風邪をひいた時には風邪薬を飲む。ごく当たり前のことなのですが…
1日3回も飲むのって意外と大変じゃないですか?特にお昼。
忙しくて忘れちゃったり(忘れるくらいの症状なら飲まなくて良いけど)、そもそも仕事場に持って行くのを忘れたり。
今回解説する「プレコール持続性カプセル」は、なが~く効くので1日2回で良いのが特徴の風邪薬です。
忘れっぽい人にちょうど良いですね。
この記事では薬剤師としての私の視点から、「プレコール持続性カプセル」の成分がどのように働き、どのような注意点があるのかについて、詳しく解説していきます。
プレコール持続性カプセルの基本情報
・製造会社:第一三共ヘルスケア
・主な成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
イソプロピルアンチピリン (ピリン系) | 300㎎ | 熱をさげ、痛みを和らげる |
アセトアミノフェン | 450mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 7.5mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
ジヒドロコデインリン酸塩 | 24mg | 咳を抑える |
dl‒メチルエフェドリン塩酸塩 | 60mg | 気管支をひろげ、咳を鎮める |
カンゾウエキス末 | 118mg (原生薬として983mg) | 咳を鎮め、のどや鼻の粘膜の炎症を鎮める |
無水カフェイン | 75mg | 頭痛をやわらげる |
・包装
12カプセル、24カプセル、36カプセル
(PTP包装)
※このリンクはアフィリエイトリンクです。
それぞれの成分の解説
この製品には主な成分が7種類入ってます。
それぞれ解説していきますが、少し長くなるので折り畳みにしておきます。
興味のある方は読んでみてください。
※それぞれの成分の解説は、基本的には他の記事のと同じです。
製品内含量のところに少し固有のコメントをつけてるだけです。
イソプロピルアンチピリン(ピリン系)
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・分類:いわゆる「解熱鎮痛剤」です。
「ピリン系(ピラゾロン系)」と呼ばれるもので、今はあまり使われてないですね。
・効果:体内で痛みや炎症の原因となる特定の物質の作用を抑えることによって、頭痛や筋肉痛などの痛みを和らげる効果があります。
また、熱を下げるのを助ける作用もあります。
・臨床での使用例:医療用医薬品としては、現在はこの成分単独の薬はありません。昔はあったのかな?
今は主に頭痛薬として使う薬の中に配合されていますね。もちろん風邪のときの解熱、喉の痛み、歯の痛みなど、いろいろな痛みや発熱に使えます。
・副作用と注意点:一般的な解熱鎮痛剤と同じではあるのですが、この成分は特に「ピリン系」と呼ばれるもので、過敏症や血液障害が出ることがあります。そういうのがあって今はあまり使われないですね。
市販薬で使われる「ピリン系」は、この「イソプロピルアンチピリン」だけみたいです。過去にこの成分が入ってる薬を飲んで過敏症(発疹や痒み)が出た事のある方は避けてください。
あと、喘息をもってる方も注意してください。「アスピリン喘息」を誘発する可能性があります。
他の解熱鎮痛剤は胃・十二指腸潰瘍には禁忌なのですが、この成分はそれはありません。
・薬物相互作用:特にありません。
・製品内含量(成人):プレコール持続性カプセルの1回分には150mg入っています。1日300mg。
医療用だと例えばSG顆粒というのがあるのですが、これだと1回分に150mg、最大で1日600mg使います。
量としては十分ではないでしょうか。アセトアミノフェンも入ってますしね。
アセトアミノフェン
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・分類:いわゆる「解熱鎮痛剤」ですね。ただ、「解熱鎮痛剤」はたくさんあるのですが、このアセトアミノフェンは少し独特です。代表的な解熱鎮痛剤で「ロキソニン」というのがありますが、あの種類ともまた少し違います。
・効果:解熱鎮痛剤としてはかなり古い歴史があるのですが、いまだに作用機序は明らかになっていません。
医薬品の添付文書にはこう書いてあります。
「中枢神経系に作用し、プロスタグランジン合成、カンナビノイド受容体系又はセロトニン作動系などに影響を及ぼすと考えられている」
なんのこっちゃですが…
一般的な鎮痛剤(NSAIDsといいます)は末梢において効果を発揮しますが、このアセトアミノフェンは中枢で働く、と考えられています。
中枢(脳や脊髄)において痛みを感じにくくしたり熱を下げたりしますが、平熱より下がる事はありません。
あと、NSAIDsと違い抗炎症作用はほぼありません。
・臨床での使用例:小児から高齢者まで、あらゆる痛み・解熱に使っています。
作用機序が分からないのにもかかわらず、使われてる歴史が長く、その安全性・危険性はほぼ分かってて使いやすいからでしょうね。
「痛みや熱があったらまずはこれ。ダメなら違う薬」という感じです。
誰しも一度は飲んだことがあるのではないでしょうか。
・副作用と注意点:安全性は高いとされていますが、副作用が全くないというわけではありません。
一番問題になるのは肝障害です。一番というか、ほぼこれです。
市販薬でも病院から出た場合でも、決められた用量を守っていれば安全性は高いです。
ただ、この成分はいろいろな市販薬に入っているので、自分でも気が付かないうちに過剰摂取してる、という事があります。
アルコールの摂取でも肝障害のリスクが高まります。
あと、アスピリン喘息に対してはNSAIDsよりは安全性が高いとされていますが高用量では喘息発作が誘発される可能性があります。喘息を持っている方は低用量から少しずつ増やす、という方法を取った方が良いかと思います。
NSAIDsと比べると胃への負担は軽めです。病院でも胃薬なしで処方されることが多いですね。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
炭酸リチウム | 他の鎮痛剤(インドメタシン、イブプロフェン等)で、 リチウムとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し、 リチウム中毒を呈したとの報告があります。 |
チアジド系利尿剤 | 他の鎮痛剤(インドメタシン等)で、 チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されています。 |
アルコール | アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ 肝不全を起こしたとの報告があります。 |
ワルファリン | ワルファリンの作用が増強されて出血しやすくなることがあります。 |
カルバマゼピン フェノバルビタール フェニトイン プリミドン リファンピシン イソニアジド | これらの薬剤の長期連用者は、肝薬物代謝酵素が誘導され、 肝障害を生じやすくなるとの報告があります。 |
特にアルコールに関しては、常飲者が多量のアセトアミノフェンを服用して急性肝不全で死亡した例があります。
通常の用量では問題にはならないと思いますが注意してください。
・製品内含量(成人):プレコール持続性カプセルの1回分には225mg入っています。1日450mg。
病院では短期間であれば1回500~600mgほどで使うことが多いですね。
(最高では1日4,000mg使うことがありますが、1日1,500mgを長期で使う場合は定期的に肝機能検査をする必要があります)
単独で考えると少なめではありますが、他にイソプロピルアンチピリンが十分な量入っているので、こちらは補足的な位置づけかもしれませんね。
クロルフェニラミンマレイン酸塩
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・分類:「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものです。
細かく言うと「ヒスタミン(H1)受容体拮抗薬(第一世代)」となります。
第一世代と第二世代は似たようなものですが、多少効果や副作用が変わってきます。
あと、クロルフェニラミンマレイン酸塩には「d(ディー)体」と「l(エル)体」というのがあります。
この製品に入っているのはd体とl体の両方が入ってるものですね。d体だけのものもあります。
l体の方は抗ヒスタミン作用があんまりなくて眠気の副作用があります。特にメリットはありません。
・効果:気管支や血管の細胞、知覚神経にあるH1受容体というところにヒスタミンという物質がくっつくことで鼻水やくしゃみ、痒みが出るのですが、その受容体をブロックすることで症状を抑えます。
ただ、鼻水を抑える効果はありますが、鼻づまりの方にはあまり効きません。
(製品の説明書には「くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどの症状をおさえます」と書いてますけど)
この成分には抗ヒスタミン作用の他に、抗嘔吐作用や抗コリン作用というものがあります。
第二世代と比べると効果の発現が早めですね。
「抗コリン作用」とは、薬が体内の特定の受容体に作用して、口の乾燥や目の焦点調節の問題、便秘などの副作用を引き起こすことです。これにより、リラックスしたり眠くなったりする効果もあるため、使用時にはこれらの点に注意が必要です。
・臨床での使用例:アレルギー性疾患全般に使っています。
アレルギー性鼻炎、上気道炎の鼻水・くしゃみ、蕁麻疹、湿疹など。
とにかく鼻水とくしゃみ、痒みがあればこの系統を使います。
病院ではあまりファーストチョイスにはならないかな?第二世代が効かない場合に使うといった感じです。
それに使うにしてもd体のみの薬がメインになって、あんまりdl体は使わないと思います。
・副作用と注意点:この成分は注意点が多いです。
抗コリン作用というものにより眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあるので、
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大など下部尿路閉塞疾患がある方には禁忌となります。
(と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。主治医に訊いてみてください)
出やすい副作用としては眠気や口渇があります。
ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。それでも最初に飲んだ後は注意してください。
口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。私はですが。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
バルビツール酸系薬剤等 アルコール | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
モノアミン酸化酵素阻害剤 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
抗コリン作動性薬剤ブチルスコポラミン臭化物 アトロピン硫酸塩水和物等 | 相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。 |
ドロキシドパ ノルアドレナリン | 血圧の異常上昇を来すおそれがあります。 |
併用禁忌というわけではないので、なんか眠いな~、ふらふらするな~と感じたら風邪薬の量を減らして様子をみてください。
・製品内含量(成人):プレコール持続性カプセルの1回分には3.75mg入っています。1日7.5mg。
医療用では1回2~6mg、1日2~4回使うので最高で1日24mg使います。
それと比較すると少なめかもしれませんが、副作用の出やすさを考えると妥当かもしれませんね。
他の市販薬も1日量は同じですね。決まりでもあるのかな?
ジヒドロコデインリン酸塩
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・分類:「鎮咳薬」。いわゆる「咳止め」ですが、その中でも「中枢性麻薬性鎮咳薬」に分類されます。
・効果:咳中枢を抑制することで咳が出るのを抑えます。
もともと咳というのは、肺や気管などの呼吸器を守るために、外から入ってきた異物(ほこりとかウイルスとか)を外に追い出す生体防御反応です。ほこりとかウイルスなどを気道の粘膜上にあるセンサーが感じ取ると脳にある咳中枢に信号が送られて咳が出るのですが、それを抑えるという事ですね。
あとは消化管の動きを抑制する効果もあります。
・臨床での使用例:基本的には強い咳に対して使います。できれば痰の絡んでない乾いた咳の時がいいです。
あと消化管の動きを抑制するので下痢止めとしても使いますね。
ただ、どちらの使い方でもあまり長期間は使いません。頓服という感じで症状が強い時だけ使います。
・副作用と注意点:この成分は効果的な鎮咳薬ですが、使用には慎重さが求められます。
特に、以下の副作用や注意点に留意する必要があります。
まず、痰が絡んだ咳に対しては使いにくいです。痰を硬くするので余計に痰が出しにくくなる可能性があります。
副作用としては、便秘、麻痺性イレウス(腸閉塞)、悪心・嘔吐、排尿障害、依存性、眠気、呼吸抑制、気管支痙攣などがあります。この中でも便秘(下痢止めとしても使うので)、眠気、悪心・嘔吐は出やすいです。
あと、以前から問題になっている「オーバードーズ(過剰摂取)」の大半はこのコデインのようです。
市販で買えるとは言え麻薬の一種には変わりありません。
長期間の使用や高用量の使用は依存性を引き起こす恐れがあるため、指示された用量を厳守し、症状の改善が見られない場合は専門家に相談してください。
・薬物相互作用:他の薬と一緒に飲むことで副作用が出やすくなる事があるので、普段飲んでる薬がある方は薬局で相談してみてください。
下に相互作用の表を載せておきます。
モノアミン酸化酵素阻害剤 三環系抗うつ剤 β-遮断剤 アルコール | フェノチアジン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがあります。 |
ワルファリン | ワルファリンの作用が増強されて出血しやすくなることがあります。 |
抗コリン作動性薬剤 | 麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがあります。 |
・製品内含量(成人):プレコール持続性カプセルの1回分には6mg入っています。1日12mg。
病院では1回10mg、1日3回まで使います。
他の市販薬だと1日24mg使う事が多いですが…これはちょっと少なめですね。
他にメチルエフェドリンとかカンゾウが入ってるからかな?
dl-メチルエフェドリン塩酸塩
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・分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあって、そのうちの交感神経に働くものです。
・効果:交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があって、メチルエフェドリンはその両方を刺激します。
さらに「β受容体」は「β1」「β2」などいくつかタイプがあります(今分かっているのは「β3」まで)。
メチルエフェドリンを風邪薬として使う場合は、主に「β2刺激薬」として使います。
気管支には交感神経のβ2受容体というのがあって、そこにメチルエフェドリンがくっつくと気管支が拡張して呼吸が楽になります。
ただ、交感神経の受容体は全身のあちこちにあるので、思わぬ副作用が出ることがあります。
あとメチルエフェドリンには中枢性の鎮咳作用もあるようですね。
・臨床での使用例:気管支喘息や気管支炎、結核、風邪の咳など、咳や呼吸の症状に使います。
あと抗アレルギー作用も持っていて蕁麻疹や湿疹にも適応がありますが、これらに使ってるのは見た事がありません。
・副作用と注意点:副作用としては、動悸が出やすいかと思います。
あとは手の震えが出ることもあります。どちらも薬を止めると症状も治まるはずです。
ただ、過度に使用すると不整脈からの心停止をする事もあり、注意が必要です。通常使う量ならまず問題にはならないですね。心疾患のある方は注意してください。
あと、甲状腺の機能を亢進させたり、血圧が上がったり、血糖値が上がったりすることもあります。
甲状腺機能亢進症、高血圧、糖尿病の方は注意してください。
・薬物相互作用:カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)とは併用禁忌になります。この辺は循環不全の急性期(いわゆるショック)に使うものなので、あまり通常は使われるものではありません。
併用注意もいくつかあるので載せておきます。
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・甲状腺製剤 チロキシン リオチロニン等 | 作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。 |
・キサンチン誘導体 テオフィリン ・ステロイド剤 プレドニゾロン ・利尿剤 アミノフィリン | 血清カリウム値が低下するおそれがあります。 併用する場合には定期的に血清カリウム値を観察して、用量について注意してください。 |
喘息を治療中の方は、この系統の成分をすでに服用してる可能性があるので注意してください。飲み薬としてではなく、吸入薬の中に入っていることが多いです。
・製品内含量(成人):プレコール持続性カプセルの1回分には30mg入っています。1日60mg。
医療用では、1日に75~150mg使われます。
医療用と比べると少なめではありますが、他の市販薬も同じ量ですね。
カンゾウエキス末
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・分類:分類でいうと「漢方」とか「生薬」になるのかな?
漢字だと「甘草」です。文字通り甘いので、薬以外にも味噌や醤油、お菓子などの甘味料としても使われています。
・効果:カンゾウの主成分は「グリチルレチン酸」とか「グリチルリチン酸」というものですが、これには抗炎症、鎮咳、抗アレルギー、免疫調節、肝機能改善、ウイルス増殖抑制などいろいろな作用があります。
・臨床での使用例:漢方薬だと「甘草湯」というのがあって、こちらは激しい咳や喉の痛みに使います。
「グリチルリチン酸」としての薬もあって、こちらは慢性の肝疾患や湿疹・皮膚炎、円形脱毛症、口内炎などに使われています。
・副作用と注意点:漢方だからまったく安全、というわけではありません。
稀ではありますが、カンゾウには浮腫(むくみ)、高血圧、低カリウム血症(偽アルドステロン症)、重症だと横紋筋融解症などの副作用が出ることがあるので注意が必要です。
カンゾウはいろいろな漢方薬に入っているので、何種類か飲んでいるとすぐに用量オーバーしてしまいます。
他にも漢方薬を飲んでる方は、その漢方薬にカンゾウ(甘草)が入っていないか確認した方が良いかと思います。
・薬物相互作用:併用注意のものがあります。
・カンゾウ含有製剤 芍薬甘草湯 補中益気湯 抑肝散 等 ・グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤 グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠 等 ・ループ系利尿剤 アゾセミド トラセミド フロセミド 等 ・チアジド系利尿剤 トリクロルメチアジド ヒドロクロロチアジド ベンチルヒドロクロロチアジド 等 | 偽アルドステロン症があらわれやすくなります。 また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなります。 |
上でも書いてますが、カンゾウはいろいろな漢方薬に配合されています。
2~3種類の漢方薬を飲んでるだけでもかなりの量を摂ってしまう事があるので注意してください。
利尿剤については高血圧や心不全で治療を受けられている方は飲んでることが多いです。
ご自身の飲んでる薬を確認してみてください。
・製品内含量(成人):プレコール持続性カプセルの1回分には59mg入っています。1日118mg。
漢方の「甘草湯」では1日1,900mg使うのでかなり少なく感じますが、「甘草湯」は特に量が多いですしね。
他の市販薬を見てみると、1日50~300mgくらいなので市販薬としては極端に少ないわけではないですね。
他にも咳止めは入ってますし。
無水カフェイン
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※「無水カフェイン」と「カフェイン水和物」というのがありますが似たようなものなので、ここでは同じものとして扱います。
・分類:薬効分類でいえば「中枢興奮・鎮痛剤」になります。「中枢性呼吸刺激薬」にもなります。「キサンチン誘導体」というものの一種でもあります。
・効果:カフェインは、頭をすっきりさせたり、エネルギッシュな気分にさせたりする効果があります。それによって、心臓が活発に動いて血の流れが良くなるので、結果としてトイレに行く回数が増えることがあります。
また、カフェインは頭の中の血管を少し狭めることで、頭痛を和らげる効果もあります。
あと気管支を拡張させる作用があるので、昔はコーヒーを喘息の特効薬として使ってたみたいですね。
・臨床での使用例:そもそもあんまり使われないのですが、一番使われるのは頭痛でしょうか。脳血管を収縮させるので、血管拡張型の頭痛に使います。
一応眠気や倦怠感にも適応があるのですが、それ目的で処方されたことは一度も経験ありません。
でも医療用ではなく一般的には眠気やだるさに対してが一番使われるでしょうね。
「無水カフェイン」は「早産・低出生体重児における原発性無呼吸症」に適応があります。
市販薬に入ってることが多いですが、これは眠気防止かなと思います。あとは「元気になった気にさせる」といったところでしょうか。エナジードリンクが良い例ですね。
・副作用と注意点:副作用として不眠や振戦(手の震え)、動悸などがあります。
あと胃酸の分泌が増えるので消化を助けますが、空腹時に飲むと胃が荒れます。コーヒーには牛乳を入れましょう。ブラックを飲むなら食後にどうぞ。
・薬物相互作用:併用注意のものがいくつかあります。禁忌ではないです。
・他のキサンチン系薬剤 アミノフィリン水和物 ジプロフィリン テオフィリン等 ・中枢神経興奮薬 エフェドリン塩酸塩 マオウ等 | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
・MAO阻害剤 セレギリン塩酸塩 ラサギリンメシル酸塩 サフィナミドメシル酸塩 | 頻脈、血圧上昇等が現れることがあります。 |
シメチジン | 過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。 |
カフェインもキサンチン系になるので、同じ系統を摂取すると過量投与になります。喘息ある人は服用してる可能性があるので注意してください。
マオウは漢方薬に入ってることが多いです。知らずに摂ってることがあるのでこれも注意を。
MAO阻害薬はパーキンソン病に使うので、パーキンソンの方は注意してください。
シメチジンは胃薬ですね。今はあんまり使われないですが、飲んでる方は注意を。
でもどれもあまり気にしなくて良いかと思います。症状が出るようならカフェインを減量してください。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれているので、農林水産省のサイトにあった表を載せておきます。
カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれていますが、その含有量は製品やブランド、調理法によって大きく異なります。ここで紹介するのはあくまで一般的な平均値または範囲であり、正確なカフェイン含有量については、各製品のラベルやメーカーの情報を参照してください。
・製品内含量(成人):プレコール持続性カプセルの1回分には37.5mg入っています。1日75mg。
医療用では、頭痛に使う場合は1回100~300mgくらいでしょうか。
他の一般的な市販の風邪薬と同じ量ですね。
厚生労働省のサイトによると、「悪影響のない一日当たりの最大摂取量」の目安というのは個人差が大きく、日本でも国際的においても明確に設定はされていないようです。
例えば、
・カナダでは健康な成人だと1日400mg、妊娠中の方、授乳中の方は1日300mgまで。
・イギリスでは妊娠中、授乳中の方は1日200mgまでとなっています。
厚生労働省のサイトにもカフェインの過剰摂取についての記事があるので興味のある方は目を通してみてください。(厚生労働省のサイト→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)
プレコール持続性カプセルの主要成分の効果と注意点のまとめ
7つの成分について解説してきましたが、まとめると以下のようになります。
- イソプロピルアンチピリン
- 解熱鎮痛剤。痛みや炎症を抑え、風邪の不快感を軽減します。
- ピリン系にアレルギーのある方は避けてください。
- アスピリン喘息の誘発などのリスクにも注意が必要です。
- アセトアミノフェン
- 解熱鎮痛剤で、痛みや熱を中枢神経系で抑えますが、抗炎症作用はほぼありません。
- 安全性は高いですが、肝障害のリスクがあり、特にアルコールとの併用には注意が必要です。
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 抗コリン作用により眼圧上昇や排尿困難などの副作用があり、特に眠気に注意が必要です。
- ジヒドロコデインリン酸塩
- 中枢性麻薬性鎮咳薬で、咳中枢を抑制して咳を抑えます。
- 乾いた咳や下痢に対して使用されますが、痰を硬くする可能性や依存性、眠気などの副作用に注意が必要です。
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩
- 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
- 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
- カンゾウエキス末
- 咳を鎮めたり、喉の痛みを和らげます。
- 低カリウム血症に注意。だるさや痺れ、こむら返りや麻痺などがあったら中止して受診してください。
- いろいろな漢方薬に含まれているので併用には注意を。
- 無水カフェイン
- 中枢興奮・鎮痛剤として、覚醒作用を持ち、頭痛や眠気防止に効果的です。
- 副作用には不眠や振戦、動悸があり、他のキサンチン系薬剤や中枢神経抑制剤との併用に注意が必要です。
用法・用量と注意点
プレコール持続性カプセルの用法・用量
・15歳以上の方は、1回2カプセル・1日2回の服用になります。
15歳未満の方は服用しないでくださいということになっています。
これはなんででしょうね?こういうの多いですね。
ジヒドロコデインは12歳未満には禁忌なのですが、15歳未満にダメなものというのは特にないのですが。
でもメーカーがそう言ってるので使わない方が良いですね。
何かあった場合、責任取ってもらえないかも。
注意してほしいこと
いくつか注意点を書いておきます。
・食後の服用: 「食後なるべく30分以内に」となっています。
ただ、それほど問題になるものは入っていません。カンゾウみたいな生薬・漢方薬は空腹時に飲むのが一般的ですしね。
あまり気にしなくても良いかと思います。
・眠気に注意:クロルフェニラミンやジヒドロコデインで眠気が出やすい方もいるので注意してください。
「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。
ただ、全然眠くならない方もいるので、そういう方は問題ないですね。
・ピリン系:イソプロピルアンチピリンがピリン系の解熱鎮痛剤になるので、ピリン系にアレルギーがある方は飲まないでください。
・喘息:イソプロピルアンチピリンによって喘息発作が誘発される事があります。
他の風邪薬や解熱鎮痛剤で喘息の症状が出た事がある人は、解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンのみが入ってる風邪薬を選ぶと良いかと思います。
あとメチルエフェドリンも入っているので、喘息を治療中の方は過剰摂取にならないように注意してください。
・カンゾウ(甘草):過剰摂取で偽アルドステロン症の副作用が出る場合があります。他にも漢方薬を飲んでる方は注意してください。カンゾウが入っていないものであれば問題ありません。
・服用期間: 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。
3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診断を受けた方が良いかと思います。
ジヒドロコデインのオーバードーズの問題もあります。
長期の連用はしない方が良いかと思います。
妊娠中の方
短期間の使用であれば問題ないと考えます。
ただ、ジヒドロコデインは妊娠28週以降は推奨されません。
豪州ADECというオーストラリアの危険度分類があるのですが、それによればジヒドロコデインの分類はAとなり、
「多くの妊婦と妊娠可能年齢の女性によって服用されており、それによって先天奇形の発症率の上昇や、間接・直接の胎児に対する有害作用が確認されていない」
ということで、今までの使用経験上では大丈夫だったよ、ということになります。
ただ、違う基準(Briggs基準)によると「妊娠28週以降は胎児への危険性が示唆される」という分類になっています。
28週以前であれば問題はなさそうですが、メチルエフェドリンによって胎児が頻脈を起こすことがある、という事もありそうです。
服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
授乳中の方
この薬の添付文書には「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」と書いてあるのですが…
こちらについても特に問題ないと考えます。
ジヒドロコデインは基本的には「授乳を避けること」となっています。母乳に移行して乳児にモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告があります。
母親に便秘や眠気などの副作用が出ている場合は授乳をやめた方が良いでしょうね。
似たようなものでデキストロメトルファンというのがあり、こちらは安全に使用可能となっています。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。8~10時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
あと、この薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。
プレコール持続性カプセルの特徴と利点と個人的な感想
「総合感冒薬」ですね。
発熱、頭痛、のどの痛み、咳、鼻水などいろいろな症状に効果があるかと思います。
ただ、メーカーのホームページには他にも痰や鼻づまりにも効果があるような事を書いてますが、この2つの症状に関しては「ん?」と思います。たぶん効果ないかと。そういう成分入ってないし(鼻づまりは微妙なところ)。
この製品の特長はやっぱり1日2回の服用でいい、というところでしょうね。
メーカーのホームページによると、
「本製品は特殊コーティングにより、胃で溶ける速溶性顆粒と腸で溶ける遅溶性顆粒が時間差で溶け出すように設計されています。配合成分の血中濃度を長く維持できるため、朝服用すると夜まで効果が持続します。」
とのことです。
カプセルの中に2種類の顆粒が入っているんですね。
これに関してのデメリットは特にないですが…強いて言えばカプセルってところでしょうか。
私はカプセルは喉にひっついてちょっと苦手。
昼に薬を飲むのを忘れる人ってかなり多いんです。そういう人には良いかもしれないですね。
でもメリットはそれくらいかな?
個人的には解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンかイブプロフェンの2つを推奨したいですね。
使用した方の口コミ・レビューなど
ものログというサイトの口コミです。
まず良い評価の方は、
「1日2回で良いので楽。飲んで30分もするとポカポカ体が温まると言うか、体温が落ち着いてきたのを感じられ、喉の痛みや関節痛も治るのでそのまま良く寝てしまえるので治りが早いと思う」
「1日朝晩に飲むので、お昼飲まなくて良くて楽」
「喉痛い時に飲むと、次の日には痛くない最強薬」
といった具合。
否定的な意見としては、
「一週間飲んでもだらだら良くならず効いてるのか?」
「喉の症状への効果は今一つ」
「症状が重いときは途中で効き目が薄くなるかも」
といった感じ。
意外と評価が高くて個人的にはびっくり。
やっぱり「1日2回でいいのが助かる」といった声が多かったです。
あと「喉の痛みに効く」という方が多かったですね。もちろん「効かなかった」という方もいましたけど。
人それぞれですね。
公式ホームページには症状ごとの改善率みたいな表はありませんでした。
あれがあると何に効くかが分かりやすいんですけどね。
前にルルについて書いた時もなかったし、第一三共は載せないのかな?
まとめ
この記事では『プレコール持続性カプセル』の主要成分、それぞれの効果、用法・用量、そして実際の使用者の声をご紹介しました。
この製品は「1日2回の服用でいい」、というのが特徴でしょうか。
けっこうお昼の薬って忘れちゃいますよね。私は忘れます。
入っている成分については特別変わったものはないですけどね。
ピリン系が入ってるのでそこは注意ですけど。
風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
詳細な情報やご購入を検討される方は、公式ホームページ【https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/precol_cup/】を参照してください。
皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。
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