「ショウキョウ(生姜)」の解説 
作用・使用上の注意・製品一覧

「ショウキョウ(生姜)」についての簡単な解説です。
が、生薬は苦手なのでほとんどが調べたものになります。

目次

ショウキョウ(生姜)を含む市販薬の製品一覧

解説記事を書いたことのある製品を載せています。

※ここでご紹介している製品がすべてではありません。
あと、すでに製造中止になっている製品もあるかもしれません。
そのへんはご了承くださいますようお願い申し上げます。

風邪薬(総合感冒薬)

クリック・タップで開きます。

製品名をクリック・タップすると、その製品の解説記事にいきます。

製品名1日あたりの成分量
エスタック総合感冒150mg
ルルアタックFxa200mg

市販の風邪薬では1日最大で
粉末:1g(1,000mg)
エキス:原生薬換算で3g(3,000mg)
となっています。
(「かぜ薬の製造販売承認基準について」より)

なんで粉末とエキスで違うのかは…分かりません。

総合感冒薬(かぜ薬)の一覧表もあるので見てみてください。
製品ごとの主要成分も載せています。

鼻炎薬(飲み薬)

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製品名をクリック・タップすると、その製品の解説記事にいきます。

製品名1日あたりの成分量
アネトン アルメディ鼻炎錠100mg

市販の鼻炎薬では1日最大で
粉末:1g(1,000mg)
エキス:原生薬換算で3g(3,000mg)
となっています。
(「鼻炎用内服薬の製造販売承認基準について」より)

風邪薬と同じですね。

分類・作用

分類など

漢方に含まれる生薬です。

「ショウガ」ですね。生薬の生姜を指す時は「ショウキョウ」と言います。なんでかは知りません。

日本薬局方では、
・単に乾燥させたものを「生姜(ショウキョウ)」
・蒸して乾燥させたものを「乾姜(カンキョウ)」
と区別しています。

「良姜(リョウキョウ)」という似た生薬もありますが、こちらはショウガではなくミョウガだそうです。
効果も似てるそう。

作用

生姜に含まれる成分は、主にジンゲロールやショウガオールとなります。
生姜を加熱(乾燥)するとジンゲロールがショウガオールになるとか。

作用としては、

  • 抗炎症作用
    炎症を抑える働きがあります。ジンゲロールよりもショウガオールの方が強いそう。
  • 抗酸化作用
    活性酸素を除去し細胞を保護する働きがあるそう。
  • 消化促進作用
    胃腸の働きを活発にして、食欲不振や胃もたれを改善する。
  • 血行促進作用
    血液循環を良くして体を温め、発汗を促して代謝を高める効果があります。
  • 抗がん作用の可能性
    一部の研究ではがん細胞の増殖を抑える可能性があるとされています。
  • 吐き気の緩和
    妊娠中のつわりや乗り物酔いの緩和に効果があると言われています。

などがあるとされていますが、調べてみると他にもいろいろ報告されているようですね。

風邪の時には「生姜湯」を飲む方も多いのではないでしょうか?体が温まりますよね~。

あと香りが強いので、一般的には香辛料というか薬味として使われる事が多いでしょうか。

効果や使用方法

効果

風邪薬には、発汗を促して熱を下げる目的で配合されていますね。

鼻炎薬に生姜を入れてる製品もありますが、こちらは「胃腸機能を高め、自然治癒を促進し、鼻炎症状の改善を助けます」と書いてました。
こっちは…どうかな?要るのかな?

医療用の使用例

かなり多くの漢方に含まれています。きつねが調べたところ、全部で73種類(生ショウキョウ、乾姜合わせて)。

一応リストを載せてますが、長いので折り畳みにしておきます。

クリック・タップで開きます。

五十音順です。

生ショウキョウには※生、乾姜には※乾、と名前の後ろに付けてます。

  • 胃苓湯(イレイトウ)
  • 温経湯(ウンケイトウ)
  • 越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)
  • 黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)
  • 黄連湯(オウレントウ)※乾
  • 葛根湯(カッコントウ)
  • 葛根加朮附湯(カッコンカジュツブトウ)
  • 葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)
  • 加味帰脾湯(カミキヒトウ)
  • 加味逍遙散(カミショウヨウサン)
  • 帰脾湯(キヒトウ)
  • 芎帰調血飲(キュウキチョウケツイン)
  • 九味檳榔湯(クミビンロウトウ)
  • 桂枝加黄耆湯(ケイシカオウギトウ)※生
  • 桂枝加葛根湯(ケイシカカッコントウ)※生
  • 桂枝加厚朴杏仁湯(ケイシカコウボクキョウニントウ)※生
  • 桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ)
  • 桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)
  • 桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)
  • 桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)
  • 桂枝加苓朮附湯(ケイシカリョウジュツブトウ)
  • 桂枝湯(ケイシトウ)
  • 桂枝人参湯(ケイシニンジントウ)※乾
  • 桂芍知母湯(ケイシャクチモトウ)
  • 桂麻各半湯(ケイマカクハントウ)※生
  • 香蘇散(コウソサン)
  • 五積散(ゴシャクサン)
  • 呉茱萸湯(ゴシュユトウ)
  • 柴陥湯(サイカントウ)
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
  • 柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)※乾
  • 柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)
  • 柴朴湯(サイボクトウ)
  • 柴苓湯(サイレイトウ)
  • 四君子湯(シクンシトウ)
  • 炙甘草湯(シャカンゾウトウ)
  • 十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
  • 小建中湯(ショウケンチュウトウ)
  • 小柴胡湯(ショウサイコトウ)
  • 小柴胡湯加桔梗石膏(ショウサイコトウカキキョウセッコウ)
  • 小青竜湯(ショウセイリュウトウ)※乾
  • 小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)
  • 升麻葛根湯(ショウマカッコントウ)
  • 参蘇飲(ジンソイン)
  • 真武湯(シンブトウ)
  • 清肺湯(セイハイトウ)
  • 疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)
  • 大建中湯(ダイケンチュウトウ)※乾
  • 大柴胡湯(ダイサイコトウ)
  • 大柴胡湯去大黄(ダイサイコトウキョダイオウ)
  • 大防風湯(ダイボウフウトウ)※乾
  • 竹筎温胆湯(チクジョウンタントウ)
  • 釣藤散(チョウトウサン)
  • 当帰建中湯(トウキケンチュウトウ)
  • 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)
  • 当帰湯(トウキトウ)※乾
  • 二朮湯(ニジュツトウ)
  • 二陳湯(ニチントウ)
  • 人参湯(ニンジントウ)※乾
  • 排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)
  • 半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
  • 半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)※乾
  • 半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)
  • 茯苓飲(ブクリョウイン)
  • 茯苓飲合半夏厚朴湯(ブクリョウインゴウハンゲコウボクトウ)
  • 附子理中湯(ブシリチュウトウ)※乾
  • 平胃散(ヘイイサン)
  • 防己黄耆湯(ボウイオウギトウ)
  • 防風通聖散(ボウフウツウショウサン)
  • 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
  • 六君子湯(リックンシトウ)
  • 苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)※乾
  • 苓姜朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ)※乾

※『今日の治療薬』を参考にしています。

数では甘草に及びませんが、この生姜も漢方には欠かせない存在ですね。

胃腸系には大体入ってる感じです。
また、大棗(タイソウ)という生薬と合わせる事で他の生薬の副作用を軽減するという働きがあるようで、この二つがセットで配合されている漢方も多いです。

生姜は甘草と違い、重複しても特別問題はないと思います。
もちろん飲みすぎは良くないですけど。

用法・用量

市販薬に関しては今のところ記事数が少なくあまり参考にならないですが、
1日100~200mgでしょうか。

市販薬の最大量は、粉末は1g、エキスの原生薬換算で1日3gとなっています。

医療用においては基本的に漢方として使いますが、生姜の量は様々ですね。
大体の漢方は1日1gとなっています。

たぶん一番多いのは大建中湯で、乾姜として1日5g入っています(ツムラ大建中湯15g中)。
これは開腹手術後の腸閉塞の予防としては欠かせない漢方ですね。

使用上の注意点

市販薬に入っている量で問題になることはありません。

ただ、生姜は体を温める効果がある一方で、摂取量が多すぎると逆に刺激が強くなりすぎたり、胃腸が弱い人には負担になる場合があります。

Wikipediaには、「胃腸に熱がある人への服用は使用禁忌とされている」と書かれていますね。

(補足:胃熱について)

クリック・タップで開きます。

胃腸に熱がある」というのは東洋医学の概念でちょっと難しいのですが、「胃熱(いねつ)」や「脾胃熱(ひいねつ)」と呼ばれる状態を指し、胃腸に「余分な熱」が溜まったと考えられます。

この熱が原因で消化器系が正常に働かなくなるとされます。

主な症状としては

  • 消化器系の不快感
    ・胸焼けや胃もたれ、口の中が苦い感じ
    ・酸っぱいげっぷや胃酸の逆流(逆流性食道炎のような状態)
  • のどの渇き
    ・冷たい飲み物を欲する(熱を冷ますため)
    ・口の中が乾く
  • 体内の熱感
    ・体が火照るような感覚(特に上半身)
    ・顔が赤らむ

といったものがあるようです。

ただ、こういった状態に使う漢方にも生姜は入っています。
むしろ、胃腸の症状がある場合に使う事が多いですね。

東洋医学では生姜の作用を「冷えを取り除く」だけではなく「消化器の調和」に使うことがあります。そのため、胃熱の状態でもバランスを取るように少量だけ加えることがあるようです。

また、漢方薬に含まれる生姜は食材として使う量に比べて少量です。
食材としてのショウガの摂取量の上限は1日10g(乾燥したものとして5g)までと推奨されていますね。
漢方に含まれるのは1日1g程度のものが多いです。

熱を助長するリスクが少なく、むしろ効果的に働く場合が多いようですね。

相互作用

生姜には血液をサラサラにする作用があるため、抗凝固薬の効果を高めてしまう可能性があります。
出血しやすくなる可能性があるので一応注意してください。

それ以外は特に気にする必要はありません。

他の成分についてはこちらから。
成分の一覧表

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