
市販でも第二世代の抗ヒスタミン薬が出てきましたね。選択肢が広がるのは良い事です。
今回はその中でも、医療用としてはかなり使われている「アレグラ」の市販薬である『アレグラFX』について書こうと思います。
花粉症などのアレルギー性鼻炎、皮膚疾患などがある方は一度は「アレグラ(フェキソフェナジン)」を処方されたことがあるのではないでしょうか?
というくらい、第二世代抗ヒスタミン薬としては代表的なものになりますね。
フェキソフェナジンの製品は他に安いのがあるので、特にこだわりがなければ他のメーカーので良いかと思います。
※フェキソフェナジンの製品についてはこちらの記事にまとめて書いてます。

※あと、第二世代抗ヒスタミン薬についてはこちらの記事にまとめています。

基本情報
・製造販売元:サノフィ
・発売元:久光製薬
・成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
フェキソフェナジン塩酸塩 | 120mg | 鼻水、くしゃみ、痒みを抑える |
成分名 | 1日量 (15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
フェキソフェナジン 塩酸塩 | 120mg | 鼻水、くしゃみ、痒みを抑える |
・包装
14錠、28錠、56錠
(PTP包装)
成分の解説
この製品には成分としては1種類のみ入っています。
フェキソフェナジン塩酸塩
・分類:「抗ヒスタミン薬」となります。
その中でも比較的新しい「第二世代」となります。
と言っても、医療用の「アレグラ」の発売は2000年なので20年以上前ですけど。
・効果:アレルギー反応を引き起こすヒスタミンという物質の働きをブロックします。
これにより、鼻水やくしゃみ、痒みなどのアレルギー症状を緩和します(抗ヒスタミン作用)。
主な作用はこの「抗ヒスタミン作用」なのですが、ロイコトリエンなどアレルギーに関係する他の化学伝達物質の働きを抑える作用も持っています。
第一世代は鼻づまりにはあまり効果がないのですが、第二世代は鼻づまりにも多少効果があります。
あと第一世代よりは効き目が表れるのが遅めではあるのですが、その代わり作用時間が長めになっています。
即効性という点では第一世代の方が優れています。
第二世代も急性期に使うのですが、どちらかというと慢性の症状によく使われますね。
といっても、フェキソフェナジンは作用の発現は早めで、最高血中濃度に達するまでの時間は2時間くらいです。
あと第一世代よりも抗コリン作用はかなり少なめです。ここが特にメリットですね。
・臨床での使用例:あらゆるアレルギー疾患に使われます。
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎や湿疹の痒みなど、鼻水や痒みがあればこの系統を使います。
体の痒みだけではなくて、目の痒みにも使いますね。抗ヒスタミンの目薬もありますし。
フェキソフェナジンは生後半年から使えます。もちろん量は年齢によって変わりますけど。
なので赤ん坊から高齢者まで幅広く使われていますね。
(医療用では、6ヵ月~2歳未満は1回15mg、2歳~12歳未満は1回30mg、12歳以上は1回60mg、それぞれ1日2回になります)
花粉症を含む季節性アレルギーには、その季節が始まる直前から服用を開始して、その季節が終わるまで続けるのがセオリーです。
症状が出始める前から服用開始する、という事になるので、花粉の予測など(アレグラの公式サイトにもあります)をチェックしておくと良いでしょうね。
・副作用と注意点:第一世代と違い副作用は少なめです。
第一世代の場合は基本的に眠気が出やすいので「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっているのですが、第二世代は脳に移行しにくいためその記載がないものも多いです。
フェキソフェナジンもその一つですね。
が、現場での経験上やっぱり眠気が出る方はいます。この辺は人それぞれなので初めて飲む場合は注意してください。
あとなんでか頭痛が出やすいみたいですね。自分はあんまり患者さんから聞いた事はないのですが。
(医療用アレグラのインタビューフォームでは、臨床試験の段階で発生した頭痛は2.17%、傾眠(眠気)は8.40%となっています)
肝機能の数値が上がったという報告もあるので、長期で飲む場合は注意してください。
・薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。
エリスロマイシン | フェキソフェナジンの血漿中濃度を上昇させるとの報告があります。 医療用のアレグラの添付文書には、最高血中濃度が約2倍に上昇したとのデータがあります。 眠気や頭痛などの副作用のリスクが高まる可能性があるので注意してください。 |
水酸化アルミニウム・ 水酸化マグネシウム 含有製剤 | フェキソフェナジンの吸収が妨げられる可能性があります。 医療用のアレグラの添付文書には、最高血中濃度が約40%減少したとのデータがあります。 同時に服用することはせず、2時間程度空けると良いでしょう。 |
アパルタミド (アーリーダ) | フェキソフェナジンの血漿中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがあるそうです。 |
エリスロマイシンは抗生物質、真ん中の水酸化なんとかは胃薬ですね。
あと、酸化マグネシウムの緩下剤も同時に服用はしない方が良いです。
アパルタミドは前立腺癌の薬です。
・製品内含量(成人):アレグラFXの1回分には60mg入っています。1日120mg。
医療用の「アレグラ」と同じ量になります。
使い方(用法・用量)
年齢 | 1回の服用量 | 1日の服用回数 |
---|---|---|
15歳以上 | 1錠 | 2回(朝・夕) |
となっています。
ただ、眠気が出る方は夕だけ飲むようにしても良いでしょう。
食後でなくて大丈夫です。この製品の説明書でも「空腹時にも服用できます」と書いてますね。
というより、食後服用は空腹時服用よりも最高血中濃度が14%低下したというデータがあります。
どちらかというと空腹時に飲んだ方が効き目は強くなりますね。
15歳未満の方は服用しないでくださいとのことです。
医療用のだと12歳以上は1日120mg使えるんですけどね。
この製品は大人用ってことですね。
あと子どもの場合はやっぱり病院で処方してもらった方が安心ですね。
製品全体としての注意点
注意してほしいこと
注意点はそれほどないですが一応書いておきます。
- 眠気:第一世代よりも少ないとは言え、やっぱりこの系統は眠気が出る方はいます。
- この製品の説明書では車の運転についての記載はないのですが、飲み始めの時は注意してください。
なんともなければもちろん大丈夫です。
- この製品の説明書では車の運転についての記載はないのですが、飲み始めの時は注意してください。
- 服用期間:1週間ほど飲んでみても効果が実感できなければやめた方が良いと思います。たぶんこの成分は合ってないかと。
- 長期で服用する場合も多いのですが、あまり長期だと肝機能障害等の副作用が起こる可能性もあります。
- 病院で処方してもらった方が安く済む場合も多いので、長期服用が前提なら受診した方が良いかと思います。
この系統は種類が多いですが、人によって効果や副作用の出方が全然違います。
合ってないと感じたらやめた方が良いですね。他にも選択肢はあります。
妊娠中の方
この製品の説明書では
「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」
という書き方になっています。
医療用アレグラの添付文書では
「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」
という書き方になっています。
豪州ADEC基準では「B2」で「有害作用の発生頻度の増加は観察されていない。動物での研究ではデータは不十分だけど、胎仔への障害が増えたという証拠はない」となっています。
Briggs基準では「ND2」で「過去の妊婦への投与経験はないか、あっても限られる。特定の1つの動物種の実験結果で胎児への明らかな危険性が示されている」となっています。
問題になることはまず無さそうではあるのですが、データが少ない以上「絶対大丈夫!」とは言えません。
とは言え、第二世代抗ヒスタミン薬は妊娠中でも安心して使えるものが多いですね。
第二世代抗ヒスタミン薬の中では、
- ロラタジン(医療用:クラリチン)
の安全性記載レベルが高いとされていますが、妊娠前から自分に合った薬を服用してるのであれば、わざわざ変えることはないと思います。
ただ、原則として妊娠している方は市販薬を使わず、受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)
授乳中の方
この製品の説明書には
「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」
と書いてあります。
ただ、授乳に関しては特に問題ないと考えます。
Mothers’ Milk基準では「L2(概ね適合)」で、
「少数例の研究に限られるが、児への有害報告なし。リスクの可能性がある根拠はほとんどない」
となっています。
・医療用は生後半年から使えること
・多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない
という2点から、乳児に影響が出ることは考えにくいです。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この薬に関しては6時間程度時間を空ければ、服用できるタイミングで服用して大丈夫です。
製品の特徴や利点、個人的な感想
代表的な第二世代抗ヒスタミン薬ですね。
医療用のであれば、たぶんどの調剤薬局でも扱ってるのではないでしょうか。
アレルギー性鼻炎や湿疹などの痒みだけでなくて、風邪をひいた時の鼻水にもよく使われますね。
やっぱり第一世代よりも副作用が少なめで使いやすいと思います。
第二世代は鼻づまりにも少しは効果があるとされてますしね。
ただ、自分もこれは鼻水が出る時に使うのですが、正直あんまり効かない感じ。あくまで個人的な感想です。
鼻づまりに効果があると言っても、やっぱり抗ヒスタミン単独ではあんまり効かないです。
上にも書きましたが、この系統は本当に個人差が大きいです。効果も副作用も。
病院でアレグラ(フェキソフェナジン)を処方してもらった経験があり、「効果と副作用のバランスが良いな」と感じた方が市販のを買って使用する、というのであれば良いのですが、そうでないなら最初から大容量のは買わない方が良いと思います。
まずは小容量のを買って試してみましょう。
この『アレグラFX』には14錠(7日分)の包装のがあるので、まずはそれでお試しした方が良いですね。
あと、アレルギー症状が鼻だけであれば点鼻薬という選択肢もあります。
飲み薬と違って全身性の副作用も少なく、直接鼻に噴霧するのでなんとなく効いてる感じがします。
鼻づまりがひどい方は、『パブロン点鼻』のような血管収縮剤が入ってるものを症状がひどい時だけ使う、という方法もあるかと思います。
これは速効性があり、噴霧後10分もすれば鼻が通ります。(クセになりやすいので注意!)
おそらくこの『アレグラFX』単独では鼻づまりの解消はあまり期待できません。
夜中に鼻呼吸ができなくて「朝起きたら喉がイガイガする~」という人は点鼻薬も検討してみると良いでしょうね。
使用した方の口コミ・レビュー、値段など
「ものログ」というサイトの口コミです。
良い評価としては、
といった具合。
否定的な意見としては、
といった感じ。
圧倒的に肯定的な意見が多くて少し驚きました。そんなに効くかな?
でも「全く効かない」という人もいましたし、やっぱり人それぞれですね。
「眠くなりにくい」という意見は多かったですね。
風邪の時に風邪薬で眠くなる方はこちらを試してみるのも良いかもしれません。
あとは「病院に行かなくても買えるのが良い」という意見も多かったですね。
やっぱり受診するとなるとちょっと大変ですもんね。自分も病院は嫌いです。
値段について
メーカーの希望小売価格(税込)を見ると、
14錠 | 1,446円 |
28錠 | 2,075円 |
56錠 | 3,850円 |
ということでした。
Yahooショッピング(送料含まず)で見てみると、
包装 | 値段 | 1日分に換算 |
14錠 | 800~2,000円 | 114~286円 |
28錠 | 1,200~2,500円 | 86~179円 |
56錠 | 2,100~3,900円 | 75~139円 |
※1日分のは、1日2錠で計算
※2025年2月時点です。
こんな感じでした。Amazonとか楽天だとまた違うと思いますけど。
あと、2個とか3個とかでまとめ売りされてるのもありますね。
医療用のアレグラの薬価は1錠31円。後発(ジェネリック)だと10~30円くらい。
『アレグラFX』の56錠入の安いのが1日75円とすると1錠37.5円となるので、それほど違いはないかな?
病院で処方してもらうと保険が利くのでなんとも言えないですけど。
また、フェキソフェナジンの市販薬は他にもたくさんあります。
中には1日あたり40円以下のもあるので、興味のある方は下の記事を見てみてください。
内容はほぼ全部同じなので、どうせなら安い方が良いですね。

まとめ
この記事では『アレグラFX』の主要成分である「フェキソフェナジン」の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。
この製品は、もともと医療用だったものを市販した「スイッチOTC」というものになりますね。
実績がすでに十分あり、副作用がそれほど出ないものが対象となるはずなので安心ではあります。
ただ、医療用と同じ成分量であるため医療用と同じ注意が必要という事は知っておいていただきたいです。
本来であれば医師の診察を受け処方されて初めて使用できる薬です。
予期せぬ副作用が出ることもあります。服用して体調が悪化した場合は速やかに医師の診察を受けるようにしてください。
この薬はたぶん大丈夫でしょうけど。
鼻炎の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
この記事を読んで「買おうかな?」と興味を持たれた方へ
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