風邪をひいた時ってぐっすり眠りたいのに、咳が出たり鼻水がひどかったりして眠れないことも多いですよね。
風邪薬を飲めば症状は和らぎますが、カフェインが入っているものも多くて逆に眠れなくなっちゃったりして。
「ベンザブロックYASUMO」は「眠り」に焦点を当てた風邪薬になります。ちょっと珍しいかも。
この記事では、「ベンザブロックYASUMO」がどのように夜間の風邪症状を軽減し快適な睡眠を助けるかについて、医薬品としての機能と安全に使用するための注意点をお伝えしたいと思います。
ベンザブロックYASUMOの基本情報
・製造会社:アリナミン製薬
・主な成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
イブプロフェン | 450㎎ | 熱をさげ、痛みを和らげる |
トラネキサム酸 | 420㎎ | 喉の痛みを和らげる |
ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 75㎎ | 鼻水、くしゃみを抑える |
デキストロメトルファン | 48㎎ | 咳を抑える |
グアイフェネシン | 250㎎ | 痰を出しやすくする |
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 | 60㎎ | 気管支をひろげ、咳を鎮める |
リボフラビン(ビタミンB2) | 12㎎ | ビタミン補給 |
・包装
18錠、30錠
(PTP包装)
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それぞれの成分の解説
この製品には主な成分が7種類入ってます。
それぞれ解説していきますが、少し長くなるので折り畳みにしておきます。
興味のある方は読んでみてください。
※それぞれの成分の解説は、基本的には他の記事のと同じです。
製品内含量のところに少し固有のコメントをつけてるだけです。
イブプロフェン
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・分類:いわゆる「解熱鎮痛剤」です。その中でもNSAIDsと呼ばれるものですね。一般的なものです。
50年ほど前から使われていて実績は十分ですね。
・効果:体内で痛みや炎症の原因となる特定の物質の作用を抑えることによって、頭痛や筋肉痛などの痛みを和らげる効果があります。
また、熱を下げるのを助ける作用もあります。
一般的な解熱鎮痛剤は小児に使えない事が多いのですが、これは小児にも適応があり使いやすいですね。
よく小児の頭痛などに処方されます。
国際的にも小児の解熱にはこのイブプロフェンかアセトアミノフェンが推奨されています。
(日本では小児の解熱には適応がありません。痛み止めとしてだけです。)
・臨床での使用例:いろいろな痛みや発熱に使えます。他の解熱鎮痛剤と同じですね。
ただ、あまり成人の方に処方されてるのは見ないかな?医師の好みもあると思いますが。
やっぱりどちらかと言うと小児に使う事の方が多いと思います。
・副作用と注意点:一番は胃に負担がかかる、という事でしょうか。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍には禁忌となってます。
風邪のように短期間の使用であれば問題になることはないと思いますが、空腹時には飲まないようにした方が良いと思います。
あと、喘息をもってる方も注意してください。「アスピリン喘息」を誘発する可能性があります。
普段から痛み止めを飲んでいる方は、これを一緒に飲むと飲みすぎになる可能性があります。薬局で相談してみるといいでしょう。
長期間の服用は腎臓に負担がかかりますが、風邪のときに使うように短期間であれば問題ありません。
妊娠後期(28週以降)の方には禁忌となっています。胎児の動脈管(心臓と大動脈をつなぐ血管)が収縮した、という報告があります。
妊娠後期の方はアセトアミノフェンという解熱鎮痛剤が入ったものした方が良いかと思います。
・薬物相互作用:作用機序は不明ですが、ジドブジンというHIV感染症に使う薬とは併用禁忌になっています。血友病患者さんで出血しやすくなったとか。
イブプロフェンは、他の薬と一緒に使うときに注意が必要な成分があります。
特に、血をサラサラにする薬、一部の心臓病や高血圧の治療薬、そして特定の感染症や痛み・炎症を治療する薬との併用は、副作用のリスクを高めることがあります。
これらの薬をすでに使用している方は、イブプロフェンを含む製品を使う前に、医師や薬剤師に相談することをお勧めします。
イブプロフェンの併用注意の一覧です。(クリック・タップで開きます)
ワルファリン | ワルファリンの作用を増強するおそれがあります。 |
アスピリン | アスピリンの血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告があります。 |
・抗凝血剤 ワルファリン等 ・抗血小板剤 クロピドグレル等 ・選択的セロトニン 再取り込み阻害剤(SSRI) フルボキサミン、 パロキセチン等 | 消化管出血が増強されるおそれがあります。 |
炭酸リチウム | リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒を呈したとの報告があります。 |
・チアジド系利尿薬 ヒドロクロロチアジド ・ループ利尿薬 フロセミド | これら利尿薬の作用を減弱するとの報告があります。 |
・ACE阻害剤 エナラプリル等 ・β遮断剤 プロプラノロール等 | 降圧作用が減弱するおそれがあります。 |
タクロリムス水和物 | 急性腎障害があらわれたとの報告があります。 |
・ニューキノロン系抗菌剤 エノキサシン水和物等 | 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で併用により痙攣があらわれたとの報告があります。 |
メトトレキサート | メトトレキサートの作用を増強するおそれがあります。 |
コレスチラミン | 本剤の血中濃度が低下するおそれがあります。 |
スルホニル尿素系血糖降下剤 クロルプロパミド、 グリベンクラミド等 | 血糖降下作用を増強(低血糖)することがあります。 |
CYP2C9阻害作用を有する薬剤 ボリコナゾール、フルコナゾール | イブプロフェンの血中濃度が上昇するおそれがあります。 |
・製品内含量(成人):ベンザブロックYASUMOの1回分には150mg入っています。1日450mg。
医療用だと1回200mg、1日3回使います。1日600mg。
市販薬としては十分ではないでしょうか。胃薬は入っていないので、これ以上多いと胃に負担かかりますしね。
トラネキサム酸
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・分類:「抗プラスミン薬」というものになります。
・効果:この薬は「プラスミン」というものの働きを抑えることで作用を発揮しますが、主に2つの効果を示します。
止血作用:体内でプラスミンという物質が活発になりすぎると、血液が固まりにくくなってしまい出血しやすくなります。このプラスミンが血液の固まり(フィブリン)を分解してしまうのを、トラネキサム酸が防ぐことで出血を止めます。
抗アレルギー・抗炎症作用:トラネキサム酸にはアレルギーや炎症を抑える効果もあります。プラスミンは、体の防御反応として炎症やアレルギーを引き起こすキニンという物質を増やす役割がありますが、トラネキサム酸はプラスミンの働きを抑えることで、これらの炎症やアレルギー反応を和らげることができます。
風邪薬として使う場合は、後者の抗炎症作用を期待してるわけですね。
・臨床での使用例:止血、抗炎症の両方でよく使われますね。
特に風邪の時季は喉の痛みでたくさん処方されます。喉が痛かったらこの薬、という感じ。
以前は喉の痛みには違う薬も使われていたのですが、それらは「利益より不利益の方が高い」という事で販売中止になってしまいました。
このトラネキサム酸はちゃんと効果があるって事で残ってますね。
・副作用と注意点:副作用についてはあまり聞いた事がありません。
一応、吐き気や下痢などがあるようですが、1%未満となっています。
あと、腎機能が悪い方は少し量を減らす必要があります。
・薬物相互作用:トロンビンという止血剤とは併用禁忌になっています。
これを使ってる人が市販の風邪薬を買いに来ることはまずないと思いますが。
併用注意がいくつかあるので載せておきます。
・ヘモコアグラーゼ | 大量併用により血栓形成傾向があらわれるおそれがあります。 |
・バトロキソビン | 血栓・塞栓症を起こすおそれがあります。 |
・凝固因子製剤 エプタコグアルファ等 | 口腔等、線溶系活性が強い部位では凝固系がより亢進するおそれがあります。 |
血栓ができやすくなる、という事ですね。このへんはあまり一般的ではないですが、とにかく他に止血剤や血をサラサラにする薬を飲んでる人は一応相談してみてください。
・製品内含量(成人):ベンザブロックYASUMOの1回分には140mg入っています。1日420mg。
医療用では、大体1日に750~1,500mg使う事が多いです。最大で1日2,000mg。
ん~…ハッキリ言ってしまえば、ちょっと物足りないかな?というところ。
でも他の市販薬もこのくらいの量だし、「日常的な風邪の症状に」という事であれば問題ないかな?
腎機能が悪い人は1日500mgまでという事もあるし、それを考えると「誰でも使える量」とも言えますね。
ジフェンヒドラミン塩酸塩
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・分類:「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものです。
細かく言うと「ヒスタミン(H1)受容体拮抗薬(第一世代)」となります。
・効果:気管支や血管の細胞、知覚神経にあるH1受容体というところにヒスタミンという物質がくっつくことで鼻水やくしゃみ、痒みが出るのですが、その受容体をブロックすることで症状を抑えます(これが抗ヒスタミン作用)。
ただ、鼻水を抑える効果はありますが、鼻づまりの方にはあまり効きません。
この成分には抗ヒスタミン作用の他に、抗嘔吐作用や抗コリン作用というものがあります。
第二世代と比べると効果の発現が早めですね。
「抗コリン作用」とは、薬が体内の特定の受容体に作用して、口の乾燥や目の焦点調節の問題、便秘などの副作用を引き起こすことです。これにより、リラックスしたり眠くなったりする効果もあるため、使用時にはこれらの点に注意が必要です。
・臨床での使用例:アレルギー性疾患全般に使います。
アレルギー性鼻炎、上気道炎の鼻水・くしゃみ、蕁麻疹、湿疹など。
とにかく鼻水とくしゃみ、かゆみがあればこの系統を使います。
ただ、このジフェンヒドラミンに関してはどちらかというと、かゆみ止めとしてよく使われます。
この成分の塗り薬もありますしね。
・副作用と注意点:この成分は注意点が多いです。
抗コリン作用というものにより眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあるので、
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大など下部尿路閉塞疾患がある方には禁忌となります。
(と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。主治医に訊いてみてください)
出やすい副作用としては眠気や口渇があります。
このジフェンヒドラミンは鎮静作用が強いという特徴があります。
ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。それでも最初に飲んだ後は注意してください。
口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
・中枢神経抑制剤 鎮静剤 催眠剤等 ・アルコール | 中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、減量するなどしてください。 |
・抗コリン作用のある薬 三環系抗うつ薬、 アトロピン等 ・MAO阻害剤 | 抗コリン作用が増強されることがあるので、減量するなどしてください。 |
併用禁忌というわけではないので、なんか眠いな~、ふらふらするな~と感じたら風邪薬の量を減らして様子をみてください。
・製品内含量(成人):ベンザブロックYASUMOの1回分には25mg入っています。1日75mg。
医療用では1回30~50mg、1日2~3回となっています。最高1日150mg。
量としては十分かと思います。眠気が強いし。
「眠り」に焦点を当てたこの製品ならではのチョイスですね。
でも日中は人によってはちょっと困るかも?日中は違う風邪薬を使って、この薬は夜だけ使う、というのも一つの手かもしれないですね。
デキストロメトルファン
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・分類:「鎮咳薬」。いわゆる「咳止め」ですが、その中でも「中枢性非麻薬性鎮咳薬」に分類されます。
で、この「非麻薬性」というのが曲者でして…「麻薬じゃないですよ~」という事ではあるのですが、実際は「分類的には麻薬には入れてないけど麻薬と似てますよ」という事です。
麻薬性鎮咳薬のリン酸コデインの構造式と比べてみるとこんな感じ。
似てますよね?
医薬品にはよくこの「非○○」というのがあるのですが、これは「似ているもの」ということになります。
もちろん作用や副作用も似たものになります。
・効果:咳中枢を抑制することで咳が出るのを抑えます。
もともと咳というのは、肺や気管などの呼吸器を守るために、外から入ってきた異物(ほこりとかウイルスとか)を外に追い出す生体防御反応です。
ほこりとかウイルスなどを気道の粘膜上にあるセンサーが感じ取ると脳にある咳中枢に信号が送られて咳が出るのですが、それを抑えるという事ですね。
・臨床での使用例:風邪の咳にはよく使われますね。かなり一般的なものだと思います。
風邪、気管支炎、肺炎、気管支拡張症など、いろいろな咳に使います。
・副作用と注意点:眠気は出やすいかもしれません。あとは吐き気や便秘でしょうか。
この辺は麻薬性の咳止めと同じですね。
あと、近年のオーバードーズ(過剰摂取)はこのデキストロメトルファンを使うことが増えてきてるようです。
法的には麻薬に分類されてないですが、作用は麻薬と同じです。
過剰に摂取すると、嘔気、嘔吐、尿閉、運動失調、錯乱、興奮、神経過敏、幻覚、呼吸抑制などいろいろな症状が出ます。
長期間の使用や高用量の使用は依存性を引き起こす恐れがあるため、指示された用量を厳守し、症状の改善が見られない場合は専門家に相談してください。
普通に使う場合は全然怖くない薬なんですけどね。
・薬物相互作用:併用禁忌はありません。併用注意がいくつかあるので載せておきます。
・選択的MAO-B阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | セロトニン症候群があらわれることがあります。 |
・薬物代謝酵素(CYP2D6) を阻害する薬剤 キニジン アミオダロン テルビナフィン等 | デキストロメトルファンの血中濃度が上昇することがあります。 |
・セロトニン作用薬 選択的セロトニン再取り込み阻害剤 (SSRI)等 | セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがあります。 |
・製品内含量(成人):ベンザブロックYASUMOの1回分には16mg入っています。1日48mg。
前に書いた「新ルルAゴールドDXα」と同じ量ですね。
医療用では、1回15~30mg、1日1~4回使います。最高で1日120mg。
ただ、通常は1回15mg1日3回で処方される事が多いので、この製品に入ってる量は少なくはないですね。
十分な量と言えるのではないでしょうか。
グアイフェネシン
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・分類:「鎮咳去痰薬」になります。
・効果:気管支の分泌物を増やして痰の粘りをとり薄めることで、痰を出しやすくします。
あと、気道粘膜の刺激によって起こる咳も抑える効果があります。
・臨床での使用例:適応としては、風邪や気管支炎、上気道炎での咳や痰に使うのですが、医療用だと今は注射しかないみたいです。以前は錠剤や粉薬もあったのですが、現在は販売中止になっていますね。
市販の薬ではよく使われていますね。
・副作用と注意点:副作用はほとんどないようですね。
胃の不快感、食欲不振、吐き気あたりがあるようですが、これはどんな薬でもあります。
・薬物相互作用:特にありません。
・製品内含量(成人):ベンザブロックYASUMOの1回分には約83mg入っています。1日250mg。
医療用では、1日に300~900mg使われていました(現在は錠剤は販売中止)。
医療用で使われていた量よりは少なめですが、他に咳止めも入っているので十分かもしれないですね。
dl-メチルエフェドリン塩酸塩
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・分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあって、そのうちの交感神経に働くものです。
・効果:交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があって、メチルエフェドリンはその両方を刺激します。
さらに「β受容体」は「β1」「β2」などいくつかタイプがあります(今分かっているのは「β3」まで)。
メチルエフェドリンを風邪薬として使う場合は、主に「β2刺激薬」として使います。
気管支には交感神経のβ2受容体というのがあって、そこにメチルエフェドリンがくっつくと気管支が拡張して呼吸が楽になります。
ただ、交感神経の受容体は全身のあちこちにあるので、思わぬ副作用が出ることがあります。
あとメチルエフェドリンには中枢性の鎮咳作用もあるようですね。
・臨床での使用例:気管支喘息や気管支炎、結核、風邪の咳など、咳や呼吸の症状に使います。
あと抗アレルギー作用も持っていて蕁麻疹や湿疹にも適応がありますが、これらに使ってるのは見た事がありません。
・副作用と注意点:副作用としては、動悸が出やすいかと思います。
あとは手の震えが出ることもあります。どちらも薬を止めると症状も治まるはずです。
ただ、過度に使用すると不整脈からの心停止をする事もあり、注意が必要です。通常使う量ならまず問題にはならないですね。心疾患のある方は注意してください。
あと、甲状腺の機能を亢進させたり、血圧が上がったり、血糖値が上がったりすることもあります。
甲状腺機能亢進症、高血圧、糖尿病の方は注意してください。
・薬物相互作用:カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)とは併用禁忌になります。この辺は循環不全の急性期(いわゆるショック)に使うものなので、あまり通常は使われるものではありません。
併用注意もいくつかあるので載せておきます。
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・甲状腺製剤 チロキシン リオチロニン等 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・キサンチン誘導体 テオフィリン ・ステロイド剤 プレドニゾロン ・利尿剤 アミノフィリン | 血清カリウム値が低下するおそれがあります。 併用する場合には定期的に血清カリウム値を観察して、用量について注意してください。 |
喘息を治療中の方は、この系統の成分をすでに服用してる可能性があるので注意してください。飲み薬としてではなく、吸入薬の中に入っていることが多いです。
・製品内含量(成人):ベンザブロックYASUMOの1回分には20mg入っています。1日60mg。
医療用では、1日に75~150mg使われます。
医療用と比べると少なめではありますが、他の市販薬も同じ量ですね。
この風邪薬には他に咳止めも入ってますし、副作用の事も考えると十分かと思います。
リボフラビン(ビタミンB2)
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・分類:そのまんま「ビタミン剤」ですね。その中でも「水溶性ビタミン」となります。
ビタミンには脂溶性と水溶性がありますが、水溶性は摂り過ぎた場合でもおしっこの中に出てしまうので副作用というものはほぼありません。
ちなみに、栄養剤などのビタミン剤を飲んでおしっこが黄色くなるのはこれのせいです。
・効果:糖やたんぱく質、脂質の代謝(体の中の化学反応により物質が変化する事)、エネルギー産生の補酵素として働きます。
皮膚や爪、髪の毛の細胞の産生にも関わっています。
不足すると口唇炎、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、角膜炎などを起こします。
・臨床での使用例:上に書いてますが、不足すると出てくる症状(口唇炎、口角炎、舌炎、皮膚炎、結膜炎、角膜炎)があればとりあえず使っておく、という感じです。飲みすぎても悪いものではないですし。
あと脂質の代謝にも関わっているということで、高コレステロール血症にも適応はありますが、こちらではほぼ使われません。
昔はよく「風邪をひいたらビタミン剤の点滴」をしていたようですが、今はダメみたいですね。
値段は高いものではないですが、風邪ひいた人がみんなそれをやっていたら医療費がバカにならないですしね。
・副作用と注意点:一応、副作用として「下痢、悪心・嘔吐、胃膨満、腹部膨満」があるのですが…
副作用というものの注意点として「臨床試験の間に出たものすべてを記録しないといけない」というのがあります。
その薬を飲んでる間に出た症状、と言う事になりますが、薬によるものではないものも含まれてしまいます。
ビタミンB2はいろんな食材にも含まれているものですし、ここに関しては心配しなくていいかと思います。
あと、先にも書きましたがビタミンB2は「水溶性ビタミン」になるので摂り過ぎても排泄されます。
過剰摂取による過剰症というものがありません。
ただ、薬に含まれている添加剤に対してアレルギー症状を起こすこともあるので、そこは注意です。
・薬物相互作用:ビタミンB2にはありません。
・製品内含量(成人):ベンザブロックYASUMOの1回分には4mg入っています。1日12mg。
病院で口角炎や皮膚炎に使う場合は1日5~20mgでしょうか。
まあこんなもんかな?という感じですね。別になくてもいいけど、とは思いますけど。
ベンザブロックYASUMOの主要成分の効果と注意点のまとめ
7つの成分について解説してきましたが、まとめると以下のようになります。
- イブプロフェン
- 解熱鎮痛剤。痛みや炎症を抑え、風邪の不快感を軽減します。
- 副作用として胃に負担がかかることがあり、アスピリン喘息の誘発などのリスクにも注意が必要です。
- トラネキサム酸
- 抗炎症作用があり、喉の痛みや腫れを軽減します。
- 腎機能に問題がある方は用量の調整が必要です。
- ジフェンヒドラミン
- 鼻水やくしゃみをおさえます。かゆみ止めとしてもよく使われます。鎮静作用が強め。
- 抗コリン作用により、眼圧上昇や排尿困難などの副作用があります。
- グアイフェネシン
- 痰を薄めて出しやすくしたり、咳を抑える作用があります。
- 特に注意点はないです。
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩
- 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
- 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
- リボフラビン(ビタミンB2)
- 水溶性ビタミンで、体内の代謝やエネルギー産生に関与します。
- 不足すると口唇炎や角膜炎などを起こすことがありますが、摂り過ぎても尿として排泄されるため過剰症のリスクはほぼありません。
用法・用量と注意点
『新ルルAゴールドDXα』の用法・用量
・15歳以上の方は、1回2錠・1日3回の服用になります。
15歳未満の方は服用しないでくださいということになっています。
イブプロフェンの入ってるものは15歳未満は飲まないで、となってますね。
ライ症候群を警戒して、という事だと思いますが…
イブプロフェンはサリチル酸系ではなくて、プロピオン酸系と呼ばれるものになります。
国際的に小児の解熱にはアセトアミノフェンかイブプロフェンが推奨されているのに、市販薬だとイブプロフェンが使えないのは少しもったいないですね。
仕方ないので15歳未満の方は大人しくアセトアミノフェンが入ってるものにしましょう。
注意してほしいこと
いくつか注意点を書いておきます。
・食後の服用: 「食後なるべく30分以内に」となっています。
イブプロフェンで胃痛が起こる方もいるので一応注意してください。
・眠気に注意:この風邪薬の特徴ではあるのですが、眠気を妨げないようにカフェインが入っていません。
日中の眠気には注意してください。特に車の運転などですね。
眠気が強く出る方は、朝・昼は違う風邪薬を飲んで、夜だけこの薬を飲むという方法もあるかと思います。
・喘息:イブプロフェンによって喘息発作が誘発される事があります。
他の風邪薬や解熱鎮痛剤で喘息の症状が出た事がある人は、イブプロフェンではなくてアセトアミノフェンが入ってる風邪薬を選ぶと良いかと思います。
・血栓:血栓が溶けにくくなるので、血栓症の方は注意を。
また、ピル(特にエストロゲンを含む低用量ピル)との併用は血栓のリスクを高める可能性があるので注意してください。
・ジドブジン(商品名:レトロビル、コンビビル)服用中の方は禁忌となっています。(イブプロフェン)
・服用期間: 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。
3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診断を受けた方が良いかと思います。
あと一つ気になるのはデキストロメトルファンのオーバードーズでしょうか。
長期の連用はしない方が良いかと思います。
妊娠中の方
妊娠後期(28週以降)の方は禁忌です。
(この風邪薬の添付文書には「出産予定日12週以内の妊婦は飲まないで」という書き方になっています)
イブプロフェンが胎児の動脈管(心臓と大動脈をつなぐ血管)が収縮した、という報告があります。
妊娠後期の方はアセトアミノフェンという解熱鎮痛剤が入ったものにした方が良いかと思います。
それ以前であれば問題はなさそうですが、メチルエフェドリンによって胎児が頻脈を起こすことがある、という事もありそうです。
服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
授乳中の方
この薬の添付文書には「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」と書いてあるのですが…
特に問題ないと考えます。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
『ベンザブロックYASUMO』の特徴と利点と個人的な感想
「眠り」というものに焦点を当てた珍しい風邪薬ですね。
一般的な他の風邪薬には入っている「カフェイン」が、この風邪薬には入っていません。
結局のところ、風邪薬というのは風邪の症状を緩和するものであって、風邪そのものを治すものではありません。
やっぱり体を休めるのが一番なんですよね。
しっかり眠って体力を回復することで、風邪の治りを早くする。
アプローチとしてはとても良いと思います。
カフェインが入っていないだけで、他の成分に関しては決して量が少ないとかそういう事はないので、風邪の症状を抑える効果は他に劣るといったことはないと思います。
あと、風邪の症状全般に効果があると思いますが、特に咳に関しては良いのではないでしょうか。
これも夜間の咳を抑えることで睡眠を妨げないためだと思われます。
問題があるとしたら、やっぱり日中の眠気でしょうか。
カフェインが入ってない分、他の風邪薬よりも眠気が強いかもしれません。
鼻水の薬も鎮静が強めのものですし。
なので、日中はカフェインが入っている他の風邪薬を使って、夜だけこの薬を使う、という手もあるかと思います。
まあ、昼間は別にコーヒーとか飲んでも良いですしね。
夜にカフェインを摂ると眠れなくなる、という方には合っているのではないでしょうか。
使用した方の口コミ・レビュー
ものログというサイトの口コミです。
まず良い評価の方は、
「夜中に咳こんだり鼻詰まりで起きることなくよく眠れて、早く良くなったように感じた」
「ぐっすり寝て、咳が出ないのが良い」
「これを飲んで寝たら寒気が朝にはスッキリ。やはり飲んで寝るのがいちばん」
といった具合。
否定的な意見としては、
「私には残念ながら効かなかった。咳が止まらなくて眠れない」
「効いてるのかよくわからない」
「効かなかった」
といった感じ。否定的なのがあまり無かったです。
やっぱり「眠り」についてコメントしてる方が多いかな?
でもこれは先入観もあると思います。そもそもこの風邪薬を買う人はそこを気にしてこれを買ったわけですからね。
ただ、「日中眠くなる」といった意見がなかったのは意外でした。ここは個人差が大きいので何とも言えないですが。
公式ホームページには症状ごとの改善率みたいな表はありませんでした。
あれがあると何に効くかが分かりやすいんですけどね。
まとめ
この記事では『ベンザブロックYASUMO』の主要成分、それぞれの効果、用法・用量、そして実際の使用者の声をご紹介しました。
この製品は「眠り」というものに焦点を当てた風邪薬、というのが特徴でしょうか。
「カフェインが入ってないだけ」と言われればそれまでですけど…。
でも、ちょっとでもカフェインを摂ると眠れなくなる方にはとても良い選択肢になるかと思います。
風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
詳細な情報やご購入を検討される方は、公式ホームページ【https://benza.jp/benzablock-yasumo/】を参照してください。
皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。
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