『ビエンリックK錠』の特徴・効果・注意点【薬剤師が解説】

この製品の特徴は「鼻水・鼻づまりに使う3つの成分が鼻炎薬として最大量配合」ということでしょうか。

第一世代の抗ヒスタミン薬を含む鼻炎薬としては、おそらく最強だと思います。
まだ記事にしてない製品でさらに強いのがあるかもしれませんけど。

使われている成分も、ちゃんと効果が認められているものですね。
あと値段も安めです。大事。

成分量が多いので眠気や口渇などの副作用は出やすいと思います。
副作用が気にならない、多少の副作用には目を瞑ってでも症状を抑えたい、という人には良いと思います。

ただ、やっぱり長期の使用には向きません。あくまで症状がひどい時だけの使用にとどめておいた方が良いでしょう。

アレルギー性鼻炎で長期使用が前提の場合は、なるべく「第二世代抗ヒスタミン薬だけの製品」にした方が良いかと思います。
※第二世代抗ヒスタミン薬については下の記事にまとめてあります。

他の鼻炎薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
鼻炎薬の一覧表

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基本情報

製造販売元:米田薬品

・主な成分

成分名1日量(15歳以上の)はたらき
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩6mg鼻水、くしゃみ、痒みを抑える
プソイドエフェドリン塩酸塩180mg鼻づまりを和らげる
ベラドンナ総アルカロイド0.6mg鼻水や涙を抑える
カンゾウ末1,200mgのどや鼻の粘膜の炎症を鎮める
無水カフェイン120mg頭痛・頭重感を和らげる
スクロールできます
成分名1日量
(15歳以上の)
はたらき
d-クロルフェニラミン
マレイン酸塩
6mg鼻水、くしゃみ、痒みを抑える
プソイドエフェドリン
塩酸塩
180mg鼻づまりを和らげる
ベラドンナ
総アルカロイド
0.6mg鼻水や涙を抑える
カンゾウ末1,200mgのどや鼻の粘膜の炎症を鎮める
無水カフェイン120mg頭痛・頭重感を和らげる

・包装

錠剤:24錠、48錠
(PTP包装)

各成分の効果・注意点

『ビエンリックK錠』の主要成分について、それぞれの効果と注意点を簡単にまとめています。

各成分名をタップ・クリックするとそれぞれの成分の簡単な解説記事にいきます。

  1. d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
    • 鼻水やくしゃみ、痒みを抑えますが、鼻づまりにはあまり効きません。
    • 特に眠気には注意してください。
    • 抗コリン作用により、眼圧上昇や排尿困難などの副作用が出る可能性があります。
  2. プソイドエフェドリン塩酸塩
    • 鼻の粘膜の血管を収縮させることで充血をとり、鼻づまりを改善します。
    • 血圧上昇や頻脈などが現れることがあります。心疾患のある方は注意が必要です。
    • 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などの疾患を持つ方も注意してください。
    • 濫用等のおそれのある医薬品」に指定されています。
  3. ベラドンナ総アルカロイド
    • 抗コリン作用により鼻水や涙を抑えます。
    • 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などの疾患を持つ方は注意を。
    • 口の渇きや便秘が起こりやすいです。
  4. カンゾウ末
    • 咳を鎮めたり、のどや鼻の粘膜の炎症をしずめる目的で配合されています。
    • 低カリウム血症に注意。だるさや痺れ、こむら返りや麻痺などがあったら中止して受診してください。
    • いろいろな漢方薬に含まれているので併用には注意を。
  5. 無水カフェイン
    • 血管拡張性の頭痛や片頭痛の症状をやわらげます。
    • 覚醒作用があるので眠気防止にも。
    • 副作用として、不眠や振戦(手の震え)、動悸、めまいなどがあります。

他の成分の薬を探してる方はこちらから。
成分の一覧表

使い方(用法・用量)

年齢1回の服用量1日の服用回数
15歳以上2錠3回
7~14歳1錠3回

食後の指定はありません。4時間は空けてください。

「1日3回」となっていますが、症状がある時だけ使う(頓用)というのでも良いかと思います。
「1日3回まで」ですね。
成分量が多めなので、症状と副作用に合わせて調節してみてください。

7歳未満の方は服用しないでくださいとのことです。

製品全体としての注意点

注意してほしいこと

いくつか注意点を書いておきます。

  • 高血圧・心臓病・甲状腺機能障害・糖尿病・前立腺肥大による排尿障害のある方は禁忌となっています。
    • プソイドエフェドリンによってこれらの症状が悪化する可能性があります。
    • 一時的に使用する分にはそれほど問題ないと思いますが、この製品の添付文書では禁忌になっているので注意してください。
  • 眠気に注意:眠気が出る可能性があるので注意してください。
    • 服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください」となっています。ただ、全然眠くならない方もいるのでそういう方は問題ないですね。
  • モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬を服用中の方:交感神経刺激作用が強く出て、血圧上昇などが起こる場合があります。
    • MAO阻害薬はパーキンソン病の治療に使われる薬です(「セレギリン」「エフピー」「アジレクト」など)。
    • 併用禁忌ではありませんが、血圧上昇や頻脈などあるなら減量・中止してください。
  • 抗コリン作用:口の渇きや目のかすみ、眼圧上昇、排尿困難、便秘などの症状が出る可能性があります。
    • 気になる方は抗コリン薬の入っていない製品を選ぶと良いでしょう。
      (抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミドなど)
  • カンゾウ(甘草):過剰摂取で偽アルドステロン症の副作用が出る場合があります。
    • 漢方薬を飲んでる方は注意してください。カンゾウが入っていないものであれば問題ありません。
    • カンゾウの解説記事にカンゾウが含まれる漢方薬(109種類)を載せているので、気になる方は見てみてください。
  • 服用期間:「長期連用しないでください」となっています。
    • 5~6日飲んでみても効果が実感できなければやめた方が良いと思います。 
    • 抗ヒスタミン薬だけなら問題ないのですが、血管収縮剤は長期で服用するものではありません。鼻づまりがひどい時だけピンポイントで使う方が良いでしょう。
    • 病院で処方してもらった方が安く済む場合も多いので、アレルギー性鼻炎で長期服用が前提なら受診した方が良いかと思います。

合ってないなと感じたらやめた方が良いと思います。他にも選択肢はあります。

妊娠・授乳中の使用について

大事な事ですが、対象者が限られるため折り畳みにしておきます。

クリック・タップで開きます。

妊娠中の方

この製品の説明書では
服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
という書き方になっています。

プソイドエフェドリンBriggs基準:リスク5「原則として妊娠中の投与は避けることが望ましい」となっています。

ただし、この成分が入っている医療用医薬品の「ディレグラ」では、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」という記載になっています。
また、「妊娠初期に塩酸プソイドエフェドリンを服薬した母親の940例の出生児に奇形発生の危険率は増加していない」というデータもあります。(参考 :Prescribing medicines in pregnancy 4th edition)

ただ、「胎盤血管収縮および腹壁破裂のリスクの可能性」があるとの記載があるものもあります。(MSDマニュアル)

ベラドンナ総アルカロイドによって胎児が頻脈を起こす可能性もありますが、これは量が少なめなのであまり心配は要らないかと思います。

鼻水・鼻づまりがひどいなら点鼻薬目のかゆみや涙が出るなら点眼薬、という選択肢もあります。

服用するにしても短期間の使用にとどめておいた方が無難だとは思います。
原則として、妊娠している方は市販薬を使わず、受診して医師に薬を処方してもらった方が良いと思います。
(というか、必ず受診してください)

授乳中の方

この製品の説明書では
服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
という書き方になっています。

ただ、それほど問題はないと考えます。

Mothers’ Milk基準では、この製品中の成分で一番リスクの高いもので、

  • プソイドエフェドリン
  • クロルフェニラミン
  • ベラドンナ総アルカロイド

の3つが「L3(概ね適合)」となっています。

「多くの薬は母親が飲んだ量の1%未満しか母乳中に移行しない」という事を考えると過剰な心配はいらないかと思います。

心配であれば授乳後に薬を服用すると良いでしょう。次の授乳までに薬はかなり分解されてます。
4時間程度時間を空けて、服用できるタイミングで服用してください。

また、ベラドンナ総アルカロイドは乳汁の分泌を抑えてしまう可能性があります。
入ってる量が少ないので問題ないかとは思いますが。

心配な方は、薬を服用中は粉ミルクを使うという手もあります。

妊娠・授乳中の薬物治療に関して不安を持つ方も多いかと思います。
そういう方の相談に乗ってくれる機関があるのでそこのサイトのリンクを貼っておきます。
妊娠と薬情報センター:https://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html

製品の特徴や利点、個人的な感想

この製品の特徴は、

  • 鼻水、鼻づまりに使う3つの成分が鼻炎用内服薬として最大量
  • カンゾウが入っている

という事でしょうか。

3つの成分とは、

  • 抗ヒスタミン薬のd-クロルフェニラミン1日6mg
  • 抗コリン薬のベラドンナ総アルカロイド1日0.6mg
  • 血管収縮剤のプソイドエフェドリン1日180mg

ですね。

第一世代の抗ヒスタミン薬を含む鼻炎薬として、この3つの成分がこの製品より多いのは存在しないと思います。
この製品が効かないのであれば、他の抗ヒスタミン薬を試すか点鼻薬を併用するの考えてみると良いでしょう。
というか、耳鼻科の受診を検討した方が良いかもです。

クロルフェニラミンも「d-」の方です。ただの「クロルフェニラミン」よりも眠気はちょっとだけ少ないはず。ほぼ変わりませんが。

血管収縮剤もフェニレフリンではなくてちゃんとプソイドエフェドリンですね。フェニレフリンは鼻づまりには効果はないとされています。

カンゾウについては何とも言えません。1日1,200mgは市販薬では多い方ではあります。
これは鼻というよりは咳や喉の炎症に使うことの方が多いでしょうか。

他の製品でグリチルリチン酸が入っているものがありますが、グリチルリチン酸40mgとカンゾウ1,000mgが同等という感じです。
カンゾウ1,200mgはグリチルリチン酸48mgくらい、ということですね。

カンゾウの事はどうでもいいとして、市販の鼻炎用内服薬としては最強の部類でしょう。
その分、眠気や口渇などの副作用は出やすいと思います。気になる方は調節して使ってみると良いでしょうね。

副作用が気にならない、多少の副作用には目を瞑ってでも鼻水・鼻づまりを抑えたい、という人には良いと思います。

ただし、長期間の服用はおすすめしません。

アレルギー性鼻炎には第二世代抗ヒスタミン薬を使うのが基本となります。
でもそれを使いながらも、仕事中や外出先で急に鼻水が止まらなくなったり、鼻づまりが悪化した時などにこの製品を頓用として使用するには良いと思います。

市販薬の場合、「本剤を服用中は他の鼻炎薬等を使用しないで」となっていますが、症状がひどい時は一時的に複数の抗ヒスタミン薬を使うことはよくあります。

使用した方の口コミ・レビュー、値段など

「ものログ」というサイトの口コミです。

良い評価としては、

「早く効き目が実感出来る」
「安いのに効果実感」
「錠剤なので飲みやすい」

といった具合。

否定的な意見としては、

「自分は効きが弱かった」
「喉は渇く」

といった感じ。

評価は高めではありますね。
でもレビューの数自体が少なめ。

効きが弱かったという方が一人。抗ヒスタミン薬は人によって効き方が違います。
ただ、ほとんどの製品はこの成分と同じものを使っています。
これが効かない人は違う成分を探したり点鼻薬を試してみると良いかもですね。

あと、この製品は錠剤ですね。鼻炎薬はなぜかカプセルタイプのが多めなので、カプセルが苦手な方には良いかもですね。

値段について

メーカーの希望小売価格(税込)を見ると、

24錠1,320円
48錠2,420円

ということでした。

Yahooショッピング(送料含まず)で見てみると、

包装値段1日分に換算
24錠450~1,000円113~250円
48錠800~1,400円100~175円

※1日分のは1日6錠で計算
※2025年3月時点です。

こんな感じでした。Amazonとか楽天だとまた違うと思いますけど。

ほとんどは送料がかかるので上の通りではないのですが、
一番コスパが良いのは「48錠・1,100円・送料無料」のかな?
これで1日あたり約138円ですね。

十分安い方だと思います。

この記事を読んで「買おうかな?」と興味を持たれた方へ

まとめ

この記事では『ヒストミン鼻炎錠』について、各成分の効果と注意点、個人的な感想、使用者のレビューなどをご紹介しました。

この製品の特徴は「鼻水、鼻づまりに使う3つの成分が鼻炎用内服薬として最大量」という事でしょうか。
カンゾウはどうでもいいですね。
あと値段が良心的。

第一世代の抗ヒスタミン薬を含む鼻炎薬の中では最強だと思います。たぶん。
まだ記事にしてない製品でさらに強いのがあるかもしれませんが。

でも市販薬に配合できる成分量は上限が一応決まっているので、これより強いのは無いと思います。

といっても、抗ヒスタミン薬は人によって効き方が変わってきます。
この製品が効かない方は、違う抗ヒスタミン薬や点鼻薬を試してみると良いでしょう。
できれば耳鼻科を受診した方が良いと思いますが。

長期の使用には向きません。できれば症状がひどい時だけ頓用で使用するようにしてください。

アレルギー性鼻炎の場合は長期使用が前提になるかと思いますが、長期使用の場合はなるべく「第二世代抗ヒスタミン薬だけの製品」にした方が良いかと思います。
「第二世代が効かない」「鼻づまりがひどい」という時だけ「第一世代を使ってみる」「血管収縮剤を使う」という事をしてみてください。

※第二世代抗ヒスタミン薬については下の記事にまとめてあります。

他の鼻炎薬については一覧を作ってあるのでこちらを見てみてください。まだ数は少ないですが。
鼻炎薬の一覧表

鼻炎の症状で悩まされる方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。

ただし、ご紹介した内容は一般的な情報に基づいており、個々の体調や症状によって適切な対応は異なる場合があります。

効果を感じられない場合や、症状が改善しない場合は、適切な医療機関を訪れることをお勧めします

上の方でも紹介しましたが、再度リンクを貼っておきます

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