「カルボシステイン」の解説 
作用・使用上の注意・製品一覧

「カルボシステイン」についての簡単な解説です。

目次

カルボシステインを含む市販薬の製品一覧

解説記事を書いたことのある製品を載せています。

※ここでご紹介している製品がすべてではありません。
あと、すでに製造中止になっている製品もあるかもしれません。
そのへんはご了承くださいますようお願い申し上げます。

風邪薬(総合感冒薬)

クリック・タップで開きます。

製品名をクリック・タップすると、その製品の解説記事にいきます。

製品名1日あたりの成分量
ストナプラスジェルEX750mg
パブロンエースPro750mg
パブロンエースPro-X750mg
パブロンセレクトN750mg
パブロンセレクトT750mg
パブロンSゴールドW750mg
ベンザブロックL
プレミアム
750mg
ルルアタックCX750mg
ルルアタックCX
プレミアム
750mg

市販の風邪薬では1日最大750mgとなっています。
(「かぜ薬の製造販売承認基準について」より)

今まで書いたことのある製品はすべて1日750mgですね。

総合感冒薬(かぜ薬)の一覧表もあるので見てみてください。
製品ごとの主要成分も載せています。

分類・作用機序

L-カルボシステインの化学構造式

「ムコダイン」の添付文書より

分類

去痰薬ですが、去痰薬にもいくつか種類があり、
これは「気道粘液修復薬」となります。

添付文書では「気道粘液調整・粘膜正常化剤」と書いてますね。

作用機序

痰は9割以上は水でできていますが、残りはムチンという成分で構成されています。

このムチンはシアル酸フコースという糖からできています。
通常はシアル酸が多く痰はサラサラしているのですが、ウイルス・細菌感染などによりフコースが増えると痰がネバネバします。
そのネバネバがウイルス・細菌を絡めとって体内に入りにくくするんですね。

ただ、あまりネバネバが強いと痰を出しにくくなります。

カルボシステインはこのシアル酸とフコースの構成を変える(正常化する)ことで痰をサラサラな状態に近づけます。

あと、ムチンの生成を抑える作用もあります。
つまり、痰の量を減らすんですね。

他にも、気道の炎症を抑えたり、気管支粘膜上皮の線毛細胞の修復を促進する(痰を出しやすくする)作用もあります。

痰だけではなくて、鼻粘膜の粘液線毛の機能を改善する作用もあります。

効果や使用方法

効果

痰をサラサラにしたり、線毛細胞を正常化することで、痰を出しやすくします。

副鼻腔炎や中耳炎の排膿にも使われてますね。

医療用の使用例

  • 痰が絡む咳
  • 慢性の気管支炎
  • 気管支喘息
  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)
  • 副鼻腔炎

によく使われていますね。

小児だと滲出性中耳炎の排膿にも使われます。

排痰・排膿だと真っ先に使われる薬ですね。

よくアンブロキソールとセットで処方されます。
・カルボシステインは痰をサラサラに
・アンブロキソールは痰の滑りを良くする
と効果が違うので、合わせて使うとより効果的ですね。

痰が絡まない咳のときは使う必要はないかと思いますが、痰が絡んでるせいで咳が出る場合はほぼ必須です。

また、痰が原因で咳が出る場合は咳止めは使わず去痰剤だけ使用した方が良いでしょう。
咳止めを使うと逆に痰が出しにくくなる場合があります

用法・用量

市販薬では基本的に
1回250mg・1日3回が多いでしょうか(1日750mg)。
市販の風邪薬では1日750mgが最大用量です。

医療用では
通常1回250~500mg・1日3回(1日750~1,500mg)使われます。

成人だと大体は1日1500mg使うので、市販のはその半分ですね。

安全な薬だと思いますし、市販でも1,500mg/日使っても良いと思いますけどね。

使用上の注意点

副作用

副作用が出ることは滅多にないですが、稀に食欲不振、腹部不快感などが出る方がいます。

あと固定薬疹が出る方もいます。

固定薬疹
・同じ薬剤を摂取すると同じ部位に再発。
・発疹は丸いまたは楕円形の紅斑が多く、色素沈着が残ることが多い。
・痒みや痛みを伴うこともある。
・中止すれば治癒しやすいが、再投与すると再発。

通常の固定薬疹は内服後30分~数時間以内に現れますが、カルボシステインの場合は内服から数日してから出てくる事が多いです。

去痰薬を飲んで薬疹が出た経験がある方は注意してください。

相互作用

他の薬や食べ物との飲み併せで問題になるものはありません。
使いやすいですね。

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