花粉症や、ハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎って、鼻水が出てくるだけじゃなくて鼻づまりも辛いですよね~。
抗ヒスタミン単剤の薬も良いのですが、それだとやっぱりちょっと鼻づまりに対しては効果はいまいちです。
ということで、今回は抗ヒスタミンだけじゃなくて他の成分も入った鼻炎薬である『パブロン鼻炎カプセルSα』を見ていこうと思います。
パブロン鼻炎カプセルSαの基本情報
・製造販売元:大正製薬
・成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
塩酸プソイドエフェドリン | 120mg | 鼻づまりを和らげる |
マレイン酸カルビノキサミン | 12mg | 鼻水、くしゃみ、痒みを抑える |
ベラドンナ総アルカロイド | 0.4mg | 鼻水や涙を抑える |
無水カフェイン | 100mg | 頭痛・頭重感を和らげる |
・包装
24カプセル、48カプセル
(PTP包装)
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各成分の解説
この製品には主な成分が4種類入ってます。
それぞれ解説していきますが、少し長くなるので折り畳みにしておきます。
興味のある方は読んでみてください。
塩酸プソイドエフェドリン
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・分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあって、そのうちの交感神経の方に働くものですね。
交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があって、プソイドエフェドリンはその両方に作用するのですが、α受容体の方により強く作用を発揮する「α刺激薬」として使われます。
・効果:鼻の粘膜の血管にあるα受容体を刺激することで、血管が収縮して鼻粘膜の充血や腫脹を軽減します。
そうすることで鼻づまりを改善します。
ただ、交感神経の受容体は全身のあちこちにあるので、思わぬ副作用が出ることがあります。
・臨床での使用例:日本にはこの成分単独の医療用医薬品はないのですが、「抗ヒスタミン薬」と一緒になっている薬があります(「ディレグラ」「プソフェキ」)。
抗ヒスタミン薬は鼻水やくしゃみは抑えますが、鼻づまりを解消する効果はあまりありません。
このプソイドエフェドリンを一緒に配合することで、鼻水・鼻づまりの両方に効果を発揮するんですね。
鼻づまりがひどいアレルギー性鼻炎には効果的ですね。
あと、この成分ではないのですが、他の「α刺激薬」では点鼻薬という形で直接鼻に噴霧して使うものがあります。
全身性の副作用もあまりなく使いやすいのですが、結構クセになるので注意が必要ですね(私もクセになった事があって、抜け出すのにかなり時間がかかりました…)。
内服でも点鼻でも、短期間の使用にとどめておいた方が良いですね。
・副作用と注意点:副作用はあまりないですが、血圧上昇や頻脈、血圧上昇による反射性の徐脈が起こる場合があります。心疾患を持ってる方は注意してください。
特に、重症の高血圧や冠動脈疾患の方は禁忌になります。
あと、甲状腺機能亢進症の方は交感神経刺激作用が強く表れることがあります。
腎機能が低下してる方も注意してください。この成分はあまり肝臓で分解されないので、腎機能が悪いと成分がそのままの形で体に残りやすくなります。結果として副作用が起きやすくなります。
・薬物相互作用:いくつか併用注意があります。
・交感神経系に対し抑制的に作用する降圧剤 メチルドパ レセルピン | 塩酸プソイドエフェドリンの交感神経刺激作用により、降圧作用が減弱することがあります。 |
・交感神経刺激薬 | 同じ系統なので、塩酸プソイドエフェドリンの心血管に対する作用が増強されることがあります。 |
・選択的MAO-B阻害剤 セレギリン | 血圧上昇等が起こるおそれがあります。 |
・製品内含量(成人):パブロン鼻炎カプセルSαの1回分には60mg入っています。1日120mg。
さきほど書いた「ディレグラ」では、通常1回120mg、1日240mg使います。
1回60mgと1回120mgを比較したデータがあります。それによると、もちろん1回120mgの方が鼻づまりには優れた効果を発揮しているのですが、1回60mg(1日120mg)でも効果は認められています。
市販薬としては妥当なところでしょうね。他の市販薬でも同じくらいですし。
マレイン酸カルビノキサミン
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・分類:第一世代の「抗ヒスタミン薬」になります。
第一世代と第二世代は似たようなものですが、多少効果や副作用が変わってきます。
前に書いた『アレグラFX』や『アレジオン20』に入ってるのは第二世代になりますね。
・効果:アレルギー反応を引き起こすヒスタミンという物質の働きをブロックします。
これにより、鼻水やくしゃみ、痒みなどのアレルギー症状を緩和します(抗ヒスタミン作用)。
ただ、鼻水を抑える効果はありますが、鼻づまりの方にはあまり効きません。
この成分には抗ヒスタミン作用の他に、抗嘔吐作用や抗コリン作用というものがあります。
第二世代と比べると効果の発現が早めですね。
・臨床での使用例:この成分の医療用医薬品は存在しないですね。市販薬だけみたいです。
第一世代抗ヒスタミン薬自体はアレルギー性疾患全般に使われています。
・副作用と注意点:抗コリン作用により眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあります。
他の第一世代抗ヒスタミン薬は閉塞隅角緑内障、前立腺肥大など下部尿路閉塞疾患がある方には禁忌となりますが、この製品は緑内障は禁忌になってないですね。
(と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。主治医に訊いてみてください)
出やすい副作用としては眠気や口渇があります。
ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。それでも最初に飲んだ後は注意してください。
口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。私はですが。
・薬物相互作用:この成分の医療用医薬品が存在しないのでデータがないのですが、他の第一世代抗ヒスタミンと同じと考えると、下に書いてあるものには注意した方が良いかと思います。
バルビツール酸系薬剤等 アルコール | 相互に作用を増強する可能性があるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
モノアミン酸化酵素阻害剤 | 相互に作用を増強する可能性があるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
抗コリン作動性薬剤ブチルスコポラミン臭化物 アトロピン硫酸塩水和物等 | 相互に作用を増強する可能性があるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
ドロキシドパ ノルアドレナリン | 血圧の異常上昇を来すおそれがあります。 |
あと、鼻水ではなくて痒み止めとしてこの系統が処方されている方もいるので、皮膚科に通ってる方は重複しないように注意してください。
・製品内含量(成人):パブロン鼻炎カプセルSαの1回分には6mg入っています。1日12mg。
この成分は医療用医薬品がないので比較はできないのですが、「日本製薬団体連合会」というところが資料を出してくれていました。
それによると、
(経口)
通常成人1回4mgを1日3~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〔徐放性製剤〕
通常成人1回8mgを1日1~2回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
とのことです。
この製品の場合は1日2回なので、徐放性製剤と比較する事になりますね(徐放性製剤とは、薬がゆっくりと放出されるように設計されたものです)。
となると、1日8~16mgとなります。この製品は1日12mgなので、ちょうど間を取ってる形ですね。
・補足:マレイン酸カルビノキサミンの効果を研究した資料がありました。
1976年の研究なのでかなり古いものではありますが、興味のある方は読んでみてください。
⇒https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo1958/20/5/20_5_722/_pdf/-char/ja
この資料によると、マレイン酸カルビノキサミン単独での有用性は65.3%となっていますが、これに血管収縮剤を加えたものは76.6%となっています。
この製品にも血管収縮剤であるプソイドエフェドリンが入っていますし、効果としては問題なさそうですね。
ベラドンナ総アルカロイド
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・分類:「抗コリン薬」の分類になります。
ベラドンナという植物の根から抽出されたいろいろな有機化合物(アルカロイド)をまとめて「ベラドンナ総アルカロイド」と呼びます。
医療用では「ロートエキス」とか「アトロピン」というものがありますが…これは鼻水に使う事はなくて、下痢止めとして使う事の方が多いですね(適応は「痙攣性便秘」となっててややこしいですが、腸の働きを抑えるので下痢止めになります)。
ちなみに、「ベラドンナ」とはイタリア語で「美しい女性(bella donna)」という意味だそうですね。
「抗コリン薬」は「抗コリン作用」を持つ薬のことですが、「抗コリン作用」とは上の「マレイン酸カルビノキサミン」でも書いてる通り、薬が体内の特定の受容体に作用して、口の乾燥や目の焦点調節の問題、便秘などの副作用を引き起こすことです。
ただ、この副作用を逆手にとって、薬としてもよく使われます。
薬とはすなわち毒です。使い方次第でどちらにもなり得ます。
・効果:抗コリン作用、つまり副交感神経の働きを抑えることで、いろいろな効果を示します。
唾液の分泌や鼻水を抑えたり、胃や腸の動きを抑えたり、心拍数を上げたり、膀胱を緩めたりなど。
あとはパーキンソンにも使いますね。
・臨床での使用例:抗コリン薬はいろいろな薬があるのですが、このベラドンナ総アルカロイドは医療用としては「ロートエキス」「アトロピン」くらいだと思います。
ロートエキスの適応は「胃酸過多、胃炎、消化性潰瘍、痙攣性便秘」となっていますが、実際には下痢止めくらいにしか使われません。
アトロピンはそれ以外にも「胆管・尿管の疝痛、徐脈・房室伝導障害、夜尿症」など。
この製品の場合は鼻水や涙を抑える目的で配合されてますね。
・副作用と注意点:やっぱり問題になるのは「抗コリン作用」です。しつこいですけど。
作用と副作用は相反するものでもなくて、作用が強く表れると副作用となる事もあります。
まず、閉塞隅角緑内障、前立腺肥大、重篤な心疾患、麻痺性イレウスがある方には禁忌となっていますが、この製品に入ってる量はかなり少なめなので「医師・薬剤師に相談」となってますね。この製品の量だと問題になる事はないと思いますが注意をお願いします。
出やすい副作用としては、口の渇き、便秘などでしょうか。
・薬物相互作用:併用注意があります。禁忌はありません。
・三環系抗うつ剤 アミトリプチリン イミプラミン 等 ・フェノチアジン系薬剤 プロクロルペラジン クロルプロマジン 等 ・MAO阻害剤 ・抗ヒスタミン剤 クロルフェニラミン ジフェンヒドラミン ・イソニアジド | 本剤の作用が増強されることがあるので、併用する場合は減量するなどしてください。 |
・強心配糖体製剤 ジゴキシン等 | 強心配糖体製剤の毒性を増強するおそれがあります。 |
・製品内含量(成人):パブロン鼻炎カプセルSαの1回分には0.2mg入っています。1日0.4mg。
市販薬の最大用量が1日0.6mgなので、それの3分の2ですね。
無水カフェイン
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※「無水カフェイン」と「カフェイン水和物」というのがありますが似たようなものなので、ここでは同じものとして扱います。
・分類:薬効分類でいえば「中枢興奮・鎮痛剤」になります。「中枢性呼吸刺激薬」にもなります。「キサンチン誘導体」というものの一種でもあります。
・効果:カフェインは、頭をすっきりさせたり、エネルギッシュな気分にさせたりする効果があります。それによって、心臓が活発に動いて血の流れが良くなるので、結果としてトイレに行く回数が増えることがあります。
また、カフェインは頭の中の血管を少し狭めることで、頭痛を和らげる効果もあります。
あと気管支を拡張させる作用があるので、昔はコーヒーを喘息の特効薬として使ってたみたいですね。
・臨床での使用例:そもそもあんまり使われないのですが、一番使われるのは頭痛でしょうか。脳血管を収縮させるので、血管拡張型の頭痛に使います。
一応眠気や倦怠感にも適応があるのですが、それ目的で処方されたことは一度も経験ありません。
でも医療用ではなく一般的には眠気やだるさに対してが一番使われるでしょうね。
「無水カフェイン」は「早産・低出生体重児における原発性無呼吸症」に適応があります。
市販薬に入ってることが多いですが、これは眠気防止かなと思います。あとは「元気になった気にさせる」といったところでしょうか。エナジードリンクが良い例ですね。
・副作用と注意点:副作用として不眠や振戦(手の震え)、動悸などがあります。
あと胃酸の分泌が増えるので消化を助けますが、空腹時に飲むと胃が荒れます。コーヒーには牛乳を入れましょう。ブラックを飲むなら食後にどうぞ。
・薬物相互作用:併用注意のものがいくつかあります。禁忌ではないです。
・他のキサンチン系薬剤 アミノフィリン水和物 ジプロフィリン テオフィリン等 ・中枢神経興奮薬 エフェドリン塩酸塩 マオウ等 | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
・MAO阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 頻脈、血圧上昇等が現れることがあります。 |
シメチジン | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
カフェインもキサンチン系になるので、同じ系統を摂取すると過量投与になります。喘息ある人は服用してる可能性があるので注意してください。
マオウは漢方薬に入ってることが多いです。知らずに摂ってることがあるのでこれも注意を。
MAO阻害薬はパーキンソン病に使うので、パーキンソンの方は注意してください。
シメチジンは胃薬ですね。今はあんまり使われないですが、飲んでる方は注意を。
でもどれもあまり気にしなくて良いかと思います。症状が出るようならカフェインを減量してください。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれているので、農林水産省のサイトにあった表を載せておきます。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれていますが、その含有量は製品やブランド、調理法によって大きく異なります。ここで紹介するのはあくまで一般的な平均値または範囲であり、正確なカフェイン含有量については、各製品のラベルやメーカーの情報を参照してください。
・製品内含量(成人):パブロン鼻炎カプセルSαの1回分には50mg入っています。1日100mg。
医療用では、1回100~300mg、1日2~3回となっています。
厚生労働省のサイトによると、「悪影響のない一日当たりの最大摂取量」の目安というのは個人差が大きく、日本でも国際的においても明確に設定はされていないようです。
例えば、
・カナダでは健康な成人だと1日400mg、妊娠中の方、授乳中の方は1日300mgまで。
・イギリスでは妊娠中、授乳中の方は1日200mgまでとなっています。
厚生労働省のサイトにもカフェインの過剰摂取についての記事があるので興味のある方は目を通してみてください。(厚生労働省のサイト→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)
パブロン鼻炎カプセルSαの主要成分の効果と注意点のまとめ
4つの成分について解説してきましたが、まとめると以下のようになります。
- 塩酸プソイドエフェドリン
- 鼻の粘膜の血管を収縮させて、鼻づまりを改善します。
- 血圧上昇や頻脈などが現れることがあります。心疾患のある方は注意が必要です。
- マレイン酸カルビノキサミン
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 抗コリン作用により眼圧上昇や排尿困難などの副作用があり、特に眠気に注意が必要です。
- ベラドンナ総アルカロイド
- 抗コリン作用により鼻水や涙を抑えます。
- 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大など特定の疾患を持つ方は使用に注意が必要です。
- 無水カフェイン
- 中枢興奮・鎮痛剤として、覚醒作用を持ち、頭痛や眠気防止に効果的です。
- 副作用には不眠や振戦、動悸があり、他のキサンチン系薬剤や中枢神経抑制剤との併用に注意が必要です。
用法・用量と注意点
パブロン鼻炎カプセルSαの用法・用量
・15歳以上:1回2カプセル・1日2回(12時間ごと)
となっています。
カプセルの中に速く溶ける顆粒とゆっくり溶ける顆粒が入っていて、即効性を確保しながらも効果が長持ちするように作られてますね。なので1日2回でOK。食後でなくて大丈夫です。
15歳未満の方は服用しないでくださいとなっています。
ん~、これはなんでかな?
この製品は15歳以上なのですが、こども用として『パブロン鼻炎カプセルSα小児用』というのがあります。
で、その成分を見比べてみると…
・大人用の『パブロン鼻炎カプセルSα』
・こども用の『パブロン鼻炎カプセルSα小児用』
これ…1カプセル中の成分量は全く同じなんですよね。意味が分かりません。
これならこの『パブロン鼻炎カプセルSα』も「7歳~15歳未満は1回1カプセル、1日2回」で使えると思いますが…。
なんか大人の事情があるのかな~?と思いますが…無理やり理由をつけてみると、
おそらくは「間違いを防ぐため、安全性に配慮して大人用とこども用の製品を分けた」のだと思われます。たぶん。
もし具体的な理由について詳しく知りたい方は、製造メーカーさんに直接お問い合わせいただくのも良いでしょう。
こちらでもメーカーさんに訊いてみて、回答が得られたらこちらに追記しておきます。忘れなければ。
注意してほしいこと
一通りの注意点を書いておきます。
- 禁忌:前立腺肥大による排尿困難、高血圧、心臓病、甲状腺機能障害、糖尿病のある方は服用しないでください、となっています。
- 眠気:マレイン酸カルビノキサミンにより眠気が出る可能性があります。
特に飲み始めの頃は注意してください。
この製品の添付文書にも「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」の記載があります。
ただ、なんともなければもちろん大丈夫です。 - 腎機能が悪い方:高齢者など腎機能が低下してる方は薬が体に残りやすくなります。
眠気や口の渇きなどの副作用が出る場合は飲む量を減らすなど調節した方が良いかと思います。 - 服用期間: この製品の添付文書にも書いてますが、5~6日飲んでみても効果が実感できなければやめた方が良いと思います。
抗ヒスタミンだけなら問題ないのですが、塩酸プソイドエフェドリンはあまり長期で服用するものではありません。鼻づまりがひどい時だけピンポイントで使う方が良いでしょう。
病院で処方してもらった方が安く済む場合も多いので、アレルギー性鼻炎で長期服用が前提なら受診した方が良いかと思います。
合ってないなと感じたらやめた方が良いですね。他にも選択肢はあります。
妊娠中の方
妊娠中の方については、この製品の添付文書では「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」という書き方になっています。
ということで、禁忌ではないのですが…
個人的には妊娠してる方にはお勧めできません。
プソイドエフェドリンはBriggs基準によるとリスク5となっていて「原則として妊娠中の投与は避けることが望ましい」となっています。
ただ、この成分が入っている医療用医薬品の「ディレグラ」では、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」という記載になっています。
また、「妊娠初期に塩酸プソイドエフェドリンを服薬した母親の940例の出生児に奇形発生の危険率は増加していない」というデータもあります。(参考 : Prescribing medicines in pregnancy 4th edition)
でも「胎盤血管収縮および腹壁破裂のリスクの可能性」があると…。
マレイン酸カルビノキサミンはデータがありません。
他の第一世代抗ヒスタミン薬は妊娠してる方に禁忌のものはないので、それに準じるとこれも大丈夫だとは思いますが、確証はもちろんありません。
ベラドンナ総アルカロイドは催奇形性はありませんが、胎児が頻脈を起こす可能性はあります。
カフェインは特に問題ありませんが、この製品を使う場合は他にコーヒーなどは飲まない方が良いかもしれませんね。
ということで、総合的に見ると妊娠してる方にはお勧めできません。
鼻水・鼻づまりがひどいなら点鼻薬、目のかゆみや涙が出るなら点眼薬、という選択肢もあります。
飲み薬に関しても、妊娠中の方が使っても安心な薬が他にあります。
あえてこれを使う必要はないと考えます。
服用するにしても短期間(数日)の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
授乳中の方
あと授乳中の方ですが、
この製品の添付文書では「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」となっています。
ただ、授乳に関しては特に問題ないと考えます。
Mothers’ Milk基準ではこの薬に入ってる成分で一番リスクの高いもので「L3(概ね適合)」となっていて、「児に不都合な影響が出る可能性がある。またはごく軽微で危険性のない有害作用しか示されていない」となっています。
これを読むと少しおっかない感じですが…
多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しません。
ということで、授乳に関してはあまり気にしなくて良いかと思います。
パブロン鼻炎カプセルSαの特徴と利点と個人的な感想
・鼻水や目のかゆみを抑える抗ヒスタミン薬
・鼻づまりを解消する血管収縮剤
・鼻水や涙の分泌を抑える抗コリン薬
・頭重感を軽減したり、薬による眠気を抑えるカフェイン
この4つが入っていることで、アレルギー性鼻炎の症状全般的に効果があるかな、と思います。
市販の鼻炎薬でも第二世代の抗ヒスタミンが主流になってきているのに第一世代をあえて使ってるのは、効果の速さを重視してるからみたいですね。キレが良い。
キレが良いという事は薬の効果が切れるのが早いのですが、この製剤は「速く溶ける顆粒」と「ゆっくり溶ける顆粒」をカプセルに詰めてるので、速めの効果を担保しつつも持続性も両立させています。
抗ヒスタミン単独では鼻づまりには効かないですが、そこはプソイドエフェドリンがフォローしていますね。
第二世代抗ヒスタミン薬単独の薬よりは鼻づまりに効果あるかと思います。
ただ抗コリンが入ってるので、副作用の観点からはちょっと使いにくい気もしますが…
問題になるのは高齢者ですね。いわゆる現役世代ではそれほど問題にはならないですね。
カフェインの量は他の風邪薬などと比べると少し多めですね。
カフェインに敏感で夜眠れなくなる方は違う製品を選んだ方が良いかと思います。
あともう一つ、抗ヒスタミン薬単独の薬と違って、この製品には塩酸プソイドエフェドリンが入っています。
長期での服用はお勧めできません。
抗ヒスタミン薬単独のを基本に使いつつ、鼻づまりの症状がひどい時などにピンポイントで使う方が良いかと思います。
使用した方の口コミ・レビュー
「ものログ」というサイトの口コミです。
まず良い評価の方は、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。
良い評価の一番最初の人の意見でもありますが、他が効かなくてもこれは効く、という意見がチラホラありました。
他の記事でも書いていますが、抗ヒスタミン薬って人によって全然効き方が違います。
こればっかりは、使ってみないと分かりません。
自分に合った成分が見つかったら覚えておいた方が良いですね。
あと、眠気やだるさは出るけど効果はある、と。
これは個人的な見解であって一般論ではないのですが…
抗ヒスタミン薬って、眠気や口渇などの副作用が強いものほど効果も高いと感じます。
第二世代って確かに副作用は少ないのですが、効果も弱いな…と感じることが多いんですよね。
あくまで個人的な感想です。
第二世代にもいろいろあります。最近のは副作用が少なく効果が高めなのも出てますね。
まだ市販薬としては出てないですけど。
あと、第一世代はキレが良いので効果を感じやすい、という事もあるかと思います。
他の意見としては、1日1回でもある程度効果があるという意見もいくつかありましたね。
眠気が気になる方は夜だけ服用、カフェインで眠れなくなる方は朝だけ服用、という使い方でも良いかもしれません。
製品ごとに用法・用量というのはありますが、その辺はご自身の症状に合わせて調節しても全然問題ありません。
値段に関しては、
Yahooショッピングで見ると、24カプセル入れで送料込みで1,000円弱ですね。
1カプセルあたり42円。1日170円くらい。
成分自体はそれほど新しいのは入ってないのですが、値段は特別安いわけではないですね。
第二世代抗ヒスタミン薬の市販薬と同じくらいです。
まとめ
この記事では『パブロン鼻炎カプセルSα』の主要成分、それぞれの効果、用法・用量、そして実際の使用者の声をご紹介しました。
特徴としては、
・効きめが速い第一世代抗ヒスタミン薬を使いつつも、製剤工夫によって1日2回の服用で良い
・血管収縮剤による鼻づまりにも効果が期待できる
といった点でしょうか。
抗ヒスタミン薬は人によって効き方が違います。
この製品に入っている「マレイン酸カルビノキサミン」は他の製品ではあまり見かけません。
他の薬が合わなかった方も試してみる価値はあるかと思います。
ただ、血管収縮剤が入っているので長期での使用を想定していません。あくまで短期間の使用にとどめておいてください。
まあ、症状がひどい時は点鼻薬を使うという選択肢もあるので、これにこだわる事もないんですけどね。
鼻炎の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
詳細な情報やご購入を検討される方は、公式ホームページ【https://brand.taisho.co.jp/pabron/bien/】を参照してください。
皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。
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