
「ルルアタック」のシリーズはそれぞれの症状に合わせて選べる製品になっているみたいですね。
今回は「のどの症状に」重点をおいた『ルルアタックEX』について。
『ルルアタックEX』の特徴は、トラネキサム酸が1日750mg入っている、という事でしょうか。
トラネキサム酸は、喉の症状を訴える患者さんにはほぼ必ず処方される薬です。
喉の炎症や腫れを抑えるものですね。
「のどの症状に」として売られている風邪薬には大体1日750mg入ってます。
これが市販の風邪薬に配合できる最大用量です。
それは良いのですが、この薬はパッケージで強調されている「のどの痛み」に対しては少し弱いと思います。
解熱鎮痛剤の量が少ないんですよね。
自分の症状に対してこの薬で良いのか、それとも他の薬の方が良いのか、記事を読んで判断していただけたらと思います。
基本情報
・製造販売元:第一三共ヘルスケア
・主な成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
トラネキサム酸 | 750mg | 喉の腫れや痛みを抑える |
イブプロフェン | 450mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
クレマスチンフマル酸塩 | 1.34mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
ブロムヘキシン塩酸塩 | 12mg | 痰を出しやすくする |
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 | 60mg | 気管支をひろげ、咳を鎮める |
ジヒドロコデインリン酸塩 | 24mg | 咳を抑える |
チアミン硝化物(ビタミンB₁硝酸塩) | 25mg | ビタミン補給 |
リボフラビン(ビタミンB₂) | 12mg | ビタミン補給 |
成分名 | 1日量 (15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
トラネキサム酸 | 750mg | 喉の腫れや痛みを抑える |
イブプロフェン | 450mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
クレマスチンフマル酸塩 | 1.34mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
ブロムヘキシン塩酸塩 | 12mg | 痰を出しやすくする |
dl-メチルエフェドリン 塩酸塩 | 60mg | 気管支をひろげ、咳を鎮める |
ジヒドロコデイン リン酸塩 | 24mg | 咳を抑える |
チアミン硝化物 (ビタミンB₁硝酸塩) | 25mg | ビタミン補給 |
リボフラビン (ビタミンB₂) | 12mg | ビタミン補給 |
・包装
- 錠剤:12錠、18錠、24錠
(PTP包装)
各成分の効果・注意点
『ルルアタックEX』の主要成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。
- トラネキサム酸
- 抗炎症作用があり、喉の腫れや痛みを軽減します。
- 腎機能に問題がある方は用量の調整が必要です。透析を受けている方で痙攣の報告あり。
- できた血栓が残りやすくなる可能性があります。血液凝固に関わる疾患がある方は注意を。
- イブプロフェン
- NSAIDsの一種。痛みや熱、炎症を抑えます。
- 胃に負担がかかることがあります。アスピリン喘息にも注意を。
- クレマスチンフマル酸塩
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 他の第一世代抗ヒスタミン薬と比べると持続的。
- 特に眠気には注意してください。
- 抗コリン作用により、眼圧上昇や排尿困難などの副作用が出る可能性があります。
- ブロムヘキシン
- 気道の粘液をサラサラにし、痰を切れやすくする効果があります。
- 使用開始時には一時的に痰の量が増えることがあります。
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩
- 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
- 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
- 「濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
- ジヒドロコデインリン酸塩
- 中枢性麻薬性鎮咳薬で、咳中枢を抑制することで咳を抑えます。
- 痰を硬くする可能性があるので、主に痰のからまない咳に使います。
- 便秘、眠気などの副作用に注意を。
- 依存形成の可能性があり、「濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
- 12歳未満は禁忌です(呼吸抑制のリスクが高い)。
- チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩)
- 水溶性ビタミンで、糖からエネルギーを作り出すのに必要です。
- 摂り過ぎても尿として排泄されるため過剰症のリスクはほぼありません。
- リボフラビン(ビタミンB2)
- 水溶性ビタミンで、代謝やエネルギー産生に関与します。
- 不足すると口唇炎や角膜炎などを起こすことがあります。
- 摂り過ぎても尿として排泄されるため過剰症のリスクはほぼありません。
使い方(用法・用量)
年齢 | 1回の服用量 | 1日の服用回数 |
---|---|---|
15歳以上 | 2錠 | 3回 |
「食後なるべく30分以内に」となっています。
イブプロフェンで胃痛が起こる方もいるので一応注意してください。でもあまり心配は要らないです。
15歳未満の方は服用しないでくださいとのことです。
イブプロフェンが入っていると15歳未満には使えないことになっています。
(「かぜ薬の製造販売承認基準について」より)
医療用のイブプロフェンは小児の解熱に適応がないんですよね。
滅多にないですが、ライ症候群を警戒して、という事だと思います。
イブプロフェンはサリチル酸系ではなくて、プロピオン酸系と呼ばれるものになります。
ライ症候群と確定された症例はすべてアスピリン及びジクロフェナクとの併用例となります。他のNSAIDsに関しては禁忌にはなっていません。
インフルエンザ脳症についても問題になるのはジクロフェナクです。(メフェナム酸は微妙)
国際的に小児の解熱にはアセトアミノフェンかイブプロフェンが推奨されているのに、市販薬だとイブプロフェンが使えないのは少しもったいないですね。
15歳未満の方はアセトアミノフェンが入ってるものにしましょう。
大人の方でも解熱だけが目的の場合はアセトアミノフェンが良いと思います。
製品全体としての注意点
注意してほしいこと
いくつか注意点を書いておきます。
- 眠気に注意:眠気が出る可能性があるので注意してください。
- 「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。ただ、全然眠くならない方もいるのでそういう方は問題ないですね。
- ジドブジン(商品名:レトロビル、コンビビル)服用中の方は注意してください。
- イブプロフェンと併用すると出血傾向が強まる可能性があります。
- この製品の添付文書には記載がないですが、医療用のイブプロフェンはジドブジンとの併用は禁忌となっています。
- 喘息:イブプロフェンによって喘息発作が誘発される事があります。
- 他の風邪薬や解熱鎮痛剤で喘息の症状が出た事がある人は、解熱鎮痛剤としてはアセトアミノフェンだけが入ってる風邪薬を選ぶと良いかと思います。
- 喘息治療中の方
- 気管支拡張薬のメチルエフェドリンが入っているので、喘息を治療中の方はすでに服用(吸入)してる可能性があります。過剰摂取にならないように注意してください。
- ジヒドロコデインは気道分泌の抑制と気管支を収縮させる作用もあるので、基本的には喘息には使いません(喘息発作には禁忌)。
- 血栓:血栓が溶けにくくなるので、血栓症の方は注意を。
- また、ピル(特にエストロゲンを含む低用量ピル)との併用は血栓のリスクを高める可能性があるので注意してください。
- 抗コリン作用:口の渇きや目のかすみ、眼圧上昇、排尿困難、便秘などの症状が出る可能性があります。
- 気になる場合は減量または中止してください。
- 服用期間:「5日間を超えて服用しないでください」となっています。
- 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診察を受けた方が良いかと思います。
- ジヒドロコデインのオーバードーズ(過剰摂取)の問題もあります。
妊娠・授乳中の使用について
大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。
クリック・タップで開きます。
妊娠中の方
妊娠後期(28週以降)の方は禁忌です。
(この製品の説明書では「出産予定日12週以内の妊婦は飲まないで」という書き方になっています)
イブプロフェンにより胎児の動脈管(心臓と大動脈をつなぐ血管)が収縮した、という報告があります。
妊娠後期の方は、解熱鎮痛剤としてはアセトアミノフェンだけが入ったものにした方が良いかと思います。
(アセトアミノフェンは短期間であれば問題ないとされています)
また、ジヒドロコデインは妊娠28週以降は推奨されません。
豪州ADECという危険度分類ではジヒドロコデインの分類はAとなり、「今までの使用経験上では大丈夫だった」とのことです。
ただ、違う基準(Briggs基準)によるとリスク4の「妊娠28週以降は胎児への危険性が示唆される」という分類になっています。
28週以前であれば問題はなさそうですが、メチルエフェドリンによって胎児が頻脈を起こす可能性もあります。
服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
原則として、妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)
授乳中の方
この製品の説明書には
「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」
と書いてあります。
ジヒドロコデインが入っているため、この記載があります。
とはいえ、そこまで心配する事もないかと思います。
Mothers’ Milk基準では、この製品に入ってる成分中一番リスクの高いもので、
- クレマスチン:「L4(悪影響を与える可能性あり)」
となっています。
でもクレマスチンって1歳未満でも使えるんですよね。小児用のシロップもあるし。
他には、
- トラネキサム酸
- ジヒドロコデイン
の2つが「L3(概ね適合)」となっています。
ジヒドロコデインは基本的には「授乳を避けること」となっています。母乳に移行して乳児にモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告があります。
母親に便秘や眠気などの副作用が出ている場合は授乳をやめた方が良いでしょうね。
似たようなものでデキストロメトルファンというのがあり、こちらは一応安全に使用可能となっています(効くかどうかは別)。
心配な方はジヒドロコデインが入っていない薬を選ぶようにしましょう。
メチルエフェドリンに関してはデータがありません。
基本的には「避けてください」と言われる事が多いですが、生後3ヵ月から使える製品も存在します。
「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
また、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。
製品の特徴や利点、個人的な感想
この製品の特徴としては、トラネキサム酸が1日750mg入っている、という事くらいでしょうか。
製品のサイトにはこう書いてます。
「特にかぜに伴うのどの症状が気になる時に」
『ルルアタックEX』は喉の症状に特化した総合感冒薬である、とメーカーは言いたいわけですね。
「のどの症状に」という風邪薬はいくつかありまして、そういう製品は大体トラネキサム酸が750mg入っていますね。
15歳未満も使える製品の場合は1日420mgまで、という決まりがあるので、他の風邪薬の場合だと420mgが一般的です。
トラネキサム酸は医療用では基本的に1回500mg・1日3回使います。最大1日2,000mg。
喉の症状を訴える患者さんにはほぼ必ず処方されるものですね。
ただ、1日1,500mg使っても大した効き目は感じられないので、たかが750mg程度で効くのか?とは思います。
無いよりはもちろん良いけど。
市販薬には1日750mgまでしか配合できないのが惜しいですね。
で、痛みを抑えるということであれば、やっぱり解熱鎮痛剤の量に依る、と思います。
その解熱鎮痛剤はイブプロフェンが1日450mgのみ。これはちょっと弱いです。
他の風邪薬で1日600mg使う製品はそこそこあります。
もし喉の痛みがひどいのであれば、トラネキサム酸が入っていなくてもイブプロフェンが1日600mg入ったものを選んだ方が効果は高いと思います。
症状が喉の痛みだけであれば、ロキソプロフェンを使うのも良いかと思います。
一応その記事も載せておきます。

効果・使用方法・おすすめ製品【薬剤師が解説】 今回は「ロキソプロフェン」について解説します。 現在、医療用としては一番使われているNSAIDsではないでしょうか。効果と副作用のバランスについては定評がありますね…
咳止めは2種類。ジヒドロコデインとメチルエフェドリンが入っています。
ジヒドロコデインは痰を硬くするので去痰薬のブロムヘキシンが入っているのは良いと思います。
中枢性の鎮咳薬が入っているものを買う時は、なるべく去痰薬も入っているものを選んだ方が良いと思います。
去痰薬はブロムヘキシンの他にはカルボシステインやアンブロキソールがあります。
鼻水にはクレマスチン。「ルル」はこの成分を入れてるものが多いですね。なんでかは分かりませんけど。
クレマスチンは持続性の薬です。夜間にも多少は効果があるかな?
全体的に見ると、「トラネキサム酸が1日750mg入っている普通の総合感冒薬」という感じです。
人によってはアセトアミノフェンが1日900mg入っている薬の方が効くかもしれないですね。
サイトに書いてある通り「のどの症状が気になる時に」くらいなら良いと思います。
「のどが痛くてつらい」までいくと、この薬では弱いかと思います。
使用した方の口コミ・レビュー、値段など
「ものログ」というサイトの口コミです。
良い評価としては、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。
効果に対する評価は高めだと思います。
「効かなかった」という人は少なかったですね。
やっぱり「のどの痛みに効く」という意見が多かったです。
このへんは正直何とも言えないのですが、多少バイアスというかプラセボ効果があるかと思います。
「この薬はのどの痛みによく効きます!」と自信を持って言われると効く気がしますよね。大事。
否定的な意見は効果に対するものではなくて、
・飲みにくい
・包装から出しにくい
・値段が高い
の3つがほとんどを占めていました。
飲みにくいのと出しにくいのはいずれ改善されるかもしれないですね。
錠剤が大きいのであれば小さくして、1回2錠のところを1回3錠にすることもできるでしょうし。
というか、「のどの症状に」と言うのであれば飲みやすさは考えてほしかったですね。
公式サイトに「症状別改善度」のデータが載っていました。それによると、
他覚所見:「扁桃発赤」、「咽頭発赤」に対してそれぞれ98.7%、84.0%の高い改善率を示しました。
自覚所見:くしゃみ、鼻水、鼻づまり、悪寒、頭痛、筋肉の痛みで80%以上の高い改善率を示しました。
とのことでした。
自覚所見の方で「のどの痛み」が入ってないのが面白いですね。
(「のどの痛み」は軽度改善以上が76.2%でした)
値段について
メーカーの希望小売価格(税込)を見ると、
12錠 | 1,320円 |
18錠 | 1,760円 |
24錠 | 2,200円 |
ということでした。
Yahooショッピング(送料含まず)で見てみると、
包装 | 値段 | 1日分に換算 |
12錠 | 750~1,400円 | 375~700円 |
18錠 | 1,300~1,600円 | 433~533円 |
24錠 | 1,500~2,300円 | 375~575円 |
※1日分のは、1日6錠で計算
※2025年2月時点です。
こんな感じでした。Amazonとか楽天だとまた違うと思いますけど。
高いですね。
他の風邪薬を見ても、トラネキサム酸が入っているのはちょっと高めのことが多いです。
医療用の薬価は250mg1錠が10.1円なんですけどね。
この記事を読んでそれでも「買おうかな?」と興味を持たれた方へ
まとめ
この記事では『ルルアタックEX』について、各成分の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。
特徴としては、トラネキサム酸が1日750mg入っている、という事くらいでしょうか。
「のどの痛みに特化」している薬ではなく、あくまで「風邪の症状全般的にあるけど、特にのどの症状が気になる時に」使う薬ですね。
痛みに対しては弱いと思います。
喉が痛くて風邪薬を買うのであれば、
・イブプロフェンが1日600mg
・アセトアミノフェンが1日900mg
のどちらかが入った薬の方が良いかもしれません。
喉の症状のみであれば、風邪薬ではなくて解熱鎮痛剤だけの製品を使う、という選択肢もあります。
抗ヒスタミン薬や咳止めは眠気や口渇、便秘などの副作用が出て邪魔になる可能性がありますしね。
風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
上の方でも紹介しましたが、再度リンクを貼っておきます
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