『ストナ®ジェルサイナスEX』の特徴・効果・注意点【薬剤師が解説】

この製品は「鼻症状特化型」とのことです。

特徴としては、
・かぜ薬としては抗コリン薬が多い
・抗ヒスタミン薬も抗コリン作用が強めのもの
といったところでしょうか。

抗コリン作用は、その作用の一部として鼻水や涙、唾液、汗、胃酸などの「分泌を抑える」という効果があります。

多少副作用が出ようとも鼻水を止めてみせる、という感じですね。
鼻水がダラダラ出てきて困るという人には良いかと思います。

また、咳止めが3種類と去痰薬が入っているので、咳にも効果が期待できますね。

症状が鼻水だけであれば鼻炎薬という選択肢もあります。

鼻炎薬についてはこちらに一覧を作ってあります。まだ数は少ないですが。
鼻炎薬の一覧表

今の自分の症状には鼻炎薬で良いのか、他の症状もあるので総合感冒薬の方が良いのか、記事を読んで判断していただけたらと思います。

他の風邪薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
風邪薬(総合感冒薬)一覧

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基本情報

製造販売元:佐藤製薬

・主な成分

成分名1日量(15歳以上の)はたらき
ベラドンナ総アルカロイド0.6mg鼻水を抑える
ジフェニルピラリン塩酸塩4mg鼻水、くしゃみを抑える
アセトアミノフェン900mg熱をさげ、痛みを和らげる
dl-メチルエフェドリン塩酸塩60mg気管支をひろげ、咳を鎮める
ジヒドロコデインリン酸塩24mg咳を抑える
ノスカピン48mg咳を抑える
アンブロキソール塩酸塩45mg痰を出しやすくする
無水カフェイン75mg頭痛・頭重感を和らげる
リボフラビン(ビタミンB₂)12mgビタミン補給
スクロールできます
成分名1日量
(15歳以上の)
はたらき
ベラドンナ
総アルカロイド
0.6mg鼻水を抑える
ジフェニルピラリン
塩酸塩
4mg鼻水、くしゃみを抑える
アセトアミノフェン900mg熱をさげ、痛みを和らげる
dl-メチルエフェドリン
塩酸塩
60mg気管支をひろげ、咳を鎮める
ジヒドロコデイン
リン酸塩
24mg咳を抑える
ノスカピン48mg咳を抑える
アンブロキソール
塩酸塩
45mg痰を出しやすくする
無水カフェイン75mg頭痛・頭重感を和らげる
リボフラビン
(ビタミンB₂)
12mgビタミン補給

・包装

・カプセル剤:18カプセル、30カプセル(カプセルの中に液体が入っています)
(PTP包装)

各成分の効果・注意点

『ストナジェルサイナスEX』の主要成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。

各成分名をタップ・クリックするとそれぞれの成分の簡単な解説記事にいきます。

  1. ベラドンナ総アルカロイド
    • 抗コリン作用により鼻水や涙を抑えます。
    • 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などの疾患を持つ方は注意を。
    • 口の渇きや便秘が起こりやすいです。
  2. ジフェニルピラリン塩酸塩
    • 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
    • 特に眠気には注意してください。
    • 抗コリン作用により、眼圧上昇や排尿困難などの副作用が出る可能性があります(抗コリン作用は強め)。
  3. アセトアミノフェン
    • 痛みや熱を中枢において抑えますが、抗炎症作用はほぼありません。
    • いわゆる「NSAIDs」には含まれません。胃への負担も少なめです。
    • 安全性は高いですが、肝障害のリスクがあります。特にアルコール多飲者は併用に注意を。
  4. dl-メチルエフェドリン塩酸塩
    • 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
    • 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
    • 濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
  5. ジヒドロコデインリン酸塩
    • 中枢性麻薬性鎮咳薬で、咳中枢を抑制することで咳を抑えます。
    • 痰を硬くする可能性があるので、主に痰のからまない咳に使います。
    • 便秘、眠気などの副作用に注意を。
    • 依存形成の可能性があり「濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
    • 12歳未満は禁忌です(呼吸抑制のリスクが高い)。
  6. ノスカピン
    • 中枢性の非麻薬性鎮咳薬で、咳を抑える効果があります。
    • 分泌を抑制せず、痰の排出も妨げられないそうです。
    • 副作用や依存性はあまりなく使いやすいですね。
  7. アンブロキソール塩酸塩
    • 去痰薬の気道潤滑薬で、気道の滑りを良くし痰を出しやすくします。
    • 気管支炎や気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、副鼻腔炎などに使用されます。
    • 副作用は少なく幅広い年齢層に使いやすい成分です。
  8. 無水カフェイン
    • 血管拡張性の頭痛や片頭痛の症状をやわらげます。
    • 覚醒作用があるので眠気防止にも。
    • 副作用として、不眠や振戦(手の震え)、動悸、めまいなどがあります。
  9. リボフラビン(ビタミンB2
    • 水溶性ビタミンで、代謝やエネルギー産生に関与します。
    • 不足すると口唇炎や角膜炎などを起こすことがあります。
    • 摂り過ぎても尿として排泄されるため過剰症のリスクはほぼありません。

他の成分の薬を探してる方はこちらから。
成分の一覧表

使い方(用法・用量)

年齢1回の服用量1日の服用回数
15歳以上2カプセル3回

「食後なるべく30分以内に」となっています。
でもこの薬に関してはあまり心配は要らないです。

15歳未満の方は服用しないでくださいとのことです。

これはなんでかな?
ベラドンナ総アルカロイドの量が1日0.6mgと多いからかもしれません。

製品全体としての注意点

注意してほしいこと

いくつか注意点を書いておきます。

  • 眠気に注意:眠気が出る可能性があるので注意してください。
    • 服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。ただ、全然眠くならない方もいるのでそういう方は問題ないですね。
  • 喘息治療中の方
    • 気管支拡張薬のメチルエフェドリンが入っているので、喘息を治療中の方はすでに服用(吸入)してる可能性があります。過剰摂取にならないように注意してください。
    • ジヒドロコデインは気道分泌の抑制と気管支を収縮させる作用もあるので、基本的には喘息には使いません(喘息発作には禁忌)。
  • 抗コリン作用:口の渇きや目のかすみ、眼圧上昇、排尿困難、便秘などの症状が出る可能性があります。
    • 気になる方は抗コリン薬の入っていない製品を選ぶと良いでしょう。
      (抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミドなど)
    • この製品は他の一般的なものよりも抗コリン薬の量が多いです。
  • 服用期間:「長期連用しないでください」となっています。
    • 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診察を受けた方が良いかと思います。
    • ジヒドロコデインのオーバードーズ(過剰摂取)の問題もあります。

妊娠・授乳中の使用について

大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。

クリック・タップで開きます。

妊娠中の方

この製品の説明書では
服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
という書き方になっています。

ジヒドロコデインは妊娠28週以降は推奨されません
豪州ADECという危険度分類ではジヒドロコデインの分類はAとなり、「今までの使用経験上では大丈夫だった」とのことです。
ただ、違う基準(Briggs基準)によるとリスク4の「妊娠28週以降は胎児への危険性が示唆される」という分類になっています。

また、ベラドンナ総アルカロイドやメチルエフェドリンによって、胎児が頻脈を起こす可能性があります。

服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
原則として、妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)

授乳中の方

この製品の説明書には
授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること
と書いてあります。
ジヒドロコデインが入っているため、この記載があります。

とはいえ、そこまで心配する事もないかと思います。

Mothers’ Milk基準では、この製品に入ってる成分中一番リスクの高いもので、

  • ジヒドロコデイン
  • ベラドンナ総アルカロイド

の2つが「L3(概ね適合)」となっています。

ジヒドロコデインは基本的には「授乳を避けること」となっています。母乳に移行して乳児にモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告があります。
母親に便秘や眠気などの副作用が出ている場合は授乳をやめた方が良いでしょうね。
似たようなものでデキストロメトルファンというのがあり、こちらは一応安全に使用可能となっています(効くかどうかは別)。

心配な方はジヒドロコデインが入っていない薬を選ぶようにしましょう。

メチルエフェドリンに関してはデータがありません。
基本的には「避けてください」と言われる事が多いですが、生後3ヵ月から使える製品も存在します。

「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。

心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。

また、ベラドンナ総アルカロイドは乳汁の分泌を抑えてしまう可能性があります。

心配な方は、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。

妊娠・授乳中の薬物治療に関して不安を持つ方も多いかと思います。
そういう方の相談に乗ってくれる機関があるのでそこのサイトのリンクを貼っておきます。
妊娠と薬情報センター:https://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html

製品の特徴や利点、個人的な感想

この製品は「鼻症状特化型」となっていますね。

特徴としては、
・かぜ薬としてはベラドンナ総アルカロイドの量が多い
・抗ヒスタミン薬がジフェニルピラリン
の2つがあると思います。

ベラドンナ総アルカロイドは、かぜ薬の基準としては1日0.3mgまでなのですが、鼻炎薬は0.6mgまでとなっています。
この製品は鼻炎薬の基準に合わせてますね。
(この製品は一応「かぜ薬」の分類なのですが、そういう事も可能なんですね)

また、抗ヒスタミン薬はジフェニルピラリン。これも珍しいかもしれません。
この成分は、かぜ薬によく使われているクロルフェニラミンと比較して、
・抗ヒスタミン作用は同程度
・抗コリン作用は50~100倍
となっています。

抗コリン薬は他の薬よりも多く、抗ヒスタミン薬も抗コリン作用が強めなのを選んでますね。
多少副作用が出ようとも鼻水を止めてみせる、という感じでしょうか。分かりやすいですね。

アンブロキソールは去痰薬ですが、溜まっている膿を出しやすくするので鼻づまりにも多少の効果が期待できるかもしれませんね。

メチルエフェドリンではなくてプソイドエフェドリンが入っていたら、「鼻づまり」にも効果があると言えたのですが(この2つは同時に配合することができません)。

ただそうなると「抗コリン作用が強め」+「交感神経刺激」ということになり副作用が出やすくなる可能性があるので、あえてプソイドエフェドリンを入れなかったのかもしれません。
(抗コリン作用と交感神経刺激作用は似たような作用を示す場合があります)

また、咳止めが3つ入っています。
去痰薬も入っているし「咳症状特化型」として販売しても良いくらいですね。

解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンが1日900mg。
これが市販の風邪薬の最大用量なので仕方ないですが、痛みや発熱に対しては弱いかもしれません。

鼻水がダラダラと出てくる、咳も出るという人には良いかもしれませんね。

ただ、抗コリン作用については他の風邪薬よりも強く出るはずです。排尿障害や眼圧上昇には注意してください。
あと口は結構渇くと思います。便秘にもなりやすいかな?

口の渇きや便秘、目のかすみなどが出る方は、1回1カプセルにしてみても良いかもしれません。
症状に応じて調節してみてください。

使用した方の口コミ・レビュー、値段など

「ものログ」というサイトの口コミです。

良い評価としては、

「液状カプセで速効性あり」
「薬が効いている間はちゃんと鼻水がとまる」
「鼻詰まりをどうにかしたかったのがきちんと解消」

といった具合。

否定的な意見としては、

「市販の風邪薬ってこんなに高いの!?」
「口と喉はカッサカサになる」
「眠くなるのが難点」

といった感じ。

鼻水に対する効果の評価は高いですね。
でも口が渇くという意見はかなり多かったです。仕方ないですね。

鼻水が主な症状でないときにこの薬を飲むと、副作用だけが目立つかもしれません。

値段について

メーカーの希望小売価格(税込)を見ると、

18カプセル1,650円
30カプセル2,640円

ということでした。

Yahooショッピング(送料含まず)で見てみると、

包装値段1日分に換算
18カプセル1,200~1,650円400~550円
30カプセル1,400~2,500円280~500円

※1日分のは、1日6カプセルで計算
※2025年2月時点です。

こんな感じでした。Amazonとか楽天だとまた違うと思いますけど。

ん~、ちょっと高いでしょうか。
1日300円以下なら良いかな、という感じ。

この記事を読んで「買おうかな?」と興味を持たれた方へ

まとめ

この記事では『ストナジェルサイナスEX』について、各成分の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。

この製品は「鼻症状特化型」ということで、
・鼻水の分泌を抑えるベラドンナ総アルカロイドの量が多い
・抗ヒスタミン薬が、抗コリン作用の強いジフェニルピラリン
というのが特徴ですね。

鼻水がダラダラ出てきて困る、という人には良いかなと思います。

ただ、これらの成分は鼻水だけでなく唾液や涙の分泌も抑えます。
口の中はカラカラになると思います。
また、前立腺肥大や緑内障がある方は一応注意してください。

あと、咳止めの成分が3種類と去痰薬も入っているので、咳にも効果が期待できるかと思います。

症状が鼻水だけという方は、鼻炎薬を使うという選択肢もあるかと思います。

鼻炎薬についてはこちらに一覧を作ってあります。まだ数は少ないですが。
鼻炎薬の一覧表

ご自身の症状に合わせて、どういう薬を使うべきかを判断していただけたらと思います。

他の風邪薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
風邪薬(総合感冒薬)一覧

風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。

ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。

効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします

上の方でも紹介しましたが、再度リンクを貼っておきます

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