
この製品は鼻症状に対する成分として、
・プソイドエフェドリン:鼻づまりを解消する
・ヨウ化イソプロパミド:鼻水の分泌を抑える
・クロルフェニラミン:アレルギー症状を抑える
の3つが入っています。
(製品のサイトではグリチルリチン酸も含めて4つにしていますが、これはフツー鼻には使わないし量も少ないです)
去痰薬のカルボシステインも入っています。これは副鼻腔炎の排膿にも使われるので、一応鼻の方にも効果があるかもしれません。
ちゃんと鼻症状に特化した総合感冒薬と言えるかと思います。
発熱や痛み、咳についてはちょっと弱いかもしれません。
鼻症状だけなら鼻炎薬で良いと思いますが、「鼻症状がメインだけど他の症状もちょっとある」というときには選択肢の一つになるかと思います。
こういった製品を使うか鼻炎薬を使うか、記事を読んで判断していただけたらと思います。
基本情報
・製造販売元:大正製薬
・主な成分
成分名 | 1日量(15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
塩酸プソイドエフェドリン | 135mg | 鼻づまりを和らげる |
ヨウ化イソプロパミド | 6mg | 鼻水を抑える |
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 3.5mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
グリチルリチン酸二カリウム | 40mg | のどや鼻の粘膜の炎症を鎮める |
イブプロフェン | 450mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
カルボシステイン | 750mg | 気道の粘液や粘膜を正常な状態に近づける |
ジヒドロコデインリン酸塩 | 24mg | 咳を抑える |
成分名 | 1日量 (15歳以上の) | はたらき |
---|---|---|
塩酸 プソイドエフェドリン | 135mg | 鼻づまりを和らげる |
ヨウ化イソプロパミド | 6mg | 鼻水を抑える |
d-クロルフェニラミン マレイン酸塩 | 3.5mg | 鼻水、くしゃみを抑える |
グリチルリチン酸 二カリウム | 40mg | のどや鼻の粘膜の炎症を鎮める |
イブプロフェン | 450mg | 熱をさげ、痛みを和らげる |
カルボシステイン | 750mg | 気道の粘液や粘膜を正常な状態に近づける |
ジヒドロコデイン リン酸塩 | 24mg | 咳を抑える |
・包装
・錠剤:18錠
(PTP包装)
各成分の効果・注意点
『パブロンセレクトN』の主要成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。
- 塩酸プソイドエフェドリン
- 鼻の粘膜の血管を収縮させることで充血をとり、鼻づまりを改善します。
- 血圧上昇や頻脈などが現れることがあります。心疾患のある方は注意が必要です。
- 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などの疾患を持つ方も注意してください。
- 「濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
- ヨウ化イソプロパミド
- 抗コリン作用により鼻水や涙を抑えます。
- 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などの疾患を持つ方は注意を。
- 口の渇きや便秘が起こりやすいです。
- d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
- 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
- 特に眠気には注意してください。
- 抗コリン作用により、眼圧上昇や排尿困難などの副作用が出る可能性があります。
- グリチルリチン酸二カリウム
- 抗アレルギー・抗炎症作用があり、のどや鼻の粘膜の炎症をしずめる目的で配合されています。
- 低カリウム血症に注意。だるさや痺れ、こむら返りや麻痺などがあったら中止して受診してください。
- 甘草(カンゾウ)が入っている漢方薬を飲んでいる方は注意を。
- イブプロフェン
- NSAIDsの一種。痛みや熱、炎症を抑えます。
- 胃に負担がかかることがあります。アスピリン喘息にも注意を。
- カルボシステイン
- 去痰薬の気道粘液修復薬で、痰をサラサラにして粘膜を正常化し、痰を出しやすくします。
- 上気道炎や気管支炎、気管支喘息や副鼻腔炎などに使用されます。
- 副作用は非常に少ないですが、内服後数日経ってから固定薬疹が出ることが稀にあります。
- ジヒドロコデインリン酸塩
- 中枢性麻薬性鎮咳薬で、咳中枢を抑制することで咳を抑えます。
- 痰を硬くする可能性があるので、主に痰のからまない咳に使います。
- 便秘、眠気などの副作用に注意を。
- 依存形成の可能性があり「濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
- 12歳未満は禁忌です(呼吸抑制のリスクが高い)。
使い方(用法・用量)
年齢 | 1回の服用量 | 1日の服用回数 |
---|---|---|
15歳以上 | 2錠 | 3回 |
「食後なるべく30分以内に」となっています。
イブプロフェンで胃痛が起こる方もいるので一応注意してください。
でもあまり心配は要らないです。
15歳未満の方は服用しないでくださいとのことです。
イブプロフェンが入っていると15歳未満には使えないことになっています。
(「かぜ薬の製造販売承認基準について」より)
医療用のイブプロフェンは小児の解熱に適応がないんですよね。
滅多にないですが、ライ症候群を警戒して、という事だと思います。
イブプロフェンはサリチル酸系ではなくて、プロピオン酸系と呼ばれるものになります。
ライ症候群と確定された症例はすべてアスピリン及びジクロフェナクとの併用例となります。他のNSAIDsに関しては禁忌にはなっていません。
インフルエンザ脳症についても問題になるのはジクロフェナクです。(メフェナム酸は微妙)
国際的に小児の解熱にはアセトアミノフェンかイブプロフェンが推奨されているのに、市販薬だとイブプロフェンが使えないのは少しもったいないですね。
15歳未満の方はアセトアミノフェンが入ってるものにしましょう。
大人の方でも解熱だけが目的の場合はアセトアミノフェンが良いと思います。
製品全体としての注意点
注意してほしいこと
いくつか注意点を書いておきます。
- 高血圧・心臓病・甲状腺機能障害・糖尿病・前立腺肥大による排尿障害のある方は禁忌となっています。
- プソイドエフェドリンによってこれらの症状が悪化する可能性があります。
- 一時的に使用する分にはそれほど問題ないと思いますが、この製品の添付文書では禁忌になっているので注意してください。
- 眠気に注意:眠気が出る可能性があるので注意してください。
- 「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。ただ、全然眠くならない方もいるのでそういう方は問題ないですね。
- ジドブジン(商品名:レトロビル、コンビビル)服用中の方は注意してください。
- イブプロフェンと併用すると出血傾向が強まる可能性があります。
- この製品の添付文書には記載がないですが、医療用のイブプロフェンはジドブジンとの併用は禁忌となっています。
- 喘息:イブプロフェンによって喘息発作が誘発される事があります。
- 他の風邪薬や解熱鎮痛剤で喘息の症状が出た事がある人は、解熱鎮痛剤としてはアセトアミノフェンだけが入ってる風邪薬を選ぶと良いかと思います。
- 漢方薬服用中の方:グリチルリチン酸は甘草(カンゾウ)という生薬に含まれる成分ですが、過剰摂取で偽アルドステロン症の副作用が出る場合があります。漢方薬を服用中の方は注意してください。
- 喘息治療中の方:ジヒドロコデインは気道分泌の抑制と気管支を収縮させる作用もあるので、基本的には喘息には使いません(喘息発作には禁忌)。
- 抗コリン作用:口の渇きや目のかすみ、眼圧上昇、排尿困難、便秘などの症状が出る可能性があります。
- 気になる方は抗コリン薬の入っていない製品を選ぶと良いでしょう。
(抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミドなど)
- 気になる方は抗コリン薬の入っていない製品を選ぶと良いでしょう。
- 服用期間:「5日間を超えて服用しないでください」となっています。
- 風邪薬は症状を緩和するもので、風邪自体を治すわけではありません。3~4日服用しても症状が良くならない場合は、医師の診察を受けた方が良いかと思います。
- ジヒドロコデインのオーバードーズ(過剰摂取)の問題もあります。
妊娠・授乳中の使用について
大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。
クリック・タップで開きます。
妊娠中の方
妊娠後期(28週以降)の方は禁忌です。
(この製品の説明書では「出産予定日12週以内の妊婦は飲まないで」という書き方になっています)
イブプロフェンにより胎児の動脈管(心臓と大動脈をつなぐ血管)が収縮した、という報告があります。
妊娠後期の方は、解熱鎮痛剤としてはアセトアミノフェンだけが入ったものにした方が良いかと思います。
(アセトアミノフェンは短期間であれば問題ないとされています)
また、ジヒドロコデインは妊娠28週以降は推奨されません。
豪州ADECという危険度分類ではジヒドロコデインの分類はAとなり、「今までの使用経験上では大丈夫だった」とのことです。
ただ、違う基準(Briggs基準)によるとリスク4の「妊娠28週以降は胎児への危険性が示唆される」という分類になっています。
プソイドエフェドリンはBriggs基準:リスク5「原則として妊娠中の投与は避けることが望ましい」となっています。
ただ、この成分が入っている医療用医薬品の「ディレグラ」では、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」という記載になっています。
あとグリチルリチン酸ですが、医療用のグリチロンの添付文書には「グリチルリチン酸一アンモニウムを大量投与したときの動物実験(ラット)において腎奇形等が認められている」との記載があります。
ただ、この製品に入っている量であればまず問題はないかと思います。
また、ヨウ化イソプロパミドやメチルエフェドリンによって、胎児が頻脈を起こす可能性があります。
この2つは入っているとは言え量も少なめです。あまり心配は要らないかと思います。
原則として、妊娠してる方は市販薬は使わず受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)
授乳中の方
この製品の説明書には
「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」
と書いてあります。
ジヒドロコデインが入っているため、この記載があります。
とはいえ、そこまで心配する事もないかと思います。
Mothers’ Milk基準では、この製品に入ってる成分中一番リスクの高いもので、
- ジヒドロコデイン
- クロルフェニラミン
- プソイドエフェドリン
の3つが「L3(概ね適合)」となっています。
ジヒドロコデインは基本的には「授乳を避けること」となっています。母乳に移行して乳児にモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告があります。
母親に便秘や眠気などの副作用が出ている場合は授乳をやめた方が良いでしょうね。
似たようなものでデキストロメトルファンというのがあり、こちらは一応安全に使用可能となっています(効くかどうかは別)。
心配な方はジヒドロコデインが入っていない薬を選ぶようにしましょう。
「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。
心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
この場合、食後とかは気にしないでOKです。4~5時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。
また、ヨウ化イソプロパミドは乳汁の分泌を抑えてしまう可能性があります。
入ってる量が少ないので問題ないかとは思いますが。
心配な方は、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。
製品の特徴や利点、個人的な感想
この製品は「つらい鼻水・鼻づまりに」ということで、鼻の症状に特化している製品ですね。
鼻に使う成分としては、
・プソイドエフェドリン:鼻づまりを解消する
・ヨウ化イソプロパミド:鼻水の分泌を抑える
・クロルフェニラミン:アレルギー症状を抑える
の3つが入っています。
製品のサイトにはグリチルリチン酸も「抗炎症作用を発揮し、鼻の症状を緩和します」と書いてますが、医療用ではそういう使い方はしませんし、効果もないでしょう。量が少ないです。
逆に、カルボシステインについては痰の事しか書いてませんが、これは副鼻腔炎の排膿にも使われるので多少効果があるかもしれません。
熱・痛みに使うイブプロフェンは少なめです。成人に対する量としては物足りないですね。
咳止めはジヒドロコデインのみ。
他の薬ではメチルエフェドリンとセットになっていることが多いのですが、プソイドエフェドリンが入っているとメチルエフェドリンを配合することができません。
ジヒドロコデインのような中枢性の鎮咳薬は痰を硬くするので、去痰薬が入っているのは良いですね。
この製品はちゃんと鼻の症状に特化していると言えるでしょうね。
逆に、鼻以外の症状については少し弱いかと思います。
使用した方の口コミ・レビュー、値段など
「ものログ」というサイトの口コミです。
良い評価としては、
といった具合。
否定的な意見は見当たりませんでした。口コミ自体が少ないですね。
効果に対する評価は悪くないですね。
「甘草が使われていないのが決め手。甘草は他の薬で成分が重複してしまうので」というコメントがあったのですが、グリチルリチン酸が入っているので甘草が入っていなくても注意が必要です(グリチルリチン酸は甘草の主成分)。
値段について
メーカーの希望小売価格(税込)を見ると、
18錠 | 1,408円 |
ということでした。
Yahooショッピング(送料含まず)で見てみると、
包装 | 値段 | 1日分に換算 |
18錠 | 850~1,400円 | 283~467円 |
※1日分のは、1日6錠で計算
※2025年2月時点です。
こんな感じでした。Amazonとか楽天だとまた違うと思いますけど。
ん~、内容は悪くないのですが値段は微妙なところですね。
300円以下で買えれば安いかなと思います。
この記事を読んで「買おうかな?」と興味を持たれた方へ
まとめ
この記事では『パブロンセレクトN』について、各成分の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。
この製品の特徴は、鼻症状に使う成分が3つ入っているということですね。
また、カルボシステインも多少は寄与するでしょう。
ちゃんと鼻の症状に特化した製品ですね。鼻水・鼻づまりの両方に効果が期待できると思います。
一般的な風邪薬だと「鼻水・鼻づまりに」と書いていても、鼻づまりに使う成分(血管収縮剤)が入ってないのがほとんどです。抗ヒスタミン薬だけだと鼻づまりにはあまり効果は期待できません。
ただ、発熱や痛み、咳などにはちょっと弱いかもしれません。
鼻症状のみ、となると鼻炎薬で良いかもしれませんが、他の症状もちょっとあるならこの薬は選択肢の一つになるかと思います。
風邪の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。
効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします。
上の方でも紹介しましたが、再度リンクを貼っておきます
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