『新コンタック600®プラス』(製造終了)の特徴・効果・注意点【薬剤師が解説】

『新コンタック600プラス』はすでに製造終了となっています。
残ってる在庫分がまだ販売されているので、この記事はしばらく残しておきます。
代わりの薬を探してる方もいるかと思うので、代替薬になりそうなものについても書いておきました。

📌 製造終了の時期について:『新コンタック600プラス』は2024年10月時点では公式サイトに掲載されていましたが、2025年3月のリライト時点では削除されており新たに『新コンタック600プラスs』が掲載されていました。
ということで、2024年10月〜2025年3月の間に製造終了となったようです。曖昧ですみません。

この製品の特徴は、1日2回の服用で良い、という事くらいでしょうか。

成分としては

  • 抗ヒスタミン薬
  • 抗コリン薬
  • 血管収縮剤
  • カフェイン

の4つが入っていますが、他の製品でもよく使われているものばかりですね。
変わったものが入ってないので使いやすいかなと思います。

で、残念ながら製造終了となり、現在は残っている在庫分が販売されているだけですね。

新製品は『新コンタック600プラスs』ですが、これは『新コンタック600プラス』の純粋なアップグレードではありません。
一応記事は書いたので、気になる方は読んでみてください。

『新コンタック600プラス』の代替薬を探している方は、『パブロン鼻炎カプセルSα』を試してみると良いかと思います。

アレルギー性鼻炎で長期使用が前提の場合は、なるべく「第二世代抗ヒスタミン薬だけの製品」にした方が良いかと思います。
※第二世代抗ヒスタミン薬については下の記事にまとめてあります。

他の鼻炎薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
鼻炎薬の一覧表

基本情報

製造販売元:GSK(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)

・成分

成分名1日量(15歳以上の)はたらき
プソイドエフェドリン塩酸塩120mg鼻づまりを和らげる
クロルフェニラミンマレイン酸塩8mg鼻水、くしゃみ、痒みを抑える
ベラドンナ総アルカロイド0.4mg鼻水や涙を抑える
無水カフェイン100mg頭痛・頭重感を和らげる
スクロールできます
成分名1日量
(15歳以上の)
はたらき
プソイドエフェドリン
塩酸塩
120mg鼻づまりを和らげる
クロルフェニラミン
マレイン酸塩
8mg鼻水、くしゃみ、痒みを抑える
ベラドンナ
総アルカロイド
0.4mg鼻水や涙を抑える
無水カフェイン100mg頭痛・頭重感を和らげる

・包装

20カプセル、40カプセル、60カプセル
(PTP包装)

各成分の効果・注意点

『新コンタック600プラス』の主要成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。

各成分名をタップ・クリックするとそれぞれの成分の簡単な解説記事にいきます。

  1. プソイドエフェドリン塩酸塩
    • 鼻の粘膜の血管を収縮させることで充血をとり、鼻づまりを改善します。
    • 血圧上昇や頻脈などが現れることがあります。心疾患のある方は注意が必要です。
    • 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などの疾患を持つ方も注意してください。
    • 濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
  2. クロルフェニラミンマレイン酸塩
    • 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
    • 特に眠気には注意してください。
    • 抗コリン作用により、眼圧上昇や排尿困難などの副作用が出る可能性があります。
  3. ベラドンナ総アルカロイド
    • 抗コリン作用により鼻水や涙を抑えます。
    • 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などの疾患を持つ方は注意を。
    • 口の渇きや便秘が起こりやすいです。
  4. 無水カフェイン
    • 血管拡張性の頭痛や片頭痛の症状をやわらげます。
    • 覚醒作用があるので眠気防止にも。
    • 副作用として、不眠や振戦(手の震え)、動悸、めまいなどがあります。

他の成分の薬を探してる方はこちらから。
成分の一覧表

使い方(用法・用量)

年齢1回の服用量1日の服用回数
15歳以上2カプセル2回(朝・夕)
7~14歳1カプセル2回(朝・夕)

「速放性と徐放性の粒が混合された処方で、1日2回の服用で効き目が持続します」とのことです。
食後でなくて大丈夫です。

ちなみに小児用の製品『新コンタック600プラス小児用』もあるのですが(現在は製造中止のようです)、
7~14歳:1回1カプセル・1日2回
となっていて、その内容は『新コンタック600プラス』を1回1カプセル・1日2回服用するのと全く同じになっています。
なんで製品を分けているのかは分かりませんけど。

製品全体としての注意点

注意してほしいこと

いくつか注意点を書いておきます。

  • 高血圧・心臓病・甲状腺機能障害・糖尿病・前立腺肥大による排尿障害のある方は禁忌となっています。
    • プソイドエフェドリンによってこれらの症状が悪化する可能性があります。
    • 一時的に使用する分にはそれほど問題ないと思いますが、この製品の添付文書では禁忌になっているので注意してください。
  • 眠気に注意:眠気が出る可能性があるので注意してください。
    • 服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。ただ、全然眠くならない方もいるのでそういう方は問題ないですね。
  • モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬を服用中の方:プソイドエフェドリンの作用が強く出て、血圧上昇などが起こる場合があります。
    • MAO阻害薬はパーキンソン病の治療に使われる薬です(「セレギリン」「エフピー」「アジレクト」など)。
    • 併用禁忌ではありませんが、血圧上昇や頻脈などあるなら減量・中止してください。
  • 抗コリン作用:口の渇きや目のかすみ、眼圧上昇、排尿困難、便秘などの症状が出る可能性があります。
    • 気になる方は抗コリン薬の入っていない製品を選ぶと良いでしょう。
      (抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミドなど)
  • 服用期間:「長期連用しないでください」となっています。
    • この製品の添付文書にも書いてますが、5~6日飲んでみても効果が実感できなければやめた方が良いと思います。 
    • 抗ヒスタミン薬だけなら問題ないのですが、プソイドエフェドリンは長期で服用するものではありません。鼻づまりがひどい時だけピンポイントで使う方が良いでしょう。
    • 病院で処方してもらった方が安く済む場合も多いので、アレルギー性鼻炎で長期服用が前提なら受診した方が良いかと思います。

合ってないなと感じたらやめた方が良いと思います。他にも選択肢はあります。

妊娠・授乳中の使用について

大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。

クリック・タップで開きます。

妊娠中の方

この製品の説明書では
服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
という書き方になっています。

プソイドエフェドリンBriggs基準:リスク5「原則として妊娠中の投与は避けることが望ましい」となっています。

ただ、この成分が入っている医療用医薬品の「ディレグラ」では、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」という記載になっています。
また、「妊娠初期に塩酸プソイドエフェドリンを服薬した母親の940例の出生児に奇形発生の危険率は増加していない」というデータもあります。(参考 :Prescribing medicines in pregnancy 4th edition)

ただ、「胎盤血管収縮および腹壁破裂のリスクの可能性」があるとの記載があるものもあります。(MSDマニュアル)

ベラドンナ総アルカロイドによって胎児が頻脈を起こす可能性もありますが、これは量が少なめなのであまり心配は要らないかと思います。

鼻水・鼻づまりがひどいなら点鼻薬目のかゆみや涙が出るなら点眼薬、という選択肢もあります。

服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
原則として、妊娠している方は市販薬を使わず、受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)

授乳中の方

この製品の説明書では
服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
という書き方になっています。

ただ、それほど問題はないと考えます。

Mothers’ Milk基準では、この製品中の成分で一番リスクの高いもので、

  • プソイドエフェドリン
  • クロルフェニラミン
  • ベラドンナ総アルカロイド

の3つが「L3(概ね適合)」となっています。

「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。

心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。8時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。

また、ベラドンナ総アルカロイドは乳汁の分泌を抑えてしまう可能性があります。
入ってる量が少ないので問題ないかとは思いますが。

心配な方は、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。

妊娠・授乳中の薬物治療に関して不安を持つ方も多いかと思います。
そういう方の相談に乗ってくれる機関があるのでそこのサイトのリンクを貼っておきます。
妊娠と薬情報センター:https://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html

製品の特徴や利点、個人的な感想

製品の内容自体はそれほど変わったところはありません。

  • 抗ヒスタミン薬:アレルギー症状を抑える
  • 抗コリン薬:鼻水や涙の分泌を抑える
  • 血管収縮剤:鼻づまりを解消する

の3つが入っていますが、これらは他の製品でも入っています。
(カフェインは補助的なものと思ってください)

抗ヒスタミン薬は、市販薬ではメジャーなクロルフェニラミンです。
第一世代の抗ヒスタミン薬ですが、医療用のは今でもよく使われてますね。
(医療用でよく使われるのは「d-クロルフェニラミン」の方ですけど)

抗コリン薬も血管収縮剤も、市販薬では特に珍しくない成分ですね。

変わったものが入っていないので使いやすくはあるでしょうか。

この製品は「1日2回の服用でいい」持続性の製品ですね。
「速く溶ける顆粒」と「ゆっくり溶ける顆粒」をカプセルに詰めているので、速めの効果を担保しつつも持続性も両立させています。

で、風邪薬でもそうなのですが、1日2回にすることで1日量が少なくなってしまいます。
1回に使える成分量の上限があるからですね。

成分名この製品の1日量鼻炎薬の最大1日量
プソイドエフェドリン120mg180mg
クロルフェニラミン8mg12mg
ベラドンナ総アルカロイド0.4mg0.6mg
無水カフェイン100mg300mg
成分名この製品
の1日量
鼻炎薬の
最大1日量
プソイドエフェドリン120mg180mg
クロルフェニラミン8mg12mg
ベラドンナ
総アルカロイド
0.4mg0.6mg
無水カフェイン100mg300mg

こんな感じです。
カフェイン以外の成分が、最大量の2/3となっています。

これが「1日2回製品」のデメリットですね。
1回量の上限が決まっている以上、1日量はどうしても少なくなってしまいます。

症状が軽く、昼に飲むのを忘れる、という人には良いかと思います。

あともう一つ、抗ヒスタミン薬単独の薬と違い、この製品には血管収縮剤が入っています。
長期での服用はお勧めできません

抗ヒスタミン薬単独のを基本に使いつつ、鼻づまりの症状がある時にピンポイントで使う方が良いかと思います。

長期での使用が前提なのであれば抗ヒスタミン薬はなるべく第二世代が良いかと思います。副作用が少なめです。

代替薬として使えそうなもの

『新コンタック600プラス』はすでに製造終了となっています。

後継の製品は『新コンタック600プラスs』ですが、

  • 服用回数が1日3回
  • 15歳未満は使えない
  • 成分構成・成分量が違う

などの違いがあり、代替薬としてはちょっと…という感じ。

『新コンタック600プラス』の代わりとしては『パブロン鼻炎カプセルSα』が候補に挙がると思います。

新コンタック600プラスパブロン鼻炎カプセルSα
抗ヒスタミン薬クロルフェニラミン:8mgカルビノキサミン:12mg
血管収縮剤プソイドエフェドリン:120mgプソイドエフェドリン:120mg
抗コリン薬ベラドンナ総アルカロイド:0.4mgベラドンナ総アルカロイド:0.4mg
カフェイン100mg100mg
「〇〇mg」は成人の1日量です。
スクロールできます
新コンタック600プラスパブロン鼻炎カプセルSα
抗ヒスタミン薬クロルフェニラミン:8mgカルビノキサミン:12mg
血管収縮剤プソイドエフェドリン:120mgプソイドエフェドリン:120mg
抗コリン薬ベラドンナ総アルカロイド:0.4mgベラドンナ総アルカロイド:0.4mg
カフェイン100mg100mg
「〇〇mg」は成人の1日量です。

抗ヒスタミン薬が違うだけで、他は成分量も含めてすべて同じになっています。
使い方も同じ1日2回です。

もし今まで『新コンタック600プラス』を使っていて代わりになる製品を探している人は『パブロン鼻炎カプセルSα』を試してみると良いかもしれません。

『パブロン鼻炎カプセルSα』は一応「15歳以上」となっています。
小児用は別製品として『パブロン鼻炎カプセルSα小児用』があります。

ただ、『パブロン鼻炎カプセルSα』も「7歳~14歳:1回1カプセル・1日2回」という使い方で、小児用と全く同じになるんですよね。興味のある方は記事を読んでみてください。

使用した方の口コミ・レビュー、値段など

「ものログ」というサイトの口コミです。

良い評価としては、

「すぐ効果があり両鼻が通った」
「飲んだ後はくしゃみも鼻水も嘘のように止まる」
「服用後は速効で喉の違和感がなくなった」

といった具合。

否定的な意見としては、

「カプセルは飲みにくくて飲み込むまでに10秒ぐらいかかる」
「喉や鼻がカラカラになります」
「高すぎ」

といった感じ。

「1回2つだと喉がカラカラになるので1回1つ飲んでる」というような人がそこそこいました。

この辺は個人差がありますが、抗コリン薬が入っているので仕方ないですね。
鼻水を止めるのとトレードオフです。
本当は抗ヒスタミン薬だけで鼻水が止まれば良いんですけどね。

あと、眠気やだるさについて書いてる人はあまりいませんでした。
『パブロン鼻炎カプセルSα』の方では眠気について書いてるがそれなりにいたのですが。

クロルフェニラミンとカルビノキサミンでは抗ヒスタミン作用にも違いがあるので、ご自身に合った方を使うと良いと思います。使ってみないと分からないですけど。

値段について

2025年3月現在、すでに製造終了となっています。

YahooショッピングやAmazonではもう販売されてないですね。

楽天にちょっとだけあったのですが、送料抜きで

  • 40カプセル:2,049円
  • 60カプセル:2,508円

でした。

60カプセルだと1日あたり170円弱ですね。

ちなみに、『新コンタック600プラス小児用』もまだ少し販売されていますね。
成人用のが見当たらない場合、小児用のを1回2カプセル・1日2回飲めば成人用と同じになります。
そこまでしてこれにする必要もないでしょうけど。

まとめ

この記事では『新コンタック600プラス』について、各成分の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。

特徴としては、1日2回の服用で良い、という事くらいでしょうか。

「1日2回の製品」は楽なのですが1日量が少なくなりがちです。効果が弱いと感じる方は「1日3回の製品」を試してみると良いでしょう。

現在は製造終了になっていて新しい製品は『新コンタック600プラスs』ですが、今まで『新コンタック600プラス』を気に入って使っていた方には『新コンタック600プラスs』は代替薬とはならないでしょうね。

抗ヒスタミン薬は違いますが、代替薬としては『パブロン鼻炎カプセルSα』が候補に挙がると思います。

アレルギー性鼻炎の場合は長期使用が前提になるかと思いますが、長期使用の場合はなるべく「第二世代抗ヒスタミン薬だけの製品」にした方が良いかと思います。
「第二世代が効かない」「鼻づまりがひどい」という時だけ「第一世代を使ってみる」「血管収縮剤を使う」という事をしてみてください。

※第二世代抗ヒスタミン薬については下の記事にまとめてあります。

他の鼻炎薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
鼻炎薬の一覧表

鼻炎の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。

ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。

効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします

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