『コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセルα』の特徴と注意点【薬剤師が解説】

今回は『コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセルα』について。

成分構成は前回の『ストナリニ・サット』と似たような感じになっています。

特徴としては、
・即効性の期待できるカプセル剤
・抗ヒスタミン薬、抗コリン薬が市販の鼻炎用内服薬としては最大用量
・血管収縮剤が2種入っている
といった点でしょうか。

その内容を詳しく見ていこうと思います。

※アレルギー性鼻炎で長期間薬を服用するのであれば、第二世代抗ヒスタミン薬をお勧めします。
(第二世代抗ヒスタミン薬の製品については下の記事にまとめてます)

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目次

製品の基本情報

製造販売元:興和

・成分

スクロールできます
成分名1日量(15歳以上の)はたらき
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩6mg鼻水、くしゃみを抑える
ベラドンナ総アルカロイド0.6mg鼻水や涙を抑える
dl-メチルエフェドリン塩酸塩45mg鼻づまりを和らげる?
(風邪薬では咳止めとして使う)
フェニレフリン塩酸塩15mg鼻づまりを和らげる
無水カフェイン120mg頭痛・頭重感を和らげる

・包装

24カプセル、48カプセル
(PTP包装)

※詳しくは公式ホームページをご覧ください。
(今までは公式の製品ページへの直接のリンクを貼っていたのですが、それを認めていない会社もあるのでやめることにしました)

各成分の解説

この製品には主な成分が5種類入ってます。

それぞれ解説していきますが、少し長くなるので折り畳みにしておきます。
興味のある方は読んでみてください。

それぞれの成分の解説は、基本的には他の記事のと同じです。
 製品内含量のところに少し固有のコメントをつけてるだけです。

d-クロルフェニラミンマレイン酸塩

クリック・タップで開きます。

分類:「第一世代抗ヒスタミン薬」になります。
第一世代と第二世代は似たようなものですが、多少効果や副作用が変わってきます。

クロルフェニラミンには「d(ディー)体」と「l(エル)体」というのがあります。
この製品にはd体だけを入れてるみたいですね。
l体の方は抗ヒスタミン作用があまりなくて眠気の副作用があります。特にメリットはありません。

効果:アレルギー反応を引き起こすヒスタミンという物質の働きをブロックします。
これにより、鼻水やくしゃみ、痒みなどのアレルギー症状を緩和します(抗ヒスタミン作用)。

ただ、鼻水を抑える効果はありますが、鼻づまりの方にはあまり効きません

この成分には抗ヒスタミン作用の他に、抗嘔吐作用抗コリン作用というものがあります。

「抗コリン作用」とは、薬が体内の特定の受容体に作用して、口の乾燥や目の焦点調節の問題、便秘などの副作用を引き起こすことです。

あと、第二世代と比べると効果の発現が早めですね。

臨床での使用例アレルギー性疾患全般に使っています。
アレルギー性鼻炎、上気道炎の鼻水・くしゃみ、蕁麻疹、湿疹など。
とにかく鼻水やくしゃみ、痒みがあればこの系統を使います。

病院ではあまりファーストチョイスにはならないかと思われます。
第二世代が効かない場合に使うといった感じですね。

でもこのd体だけのは今でも結構使われてますね(ポララミン)。
眠気などは出やすいですが効果も強めな印象です。

副作用と注意点抗コリン作用により眼圧が上昇したり、排尿困難や尿閉などが現れることがあるので、
基本的には閉塞隅角緑内障、前立腺肥大など下部尿路閉塞疾患がある方には禁忌となります。
(と言っても、この2つの疾患を持ってる方は大体治療されているので大丈夫な場合が多いです。主治医に訊いてみてください)

出やすい副作用としては眠気口渇があります。

⚠️特に眠気には注意してください
この製品の添付文書にも「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」と記載があります。

ただ、すごく個人差が大きいので何ともない人は本当に何ともありません。それでも最初に飲んだ後は注意してください。

口渇については特に問題にはならないですが、結構カラッカラになって不快です。

薬物相互作用:併用注意のものがあるので載せておきます。

バルビツール酸系薬剤等
アルコール
相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。
モノアミン酸化酵素阻害剤相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。
抗コリン作動性薬剤ブチルスコポラミン臭化物
アトロピン硫酸塩水和物等
相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には減量するなどしてください。
ドロキシドパ
ノルアドレナリン
血圧の異常上昇を来すおそれがあります。

併用禁忌というわけではないので、なんか眠いな~、ふらふらするな~と感じたら風邪薬の量を減らして様子をみてください。

製品内含量(成人):この製品の1回分には2mg入っています。1日3回で6mg
医療用では1回2mgので1日1~4回、または1回6mgので1日2回使います。1日8~12mgですね。

市販の鼻炎薬の最大用量が入っています。
市販の風邪薬では1日3.5mgまでしか使えないのですが、鼻炎薬の方では1日6mgまで使えるようですね。
(「かぜ薬の製造販売承認基準について」、「鼻炎用内服薬の製造販売承認基準について」より)

ベラドンナ総アルカロイド

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分類:「抗コリン薬」になります。

ベラドンナという植物の根から抽出されたいろいろな有機化合物(アルカロイド)をまとめて「ベラドンナ総アルカロイド」と呼びます。
医療用では「ロートエキス」とか「アトロピン」というものがありますが…これは鼻水に使う事はなくて、下痢止めとして使う事の方が多いですね(適応は「痙攣性便秘」となっててややこしいですが、腸の働きを抑えるので下痢止めになります)。

ちなみに、「ベラドンナ」とはイタリア語で「美しい女性(bella donna)」という意味だそうですね。

効果:「抗コリン薬」自体は副交感神経を抑えることでいろいろな効果を示します。
胃や腸の動きを抑えたり、心拍数を上げたり、膀胱を緩めたりなど。
あとは多汗症やパーキンソンにも使いますね。

このベラドンナ総アルカロイドは鼻水や涙を抑える目的で入っています。

臨床での使用例:抗コリン薬はいろいろな薬があるのですが、医療用では鼻水を抑える目的の抗コリン薬はありません
(たしか。あったらすみません)

現在主流で使われている第二世代抗ヒスタミン薬の売りは、第一世代抗ヒスタミン薬で問題になる抗コリン作用を少なくした事でもあるので…あえて抗コリン薬を追加するのも変な話ですね。

鼻アレルギー診療ガイドラインでは、治療に使われるのは主に「第二世代抗ヒスタミン薬」「ロイコトリエン拮抗薬」「鼻噴霧用ステロイド」となります。
(「メディエーター遊離抑制薬」や「トロンボキサンA2拮抗薬」などもありますが、あまり使っているのを見た事がありません)
オプションとして「血管収縮剤の点鼻薬」ですね。これは頓用となります。

副作用と注意点:やっぱり問題になるのは「抗コリン作用」です。
作用と副作用は相反するものでもなくて、作用が強く表れると副作用となる事もあります。

医療用の抗コリン薬では閉塞隅角緑内障前立腺肥大重篤な心疾患麻痺性イレウスがある方には基本的には禁忌となっていますが、この製品では「医師・薬剤師に相談」となってますね(麻痺性イレウスについては記載すらありません)。

出やすい副作用としては、口の渇き便秘などでしょうか。

薬物相互作用:併用注意があります。禁忌はありません。

三環系抗うつ剤
アミトリプチリン
イミプラミン 等
フェノチアジン系薬剤
プロクロルペラジン
クロルプロマジン 等
MAO阻害剤
抗ヒスタミン剤
クロルフェニラミン
ジフェンヒドラミン
・イソニアジド





本剤の作用が増強されることがあるので、併用する場合は減量するなどしてください。
強心配糖体製剤
ジゴキシン等
強心配糖体製剤の毒性を増強するおそれがあります。

製品内含量(成人):この製品の1回分には0.2mg入っています。1日3回で0.6mg
市販の鼻炎薬の最大用量が1日0.6mgとなっています。
風邪薬の方は1日0.3mgが最大なので、その倍ですね。
(「かぜ薬の製造販売承認基準について」、「鼻炎用内服薬の製造販売承認基準について」より)

dl-メチルエフェドリン塩酸塩

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分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあり、そのうちの交感神経に働くものです。

効果:交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があり、メチルエフェドリンはその両方を刺激します。
さらに「β受容体」は「β1」「β2」などいくつかタイプがあります(今分かっているのは「β3」まで)。

メチルエフェドリンを風邪薬として使う場合は、主に「β2刺激薬」として使います。
効果としては気管支拡張ですね。
また、中枢性の鎮咳作用もあります。

この製品の説明では「鼻粘膜の充血やハレを抑え、鼻づまりを緩和します」と書いていますが、医療用では通常そういう使い方はしません。
(鼻粘膜血管収縮作用があるのは「エフェドリン」の方)

交感神経系の伝達物質であるノルエピネフリンの遊離を促進しますが、反復投与すると効果がなくなります(タキフィラキシー)。
気管支拡張作用にはタキフィラキシーは現れません。

メチルエフェドリンの利点は「α刺激作用が少ない」という事もあるので、血管収縮剤として使うにはメリットがないように思います。

つまり、基本的には「咳止め」です。

臨床での使用例:気管支喘息や気管支炎、結核、風邪の咳など、咳や呼吸の症状に使います。
あと抗アレルギー作用も持っていて蕁麻疹や湿疹にも適応がありますが、これらに使ってるのは見た事がありません。

副作用と注意点:副作用としては、動悸が出やすいかと思います。
あとは手の震えが出ることもあります。どちらも薬を止めると症状も治まるはずです。
通常使う量ならまず問題にはならないですが、心疾患のある方は注意してください。

あと、甲状腺の機能を亢進させたり、血圧が上がったり、血糖値が上がったりすることもあります。
甲状腺機能亢進症高血圧糖尿病の方は注意してください。

薬物相互作用カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)とは併用禁忌になります。
この辺は循環不全の急性期(いわゆるショック)に使うものなので、「市販の風邪薬を飲もうかな?」なんて時にはまず使っていないと思います。

併用注意もいくつかあるので載せておきます。

モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
セレギリン塩酸塩
ラサギリンメシル酸塩
サフィナミドメシル酸塩
作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。
甲状腺製剤
チロキシン
リオチロニン等
作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなどしてください。
キサンチン誘導体
テオフィリン
ステロイド剤
プレドニゾロン
利尿剤
アミノフィリン

血清カリウム値が低下するおそれがあります。
併用する場合には定期的に血清カリウム値を観察して、用量について注意してください。

喘息を治療中の方は、これに似た系統の成分をすでに服用してる可能性があるので注意してください。飲み薬としてではなく、吸入薬の中に入っていることが多いです。

製品内含量(成人):この製品の1回分には15mg入っています。1日45mg
医療用では、1日に75~150mg使われます。

この製品の場合は他にフェニレフリンが入っているので少なめになっていますね。

フェニレフリン塩酸塩

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分類:「交感神経刺激薬」になります。
自律神経には交感神経と副交感神経と2つあって、そのうちの交感神経の方に働くものです。

交感神経には大きく分けて「α受容体」と「β受容体」という2種類の受容体があり、フェニレフリンはα1受容体を選択的に刺激します。β受容体にはほとんど作用しません

効果:鼻の粘膜の血管にあるα受容体を刺激することで、血管が収縮して鼻粘膜の充血や腫脹を軽減します。
そうすることで鼻づまりを改善します。

作用としてはそういう事なのですが、内服の場合は効果が短すぎて「実際にフェニレフリンの鼻粘膜収縮作用を証明した報告はほとんどない」という事です。
(「アレルギー性鼻炎の鼻閉に対する pseudoephedrine の有効性」より)
またWikipediaでも「米食品医薬品局の諮問委員会により、経口投与による鼻閉治療効果が否定された」との記述があります。

他の市販薬によく配合されているプソイドエフェドリンの方が、「効果はマイルドでも作用時間が長く耐性を生じにくい」とされていますね。

また、交感神経の受容体は全身のあちこちにあるので、思わぬ副作用が出ることがあります。

臨床での使用例:医療用では内服のものは存在しません。
昇圧剤としての注射と、散瞳薬としての点眼だけです。
フェニレフリン自体は点鼻での効果は認められているようですが、医療用では存在しません。

副作用と注意点:血圧上昇や頻脈、血圧上昇による反射性の徐脈が起こる場合があります。
特に心疾患を持ってる方は注意してください。

あと、甲状腺機能亢進症の方は交感神経刺激作用が強く表れることがあります

他には頭痛、吐き気、手足のしびれなどが出るかもしれません。

薬物相互作用:いくつか併用注意があります。

MAO阻害薬
セレギリン塩酸塩
ラサギリンメシル酸塩
サフィナミドメシル酸塩等
フェニレフリンはMAOによって代謝されます。
MAO阻害薬で治療中又は治療後3週間以内の患者さんでは
血圧の異常上昇を起こすおそれがあります。
三環系抗うつ薬
イミプラミン
アミトリプチリン等
フェニレフリンの作用が増強され、
血圧の異常上昇をきたすことがあります。
分娩促進剤
オキシトシン
エルゴタミン等
フェニレフリンの作用が増強され、
血圧の異常上昇をきたすことがあります。
「ネオシネジンコーワ注」の添付文書より。

製品内含量(成人):この製品の1回分には5mg入っています。1日3回で15mg
医療用のものは、皮下注及び筋注では1回2~5mg、静注では1回0.2mg用いますが、もちろん比較はできません。

市販の鼻炎用内服薬の最大用量は1日30mgとなっています。
(「鼻炎用内服薬の製造販売承認基準について」より)

この製品には類似物質のメチルエフェドリンが入っているので、それぞれの成分量は少なくなっていますね。

無水カフェイン

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※「無水カフェイン」と「カフェイン水和物」というのがありますが似たようなものなので、ここでは同じものとして扱います。

分類:薬効分類でいえば「中枢興奮・鎮痛剤」になります。「中枢性呼吸刺激薬」にもなります。「キサンチン誘導体」というものの一種でもあります。

効果:カフェインは、頭をすっきりさせたり、エネルギッシュな気分にさせたりする効果があります。それによって、心臓が活発に動いて血の流れが良くなるので、結果としてトイレに行く回数が増えることがあります。
また、カフェインは頭の中の血管を少し狭めることで、頭痛を和らげる効果もあります。
あと気管支を拡張させる作用があるので、昔はコーヒーを喘息の特効薬として使ってたみたいですね。

臨床での使用例:そもそもあんまり使われないのですが、一番使われるのは頭痛でしょうか。脳血管を収縮させるので、血管拡張型の頭痛に使います。
一応眠気や倦怠感にも適応があるのですが、それ目的で処方されたことは一度も経験ありません。
でも医療用ではなく一般的には眠気やだるさに対してが一番使われるでしょうね。
「無水カフェイン」は「早産・低出生体重児における原発性無呼吸症」に適応があります。

市販薬に入ってることが多いですが、これは眠気防止かなと思います。あとは「元気になった気にさせる」といったところでしょうか。エナジードリンクが良い例ですね。

副作用と注意点:副作用として不眠や振戦(手の震え)、動悸などがあります。
あと胃酸の分泌が増えるので消化を助けますが、空腹時に飲むと胃が荒れます。コーヒーには牛乳を入れましょう。ブラックを飲むなら食後にどうぞ。

薬物相互作用:併用注意のものがいくつかあります。禁忌ではないです。

他のキサンチン系薬剤
アミノフィリン水和物
ジプロフィリン
テオフィリン等
中枢神経興奮薬
エフェドリン塩酸塩
マオウ等


過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。
MAO阻害剤
セレギリン塩酸塩
ラサギリンメシル酸塩
サフィナミドメシル酸塩

頻脈、血圧上昇等が現れることがあります。
シメチジン過度の中枢神経刺激作用が現れることがあります。

カフェインもキサンチン系になるので、同じ系統を摂取すると過量投与になります。喘息ある人は服用してる可能性があるので注意してください。
マオウは漢方薬に入ってることが多いです。知らずに摂ってることがあるのでこれも注意を。
MAO阻害薬はパーキンソン病に使うので、パーキンソンの方は注意してください。
シメチジンは胃薬ですね。今はあんまり使われないですが、飲んでる方は注意を。
でもどれもあまり気にしなくて良いかと思います。症状が出るようならカフェインを減量してください。

カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれているので、農林水産省のサイトにあった表を載せておきます。

農林水産省のサイトより引用

カフェインは一般的な飲み物にもよく含まれていますが、その含有量は製品やブランド、調理法によって大きく異なります。ここで紹介するのはあくまで一般的な平均値または範囲であり、正確なカフェイン含有量については、各製品のラベルやメーカーの情報を参照してください。

製品内含量(成人):この製品の1回分には40mg入っています。1日3回で120mg
医療用では、1回100~300mg、1日2~3回となっています。

厚生労働省のサイトによると、「悪影響のない一日当たりの最大摂取量」の目安というのは個人差が大きく、日本でも国際的においても明確に設定はされていないようです。
例えば、
・カナダでは健康な成人だと1日400mg妊娠中の方、授乳中の方は1日300mgまで。
・イギリスでは妊娠中、授乳中の方は1日200mgまでとなっています。

厚生労働省のサイトにもカフェインの過剰摂取についての記事があるので興味のある方は目を通してみてください。(厚生労働省のサイト→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)

主要成分の効果と注意点のまとめ

5種類の成分について解説してきましたが、まとめると以下のようになります。

  1. d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
    • 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
    • 抗コリン作用により眼圧上昇や排尿困難などの副作用があり、特に眠気に注意が必要です。
  2. ベラドンナ総アルカロイド
    • 抗コリン作用により鼻水や涙を抑えます。
    • 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大など特定の疾患を持つ方は使用に注意が必要です。
  3. dl-メチルエフェドリン塩酸塩
    • 気管支拡張作用があり、咳を鎮めたり呼吸を楽にします。
    • 副作用には動悸や手の震えがあり、心疾患のある方は特に注意が必要です。
  4. フェニレフリン塩酸塩
    • 鼻の粘膜の血管を収縮させて、鼻づまりを改善します。
    • 血圧上昇や頻脈などが現れることがあります。心疾患のある方は注意が必要です。
  5. 無水カフェイン
    • 中枢興奮・鎮痛剤として、覚醒作用を持ち、頭痛や眠気防止に効果的です。
    • 副作用には不眠や振戦、動悸があり、他のキサンチン系薬剤や中枢神経抑制剤との併用に注意が必要です。

用法・用量や製品としての注意点など

用法・用量

15歳以上:1回1カプセル・1日3回(服用間隔は 4 時間以上おいてください)
となっています。
食後である必要はないですね。

15歳未満は服用しないでくださいとのことです。

これは多分、フェニレフリンが成人の適応しかないからだと思われます。
(現場の判断で使う事はあります)

注意してほしいこと

いくつか注意点を書いておきます。

眠気に注意クロルフェニラミンで眠気が出やすい方もいるので注意してください。
「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。
ただ、全然眠くならない方もいるので、そういう方は問題ないですね。

高血圧・心疾患のある方:メチルエフェドリンやフェニレフリンによって血圧上昇や頻脈等が出る可能性があります。
一時的に使用する分には問題ないと思いますが注意してください。

抗コリン薬:口の渇きや目のかすみ、排尿困難や便秘などの症状が出る可能性があります。
気になる場合は減量または中止してください。

喘息治療中の方:気管支拡張薬のメチルエフェドリンが入っているので、喘息を治療中の方はすでに服用(吸入)してる可能性があります。過剰摂取にならないように注意してください。

服用期間: この製品の添付文書にも「長期連用しないでください」と書いてますが、5~6日飲んでみても効果が実感できなければやめた方が良いと思います。
抗ヒスタミンだけなら問題ないのですが、フェニレフリンのようなα刺激薬はあまり長期で服用するものではありません。鼻づまりがひどい時だけピンポイントで使う方が良いでしょう。
病院で処方してもらった方が安く済む場合も多いので、アレルギー性鼻炎で長期服用が前提なら受診した方が良いかと思います。

妊娠中の方

妊娠中の方については、この製品の添付文書では「服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」という書き方になっています。

ということで禁忌ではないのですが、
個人的には妊娠してる方にはお勧めできません

フェニレフリンはBriggs基準によるとリスク5となっていて「原則として妊娠中の投与は避けることが望ましい」となっています。

医療用のフェニレフリン、「ネオシネジンコーワ注」の添付文書では、
「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で、胎児毒性(低酸素血症)が報告されている。」
との記載があります。

豪州ADEC基準ではB2となっていて、「ヒト胎児への有害作用の発生頻度の増加は観察されていない」とのことです。

動物実験では毒性あり、ヒト胎児では今のところ有害事象なし、というところです。
短期間であれば問題はなさそうですが、あえてこの薬を使う必要もないでしょうね。

メチルエフェドリンについてはデータが見つかりません。
似た物質のエフェドリンだとFDA(アメリカ食品医薬品局)の基準ではC、豪州ADECだとAとなっています。
アメリカでは「動物実験では胎仔に有害作用があったよ」
オーストラリアでは「妊婦さんにたくさん使ってるけど問題なかったよ」
という事になります。
Briggs基準では適合1となっていて、「妊娠中の投与に適する」とのことです。

クロルフェニラミンについては特に問題はなさそうですね。
豪州ADEC基準ではAとなっています。多数の妊婦さんへの投与経験があり、胎児に問題が出た事はないと。

ベラドンナ総アルカロイドは、これ自体はデータの少なさからか豪州ADEC基準ではB2となっていますが、仲間であるベラドンナアルカロイドの医療用医薬品のアトロピンはA、Briggs基準でも適合4となっていて問題なさそうです。

まとめると、フェニレフリンが入っているため妊娠してる方にはお勧めできません

鼻水・鼻づまりがひどいなら点鼻薬目のかゆみや涙が出るなら点眼薬、という選択肢もあります。

飲み薬に関しても、妊娠中の方が使っても安心な薬が他にあります。
あえてこれを使う必要はないと考えます。

服用するにしても短期間(数日)の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
あと、やっぱり妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(と言うか、必ず受診してください)

授乳中の方

あと授乳中の方ですが、
この製品の添付文書には何も記載がありません。

授乳に関しては特に問題ないと考えます。

Mothers’ Milk基準ではこの薬に入ってる成分で一番リスクの高いもので「L3(概ね適合)」となっています。
(フェニレフリンとクロルフェニラミン、ベラドンナ総アルカロイドの3つがL3)

L3は「児に不都合な影響が出る可能性がある。またはごく軽微で危険性のない有害作用しか示されていない」となっています。
これを読むと少しおっかない感じですが、「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると心配はいらないかと思います。

メチルエフェドリンについては情報はないのですが、生後3ヵ月から使える製品もありますね。

心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この製品はもともと食後である必要はないですし、4時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。

ただ、ベラドンナ総アルカロイドのような抗コリン薬は鼻水や涙だけでなく、乳汁の分泌も抑える可能性があるので注意してください。

薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。

妊娠・授乳中の薬物治療に関して不安を持つ方も多いかと思います。
そういう方の相談に乗ってくれる機関があるのでそこのサイトのリンクを貼っておきます。
妊娠と薬情報センター:https://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html

製品の特徴や利点と個人的な感想

・鼻水を抑える抗ヒスタミン薬と抗コリン薬
・鼻づまりを解消する血管収縮剤が2種
・頭重感を和らげるカフェイン

前回書いた『ストナリニ・サット』と内容としてはほぼ同じです。
効果の速さを謳っているのも同じですね。

ストナの方は口腔内崩壊錠なので、水なしで服用可能。
こちらはカプセル剤なので水は必要(水なしで飲める人もいると思いますがお勧めしません)。
ストナはかみ砕いて飲むこともできるので、使い勝手はストナの方が上でしょうか。

成分の比較をしてみると、

スクロールできます
コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセルαストナリニ・サット
抗ヒスタミン薬d-クロルフェニラミン:6mgd-クロルフェニラミン:6mg
抗コリン薬ベラドンナ総アルカロイド:0.6mgベラドンナ総アルカロイド:0.6mg
血管収縮剤フェニレフリン塩酸塩:15mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩:45mg
フェニレフリン塩酸塩:30mg
カフェイン120mg80mg
2つとも1日3回での成分量です。

違いは、
・血管収縮剤が1種か2種か
・カフェインの量
この2つです。

抗ヒスタミン薬と抗コリン薬は2つとも市販の鼻炎用内服薬としては最大用量含まれています。
鼻水を止める効果に違いはないですね。

カフェインはどちらも少なめなので、この程度であれば誤差でしょう。
敏感な人には分かるかもしれませんけど。

血管収縮剤の違いについては何とも言えません。
血管収縮はα刺激作用になりますが、それはメチルエフェドリンよりもフェニレフリンの方があると思います。

メチルエフェドリンの主な作用はβ2刺激作用であり、気管支拡張薬として使われます(中枢性の鎮咳作用もある)。
つまり咳止めです。鼻づまりに使う事は通常ありません。

ではフェニレフリンが最大用量入っている『ストナリニ・サット』の方が鼻づまりに効くのかと言うと何とも言えません。
フェニレフリンも鼻づまりに対して内服で使う事は通常ありません(点鼻での効果は認められています)。

フェニレフリンは成分の解説にも書いてある通り、内服だと効果が短すぎて「実際にフェニレフリンの鼻粘膜収縮作用を証明した報告はほとんどない」という事です。

一般的な市販薬ではプソイドエフェドリンが圧倒的に多く、実績が全然違いますね。
プソイドエフェドリンは医療用医薬品でも鼻づまりに使われています(「ディレグラ」「プソフェキ」)。

効果に関しては人それぞれとしか言えませんが、鼻づまりの緩和が目的なのであればプソイドエフェドリンが入っている製品を選んだ方が良いかな?と個人的には思います。
今まで書いたものでは、『パブロン鼻炎カプセルSα』や『新コンタック600プラス』がありますね。

それか血管収縮剤の入った点鼻薬を使うという選択肢もあります。
これはかなりクセになるので注意が必要ですが、効き目は確かです(自分も使っていてクセになってます)。

また、フェニレフリンやプソイドエフェドリンのような交感神経刺激薬を抗コリン薬と併用する場合は注意してください。

抗コリン作用とは、副交感神経の働きを抑える作用、すなわち副交感神経遮断を意味します。
副交感神経が抑制されると、交感神経が相対的に優位になります。
つまり、副交感神経遮断と交感神経刺激は結果として似たような反応を引き起こすことがあり、これらの作用を持つ薬を同時に使用すると効果が強く出る可能性があります。

全体的な個人的評価としては、「鼻水・鼻づまりが酷い時に短期間ピンポイントで使うなら有りかな…どうかな?」といったところ。
『ストナリニ・サット』よりはちょっと評価が低めですが、ほぼ同じですね。

d-クロルフェニラミン・6mg/日の単独の製品があればもっと使いやすいのですが。

あと、アレルギー性鼻炎のように長期使用が前提であればお勧めしません。
基本的には第二世代抗ヒスタミン薬を使いつつ、症状が酷い時だけ頓用で使うことをお勧めします。

使用した方の口コミ・レビューと値段について

「ものログ」というサイトの口コミです。

まず良い評価の方は、

「アレグラとかクラリチンが効かない人にも長くよく効く」
「普通に効いてる感じで喉の乾燥もなくよかった」
「安いけど効果はある」

といった具合。

否定的な意見としては、

「喉奥の味(苦いような違和感のある味)が気になる」
「鼻水がまったく止まらない」
「眠くなりがちだった」

といった感じ。

効果に関しては「よく効く」「即効性ある」と評価は良いですね。主に鼻水についてでした。
鼻づまりについて書いてる人はあまりいなかったですね。

クロルフェニラミンのような第一世代は、アレグラやクラリチンのような第二世代と比べると作用発現が早めなので、効果は感じやすいかと思います。
即効性を期待するのであればこういう製品の方が良いでしょうね。

口の渇きについて書いてる人が少しいました。
クロルフェニラミンとベラドンナ総アルカロイドが最大用量入っているので、ここは仕方ないですね。
効果とトレードオフです。
書いてる人はいませんでしたが、便秘にもなりやすいかと。

値段に関しては、Yahooショッピング(送料含まず)で見ると、
48カプセルので1,000~1,600円くらい。
1日3回だと1日62.5~100円くらい。

先ほど比較した『ストナリニ・サット』は1日250~300円くらいはしたので、この値段差であれば自分は確実にこちらの製品を買いますね。成分構成はほとんど同じですし。
というか、ストナが高過ぎですね。

第二世代のフェキソフェナジンであればもっと安いものがあります(1回分20円以下とか)。
効果は弱めではありますが、まずはこちらから試してみるのが良いかな、と思います。

まとめ

この記事では『コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセルα』の主要成分、それぞれの効果や注意点、そして実際の使用者の声をご紹介しました。

特徴としては、
・即効性の期待できるカプセル剤
・抗ヒスタミン薬、抗コリン薬が市販の鼻炎用内服薬としては最大用量
・血管収縮剤が2種入っている
といった点でしょうか。

1つ目についてはストナと同じく、正直利点でもなんでもないような気もします。
慢性的な鼻炎であれば毎日薬を服用する必要があるので、「外出先で」使うなんて事はないんですよね。
急性鼻炎になら良いでしょうと思いますが、急に鼻水が出てきた時にこの薬を持ち歩いてる事なんてあるのかな?
もし朝起きた時に症状があるなら、家で薬を飲んでるはずですしね。

と思ってましたが、レビューを読んでみると急な鼻水に使っている人が結構いましたね。
この辺はご自身に合った使い方で良いかと思います。

第二世代が全然効かない、という人がかなりいるのも事実です。

2つ目については、逆にちょっと使いにくさを感じます。
抗ヒスタミン薬だけが最大用量入ってる製品であればもっと使いやすいんですけどね。

3つ目は利点とは言えません。
そもそもこの製品に入っている2種類は、医療用では内服で鼻づまりに使う事はないですし。
あくまで他社の製品と差別化しただけだと思います。

もう一つ、この製品自体の特徴ではないのですが、値段が安いというのは良いですね。
『ストナリニ・サット』の3分の1くらいです。

個人的に考えるこの薬の使い方としては、
・標準的な量の第二世代抗ヒスタミン薬を服用中の方が、
・日中に症状が悪化したときに頓用で使う
といった感じでしょうか。

ストナと同じになりますが、これ以外では良い使い方が思いつきません。

血管収縮剤と抗コリン薬が入っている時点で長期間の服用には向きません。
あくまで頓用、ピンポイントですね。

個人的には、普段は第二世代抗ヒスタミン薬を単独で使用し、鼻づまりがひどい時だけ血管収縮剤の点鼻薬を頓用で使用する、という方をお勧めします。
(血管収縮剤の点鼻薬はクセになるので、これも注意が必要です。自分はクセになりました)

第二世代抗ヒスタミン薬の製品については下の記事にまとめているので、興味のある方は読んでみてください。

鼻炎の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。

ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。

効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします

詳細な情報やご購入を検討される方は、公式ホームページを参照してください。

皆様の健康維持に役立つ情報をこれからも提供していきます。

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