るのでこちらは使いやすい」
・「速攻で鼻水が止まります」
・「7歳から使用出来るのがいいと思います」

といった具合。

否定的な意見としては、

・「効果はあまり感じられず、服用後必ず胃の調子が悪くなる。ひどい時は激痛、食欲不振が2~3日続くほど」
・「あんまり効かないけど起きれなくはなる」
・「風邪の引き始めの、病院にいくほどのことでもない症状の時くらいまでしか使えないかな」

といった感じ。

特に「7歳から使えるのが良い」という意見が多かったです。
たしかに他ではあまり無いかもしれないですね。

具体的に「〇〇に効いた」というのはあまり無かったです。

公式ホームページには症状ごとの改善率みたいな表はありませんでした。
あれがあると何に効くかが分かりやすいんですけどね。

効果はまあまあ、家族で使える常備薬、といったところでしょうか。

値段について

メーカーの希望小売価格(税込)を見ると、

30錠1,100円
60錠1,870円
90錠2,420円

ということでした。

Yahooショッピング(送料含まず)で見てみると、

包装値段1日分に換算
30錠800~1,300円242~394円
60錠1,350~2,000円202~300円
90錠1,900~2,400円190~240円

※1日分のは、1日9錠で計算
※2025年1月時点です。

こんな感じでした。Amazonとか楽天だとまた違うと思いますけど。

90錠のだと高くはないですね。市販の風邪薬ではちょっと安い方でしょうか。

この記事を読んで「買おうかな?」と興味を持たれた方へ

まとめ

この記事では『新ルルAゴールドDXα』について、各成分の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。

この製品はとにかくいろいろな成分が入ってる、というのが特徴でしょうか。
あと7歳から使える、という事も特徴になるでしょうか。
常備薬って感じですね。

それがメリットでもあるしデメリットでもあります。

風邪をひいた時、熱・咳・痰・のどの痛み・鼻水などすべての症状があるわけではないですからね。
自分にとって必要のない成分が入っていると副作用だけが出る可能性もあります。

あと、7歳から使えるのは良いのですが、そのおかげで成分量が中途半端です。

とはいえ、風邪をひいたときにどういう症状が出るかが先に分かっていれば良いのですが、そうではないですからね。
こういう何にでも効く(可能性がある)ものを用意しておくのも良いかもしれませんね。

他の風邪薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
風邪薬(総合感冒薬)一覧

風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。

ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。

効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします

上の方でも紹介しましたが、再度リンクを貼っておきます

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