市販の第二世代抗ヒスタミン薬についてはすべて書いたので、今回は第一世代の製品について。
第一世代は副作用の問題はありますが、効き目が速い、安価などのメリットもあります。
病院でも、第二世代が効かなかった場合に第一世代を使う事はよくありますし、選択肢から除外するのはもったいないですね。
市販薬の場合、第二世代と違って抗ヒスタミン薬単独というのはあまりなく、大体は他の成分も含まれていることが多いです。
今回は鼻水・鼻づまりの両方に効く成分が入っている『新コンタック600プラス』について解説していきます。
(第二世代については下の記事にまとめてます)
新コンタック600プラスの基本情報
・製造販売元:GSK(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)
・成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
プソイドエフェドリン塩酸塩 | 120mg | 鼻づまりを和らげる |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 8mg | 鼻水、くしゃみ、痒みを抑える |
ベラドンナ総アルカロイド | 0.4mg | 鼻水や涙を抑える |
無水カフェイン | 100mg | 頭痛・頭重感を和らげる |
・包装
20カプセル、40カプセル、60カプセル
(PTP包装)
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各成分の解説
この製品には主な成分が4種類入ってます。
それぞれ解説していきますが、少し長くなるので折り畳みにしておきます。
興味のある方は読んでみてください。
※それぞれの成分の解説は、基本的には他の記事のと同じです。
製品内含量のところに少し固有のコメントをつけてるだけです。
プソイドエフェドリン塩酸塩
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・分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあって、そのうちの交感神経の方に働くものですね。
交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があって、プソイドエフェドリンはその両方に作用するのですが、α受容体の方により強く作用を発揮する「α刺激薬」として使われます。
・効果:鼻の粘膜の血管にあるα受容体を刺激することで、血管が収縮して鼻粘膜の充血や腫脹を軽減します。
そうすることで鼻づまりを改善します。
ただ、交感神経の受容体は全身のあちこちにあるので、思わぬ副作用が出ることがあります。
・臨床での使用例:日本にはこの成分単独の医療用医薬品はないのですが、「抗ヒスタミン薬」と一緒になっている薬があります(「ディレグラ」「プソフェキ」)。
抗ヒスタミン薬は鼻水やくしゃみは抑えますが、鼻づまりを解消する効果はあまりありません。
このプソイドエフェドリンを一緒に配合することで、鼻水・鼻づまりの両方に効果を発揮するんですね。
鼻づまりがひどいアレルギー性鼻炎には効果的ですね。
あと、この成分ではないのですが、他の「α刺激薬」では点鼻薬という形で直接鼻に噴霧して使うものがあります。
全身性の副作用もあまりなく使いやすいのですが、結構クセになるので注意が必要ですね(私もクセになった事があって、抜け出すのにかなり時間がかかりました…)。
内服でも点鼻でも、短期間の使用にとどめておいた方が良いですね。
・副作用と注意点:副作用はあまりないですが、血圧上昇や頻脈、血圧上昇による反射性の徐脈が起こる場合があります。心疾患を持ってる方は注意してください。
特に、重症の高血圧や冠動脈疾患の方は禁忌になります。
あと、甲状腺機能亢進症の方は交感神経刺激作用が強く表れることがあります。
腎機能が低下してる方も注意してください。この成分はあまり肝臓で分解されないので、腎機能が悪いと成分がそのままの形で体に残りやすくなります。結果として副作用が起きやすくなります。
・薬物相互作用:いくつか併用注意があります。
・交感神経系に対し抑制的に作用する降圧剤 メチルドパ レセルピン | 塩酸プソイドエフェドリンの交感神経刺激作用により、降圧作用が減弱することがあります。 |
・交感神経刺激薬 | 同じ系統なので、塩酸プソイドエフェドリンの心血管に対する作用が増強されることがあります。 |
・選択的MAO-B阻害剤 セレギリン | 血圧上昇等が起こるおそれがあります。 |
・製品内含量(成人):この製品の1回分には60mg入っています。1日120mg。
さきほど書いた「ディレグラ」では、通常1回120mg、1日240mg使います。
1回60mgと1回120mgを比較したデータがあります。それによると、もちろん1回120mgの方が鼻づまりには優れた効果を発揮しているのですが、1回60mg(1日120mg)でも効果は認められています。
市販薬としては妥当なところでしょうね。他の市販薬でも同じくらいですし。
クロルフェニラミンマレイン酸塩
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・分類:「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものです。
細かく言うと「ヒスタミン(H1)受容体拮抗薬(第一世代)」となります。
第一世代と第二世代は似たようなものですが、多少効果や副作用が変わってきます。
あと、クロルフェニラミンマレイン酸塩には「d(ディー)体」と「l(エル)体」というのがあります。
この製品に入っているのはd体とl体の両方が入ってるものですね。d体だけのものもあります。
l体の方は抗ヒスタミン作用があんまりなくて眠気の副作用があります。特にメリットはありません。
・効果:気管支や血管の細胞、知覚神経にあるH1受容体というところにヒスタミンという物質がくっつくことで鼻水やくしゃみ、痒みが出るのですが、その受容体をブロックすることで症状を抑えます。
ただ、鼻水を抑える効果はありますが、鼻づまりの方にはあまり効きません。
この成分には抗ヒスタミン作用の他に、抗嘔吐作用や抗コリン作用というものがあります。
第二世代と比べると効果の発現が早めですね。
・臨床での使用例:アレルギー性疾患全般に使っています。
アレルギー性鼻炎、上気道炎の鼻水・くしゃみ、蕁麻疹、湿疹など。
とにかく鼻水とくしゃみ、痒みがあればこの系統を使います。
病院ではあまりファーストチョイスにはならないかな?第二世代が効かない場合に使うといった感じです。
それに使うにしてもd体のみの薬がメインになって、あんまりdl体は使わないと思います。
・副作用と注意点:抗コリン作用により眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあるので、
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大など下部尿路閉塞疾患がある方には禁忌となります。
(と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。主治医に訊いてみてください)
出やすい副作用としては眠気や口渇があります。
ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。それでも最初に飲んだ後は注意してください。
口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。私はですが。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
バルビツール酸系薬剤等 アルコール | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
モノアミン酸化酵素阻害剤 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
抗コリン作動性薬剤ブチルスコポラミン臭化物 アトロピン硫酸塩水和物等 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
ドロキシドパ ノルアドレナリン | 血圧の異常上昇を来すおそれがあります。 |
併用禁忌というわけではないので、なんか眠いな~、ふらふらするな~と感じたら風邪薬の量を減らして様子をみてください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には4mg入っています。1日8mg。
医療用では1回2~6mg、1日2~4回使うので最高で1日24mg使います。
それと比較すると少なめかもしれませんが、副作用の出やすさを考えると妥当かもしれませんね。
市販の風邪薬の場合だと1日7.5mgが多いので、それよりはちょこっとだけ多めですね。
ベラドンナ総アルカロイド
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・分類:「抗コリン薬」の分類になります。
ベラドンナという植物の根から抽出されたいろいろな有機化合物(アルカロイド)をまとめて「ベラドンナ総アルカロイド」と呼びます。
医療用では「ロートエキス」とか「アトロピン」というものがありますが…これは鼻水に使う事はなくて、下痢止めとして使う事の方が多いですね(適応は「痙攣性便秘」となっててややこしいですが、腸の働きを抑えるので下痢止めになります)。
ちなみに、「ベラドンナ」とはイタリア語で「美しい女性(bella donna)」という意味だそうですね。
「抗コリン薬」は「抗コリン作用」を持つ薬のことですが、「抗コリン作用」とは薬が体内の特定の受容体に作用して、口の乾燥や目の焦点調節の問題、便秘などの副作用を引き起こすことです。
ただ、この副作用を逆手にとって、薬としてもよく使われます。
薬とはすなわち毒です。使い方次第でどちらにもなり得ます。
・効果:抗コリン作用、つまり副交感神経の働きを抑えることで、いろいろな効果を示します。
唾液の分泌や鼻水を抑えたり、胃や腸の動きを抑えたり、心拍数を上げたり、膀胱を緩めたりなど。
あとはパーキンソンにも使いますね。
・臨床での使用例:抗コリン薬はいろいろな薬があるのですが、このベラドンナ総アルカロイドは医療用としては「ロートエキス」「アトロピン」くらいだと思います。
ロートエキスの適応は「胃酸過多、胃炎、消化性潰瘍、痙攣性便秘」となっていますが、実際には下痢止めくらいにしか使われません。
アトロピンはそれ以外にも「胆管・尿管の疝痛、徐脈・房室伝導障害、夜尿症」など。
この製品の場合は鼻水や涙を抑える目的で配合されてますね。
・副作用と注意点:やっぱり問題になるのは「抗コリン作用」です。しつこいですけど。
作用と副作用は相反するものでもなくて、作用が強く表れると副作用となる事もあります。
まず、閉塞隅角緑内障、前立腺肥大、重篤な心疾患、麻痺性イレウスがある方には禁忌となっていますが、この製品に入ってる量はかなり少なめなので「医師・薬剤師に相談」となってますね。この製品の量だと問題になる事はないと思いますが注意をお願いします。
出やすい副作用としては、口の渇き、便秘などでしょうか。
・薬物相互作用:併用注意があります。禁忌はありません。
・三環系抗うつ剤 アミトリプチリン イミプラミン 等 ・フェノチアジン系薬剤 プロクロルペラジン クロルプロマジン 等 ・MAO阻害剤 ・抗ヒスタミン剤 クロルフェニラミン ジフェンヒドラミン ・イソニアジド | 本剤の作用が増強されることがあるので、併用する場合は減量するなどしてください。 |
・強心配糖体製剤 ジゴキシン等 | 強心配糖体製剤の毒性を増強するおそれがあります。 |
・製品内含量(成人):この製品の1回分には0.2mg入っています。1日0.4mg。
市販薬の最大用量が1日0.6mgとなっています。
総合感冒薬だと大体どれも1日0.3mgなので、それよりはちょっと多めですね。
無水カフェイン
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※「無水カフェイン」と「カフェイン水和物」というのがありますが似たようなものなので、ここでは同じものとして扱います。
・分類:薬効分類でいえば「中枢興奮・鎮痛剤」になります。「中枢性呼吸刺激薬」にもなります。「キサンチン誘導体」というものの一種でもあります。
・効果:カフェインは、頭をすっきりさせたり、エネルギッシュな気分にさせたりする効果があります。それによって、心臓が活発に動いて血の流れが良くなるので、結果としてトイレに行く回数が増えることがあります。
また、カフェインは頭の中の血管を少し狭めることで、頭痛を和らげる効果もあります。
あと気管支を拡張させる作用があるので、昔はコーヒーを喘息の特効薬として使ってたみたいですね。
・臨床での使用例:そもそもあんまり使われないのですが、一番使われるのは頭痛でしょうか。脳血管を収縮させるので、血管拡張型の頭痛に使います。
一応眠気や倦怠感にも適応があるのですが、それ目的で処方されたことは一度も経験ありません。
でも医療用ではなく一般的には眠気やだるさに対してが一番使われるでしょうね。
「無水カフェイン」は「早産・低出生体重児における原発性無呼吸症」に適応があります。
市販薬に入ってることが多いですが、これは眠気防止かなと思います。あとは「元気になった気にさせる」といったところでしょうか。エナジードリンクが良い例ですね。
・副作用と注意点:副作用として不眠や振戦(手の震え)、動悸などがあります。
あと胃酸の分泌が増えるので消化を助けますが、空腹時に飲むと胃が荒れます。コーヒーには牛乳を入れましょう。ブラックを飲むなら食後にどうぞ。
・薬物相互作用:併用注意のものがいくつかあります。禁忌ではないです。
・他のキサンチン系薬剤 アミノフィリン水和物 ジプロフィリン テオフィリン等 ・中枢神経興奮薬 エフェドリン塩酸塩 マオウ等 | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
・MAO阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 頻脈、血圧上昇等が現れることがあります。 |
シメチジン | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
カフェインもキサンチン系になるので、同じ系統を摂取すると過量投与になります。喘息ある人は服用してる可能性があるので注意してください。
マオウは漢方薬に入ってることが多いです。知らずに摂ってることがあるのでこれも注意を。
MAO阻害薬はパーキンソン病に使うので、パーキンソンの方は注意してください。
シメチジンは胃薬ですね。今はあんまり使われないですが、飲んでる方は注意を。
でもどれもあまり気にしなくて良いかと思います。症状が出るようならカフェインを減量してください。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれているので、農林水産省のサイトにあった表を載せておきます。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれていますが、その含有量は製品やブランド、調理法によって大きく異なります。ここで紹介するのはあくまで一般的な平均値または範囲であり、正確なカフェイン含有量については、各製品のラベルやメーカーの情報を参照してください。
・製品内含量(成人):この製品の1回分には50mg入っています。1日100mg。
医療用では、1回100~300mg、1日2~3回となっています。
厚生労働省のサイトによると、「悪影響のない一日当たりの最大摂取量」の目安というのは個人差が大きく、日本でも国際的においても明確に設定はされていないようです。
例えば、
・カナダでは健康な成人だと1日400mg、妊娠中の方、授乳中の方は1日300mgまで。
・イギリスでは妊娠中、授乳中の方は1日200mgまでとなっています。
厚生労働省のサイトにもカフェインの過剰摂取についての記事があるので興味のある方は目を通してみてください。(厚生労働省のサイト→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)
新コンタック600プラスの主要成分の効果と注意点のまとめ
4つの成分について解説してきましたが、まとめると以下のようになります。
- プソイドエフェドリン塩酸塩
- 鼻の粘膜の血管を収縮させて、鼻づまりを改善します。
- 血圧上昇や頻脈などが現れることがあります。心疾患のある方は注意が必要です。
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 抗コリン作用により眼圧上昇や排尿困難などの副作用があり、特に眠気に注意が必要です。
- ベラドンナ総アルカロイド
- 抗コリン作用により鼻水や涙を抑えます。
- 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大など特定の疾患を持つ方は使用に注意が必要です。
- 無水カフェイン
- 中枢興奮・鎮痛剤として、覚醒作用を持ち、頭痛や眠気防止に効果的です。
- 副作用には不眠や振戦、動悸があり、他のキサンチン系薬剤や中枢神経抑制剤との併用に注意が必要です。
用法・用量と注意点
新コンタック600プラスの用法・用量
・15歳以上:1回2カプセル・1日2回
・7~14歳:1回1カプセル・1日2回
となっています。
「速放性と徐放性の粒が混合された処方で、1日2回の服用で効き目が持続します」とのことです。
食後でなくて大丈夫です。
ちなみに小児用の製品もあるのですが(新コンタック600プラス小児用)、
7~14歳:1回1カプセル・1日2回
となっていて、その内容はこちらの『新コンタック600プラス』を1回1カプセル・1日2回服用するのと全く同じになっています。
なんで製品を分けているのかは分かりませんけど。
注意してほしいこと
いくつか注意点を書いておきます。
・禁忌:前立腺肥大による排尿困難、高血圧、心臓病、甲状腺機能障害、糖尿病のある方は服用しないでください、となっています。
・眠気に注意:クロルフェニラミンで眠気が出やすい方もいるので注意してください。
「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。
ただ、全然眠くならない方もいるので、そういう方は問題ないですね。
・高血圧・心疾患のある方:プソイドエフェドリンによって血圧上昇や頻脈等が出る可能性があります。
一時的に使用する分には問題ないと思いますが、この製品の添付文書では禁忌になっているので注意してください。
・服用期間: この製品の添付文書にも書いてますが、5~6日飲んでみても効果が実感できなければやめた方が良いと思います。
抗ヒスタミンだけなら問題ないのですが、塩酸プソイドエフェドリンはあまり長期で服用するものではありません。鼻づまりがひどい時だけピンポイントで使う方が良いでしょう。
病院で処方してもらった方が安く済む場合も多いので、アレルギー性鼻炎で長期服用が前提なら受診した方が良いかと思います。
妊娠中の方
妊娠中の方については、この製品の添付文書では「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」という書き方になっています。
ということで、禁忌ではないのですが…
個人的には妊娠してる方にはお勧めできません。
プソイドエフェドリンはBriggs基準によるとリスク5となっていて「原則として妊娠中の投与は避けることが望ましい」となっています。
ただ、この成分が入っている医療用医薬品の「ディレグラ」では、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」という記載になっています。
また、「妊娠初期に塩酸プソイドエフェドリンを服薬した母親の940例の出生児に奇形発生の危険率は増加していない」というデータもあります。(参考 : Prescribing medicines in pregnancy 4th edition)
でも「胎盤血管収縮および腹壁破裂のリスクの可能性」があると…。
クロルフェニラミンについては特に問題はなさそうですね。
カフェインは特に問題ありませんが、この製品を使う場合は他にコーヒーなどは飲まない方が良いかもしれませんね。
ということで、プソイドエフェドリンが入っているため妊娠してる方にはお勧めできません。
鼻水・鼻づまりがひどいなら点鼻薬、目のかゆみや涙が出るなら点眼薬、という選択肢もあります。
飲み薬に関しても、妊娠中の方が使っても安心な薬が他にあります。
あえてこれを使う必要はないと考えます。
服用するにしても短期間(数日)の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(と言うか、必ず受診してください)
授乳中の方
あと授乳中の方ですが、
この製品の添付文書では「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」となっています。
ただ、授乳に関しては特に問題ないと考えます。
Mothers’ Milk基準ではこの薬に入ってる成分で一番リスクの高いもので「L3(概ね適合)」となっています。
(無水カフェイン以外の3つがL3)
L3は「児に不都合な影響が出る可能性がある。またはごく軽微で危険性のない有害作用しか示されていない」となっています。
これを読むと少しおっかない感じですが…
「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると心配はいらないかと思います。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
ただ、ベラドンナ総アルカロイドによって乳汁分泌が減る可能性はあります。
この製品を服用中は粉ミルクを使うという手もありますね。
新コンタック600プラスの特徴と利点と個人的な感想
・鼻水や目のかゆみを抑える抗ヒスタミン薬
・鼻づまりを解消する血管収縮剤
・鼻水や涙の分泌を抑える抗コリン薬
・頭重感を軽減したり、薬による眠気を抑えるカフェイン
この4つが入っていることで、アレルギー性鼻炎の症状全般的に効果があるかな、と思います。
市販の鼻炎薬でも第二世代の抗ヒスタミンが主流になってきているのに第一世代をあえて使ってるのは、効果の速さを重視してるからみたいですね。キレが良い。
キレが良いという事は薬の効果が切れるのが早いのですが、この製剤は「速く溶ける顆粒」と「ゆっくり溶ける顆粒」をカプセルに詰めてるので、速めの効果を担保しつつも持続性も両立させています。
抗ヒスタミン単独では鼻づまりには効かないですが、そこはプソイドエフェドリンがフォローしていますね。
第二世代抗ヒスタミン薬単独の薬よりは鼻づまりに効果あるかと思います。
ただ抗コリンが入ってるので、副作用の観点からはちょっと使いにくい気もしますが…
問題になるのは高齢者ですね。いわゆる現役世代ではそれほど問題にはならないですね。
カフェインの量は他の風邪薬などと比べると少し多めですね。
カフェインに敏感で夜眠れなくなる方は違う製品を選んだ方が良いかと思います。
あともう一つ、抗ヒスタミン薬単独の薬と違って、この製品には塩酸プソイドエフェドリンが入っています。
長期での服用はお勧めできません。
抗ヒスタミン薬単独のを基本に使いつつ、鼻づまりの症状がひどい時などにピンポイントで使う方が良いかと思います。
で、これとほぼ同じ内容の薬が他にあります。
『パブロン鼻炎カプセルSα』です。
新コンタック600プラス | パブロン鼻炎カプセルSα | |
抗ヒスタミン薬 | クロルフェニラミン:8mg | カルビノキサミン:12mg |
血管収縮剤 | プソイドエフェドリン:120mg | プソイドエフェドリン:120mg |
抗コリン薬 | ベラドンナ総アルカロイド:0.4mg | ベラドンナ総アルカロイド:0.4mg |
カフェイン | 100mg | 100mg |
抗ヒスタミン薬が違うだけで、他は成分量も含めてすべて同じになっています。
どちらが良いということはありません。抗ヒスタミン薬の効き目は個人差が大きいですね。
ただ、「クロルフェニラミン」は医療用医薬品があるのに対して、「カルビノキサミン」には医療用医薬品が存在しません。
情報量に圧倒的な差があり、個人的には『新コンタック600プラス』の方が安心できます。
使用した方の口コミ・レビュー
「ものログ」というサイトの口コミです。
まず良い評価の方は、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。
「1回2つだと喉がカラカラになるので1回1つ飲んでる」というような人がそこそこいました。
この辺は個人差がありますが、抗コリン薬が入っているので仕方ないですね。
鼻水を止めるのとトレードオフです。
本当は抗ヒスタミン薬だけで鼻水が止まれば良いんですけどね。
あと、眠気やだるさについて書いてる人はあまりいませんでした。
『パブロン鼻炎カプセルSα』の方では眠気について書いてるがそれなりにいたのですが。
クロルフェニラミンとカルビノキサミンでは抗ヒスタミン作用にも違いがあるので、ご自身に合った方を使うと良いと思います。使ってみないと分からないですけど。
値段に関しては、Yahooショッピング(送料含まず)で見ると、
一番多い60カプセルので2,300~2,500円くらい。
1日153~167円くらい。
成分自体はそれほど新しいのは入ってないのですが、値段は特別安いわけではないですね。
第二世代抗ヒスタミン薬の市販薬と同じくらいです。
ちなみに、比較で出してる『パブロン鼻炎カプセルSα』も同じくらいですね。
まとめ
この記事では『新コンタック600プラス』の主要成分、それぞれの効果、用法・用量、そして実際の使用者の声をご紹介しました。
特徴としては、
・効きめが速い第一世代抗ヒスタミン薬を使いつつも、製剤工夫によって1日2回の服用で良い
・血管収縮剤による鼻づまりにも効果が期待できる
といった点でしょうか。
比較として出してる『パブロン鼻炎カプセルSα』と似ていますが、抗ヒスタミン薬が違います。
クロルフェニラミンの方がよく使われていますね。
逆に、他のよくある成分で効果がなかった人は『パブロン鼻炎カプセルSα』の方を試してみるのも良いかもしれません。
注意点としては、血管収縮剤が入っているので長期での使用を想定していません。
あくまで短期間の使用にとどめておいてください。
個人的には、普段は第二世代抗ヒスタミン薬を単独で使用し、鼻づまりがひどい時だけ点鼻薬を頓用で使用する、という方をお勧めします。
(第二世代抗ヒスタミン薬については下の記事にまとめています)
鼻炎の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
詳細な情報やご購入を検討される方は、公式ホームページを参照してください。
皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。
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