
この製品の特徴は、
- 血管収縮剤と抗コリン薬が珍しい成分
- 抗ヒスタミン薬が市販薬としては最大用量
といったところでしょうか。
血管収縮剤(鼻づまりの薬)としてフェニレフリンが入ってますが、これは飲み薬では「鼻づまりを解消しない」とされています。鼻づまり解消が目的の人は他の成分(プソイドエフェドリン)が入った薬か、点鼻薬を使った方が良いでしょう。
抗ヒスタミン薬のクロルフェニラミンは1日12mg(1日2回の場合)で市販薬の最大用量です。
抗コリン薬も入っているので「鼻水を抑える」事が目的であれば良いかもしれません。安いし。
また、くしゃみや痒みにも効果はあると思います。
他の薬では効果がなかった、という方には選択肢の一つにはなると思いますが、そうでない方にはお勧めしません。

基本情報
・製造販売元:佐藤製薬
・主な成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 12mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
フェニレフリン塩酸塩 | 12mg | 鼻づまりを和らげる? |
ダツラエキス | 24mg | 鼻水や涙を抑える |
成分名 | 1日量 (15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
クロルフェニラミン マレイン酸塩 | 12mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
フェニレフリン 塩酸塩 | 12mg | 鼻づまりを和らげる? |
ダツラエキス | 24mg | 鼻水や涙を抑える |
※上記の量は「1日2回」の場合の量です。この薬の用法は「1日1~2回」です。
・包装
12錠、18錠、24錠
(PTP包装)
各成分の効果・注意点
『ストナリニS』の主要成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 特に眠気には注意してください。
- 抗コリン作用により、眼圧上昇や排尿困難などの副作用が出る可能性があります。
- フェニレフリン塩酸塩
- 「鼻の粘膜の血管を収縮させて、鼻づまりを改善します」とのことですが、「経口投与されたフェニレフリンは鼻づまりを解消しない」との結論が出ています(FDAより)。
- 血圧上昇や頻脈などが現れることがあります。心疾患のある方は注意が必要です。
- ダツラエキス
- 抗コリン作用により鼻水や涙を抑えます。
- 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などの疾患を持つ方は注意を。
- 口の渇きや便秘が起こりやすいです。
使い方(用法・用量)
年齢 | 1回の服用量 | 1日の服用回数 |
---|---|---|
15歳以上 | 1錠 | 1~2回 |
食後である必要はないですね。
15歳未満は服用しないでくださいとのことです。
これは多分、フェニレフリンが成人の適応しかないからだと思われます(現場の判断で使う事はあります)。
またはクロルフェニラミンの量が多いからでしょうか。1錠に6mg入ってますね。
製品全体としての注意点
いくつか注意点を書いておきます。
- 眠気に注意:眠気が出る可能性があるので注意してください。
- 「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。ただ、全然眠くならない方もいるのでそういう方は問題ないですね。
- 抗コリン作用:口の渇きや目のかすみ、眼圧上昇、排尿困難、便秘などの症状が出る可能性があります。
- 気になる方は抗コリン薬の入っていない製品を選ぶと良いでしょう。
(抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、ダツラエキスなど)
- 気になる方は抗コリン薬の入っていない製品を選ぶと良いでしょう。
- 高血圧・心疾患のある方:フェニレフリンによって血圧上昇や頻脈等が出る可能性があります。
- 内服の場合は副作用もほぼないと思いますが、一応注意してください。
- 服用期間:「長期連用しないでください」となっています。
- この製品の添付文書にも書いてますが、5~6日飲んでみても効果が実感できなければやめた方が良いと思います。
- 抗ヒスタミン薬だけなら問題ないのですが、血管収縮剤は長期で服用するものではありません。鼻づまりがひどい時だけピンポイントで使う方が良いでしょう。
- 病院で処方してもらった方が安く済む場合も多いので、アレルギー性鼻炎で長期服用が前提なら受診した方が良いかと思います。
妊娠・授乳中の使用について
大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。
クリック・タップで開きます。
妊娠中の方
この製品の説明書では
「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」
という書き方になっています。
フェニレフリンは、Briggs基準:リスク5「原則として妊娠中の投与は避けることが望ましい」となっています。
医療用のフェニレフリン、「ネオシネジンコーワ注」の添付文書では、
「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で、胎児毒性(低酸素血症)が報告されている。」
との記載があります。
豪州ADEC基準ではB2となっていて、「ヒト胎児への有害作用の発生頻度の増加は観察されていない」とのことです。
動物実験では毒性あり、ヒト胎児では今のところ有害事象なし、というところです。
ただ、これは注射剤での話です。内服の場合は吸収後にすぐに代謝を受けて他の物質に変化します。
代謝後の物質がどうなのか?というデータはありません。
クロルフェニラミンについては特に問題はありません。
ダツラエキスは豪州ADEC基準ではB2。特に問題なさそうです。
鼻水・鼻づまりがひどいなら点鼻薬、目のかゆみや涙が出るなら点眼薬、という選択肢もあります。
服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
原則として、妊娠している方は市販薬を使わず、受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)
授乳中の方
この製品の説明書には、授乳に関しては特に何も記載がありません。
Mothers’ Milk基準では、この製品中の成分で一番リスクの高いもので、
- クロルフェニラミン
- フェニレフリン
の2つが「L3(概ね適合)」となっています。
ダツラエキスに関しては情報がないのですが、他の抗コリン薬は基本的にL3となっているので、これも同じだと思われます。
「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
6~8時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
また、ダツラエキスは乳汁の分泌を抑えてしまう可能性があります。
入ってる量が少ないので問題ないかとは思いますが。
心配な方は、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。
製品の特徴や利点、個人的な感想
特徴としては、成分が特徴的ですね。
クロルフェニラミンはいろいろな風邪薬や鼻炎薬にも入っているのですが、フェニレフリンとダツラエキスは珍しいです。
特にダツラエキスは市販薬ではこの製品だけじゃないかなと思います(違ったらすみません)。
ただ、それが良いか悪いかは別の話ですね。
フェニレフリンは効果が短すぎて「実際にフェニレフリンの鼻粘膜収縮作用を証明した報告はほとんどない」という事です。
また、2023年にFDA(アメリカ食品医薬品局)により「経口投与されたフェニレフリンは鼻づまりを解消しない」との結論が出ています。
医療用の場合、内服の血管収縮剤で鼻に使うのはプソイドエフェドリンだけです。
鼻づまり解消目的で飲み薬を買う場合はプソイドエフェドリンが入っているものにした方が良いでしょうね。
一応記事を載せておきます。

作用・使用上の注意・製品一覧 「プソイドエフェドリン」についての簡単な解説です。 プソイドエフェドリンを含む市販薬の製品一覧 解説記事を書いたことのある製品を載せています。 ※ここでご紹介し…
ダツラエキスに関しては医療用が存在しなく、市販薬ではこの製品のみという事で情報が全然ありません。
薬として使うには「情報がない」というのは致命的です。有効性も安全性もよく分かりません。
他の特徴としては、クロルフェニラミンが市販では最大用量である12mg/日(1日2回の場合)入っている事でしょうか。
抗コリン薬も入ってますし、純粋に「鼻水を止める」という事が目的であれば良いかもしれません。
珍しい成分を使っている事が良いとは言えませんが、他の薬で効果が感じられなかった方は選択肢の一つにはなるかと思います。
ただ、個人的にはそれ以外の方にはあまりお勧めしたくはありません。
また、血管収縮剤は長期間使用するものではありません。
アレルギー性鼻炎の方は、抗ヒスタミン薬単独のを基本に使いつつ、鼻づまりの症状がひどい時などにピンポイントで使う方が良いかと思います。
使用した方の口コミ・レビュー、値段など
「ものログ」というサイトの口コミです。
良い評価としては、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。
効き目に関しては肯定的な意見が圧倒的に多かったです。
効かない、という方はほぼいませんでした。
具体的には「鼻水が止まる」という意見が多いですね。
鼻づまりについて言及している方はいませんでした。効果はどうなのかな?
副作用に関しては人それぞれとしか言えません。
眠気も口渇も全然ないという人もいれば、眠くなるし口も渇くという人もいます。
口の渇きについて言及してる人はそれなりにいましたね。
第一世代抗ヒスタミン薬+抗コリン薬なので、口渇は出やすいかと思います。
眠気についても仕方ないかなと。
この製品の抗ヒスタミン薬はクロルフェニラミンですが、これは眠気の強い第一世代、しかもdl体です。
入っている量も他の風邪薬などと比べると多めです。
眠気が強く出る方は、1日1回・夜に服用するのが良いかもしれませんね。
朝はフェキソフェナジンなどの第二世代抗ヒスタミン薬を服用する方が良いかと思います。
2種類の抗ヒスタミン薬を使ってはいけない、という事はありません。
「粒が大きめで飲みづらい」と言ってる方は1人だけでした。他に否定的な意見がなかったので載せてみました。
「糖衣錠で飲みやすい」と言ってる方もいたので、人によりますね。
値段について
メーカーの希望小売価格(税込)を見ると、
12錠 | 1,210円 |
18錠 | 1,694円 |
24錠 | 2,068円 |
ということでした。
Yahooショッピング(送料含まず)で見てみると、
包装 | 値段 | 1日分に換算 |
12錠 | 550~1,300円 | 92~217円 |
18錠 | 750~1,450円 | 83~161円 |
24錠 | 900~2,200円 | 75~183円 |
※1日分のは、1日2錠で計算
※2025年3月時点です。
こんな感じでした。Amazonとか楽天だとまた違うと思いますけど。
「鼻炎用内服薬」としてはとても安いですね。
鼻水を抑える、という事だけが目的であればこれで良いかもしれません。
と言っても、第二世代のフェキソフェナジンであればもっと安いものがあります(1日あたり20円ちょっと)。
効果は弱めではありますが、まずはこちらから試してみるのが良いかな、と思います。

この記事を読んで、それでも「買おうかな?」と興味を持たれた方へ
まとめ
この記事では『ストナリニS』について、各成分の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。
特徴としては、
・血管収縮剤と抗コリン薬が、他の市販薬ではあまり使われない成分
・抗ヒスタミン薬の量が多め(市販薬の最大用量)
といった点でしょうか。
一つ目の特徴はメリットでもありデメリットでもあります。
メリットは「他の成分で効果が感じられなかった場合、この製品を試す価値がある」ということ。
デメリットは「データ(情報)が少なく、有効性や安全性が不確か」ということ。
結局のところ、自分に合っているかどうかが一番大切かと思います。
ご自身に合っているのであれば、この記事に書いている私個人の評価は無視してください。
ただ、内服のフェニレフリンに関しては鼻づまりに対しての効果が否定されています。そういう成分が入った薬をいまだに製造・販売しているのは製薬会社としてどうかと思いますけどね。
アレルギー性鼻炎の場合は長期使用が前提になるかと思いますが、長期使用の場合はなるべく「第二世代抗ヒスタミン薬だけの製品」にした方が良いかと思います。
「第二世代が効かない」「鼻づまりがひどい」という時だけ「第一世代を使ってみる」「血管収縮剤を使う」という事をしてみてください。
※第二世代抗ヒスタミン薬については下の記事にまとめてあります。

鼻炎の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
上の方でも紹介しましたが、再度リンクを貼っておきます
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